ビジネス目的でセミナーを開催するとき、必ず集客しなければいけません。多くの人に来てもらうことで、セミナー会場を埋めるようにするのです。
このときは準備を行い、集客のために努力する必要があります。セミナー開催で最も難しいのが集客であるため、セミナー講師としてビジネスを動かすには集客(マーケティング)の方法を学ぶ必要があります。
しかし、多くの人が正しいセミナー集客の方法を知らないため、人を集めることができていません。
そこで、セミナービジネスで効率的に集客を実現する方法について解説していきます。セミナーではやるべきことが意外と多いため、これらを順にクリアしていく必要があります。
予約する曜日や開始時間が集客状況に影響する
セミナーを開くためには、日程とセミナー会場を決めなければいけません。セミナーで話す内容が決まってなく、集客を全くできていない段階からこの2つを決めるのです。
実際に会場を予約してみれば分かりますが、一ヶ月前にセミナー会場を取ろうとしてもどこも埋まっています。会場の予約が三ヶ月前でもギリギリです。何ヶ月も前から会場を確保しなければいけません。そのため、まずはセミナー開催の日にちと会場を早めに決めなければいけないのです
ただ、実際にセミナー会場を予約する場面では必ず考えておくべき事柄があります。これには、以下のようなポイントがあります。
- いつ:何月何日の何時にセミナーを行うのか
- どこで:どの会場を使うのか
- 何人で:定員は何人なのか
これらをミスしてしまうと人が集まらなくなります。そのため、どのような人を集めたいのか事前に明確にしておきましょう。
例えば曜日や開催時間などについては、以下のように考えます。
- 土日祝日:参加しやすいがセミナー開催数は多い(ライバルのセミナーと重なりやすい)
- 平日の昼:B to B(ビジネスオーナー、会社役員など)、主婦向け
- 平日の夜:B to C、サラリーマン向け
一般的には、曜日としては土曜日や日曜日が集客しやすいといわれています。特に土曜日に開催すると受講者が集まりやすいです。そのため特別な理由がない限り、開催日時を土曜日に設定するのが望ましいです。
ただ、土曜日であればどの日にちでも良いわけではありません。
例えば、金曜日が祝日になるなどで3連休になっている土曜日の場合、極端に人が集まりにくくなります。また、9~10月の土曜日の場合では行楽シーズンと重なるため、申し込む人が少なくなります。そのほかにも、年度末から年度始めとなる3月中旬から4月中旬に含まれる土曜日でも参加者は減ります。
さらに、年末年始の時期にあたる12月下旬から1月上旬にセミナーを開催した場合にも、ほとんど人が集まらない可能性が高いです。そのため、土曜日にセミナーを開催するにしても、上記に述べた時期に行うのは避けた方がいいです。
また、平日に開催しても問題ありません。私も木曜日や金曜日などにビジネスセミナーを開催することがあります。ただ、以下のように問題なく集客できています。土日や祝日でなければいけないわけではなく、平日でも人は集まります。
このとき、平日のうち火~金曜日はわりと人が集まりやすい曜日になります。その一方で、月曜日は人が集まりにくいです。これは、平日の週の始まりと重なって仕事で忙しい人が多くなるためです。
しかし、これも集客したい人によって異なります。例えば美容師は月曜日が休みであり、土曜日や日曜日にセミナーをしても美容師向けセミナーは人が集まりません。あくまでも、集客したい人がどのような属性の人なのかによってセミナー開催の曜日や時間を決めるようにしましょう。
セミナー会場の予約は駅に近いほどいい
予約の日程が決まった後は会場選びになります。このとき、以下のような区分があります。
- 区役所・会館系:安いし駅に近いが、予約を取りづらい。土日はほぼ無理
- 有料のセミナールーム:駅に近く直前の予約も可能であるが、値段は高い
- 無料で使える場所:無料だが会場がわかりづらい
区役所などはセミナー会場を安く貸し出しています。そのためライバルも多く、何ヶ月も前から予約で埋まっていることが普通です。土日の使用はほぼ不可能であるため、通常は有料のセミナールームを利用します。
また、中には無料で会場を借りてセミナーを行う人がいます。自社ビルにセミナー会場があればそこを活用してもいいですし、サロンや治療院のオーナーは自分の店で開催することができます。他の人が会場を貸してくれる場合も会場費は無料になります。
ただし、無料で開催できる会場は駅から遠く離れていることが多く、場所も分かりにくいです。既に何度も通ってくれているお客さんを対象にしたセミナーであれば問題ありませんが、不特定多数の人を対象にしたセミナーで無料会場を利用するのは止めておいた方が無難です。
そのため、一般的には有料のセミナールームを利用します。このとき、できるだけ駅から近い場所を選ぶようにしましょう。駅から近いことは会場選びで必須であり、駅から徒歩5分以内でなければいけません。
