副業であれ本業であれ、セミナービジネスを行うときは考えなければいけないことがあります。それは、どうやって稼ぐかです。
ビジネスを行う以上、利益を出すことにフォーカスしなければいけません。これをしなければ、そもそもビジネスを続けることができなくなり、破綻してしまいます。
実際のところ、適切なやり方をすればセミナー講師業として講演会を開催することによって稼げるようになります。私の場合でも、1日で300万円以上の売り上げになるのは普通です。ただ、多くの人はやり方を知らないためセミナー業を始めても副業程度の収入となります。
それでは、どうやってセミナー講師になることで収益を出すのでしょうか。多くの人は講師業で成功するための適切なやり方を知りません。そこでフリーランスの研修講師や法人でのセミナー活動を含め、どのようにして儲かるようにすればいいのかを解説していきます。
士業や整体師を含め、稼げる人は全員セミナーを行っている
まず、ビジネスで稼げる人はほぼ例外なく全員がセミナー講師をしています。中には、セミナー業だけで食べている人もいます。それでは、なぜセミナーが重要なのでしょうか。その1つの答えはブランドにあります。
例えば、経営コンサルタント(ビジネスの方法を個人や企業へ教えることで稼いでいる人)の中で、次のような方がいるとします。
- 単に自分の商品(コンサルサービス)を売っている人
- 全国で精力的にセミナーをこなし、多くの人から「先生」と呼ばれている人
この場合、倍以上値段が違っていたとしても後者にコンサル依頼が殺到します。得体の知れない人にお金を払うよりは、既に何人ものクライアントを抱えてセミナー活動を行っている人にサービス依頼があるのです。
セミナーを開催して人が集まるということは、それだけ他人から信頼されていることを意味します。人はそこまで暇ではないため、たとえ無料セミナーであっても貴重な時間を使ってわざわざセミナーを聞きに出かけたりはしません。セミナー講師は「他人から信頼されている」という証でもあるのです。
このとき、セミナーで稼ぐ方法としては「参加費だけで稼ぐ方法」「バックエンド販売まで実施する方法」の2つがあります。それぞれの手法について理解しなければいけません。
セミナー参加費だけで稼ぐ方法は儲からない
特にビジネス初心者であれば「セミナー講師はセミナー費用を徴収して稼いでいる」と考えます。しかし、これでは普通に生活していくのも苦しいです。
例えば、参加費3000円のセミナーを行うとします。ここに20人の方が集まれば、1回のセミナーで6万円の儲けになります。会場費などを差し引いても5万は手元に残るでしょう。これを月に10回行えば、月収50万円です。
ただ、毎月10回もセミナーを行い、コンスタントに20人を集めることがどれだけ難しいかを考えなければいけません。既にベストセラー本を何冊も出し、一般の方にも知れ渡っている人なら別ですが、普通の人では現実的に不可能に近いです。
また、セミナー講師は「知識」が仕入れに当たります。そのため、教材を購入したり他の人のセミナーに出席したりして、常に勉強していく必要があります。
これにもお金がかかるため、たとえセミナー講師になったとしても貧乏なままで過ごすようになります。セミナーへの参加費だけで稼いでいくのは難しいことをまずは理解しましょう。セミナー参加費だけで稼ぐことを考える場合、すぐにビジネスが破綻してしまいます。
バックエンド販売で稼ぐやり方が正しい
セミナー費用だけで稼ごうとする人は、ビジネス初心者です。そうではなく、きちんとビジネスを理解している人であればセミナー後に高額商品を販売します。
高額商品は人によって異なります。士業の方であれば個別コンサルを売ることになります。株式投資のセミナーであれば、口座開設を促して証券を購入させるのがゴールです。
このとき、ある商品(この場合はセミナー)を先に出し、その後に高額商品を販売する流れを作ります。前者の商品をフロントエンド、後者の商品をバックエンドと呼びます。
今回の場合、集客商品(フロントエンド)がセミナーであり、セミナー中に販売する商品がバックエンドになります。
例えば、参加費が3000円のセミナーを開催した後、10万円や30万円などの高額商品をセミナーの最後に販売するのがバックエンド販売のやり方です。30万円の商品が3つ売れれば、セミナー参加費と合わせてほぼ日給100万です。
