セミナー・プレゼン

セミナータイトルや内容構成の作り方を学び、講演を成功させる

ビジネスをするとき、セミナーは非常に重要なツールとなります。セミナーを開催することで、その後の高額商品が売れていくようになるからです。

たとえ5,000円のセミナーであっても、100万円以上する高額商品を販売することは十分に可能です。それだけ、セミナーでの対面販売は威力が大きいのです。

ただ、普通にセミナーを開催するだけでは人が集まりませんし、その後の高額商品(バックエンド)も売れません。セミナーというのは、戦略を練って実施するからこそビジネスで大きな売上を出せるようになるのです。

また、ビジネス目的ではなく講演依頼を受けた場合であったとしても、どれだけお客さん満足させることができるのかは講演の内容にすべてがかかっています。

そこで、まずはどのようにしてセミナーでの講演内容の構成を考えればいいのかについて、組み立て方を知らなければいけません。ここでは、講演タイトルやコンセプトの作り方を含めてセミナー内容の構築方法について解説していきます

セミナーに来るお客さんの属性を理解するのが最初のステップ

まず、講師としてセミナー内容を構築する前に必ず行わなければいけないことがあります。それは、集まるお客さんの属性を知ることです。

自社開催のセミナーであれば、「誰をターゲットとしており、どのような人が集まってくるのか」を理解していると思います。ただ、講演依頼を受けるときのように主催者が別の場合は、聴衆として集まってくるのが誰かを事前に確認するようにしましょう。参加する人が分からなければ、どのようなセミナー内容にすればいいのか不明だからです。

例えば私の場合、以前に岡山大学(私の母校)から声がかかって講演会に講師として招かれたことがあります。このとき、演者として何を話せば参加者に満足してもらえるのか分からなかったため、「聴衆として誰が集まるのか」を尋ねました。そうすると、以下のような回答がありました。

メインの参加者は「在学生」とあります。つまり、大学生が対象になります。私はこのときビジネスに関する講演を引き受けたわけでですが、大学生相手なので知識ゼロの初心者向けの内容に仕上げることにしました。

一方で私はサイト運営事業を展開していることから、「Webサイト運営によってビジネスを加速させるためのセミナー」を行うこともあります。このとき、起業家や経営者が相手なので話の内容はより高度に設定しています。

聴衆の対象が違えば話すべき内容も変わってきます。そのためセミナー内容の考え方としては、最初に「誰をターゲットに講演をするのか」を明確にしましょう。これを明確化しなければ、どのようなセミナーであっても講演すべき内容がズレてしまいます。

コンセプトを決め、インパクトのある面白いタイトルの付け方を学ぶ

話を聞きに来てくれるお客さんの像が明確になった後、次はコンセプトを決定しなければいけません。要は、どのような内容で話をするのかザックリと決めるのです。伝えたいことを一つに絞ったうえで内容を考えていくのです。

例えば私の場合、サイト運営によるビジネスセミナーを開催することが頻繁にあるものの、「サイト作成で成功する方法」などのような漠然としたテーマで開催することはありません。そうではなく、何を学べるのか明確にします。例えば、以下の通りです。

  • 莫大なアクセスを集めるライティングセミナー! 1年後に月10万PVを集めた手法を公開
  • ビジネスでのジャンル決めを行い、確実に稼げるサイトテーマの設定法を公開
  • アフィリエイトを行い、ライバル不在で独り勝ちするブルーオーシャン戦略

それぞれ、上から順に「アクセスを集める方法を学べる」「参入ジャンルの決め方を学べる」「アフィリエイトで稼ぐ方法を学べる」などと、誰でもセミナー内容が分かります。

ターゲットを明確にした後、お客さんが喜ぶ内容を考えるようにしましょう。何を学べるのか明確に分かる、インパクトのある面白いタイトルをつけるのがコツです。

・セミナータイトルのダメな例

ただ、実際のところ多くの人はダメなタイトルを付けます。例えば、以下のようなタイトルがあげられます。

  • コーチングとは
  • 会社設立のために

いわゆる最悪な例です。「○○とは」というタイトルであり、一体どのようなセミナーなのか理解できません。そのため、受講者も集まりません。

重要なのは、「コーチングを学んでどうなりたいか」「会社設立してどうしたいか」です。例えば、会社設立であれば「節税対策によって年間何百万円も節約したい人」がいれば、「従業員を雇ってこれからビジネスを始める方法を知りたい人」もいます。

もちろん、誰をターゲットとするかによってメッセージが異なります。ただ、少なくとも上記のタイトルでは参加するメリットが一つもなく、誰にも刺さりません。

また、他にも次のようなセミナータイトルを見てどのように思うでしょうか。

  • 私が経営コンサルタントになった理由

このタイトルを見たとき、あなたは「別に知りたくない」と思うはずです。しかし、自分がセミナーを開催するとなると、多くの人がこのようなタイトルをつけようとします。既に有名な人なら別ですが、「わがコーチング人生」「生きるとは何か」など、どうでもいいタイトルをつける人は多いです。

最後に、もう一つダメな事例をみてみましょう。

  • 速読術を使って脳の処理能力をレベルUP!