さらには、交通に便利な主要な駅の近くにあるセミナールームを選択しましょう。
例えば私の場合、3万円や5万円のセミナーを東京で開催することがあります。このときは日本全国から人が来ます。そのため、「新宿、渋谷、品川」の駅周辺にある会場から必ず選ぶようにしています。他にも大阪であれば、必ず梅田周辺(大阪駅の周辺)にします。
これは、地方で開催する場合も同様です。必ず主要な駅の近くのセミナー会場に設定するのがコツです。そうしないと、「会場が遠い」と思われてしまって集客に失敗します。お客さんのことを考えると、アクセスの良いセミナールームを借りるのが基本です。
Webサイト・ブログやSNS、広告を用いたセミナー集客法
それでは、実際にセミナービジネスを開始するために集客を考えたとき、どのようにすればいいのでしょうか。
これについては、大前提として「あなた自身が既にWebサイトやブログ、SNSなどで情報発信している」「整骨院やエステサロンなど、リアル店舗を運営している」のどちらかに該当している必要があります。両方ともなしの状態でセミナー集客をするのは無理です。
ただ、こうしたことを行えているのであれば無名の個人事業主であっても問題なくセミナー集客を成功させることができます。
実際のセミナー集客ではWebを活用した方法とリアル媒体を用いた方法の2つがあるため、これらを組み合わせる必要があります。
Webサイトやブログによる無料での集客は基本
ネットビジネス(ECサイトなどを含む)を実践している人に限らず、リアル店舗の運営者にとってもサイト・ブログの運営はセミナー集客の基本です。これを運営しなくてセミナーに人を集めるのは圧倒的に難しいと考えましょう。
実際、当ビジネスサイトでもセミナーを開催していますが、どこからセミナー受講者が来るかというとほとんどが当サイトにアクセスした人になります。以下のサイト経由でセミナーに人がやって来るのです。
当サイトでは「Webサイト運営によってビジネスで稼ぐ方法」について記していますが、こうした属性の人を集めることでセミナー集客に成功しています。
これと同じように、サイトやブログを構築して有益な情報を積極的に発信するようにしましょう。例えば、あなたが英語に関するビジネスをしているのであれば、「どのようにすれば英語力が向上するのか」をネット上に解説する必要があります。
このようにいうと、人によっては「情報をネット上に公開してしまったら、セミナーで話すことが無くなってしまうのでは?」という疑問を持つかもしれません。しかし、結論からいうと全く問題ありません。
なぜなら、サイトやブログの記事を読んだだけでは、「具体的にどのような取り組みをすれば良いのか」まで理解できる人はほとんどいないからです。
実際、当ビジネスサイトではサイト運営で必要な成功方法を全公開していますが、それでも多くの人がセミナーに訪れます。
サイトやブログの記事をアップしていくと、やがてアクセスが集まるようになります。このとき、サイト・ブログのトップページや記事の下に「セミナーの告知のバナー」を貼ることで、セミナーの参加希望者を獲得できるようになります。
メルマガはセミナー集客に最も効果的
このとき、Web集客やリアル媒体の集客の中でも最も効果的なセミナー集客の方法がメルマガ(メールマガジン)です。
サイト・ブログは集客に効果的ですが万能ではありません。大きなデメリットとして、「訪問者が自らサイトへアクセスしなければいけない」ことがあります。つまり、完全なる受け身の状態です。
一方でメルマガであれば、あなたのビジネスに興味を持っている人のメールアドレスを保有しているだけで、メルマガ解除されない限り何度でもセミナー案内を送ることができます。こちら側から「セミナーへ来てほしい」と告知できる「攻めの媒体」が、メルマガなのです。
そのためセミナーへ誘導する場合、サイトとメルマガの両方を活用すると効果的です。
特にセミナービジネスを考えているのであれば、Webサイトとして情報発信を積極的に実施した後は、メルマガを発行して、リスト取り(メールアドレスの収集)を行うのが基本です。例えば当サイトであれば、以下のようなバナーを用意してメルマガ登録を促しています。
メルマガ内ではサイトやブログの記事と同じように、メルマガ読者にとって役に立つ情報を出し惜しみなく公開していきます。これによって、メルマガ読者をファン化させることができます。
メルマガ読者をファンにできた場合、メルマガ内でセミナー開催の告知をすることで、メルマガ読者のうちの何人かがセミナーに参加してくれるようになります。
また、以前にセミナーを開催したことのある人なら、過去のセミナー参加者に対して、個別メールでセミナー開催を告知してもいいです。
セミナー参加を含めて、一度でも商品やサービスを買ってくれた人は強力な見込み客となるからです。つまり、セミナーに参加してくれる可能性が高いのです。
Twitterなどソーシャルメディア(SNS)のツールは集客に効果大