稼げる人は、このようなバックエンド販売を行います。セミナー参加費はお小遣い程度にしか考えていません。
・バックエンドを売るほうがお客さんのためになる
ただ、このような話をすると、「バックエンド販売を行うのはお客様に悪いのでは?」と思う人がいます。しかし、これはそもそも間違いであり、むしろバックエンドを考えられない人の方がお客様のことを理解していないです。
これは、想像すれば容易に理解できます。例えば株式投資のセミナーを行うとします。セミナーが終了して、「後は家に帰って勝手に口座を開設し、自分で勉強しながら株を動かしてください」と言われたらどうでしょうか。かなり無責任のように思います。
それに対して、サービス料は高額になるが、以下のようなサービスがあればどうでしょうか。
今回、個別コンサルサポートによって、「口座開設などの基本から株式投資を行うための応用」までを全てを教えます。
私というプロがゼロから指導するため、失敗リスクを最小限に抑えながら株式投資ができます。もちろん、分からないことがあればすぐにメールをください。24時間以内に返信します。サービス料は半年コースが10万円、1年コースが30万円です。 |
お客さんはバックエンドの商品が欲しいわけです。徹底的な個別コンサルをセミナー内だけで行うことは不可能なので、その後の個別対応は高額商品として販売しなければいけません。これがセミナービジネスで稼ぐ基本です。
こうなると、きちんとバックエンド販売を考えている人のほうが、お客様のことを考えていることが分かります。
もちろん、セミナーではあなたが持っている知識やノウハウはすべてを伝えなければいけません。セミナーで途中まで話し、「後の情報はバックエンド商品を買ってください」では誰も納得しません。お客さんは不満だけを抱き、高額商品を買うこともなく、二度とあなたのセミナーには出席しないでしょう。
「バックエンド商品を販売する」というのは、情報を出し惜しむということではありません。そうではなく、「セミナーでは解決できないお客さんの悩み」を解消するための商品を、最後にコンサルティングサービスとして販売するのです。もちろん、個別対応は高額なのが当然です。
ここまでを理解した上で、バックエンド商品まで考えてセミナー講師を目指しましょう。そうすると、ようやくビジネスが動き始めます。
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初心者のセミナー開催では、参加者が少ないほど成功する
なお、フリーランスや個人事業主、さらには初めてのセミナー開催をする法人が実際にセミナービジネスを動かすとき、ありがちなミスとして「セミナーにたくさんの参加者を集める必要がある」という考え方があげられます。
例えば私はネットビジネス(Webサイト運営)をメインでしていますが、特にネットビジネス界では「100人規模のセミナーでなければいけない」という、よく分からない風潮があります。
しかし、これは大きな勘違いです。実際のところ、セミナー初心者がセミナーを開催する場合、受講者の人数が少ないほど成功しやすくなります。そこで、「セミナーでは3人集まれば良い」という思考に切り替えましょう。これくらいの人数であれば、集められそうな気がしないでしょうか。
少人数であれば、参加者にとってはそれだけ質問がしやすいです。講師との距離も近いです。そのため、大人数で開催されるセミナーよりも密な関係を築けます。そういう意味では、人数が多いセミナーよりも少人数制のセミナーの方が満足度は高いです。
この中の1人でも高額商品(バックエンド)を買ってくれれば問題ありません。ビジネスでは参加者の人数よりも、稼げた額(利益)の方が重要です。特に最初は実績も何もないため、少人数で行わなければいけません。
さらに言えば、ビジネスに慣れていない人であれば、最初のセミナーは知り合いが相手でも問題ありません。このときは無料で行い、まずはセミナーの練習をすることから始めましょう。
いきなり大人数の前で話すのは緊張します。そのためのステップとして少人数でのセミナーが必要不可欠なのです。
フリーランス・研修講師は小さくビジネスを始める