これまでの中では最もまともなタイトルですが、このタイトルでも受講者は集まりません。メリットが弱すぎるからです。「速読術を学んで脳の処理能力が上がった後にどうなるのか」というメリットが欠けているのです。

速読術を学びたい人は少ないです。ただ、速読術を学べば「仕事の効率が2倍になる」であれば刺さる人がいるかもしれません。それを学んだ後にどうなるのかという、メリットとなる現象を付け加える必要があります。

セミナー集客に必要なタイトルの作り方は共通点がある

こうしたことを踏まえ、セミナータイトルの決め方にはポイントがあります。

例として、「莫大なアクセスを集めるライティングセミナー! 1年後に月10万PVを集めた手法を公開」というタイトルでセミナーを開催するとします。このとき、以下のポイントを留意しています。

1. ターゲットが明示されている

まずは来てほしい人を明確にしましょう。今回の例であれば、サイト運営でのアクセスアップに困っている人がターゲットです。

2. メリット、ベネフィットがある

セミナーへ来て、何を学べるのか分からなければいけません。そこで、「1年後に月10万PVを集めた生の事例を授ける」という明確なメリットを示しました。

3. 数字が入っている

必ず入れる必要はないですが、タイトルに数字をいるとキャッチーな内容になります。インパクトが増大するため、入れるとセミナー集客で成功しやすいです。

4. 独自性がある

普通のセミナーを開催しても、誰も参加しません。いまどき「サイト運営セミナー」を開催しても行きたいとは思われません。そこで、ライティング方法を伝えることで莫大なアクセスを学べるという独自性を打ち出しました。

これらのポイントをきちんとおさえ、タイトルを作成していきます。タイトルで見込み客の興味を引くのです。こうして、ようやくセミナーに参加するかどうか判断してくれるようになります。

多くの人はタイトルで既に失敗しているため、集客は上手くいきません。タイトルが悪ければいくらセミナーの内容が良くても集まりません。実際にセミナーを受けてみなければ、善し悪しの判断がつかないからです。

セミナーの組み立て方・まとめ方を理解する

このように、最初にターゲットの明確化とタイトルの決め方を理解したうえで、コンセプト作成を行うようにしましょう。こうしたことを理解していない人は多く、実際のところプレゼン初心者であると、いきなりスライド作りから始める人がほとんどです。

ただ、始めにスライド作成から入ってしまうと、ほぼ間違いなく聞き手の心に響かない内容になってしまいます。伝えるべきポイントが多くなってしまい、何を言いたかったのは分からない内容になるからです。

例えば2時間のセミナーであると、持って帰れるノウハウは多くても3つです。それ以上を伝えようとしても意味がありません。

セミナーのコンセプトや目的(何を伝えるのか)を決め、それを達成するためにあなたがもっている経験やノウハウを理論立てて並べることにより、1つのストーリーを作り上げるのです。多くの人はセミナーに伝えたい内容を詰め込み過ぎようとしますが、伝えるべきことを絞るようにしましょう。

先ほどの例でも、「アクセスを集めるライティング術を教える」というセミナー内容に特化させました。これと同じように、内容を絞りましょう。

プレゼンのゴールは「聴衆を購読させる」ことにある

なお、あなたが聴衆の前で話をするとき、何をゴールとしているでしょうか。セミナー講師として聞き手を満足させることに力を入れている人もいますが、それだけでは不十分です。

セミナーや講演を行う全員の人に共通していますが、「話が終わった後、聴衆を行動させること」を最終ゴールとして意識するといいです。

話を聞いて「良い内容のセミナーだった」と思ってくれたとしても、ほとんどの聞き手が行動してくれないのであれば、そのセミナーは失敗です。話が終わって聴衆が会場を出た後、家に帰ってすぐに行動へと移させるようなプレゼンを行わなければいけません。

例えば営業セミナーを開催する場合、「セミナーで聞いたノウハウをちょっとだけ試してみると、仕事で上手くいくようになった」「新たな契約を立て続けに3件も獲得できた」などの声が聞こえてこなければいけません。聞き手に行動させてこそ、そこにセミナー講師の意味があります。

このゴールを達成するため、「セミナー後に持ち帰ってもらいたいノウハウ」を決定しておく必要があります。ここまでを決めた後、ようやく中身を作るようにしましょう。

2時間のセミナーを構築するためのステップ

それでは、具体的にセミナーを構築するにはどのように行動すればいいでしょうか。ここでは、例として2時間のセミナーを開催することを考えます。2時間のセミナーの作り方を理解していれば、やり方は同じなので3時間や4時間のセミナーを作るのは難しくありません。

2時間(120分)のセミナーでは、最初に「90分と30分」の2つに分けます。前半90分はセミナーの内容を解説し、最後30分はバックエンド(高額商品)の販売を行います。