他には、TwitterやFacebook、インスタグラムなどのソーシャルメディアで日頃から有益な情報発信をしている場合、自身のページに集まっている人たちに向けてセミナーの告知を行うといいです。他のセミナーで会った人やビジネス上の付き合いのある人がいる場合、セミナーに出席してくれることを期待できます。
ちなみにSNSの中でも、特にセミナー集客に有効なものとしてTwitterがあります。
Facebookは友達とのつながりがメインなので告知しても反応率は悪いです。インスタグラムも画像アプリなのでセミナー集客には向いていません。一方でTwitterであれば、興味のある人しかフォローしないのでTwitterアカウントを育てていれば大きな集客効果を見込めます。
例えば、以下は私のTwitterアカウントです。
私のアカウントであるため、基本的にはWebサイト運営に関することばかり呟いています。こうした情報発信をしていけば、サイト・ブログ運営に関するセミナーを開いたときにSNS経由でも多くの人が参加してくれるようになります。
リアルの場でチラシやDMを配布する
ここまでがネットを活用した集客の方法です。Web集客ではサイト、メルマガ、SNSの3種類しかありません。
これに加えて、リアル媒体の活用も考えるようにしましょう。このとき最も分かりやすいのは、既存のお客さんにチラシをまいて案内することです。例えば、あなたがエステサロンを運営しているのであれば、来店してくれたお客さんにセミナーの案内をするのです。ピーライティング講座
また、あなたのビジネスに関係する他社のセミナーや交流会に参加すると、あなたが開催するセミナーに興味がありそうな見込み客を見つけられる可能性が高いです。
例えば投資セミナーに参加している人であれば、当然ながら全員が投資に興味をもっています。こうした人と会話したとき、興味をもってくれる場合はあなたのセミナーの案内をしても問題ありません。
他には、既にお客さんになっている人に対してDM(ダイレクトメール)を送るのも集客の基本です。あなたの商品・サービスを購入してくれている人であれば、リピートでセミナーに来てくれる可能性が高いです。
チラシやDMを含め、リアル媒体を活用していろんな人にアプローチする手法をセミナー集客で取り入れるようにしましょう。
新聞広告やネット広告を使う
他には、特定の地域に限定してセミナーを開催する場合、地方紙の広告でセミナーの告知を行うのが効果的です。この場合、どうしても広告費がかかってしまいますが、セミナー開催によってそれ以上の収益が見込めるのであれば大丈夫です。
特に税理士・弁護士などの士業や整骨院などの地域密着型でビジネスをしている専門家であれば、こうした広告は非常に効果的です。地方紙の新聞広告は数万円ほどで意外と安いため、セミナー開催によって採算が合う場合は積極的に広告を出しましょう。
これと同様にネット広告も有効です。例えばFacebook広告などであれば、法人に限らず個人事業主であっても1,000円ほどから広告を出すことができます。
参加費や集客したいターゲット層にもよりますが、少ない広告費で多くのお客さんを集客できることもあります。
セミナー開催の申し込みページで失敗すると集まらない
ただ、こうした集客方法を理解したうえで実行に移したとしても、実際のところセミナー参加者が集まらないケースが多いです。この理由は単純であり、申し込みページが貧相な場合がほとんどだからです。
申し込みページのことをLP(ランディングページ)といいますが、ランディングページの内容がダメだと集客に失敗します。いくらメルマガ読者が多くても、たくさんの広告費をつぎ込んでも、LPが微妙な状態だとセミナーに申し込んではくれません。
セミナー開催の告知ページを作る場合には、いくつかの押さえておくべきポイントが存在します。これらの要点を理解せずに告知ページを作ってしまうと、多くの参加希望者をセミナーに呼び込むことは難しくなります。
このとき重視すべきポイントとして、以下のものがあげられます。
- セミナータイトル
- セミナーの概要
- セミナー講師のプロフィールと理念
- 開催情報
ここからは、それぞれの項目ごとに分けて説明していきます。
1. セミナータイトル
セミナータイトルは、告知ページの最上部に掲げるようにします。このときのセミナータイトルは、メインタイトルとサブタイトルに分類することができます。
セミナーのメインタイトルを作成する際には、セミナーの内容を分かりやすく端的に示します。その一方で、セミナーのサブタイトルを作るとき、「セミナーのメインタイトルの詳細を分かりやすく表す」ことを考えるようにします。
例えば、私が過去に開催したセミナーでは以下のようなタイトルに設定しました。
このように、タイトルを読んだだけで「サイト運営でアクセスを集めるためのセミナー」だと分かります。また、サブタイトルでは「1年で10万PV以上を集める手法」など実際のやり方を解説することを述べており、興味を惹くようにしています。
