コピーライティングを実施して商品を売ることを考えるとき、必ず意識しなければいけないことがあります。こうしたものの代表にマインドセット(心の持ちよう)があります。
どれだけ事前にセールスライティングを学ぼうとしても、適切な知識がないために良いコピーを書くことができないのです。正しいマインドセットや手順を理解しているからこそ、テクニックが活きてくるようになるのです。
それでは、商品を売るコツとしては何を学ばなければいけないのでしょうか。
コピーライティングを実施するにしても、理解するべき順番がありますし、何をしなければいけないのか事前に考えるべきことも存在します。ここでは、あらゆるビジネスで必要なコピーライティングでのマインドセットのキモを解説していきます。
3つのNOT:お客さんは広告を読まない・信じない・行動しない
コピーライティングの中でも特に重要なマインドセットとして、「自分が書いたコピー文章に対して、お客様は読まない・信じない・行動しない」というものがあります。具体的には、以下のようになります。
- 読まない(Not Read)
- 信じない(Not Believe)
- 行動しない(Not Act)
この3つをまとめて、「3つのNOT」といいます。
このマインドセットをしっかりと認識した上でコピー文章を書かなければ、お客さんに宣伝している商品を買ってもらうどころか、広告を読んでもらうことすらできません。
あなたの文章を読まない(Not Read)
初心者であるほど、「お客さんは自分が書いた文章を必ず読んでくれる」と考えます。しかし残念なことに、これは大きな間違いです。またこのような考え方で書かれた文章は、ほぼ間違いなく誰にも読まれることはありません。
想像してみればわかると思いますが、あなたの自宅に何の興味もない会社の商品の広告が届いたとき、あなたはその広告の文章を読むでしょうか。
実際のところ、まったく内容を見ずに捨ててしまうと思います。以下のようなチラシが入っていても、0.5秒以内に「不要」と判断してゴミ箱にいれるはずです。
このように、あなたは他社の広告に対して無視します。ただ同じように、「あなたが書いた広告のコピー文章は、お客さんに読まれない」ことを認識する必要があります。お客さんはあなたのことにまったく興味関心がないのです。
そこで、このような気持ちの相手に対して、どうすれば自分の文章を読んでくれるかを必死に考えなければなりません。こうした心構えを身につけることで、「コピーライティングをマスターすることの重要性」を理解できるようになっていきます。
あなたの文章を信じない(Not Believe)
ただ、たとえお客さんに広告の文章を読んでもらえたとしても、お客さんは文章の内容を一切信用しません。このことは、どれだけ誠実な気持ちで書いた文章であっても起こります。
お客様の信頼を得られやすくするコピー文章の書き方としては、「自社の専門性を明確に示す」「商品のメリットだけでなく、商品の短所を包み隠さず伝える」といったものがあります。これらをうまく取り入れて、何とかしてお客様に信じてもらえるよう努力する必要があります。
しかし、どんなに嘘偽りない文章を書いたとしても、こちらを信用してくれないお客様は多いです。この現実を理解した上で、証拠を提示しながら信じてもらえるように仕向けましょう。
例えば、「ビジネスを開始して1年後に月100万円の自動収益を発生させる方法を教えます」という文章があったとき、どのように思うでしょうか。
多くの人は胡散くさいと感じて信じません。実際、ネットビジネスだと以下のような誇大なコピー文章が蔓延しているため、すぐにウソだと判断されます。
ただ、私はWebサイト運営の手法を教えている立場ですが、私の場合だと実際に運営しているWebサイトを公開しています。誰もが確認できる状態であり、検索すればすぐに私のサイトを見ることができます。例えば、以下は運営サイトの一つです。
月300万PV以上の薬学サイトであり、これ一つだけで月100万円は軽く超えます。
ただ、コンサルティングをしている以上は私だけが成果を出しても意味がありません。クライアントが大きな成果を出してこそ、本物のコンサルタントだといえます。そのため、実際に指導して成功者になった人の実例を「お客様の声」として掲載しています。
実際にこうした人たちのWebサイトも検索すれば確認することができるため、100%の確率でウソ偽りがないことが分かります。
私の場合、「お客さんは絶対に信用しない」というマインドセットがあるからこそ、絶対に信じるしかないこうした証拠をいくつも提示しています。そうすることで、ようやく本物であると確認してもらえるようになるのです。
あなたの文章を読んでも行動を起こさない(Not Act)
また、たとえお客様があなたのコピー文章を読み、なおかつその内容をすべて信じてくれたとしても、お客さんは100%の確率で行動を起こしてくれません。
広告を読み終わったお客様さんは、広告のオファーについてどのように対応すればいいかを検討した後、「とりあえず、後日決めよう」と判断します。そうして広告を手放して別の用事に取り掛かったとき、お客さんは読んだ広告の内容をすべて忘れてしまいます。つまり、商品は買われません。
これを避けるためには、お客さんがすぐに行動を起こしたくなるような仕掛けを考えなければいけません。例えば期間限定の特典を付けたり、購入できる人数の制限を商品に設けたりするのです。このような方法を取ることで、何とかしてお客様が行動したくなるような状況を作らなければなりません。
