セールスマンによっては、「お客さんのもとに何度も訪れるよりは、長い時間を使って1日で商談をまとめたほうがいいのでは?」と考える人がいるかもしれません。しかし実際のところ、営業マンは「商談に長い時間をかけて、お客さんに商品・サービスを購入してもらおう」とする行動を取るべきではありません。

ただ、そうなると何回かに分けて商談を行うことになるのですが、このときはお客さんごとにノートを分けて活用するようにしてみてください。そうすれば、お客様に対して最適の提案を行えるようになります。

さらに、このときは予算も的確に把握するようにしましょう。たくさん会えばいいわけではなく、最適なオファーをするからこそ商品が売れるようになります。

そこで、「セールスマンが長時間かけての商談を行ってはいけない理由」「どのように予算を把握すればいいのか」について解説していきます。

長時間かけて商談を行うデメリットを理解する

営業マンがお客様と商談を行う場合に長い時間をかけてはいけない理由として、お客さんの集中力が続かないことがあげられます。

実際のところ、長い時間をかけて延々と商談を行ったとしても、商品・サービスに対するお客さんの理解度が上がることはありません。それどころか、顧客の集中力が散漫になり、「早く商談が終わらないかな」「疲れたから早く休みたい」と感じるようになります。

この状態では、セールスマンがいくら熱心に顧客に対して説明したところで、お客さんの心に響きません。むしろ、お客さんが営業マンに対して「長い商談は勘弁してくれ」と思ってしまい、商品やサービスの購入にはマイナスとなります。

こうした事態を避けるためにも、1回の商談で長い時間を費やすことはやめておく必要があります。

商談での正しい時間の長さは平均2時間

セールスマンがお客様との商談を行う場合、1度の商談は平均2時間以内に切り上げるようにしましょう。「人間の集中力が続くのは、2時間が限度である」といわれているからです。

お客さんが商談に集中できる2時間までをリミットとして、お客様の負担を減らすようにします。これによって顧客は商談の内容を理解しやすくなり、セールスマンの説明をしっかりと聞いてくれるようになります。

もちろん1回につき平均2時間の商談だけでは、お客さんにオファーする商品やサービスのことを理解してもらうことはできません。そのため、営業マンがお客さんとの商談をする際には、2時間の商談を複数回行うようにします。

また、1回あたりの商談を2時間以内に切り上げる場合、お客様は「営業マンの説明が聞き足りない」「セールスマンに対して、こちらの要望や状況を伝えきれていない」といった物足りなさを感じるようになります。

これにより、お客さんは次回以降の商談を心待ちにしてくれるようになります。しかも、「何回も会うと、人は好意を抱きやすくなる」という法則があり、この法則に合致するようになります。これをザイオンス効果といいます。そうして顧客は商談内容についての理解度が高まり、セールスマンの説明に深く聞き入ってくれるようになります。

予算の聞き方を把握し、オファーをするべき

ただ、商談を何度も重ねたとしてもお客さんの予算を把握したうえでの商談を進めなければ意味がありません。

予算額が分からなければ、短い商談時間で的確なオファーなど提示できません。そのため、少ない商談時間・回数で商談成立(クロージング)を実現させるためには、予算の尋ね方について理解するのは必須だといえます。

このときお客さんが支払える金額を知るための手法は、非常にシンプルです。それは、直接的に予算額を聞くだけです。具体的な聞き方としては、「お客様が〇〇(商品名)を選ぶ上で、『これ以上は出せない』と思われる限界の金額はおいくらですか?」などのような形になります。

場合によっては、「ご予算はおいくらですか?」とストレートに聞くのも問題ありません。これらの質問を顧客に投げかけることで、支払える大よその金額を把握できるようになります。

またお客さんが支払える金額を確認する場合、会話の中でできるだけ不自然でないタイミングを見計らって尋ねるように注意しましょう。商談の最初の方から予算について聞いてしまうと、お客さんによっては「え? いきなり何か買わされるの?」と考え、変に身構えられてしまう恐れがあるからです。

予算を確認するときの適切なタイミング

お客さんに対して支払うことができる金額を聞く場合、お客さんの悩みや欲求を解決できる商品が、ある程度定まってきた段階で確認するのがいいでしょう。

例えば、あなたがスポーツ用品店の営業マンであったと仮定します。スノーボードの購入を検討している顧客が店舗を訪れたとき、以下のような形でお客様に対応していきます。

お客さん:すいません。スノーボードを探しているのですが⋯⋯。

あなた:いらっしゃいませ。スノーボードですね。ところでお客様は、現在使っているスノーボードに何かご不満な点でもあるのですか?