副業でも本業でも、フリーランスを含め研修講師は小さくビジネスを始めなければいけません。セミナーやイベントを開くとき、最初から大人数を集めることを目標にしたり、いきなり何百人も収容できる会場を予約したりしてはいけないのです。できるだけ小規模でテスト開催をするのが望ましいです。
前述の通り初セミナーであれば、3~5人集まれば大成功です。友達に声をかけても問題ありません。実際にセミナーを開催後、そこから改善点を指摘してもらったり、口コミを起こしてもらったりして徐々に規模を拡大していくのが正しいです。
「小さくテストする」とは、小規模開催や試行錯誤を繰り返すことで様子を見ることを意味します。
何かを企画するとき、いきなり大きく入ってはいけません。必ず小さくテストしていく必要があります。こうして集まってきた少数のお客さんを大切にしていけば、ようやく大規模なイベントを開催できるようになります。
少数のお客様を大切にするべき理由
なお、少ないお客さんを大切にできる人であれば、セミナーやイベントを含めあらゆるビジネスで成功できるようになります。
例えば、30人が入る会場をおさえてセミナーを企画したとします。このとき、前日までの参加希望者が3人であればどうでしょうか。こうしたとき、多くの主催者(企画者)は「人数が少ないので開催を中止します」と決断することが多いです。
ただ、このような行動を起こしている時点で、ビジネスで稼ぐのは難しいです。本来であれば、参加者がたった1人でも開催するべきです。
もちろん、人数が少ないままで開催すれば大きな赤字になります。セミナーやイベントを開催するには会場費が必要ですし、それまでの準備や人件費なども考慮しなくてはいけません。
しかしながら、「赤字だから開催しない」という思考では、目先の利益しか見えていません。少数でも参加表明してくれた人にとっては、イベントが赤字かどうかはまったく関係ない話です。
参加してくれた少数の人はかなり濃いお客さんであるといえます。30人のイベントで3人しか集まらなかったとしても、主催者とお客様の距離が近いことを利用して、通常より10倍以上楽しんでもらうように工夫すればいいわけです。
そうすれば、「あのセミナーは最高だった」「このイベントで通常では絶対にできない体験ができた」と口コミしてくれる可能性が高まります。次回の開催時では、友達を連れてきてくれるかもしれません。こうして、満足してくれる人を増やしながら少しずつ規模を拡大していくのです。
もし、人数が少ないという理由で一方的な中止が告げられたらどうでしょうか。濃いお客さんは落胆し、二度とあなたのサービスを利用することはなくなります。ここに、稼げる人とそうでない人の考え方の違いがあります。
参加人数が少ないからといって、嘆いている暇はありません。あなたが行うべきことは、少数のお客様に対して「どうすれば感動を与えられるか」を必死で考えることです。そうしてイベント開催では、大きくビジネスを動かすための土台を作っていくのです。
差別化戦略によってコンセプトを明確にする重要性
しかし、当然ながら魅力あるセミナーでなければまったく人は集まりません。バックエンド販売をするにしても、2~3人でもいいので参加人数が必要になります。たとえ知り合いに声をかけるにしても、友人は暇ではないので「コンセプトが明確な優れたセミナー」でなければ参加しようとは思いません。
例えば、「起業セミナーを開催」と言われたところで意味が分かりません。起業といっても、お金を稼ぐ方法はいくらでもあります。株式投資やFXなどの方法があれば、フランチャイズなどで起業する方法もあります。
他にもネットビジネスであっても、「情報商材系アフィリエイトのようなグレーなビジネス」から、私が教える「サイト運営を基盤とした真っ当なやり方」まで、その内容はさまざまです。
人によって求めていることが違います。起業セミナーという大ざっぱな括りでは刺さらないのです。そこで、他と何が違うのか明確にするのです。ただ、差別化と言ってもものすごく難しいことを行うわけではありません。そこで、セミナーで教えるコンセプトを明確にしましょう。
要は、あなたのセミナーに参加して、どのような疑問や悩みを解決させることができるのかを明確にしましょう。
例えば私の場合、以下のようにかなり絞った内容でセミナーを開催したことがあります。