それでは、最初に本編の90分でどのようにセミナーを作っていくのか説明していきます。このときは「3 × 3のツリー構造」で考えてください。

まず、90分を3つに分けて「30分 × 3」で考えます。この30分の中をさらに「ノウハウ、事例、ワーク(受講者に作業を行ってもらうこと)」で分けていくのです。

これが、セミナー構築の基本です。セミナー初心者であると90分の本編だけで大きく考え、その中にノウハウを詰め込もうとします。そうではなく、3つに細かく区切ることでそれぞれを完結させるのです。

つまり、2時間のセミナーでは以下のようになります。

  1. 自己紹介+時代背景
  2. 本編1(ノウハウ、事例、ワーク)
  3. 本編2(ノウハウ、事例、ワーク)
  4. 本編3(ノウハウ、事例、ワーク)
  5. アンケート+バックエンド販売

このとき、起承転結まで考えなくても問題ありません。初めから緻密に計算してセミナーができる人はいないです。それよりもセミナーとして独自のノウハウを提供することを念頭に置けば受講者は満足してくれます。

ちなみに2時間のセミナーであれば、休憩なしで続けてもギリギリ問題ない時間です。ただ、基本は1時間に1回は休憩を入れるのが無難です。

バックエンド販売の時間を確保する

このときビジネス初心者であるほど、セミナーでのバックエンド(高額商品)の販売を行おうとしません。一方、ビジネスで稼げる人であるほどバックエンド販売を行います。

また、受講者の中は「高額なお金を出してでも、あなたに直接教えてほしい」「ゼロからの指導によってカスタマイズして欲しい」と思っている方が必ずいます。バックエンドを販売しなければ、これらの人の不満を解消することができません。

そのため、「個別コンサルなどのバックエンド販売を行える人であるほど、お客様のことを考えられる人である」と認識しなければなりません。ここを勘違いしている人は多いです。

ただ、バックエンド販売を行うときに「30分の時間を確保する」ことは先に話した通りです。ビジネス初心者では、最後の5分だけ使って商品を販売しようとする人がいます。しかし、これでは商品は売れません。

そこで、セミナーの中できちんと時間を確保して高額商品を販売する必要があります。可能なら1時間ほどの時間を設けるといいですが、2時間のセミナーだとバックエンド販売は30分ほどに凝縮しなければいけません。

参考までに、3時間のセミナーだと「2時間(本編3つ) + 1時間(バックエンド)」で構築するといいです。4時間のセミナーであれば「3時間(本編3つ) + 1時間(バックエンド)」となります。本編については、先ほどと同じように「3 × 3に分けて実施する」といいです。基本的なセミナー構造はどれも同じです。

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ワークを活用し、セミナー満足度を高める

なお、セミナー内容を考えるときは必ずワークを入れるようにしましょう。実際のところ、ほとんどのセミナー講師がワークを入れていません。しかし、ワークを入れたほうがセミナー満足度は圧倒的に高まるようになります。さらには時間調節をしやすくなるため、ワークをいれることはメリットしかありません。

ワークでは、セミナー内で話したことを確認するために例題を出します。セミナー受講者には、その例題を解いてもらうようにしましょう。

例えば私の場合、過去のセミナーで以下のようなスライドを作り、ワークをしてもらったことがあります。

このときはサイト運営でのジャンル決め(儲かるビジネスモデルを組む方法)に関するセミナーをしたのですが、この中で実際に儲かる分野と儲からない分野として何があるのか考えてもらうようにしました。

実際に時間を取って考えてもらい、さらには発表してもらうことでセミナー内容を深めていきます。当然、中には面白い回答もあるので私自身も勉強になることがあります。

聞くだけでは分かりません。ワークとしてその場で考えさせ、体験させるからこそセミナー内容が深まるようになります。

また、ワークでは5~10分ほどの時間を取ります。ワークの時間はそれなりに長いため、どれだけ取るのかによってセミナー終了時間を調節できます。

思ったよりもセミナーが長引けば、ワークの時間を短くする(または省く)といいです。また、意外とセミナーが早く終わりそうな場合、ワークの時間を長めに取れば問題ありません。セミナーの満足度を高めるだけでなく、終了時間を調節できることでもワークは重要になります。

セミナーの内容を構築する

講演内容の作り方には、適切な組み立て方があります。何も考えずにすると失敗しますが、講演内容の作り方を理解したうえで実践すれば受講者の満足度は高まります。

まず、ターゲットとする人がどのような属性の人たちなのか把握しましょう。セミナーを聞きに来る人たちの人物像が分からなければ、セミナーコンセプトを決めることができません。

また、コンセプトを決めた後は「何を学べるのか」を明確にした後、その内容をもとにしてセミナー内容をまとめるようにしましょう。伝えることは多くても3つまでであり、できれば一つの内容に特化して内容を作るといいです。

このとき、最適なまとめ方としては「いくつかの本編を用意し、それぞれでノウハウや事例、ワークを入れる」ことがあげられます。そうしてセミナー内容を作り上げ、満足させたうえでバックエンド販売まで行えば、感謝されながらも成功するセミナービジネスを実践できるようになります。

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