セミナータイトルは告知ページの中でも特に重要なポイントになります。タイトルがショボいとセミナーに来たいとは思ってくれません。そのため、しっかり考えるようにしましょう。
2. セミナーの概要
またセミナーの概要を作成する場合、タイトルのすぐ下側で「セミナーを受けることで得られるメリット」を箇条書きなどで分かりやすく示すようにします。これによって、セミナータイトルから告知ページを読み進めている訪問客をさらに惹き込めるようになります。
例えば私であれば、先ほどのセミナー案内では以下のように記しています。
また、セミナーで話す内容についても詳細に記載しておきましょう。この情報がないと、訪問ユーザーは「自分には関係ないセミナーだろう」と考え、セミナーLP(ランディングページ)から離脱する可能性が高いです。
多くの参加者が知りたいと考えている項目をできるだけたくさん挙げることで、セミナーに期待感を持たせるように誘導しなければいけません。
3. セミナー講師のプロフィールと理念
告知ページでは、セミナー講師の活動や実績をしっかりと示すことが重要です。これによって、訪問ユーザーに信頼してもらうことができます。
また、発表者の活動や実績に加え、ビジネスへの理念について記載することも大切です。これを行うことで訪問客に共感してもらうことができ、「セミナーに参加してみよう」という気持ちを芽生えさせられるようになります。
4. 開催情報
セミナー開催の告知ページには、セミナーの日時や場所、定員、参加費用などについても記載する必要があります。これがなければ訪問ユーザーは不安になり、セミナーへの参加を諦めてしまいます。
基本的には、セミナー情報を申し込みページで公開するほど参加者が集まるようになると考えましょう。
セミナー集客は期間をおき、直前も参加を呼びかけるべき
なお、実際のところセミナー集客をする場合はどのような集客状況になるのでしょうか。これを事前に理解しておくと焦らなくてもよくなります。
セミナー集客では、多くの人が以下のような推移をたどるようになります。
メルマガやSNSなどを使ってセミナーを告知して募集を開始すると、最初の2~3日は多くの人が参加してくれます。ただし、その人数は日にちが経過するごとに落ちていき、一日に1~2人がぽつぽつと参加するという状況が続きます。
多くの人はこの状況を見て「受講者が集まらない」と考えて心が折れてしまいます。しかし、ここで諦めてはいけません。セミナー参加締切の2週間前くらいになると、参加を決意する受講者が少しずつ多くなっていきます。
これは、受講者側の立場になれば分かります。会社の都合や家庭の事情により、日程が近くならなければセミナーへ参加できるかどうか分からない人は多いです。そのため、日にちが近くなると参加者の数が多くなってくるのです。
また、他の予定が入っていたが、急にその予定がキャンセルになる人も出てきます。そのような人がセミナーへ来てくれるかもしれません。いずれにしても、早めに告知を行うことで「セミナーを開催すること」を認識させ、セミナー参加締切当日まで集客を行う必要があります。
大まかな目安として、セミナー集客は次のような様子になります。
- 最初の3日間:30%を集客できる
- 最初と最後の間:50%を集客できる
- 最後の3日間:20%を集客できる
もし最後の3日間を諦めてしまえば、集客できたであろう残り20%の人を取り逃すことになります。これが、セミナー集客では直前まで諦めてはいけない理由です。
セミナー参加締切日が近づくにつれて受講者の参加者が多くなっていくため、募集を諦めずに継続しなければいけません。
また、集客できる人数が不安なのであれば、できるだけ長い期間を置いて告知していき、参加人数を集めるようにするといいです。
単純に集客期間が長くなれば、その分だけ参加人数は多くなります。これが、効果的に参加者を集めるコツです。
もちろん、セミナーでは会場に入れる人数に限界があります。定員オーバーさせないため、多くの受講者が集まったのであれば早めに募集を締め切って問題ありません。
ビジネスセミナーのコツを理解し、効果的に集客する
何の戦略もなしにビジネスセミナーを開催したとしても、人を集めることはできません。必ず事前に「どうやってセミナーに人を集めればいいのか」を理解しておく必要があります。
セミナー集客は会場を予約する段階から始まっています。曜日や開始時間を失敗すると人は集まりません。「ターゲットとするお客さんが、どのような属性の人なのか」を理解したうえで、受講者を集めやすい日程を選びましょう。当然、セミナー会場は主要駅の近くに設定する必要があります。
その後は実際にセミナーを開催していきます。Webを活用した手法とリアル媒体があり、両方とも利用すれば集客がうまく進みやすいです。
このときは申し込みページにセミナー内容を詳細に記し、どのようなことを学べるのか全公開しましょう。そうすれば、多くの人がセミナーに足を運んでくれるようになります。かなり綿密に戦略を練る必要はありますが、こうしたことを一つずつクリアしていけば多くの人をセミナーに呼び込めるようになります。