私は「有益な情報発信によるサイト運営を行い、真っ当な手法で稼ぐネットビジネスのやり方」を教えています。そのときのセミナー内容として、「どのように記事を書いてサイトに莫大なアクセスを集めるのか」という手法にフォーカスさせたセミナーを開催しました。
本気でコンテンツマーケティング(有益な情報発信でアクセスを集める手法)を実施している人は少ないため、他の人では教えることができません。また、こうした手法を積極的に教えようとする講師も珍しいため、かなり分野を絞りましたが多くの人が集まりました。
このように、ライバルが未だやっていない内容でセミナーを開催しましょう。どのようなことを学べるのか明確にしたうえで、差別化を図れば多くの参加者を獲得できるようになります。
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ジョイントセミナー開催での有名講師を招待してもいい
また、セミナー講師として活動したいのであれば、ジョイントセミナーを視野に入れてもいいです。
ゼロの状態では、あなたのビジネスに興味をもっている人がいません。この状態で講師業をするのは非常に難しいため、既に大きな実績のある講師とのジョイントを考えるのです。
一般的には、ジョイントをすると話の内容が薄まってしまいます。一人で話した方が深くノウハウや知識を話せるからです。同レベルの講師でジョイントするのはデメリットしかなく、一つのセミナーで3人以上の講師が話を行うことはお勧めできません。
ただし、例外があります。それは、有名講師をゲストとして招く場合です。
あなたが話すノウハウだけでなく有名講師のノウハウや知識が追加されます。また、「有名講師が来るセミナー」であるため、あなたのセミナー価値が大きくなります。同レベルの講師が寄せ集まったジョイントセミナーは無意味ですが、有名講師の参加であれば大きな相乗効果が生まれます。
・有名講師へのジョイント依頼方法
当然ですが、有名講師に対していきなり「私のセミナーで講演してください」とジョイント依頼をしても断られます。誰か良く知らない人のためにジョイントを引き受け、セミナーを手助けしてくれる人はいません。
そこで、有名講師と仲良くなって信頼関係を築いておく必要があります。これは「頼みたい有名講師のセミナーへ何度も出席する」ことから始まります。セミナーへ出て何回も挨拶を行い、その有名講師のボランティアスタッフを担えるまでになれば依頼できます。
そうして有名講師とジョイントして受講者がセミナーへ登録するとき、あなたのサイトを経由させます。そのときにセミナー参加者のリスト(名簿)を手に入れることができます。
このリストはあなたのセミナーへ参加したことのある濃いリストです。しかも、有名講師とのジョイントセミナーなので大きな信頼を得ています。このリストに対して再びセミナー開催の案内を行えば、高い確率でもう一度セミナーへ来てくれます。
要は、有名講師とのセミナーは「リストを集めるためだけ」を目的にして開催すればいいのです。有名講師の信頼によって集まってきた受講者が、新たな見込み客としてあなたの手元に残ることに大きな意味があるのです。
ゼロの状態から開始し、講師を行う
セミナービジネスを始めるに当たり、講師業には特別な資格が必要ありません。フリーランスや個人事業主を含め、誰でも簡単にセミナー講師を始めることができます。
ただ、このとき多くの人はどのようにして稼げばいいのかを理解していません。そのため、セミナー参加費だけで頑張って儲けようとします。しかし、それではダメです。バックエンド販売まで考えることがセミナービジネスのキモになります。
バックエンドを買ってもらえる人がどれだけいるのかが重要になります。そのため、濃いお客さんを集めることを意識しましょう。そうすれば大人数の参加者は必要ありません。
ただ、他にはないコンセプトで差別化しなければ集客できません。そこで、どのようなことをセミナーによって学べるのか明確にしましょう。ジョイントセミナーを開催してもいいので、濃いお客さんを集めることがセミナービジネスで重要です。
セミナー講師が初心者の場合、これら基本的なことを理解することから始めましょう。ここまで解説したことは「あらゆる業態に共通する、セミナーで稼げるビジネスモデル」のため、必ず自分のビジネスに適応させるといいです。