例えば、以下のような期間限定にしているコピーは頻繁に見かけます。
なぜ、こうした限定性を打ち出しているのでしょうか。これは、その場でお客さんに「購入する」という行動を促しているためです。
私の場合であっても、生の実例を出したり情報を全公開したりして信じてもらえるように努力していますが、その中で実際にメールマガジンへ登録したりセミナーに参加してくれたりする人は少数です。人は信じても行動しないのです。そこで、何とかして行動に移すように仕向ける必要があります。
セールスライティングで5つのNOTまで意識すると完璧
このように、広告のコピー文章を書く場合には、「読まない・信じない・行動しない」の3つのNOTを認識しておく必要があります。
これらを理解した上で、「どうすればお客さんが広告を読みたくなるのか」「どういう文章を作り上げればお客さんがその内容を信じてくれるのか」「お客さんがすぐ行動に移したくなるようにするには、どうすれば良いのか」の3つを考え、そのための試行錯誤を続けていく必要があります。
ただ、セールスライティングでは3つのNOTではなく、5つのNOTといわれることもあります。5つのNOTだと、さきほどの3要素に加えて「開かない(Not Open)」「理解しない(Not Understand)」が加わります。
具体的には、以下のようになります。
- 開かない(Not Open)
- 読まない(Not Read)
- 信じない(Not Believe)
- 行動しない(Not Act)
- 理解しない(Not Understand)
商品を売るコツとしては、これら5つすべてを意識すると、セールスライティングの精度がより高まるようになります。新たに加わった2つの要素としては以下のようになります。
メルマガや見出しなど、タイトル・件名を工夫してNot Openを超える
なぜ、多くの人は広告を手に取った瞬間にゴミ箱行きにするのでしょうか。これは、魅力的なタイトル・件名を付けることができていないからです。お客さんにとって、惹きつける見出しになっていないのです。
例えばWebサイトで記事タイトルを付けるとき、そのタイトルを見て多くの人は「読むかどうか」を決めます。以下のような、検索エンジンの検索結果の中から、タイトルを確認して最適な内容かを瞬時にチェックするのです。
他にも、メルマガ(メールマガジン)を送る場合であればどうでしょうか。このときも同様にタイトルから中身を確認するかどうかを決定します。
タイトルや件名が微妙だと、クリックされません。つまり、開かれることがないのです。
同じように、DM(ダイレクトメール)や新聞折り込み広告を含め、キャッチコピーがダメだと手に取ってくれることすらありません。そこで、タイトルを工夫することで最初に「開いてもらう」というステップをクリアしなければいけないのです。
一人のペルソナに絞る作業は必須
前述のように、開かない(Not Open)をクリアするうえで、タイトルの工夫は重要です。ただ、これ以外にも考慮すべき点があります。
それは、「文章を書くときには、一人の人間(ペルソナ)を設定する作業が必須だ」という注意点です。
多くの人はいろんな人をターゲットにしようと考えます。例えば、「この商品を女性に買ってもらいたい」などのようにターゲットを幅広く設定するのです。ただ、女性とはいってもどのような属性の女性なのか不明です。
- 20歳の貧乏大学生
- 40代のキャリアウーマン
- 30代前半の育児中の主婦
このように、同じ女性であっても属性がまったく異なります。そこで、ターゲットを一人の人間に絞らなければいけません。商品を買ってほしい人を絞るからこそ、その人に向けた刺さるメッセージを発することができるようになるのです。
例えば、「肩こりで悩んでいませんか?」と言葉を投げかけるよりも、「オフィスワークの肩こりに最適!」とした方が反応率は圧倒的に向上します。
実際のところ、営業マンやOLを含めあらゆる人がオフィスワークなので、絞っているようで実は絞っていません。ただ「オフィスワーク」と書き加えるだけで 、より反応は大きくなるのです。
具体的な数値の魔力:数字を取れ入れたコピーライティング
これに加えて、Not Openの壁を超えるために数字も意識しましょう。人間は数値が大好きです。数字をタイトルや見出しに入れるだけでセールスライティングの反応率が上昇します。
例えば、次のタイトルであればどちらに引き付けられるでしょうか。
- サイトにアクセスを集める方法
- サイト開設後3ヶ月でサイトに2,000アクセスを集める7つの方法
このように並べれば一目瞭然ですが、数値を入れるだけで見栄えが全く違ってきます。単にタイトルを付ければいいのではなく、数値を入れなければいけません。数字を入れることによって、より具体性が増すようになります。
ただ、何でも良いから文章の中に数値を入れれば良いわけではありません。きちんとした根拠に基づいて数字を出す必要があります。例えば「サイト開設後1ヵ月以内に月100万円!」といったところで、誰がどう考えてもウソだと分かります。
こうしたウソを述べても「お客さんは信じない(Not Believe)」の壁にぶち当たるため、奇抜な数字・言葉を並べればいいわけではないのです。そうではなく、証拠を提示しながらお客さんを信じ込ませなければいけません。
また、より反応率を上げるコツとしては、「より具体的な数字」を述べることがあげられます。例えば、以下のような2つの文章があるとします。
- 200万人の使用実績!!