お客さん:いえ、私はこれからスノーボードを始める初心者でして、スノーボードを買うのも初めてです。そこで、初心者用のスノーボードはないかなと思いまして……。

あなた:そうでしたか。失礼しました。ちなみになのですが、初心者用のスノーボードと一言で言っても、『滑るのを早く上達させたいのか』、あるいは『簡単に滑れればいいのか』によって、選ぶべきスノーボードは異なります。お客様はどちらを重視されますか。

お客さん:そうですね。私の友人はすでにスノーボードの上級者なので、友人に早く追いつけるように『滑り方を早く上達させること』を重視したいと考えています。

あなた:なるほど。ちなみになのですが、スノーボードはメーカーや形状などによって価格が異なってきます。そこでお聞きしたいのですが、お客様がスノーボードを選ぶ上で、『これ以上は出せない』と思われる限界の金額はおいくらですか?

お客さん:だいたい5~6万円くらいまでで考えています。

かなり簡素化しましたが、このような形でお客さんとある程度会話を交わした場合であれば、支払える値段について確認したとしても、それほど不自然ではありません。お客さん側も特に違和感を抱くことなく、予算について答えてくれる可能性が高いです。

優秀な営業マンは、1人のお客さんの情報を1冊のノートに記録する

こうして商談時間を2時間以内など短く区切り、予算を把握しながらも提案をしていきます。ただ、そうなると次の商談時では過去の商談内容を思い出しながら行うことになります。先ほどのスノーボードの例であれば一度の提案で商品を購入してくれますが、保険や不動産など、何度も会わなければ購入に至らないケースは多いのです。

しかし実際に営業活動を行う場合、さまざまな顧客と商談することになります。それぞれのお客さんの要望や事情などは、そのお客さんによって大きく異なります。これらの情報をしっかりと把握しておかないと、お客さんとの話が噛み合わなくなってしまうなど、思わぬ失態を犯してしまう恐れがあります。

そうはいっても、膨大な数の顧客に営業をしていく場合には、人間の記憶力だけでは限界があります。そのため、お客さん1人当たりの情報を1冊のノートにまとめておきましょう。

1人のお客さんのデータを1冊のノートにまとめる場合、どのような情報を書き留めていけばいいのでしょうか。このとき記録するべき内容には、以下のような項目があげられます。

  • 顧客の名前と職業、役職
  • 予算の金額や費用感
  • 顧客の職場の雰囲気や規模
  • 商談をした日付
  • 顧客が商品(サービス)の購入を決めるうえでキーマンになる人
  • 商談中に感じたことや気付いたこと
  • 商談中に小耳にはさんだ情報

このように、お客様自身の情報や商談中に聞いたことや感じたことなど、できるだけ多くの情報を1冊のノートに記録していきます。もちろん、後から自分が見返しても理解できるように、詳細かつ分かりやすく書きとめることが重要になります。

1冊のノートは1人のお客様というルールを徹底する

また、複数のお客さんの情報を1冊のノートにまとめるのは、やめておくようにしましょう。後で確認するとき、「どの情報がどのお客さんのものなのか」が分かりにくくなってしまうからです。

すべての情報を1冊にまとめると、「他のお客さんの情報とごちゃ混ぜになる」という失態を犯しやすくなってしまいます。この場合、お客さんに不信感を抱かれてしまいます。

そのため、「ノートが多すぎてかさばる」という状況になったとしても、お客さん1人当たりの情報を1冊のノートに書きとめる必要があります。

・お客様の情報をまとめたノートの活用方法

なおノートに記録した顧客情報の他の使い道としては、商談中の話題作りがあげられます。例えば、お客さんが自動車好きな方であれば、車の話題を振ることでお客さんに好感を抱いてもらえるかもしれません。

また、お客さんが悩んでいることについて事前に調べておき、相談に乗ることで、新しい悩みを教えてもらって他に提案できる商品を勧められるかもしれません。

このような形で、お客さんの考え方に共感したり悩みを聞いたりすることにより、お客さんとの信頼関係をさらに強められるようになります。予算に合った商品を提案・紹介するのは当然として、その他の部分にも注意を払うのです。

予算を把握し、短い商談時間を心がける

営業を仕掛けるとき、一回で何とかして結果を残そうと考える人は多いです。ただ、残念ながらそれではうまくいきません。そうではなく、短い商談時間で区切る必要があります。商談では平均2時間以内に収まるように心がけましょう。

また、当然ながらお客さんの予算を把握したうえでオファーをしなければ意味がありません。予算10万円の人に対して、50万円の商品を勧めても売れるはずがありません。そのため、短い商談時間で効率よく進めるためにも、予算の尋ね方を理解する必要があります。

ただ、こうして何度も商談を区切っていくと、何人もの顧客との商談を同時並行で進めていくようになります。そこで顧客別のノートを活用し、一人のお客さんごとに商談内容をメモするようにしましょう。

セールス活動というのは、このようにして進めていきます。正しいやり方を理解することで、成約率を高めていくようにしましょう。

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