- 186万人の使用実績!!
この場合であると、後者の方がより高い反応率を得ることができます。もちろん根拠は必要となりますが、コピーライティングとして数値を出す場合、より具体的な数値のほうが、信頼性が高いのです。
「186万人の使用実績!!」と後者の方が人数は少ないですが、より具体性を打ち出すことができます。こう考えると、「レモン200個以上のビタミンC」よりも「レモン180個分のビタミンC」とした方が良いです。また、「お客様満足度95%」よりも「お客様満足度94.7%」とした方がより信頼性が増します。
「信じない(Not Believe)」にも通じますが、いずれにしても信ぴょう性の高い内容にすることがセールスライティングで商品を売るコツの一つとなるのです。
理解しない(Not Understand)で分かりやすく説明する
これらを理解したうえでコピーライティングを実装すれば、高確率で製品が売れるようになります。ただ、言葉を書くときに多くの人は「専門用語を使う」というミスを犯しがちです。
例えば、「サイト作成を考えている人に向けての集客」を考えているとき、以下のような言葉が並んでいたらどうでしょうか。
- SEOで上位表示される対策を実施
- コピー作成よって反応率を上げるサービス
- キーワード選定でターゲット読者を集客
コピーライティングについて既に学んでいる人であれば、こうした言葉について理解しているため、問題なく内容を理解できます。ただ、Web集客やセールスライティングの知識がゼロの人ではどうでしょうか。たぶん、こうした文章を読んだときに以下のように考えます。
- SEOは「セオ」って読むの?
- コピーって何? コピー機のこと?
- キーワード選定はなぜ必要なの?
どれだけタイトルが優れており、お客さんを信じさせる証拠があり、行動させる仕組みがあったとしても、文章の内容を理解できない時点でお客さんは離脱していきます。
専門家を相手にするとき、専門用語を使えるので説明は非常に簡単です。ただ、ビジネスでは素人を相手にするのが大原則です。そこで、コピー文章では誰が読んでも理解できる内容に仕上げましょう。
分かりやすい文章を書く人が意識していることとして、「中学生でも理解できるようにかみ砕いて説明している」ことがあげられます。 したがって、専門用語を使う前には、必ずその専門用語の説明を加えるようにしましょう。
例えば、「心理学をマスターすればコピーライティングのテクニックは完璧になります」と言われても、あまりピンときません。そこで、「『なぜ人が動くのか』を学ぶ『心理学』をマスターしましょう。そうすれば、文章の力だけで人を行動させる、コピーライティングのテクニックは完璧になります」のように文章を変えます。
「心理学」という単語を使う前にその説明を行い、「コピーライティング」の言葉を使う前にもその説明をしています。これを意識すれば、とても分かりやすい文章を書けるようになります。
多くの人はいきなり専門用語を使うために理解の難しい文章になってしまいます。そこで、これら専門用語を使う直前に「専門用語自体の説明」を行えば、誰でも理解できる文章になります。
同じ説明を、言葉を変えて何回も行う
また文章の中で何回も同じ説明を繰り返すことにより、記事内容がより分かりやすくなります。多くの人は「一度説明すれば、その説明を再び行う必要は無い」と考えます。しかし、実際には逆です。
人はそこまで記憶力が良くないです。そのため、もう一度説明しなければ忘れてしまいます。何度も説明を繰り返し行うことで、頭の中に刷り込まれるのです。ただ、同じ説明とはいっても言葉や表現は変えなければいけません。
こうした注意点を押さえた上で何回も同じ説明をすることで、ようやく人間は理解できるようになります。
今回の記事についても、言葉や表現は若干変化させていますが、重要だと思う部分は同じことを何回も伝えています。これにより、「3つのNOTや5つのNOTをより確実に理解してもらえる」ように工夫しています。これを意識すれば、中学生でも理解できる文章を書けるようになります。
商品を売るマインドセットを理解する
どれだけセールスライティングのスキルを磨き、テクニックを身に付けたとしても、まったく商品が売れないことは多いです。この理由は単純であり、お客さんの心理を理解していないからです。
コピーライティングでは顧客心理を学ぶことから始めなければいけません。お客さんが何を考えているのかを知れば、多少は文章の内容が下手でも商品は売れていきます。一方で何も考えずに小手先のテクニックに走れば、反応率がゼロのままです。
こうしたとき、必ず理解するべきものが3つのNOTです。また、より完璧に考えるのであれば5つのNOTまで意識するようにしましょう。
セールスライティングでこうしたお客さんの心理を学べば、「どのようにして商品を売るように仕向ければいいのか」について、ようやく理解できるようになります。すべての壁をクリアして、ようやく顧客は「買う」という行動を起こします。そこで、スムーズに購買してくれるように仕向けましょう。
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