見知らぬ人に声をかけるのは、とても勇気がいります。しかし、一回でも会って話したことのある人であると、そこまで勇気はいらないと思います。これが毎日顔を合わせる人であれば、気を使う必要がありません。

このように、会う回数が多くなるほど緊張せずに話すことができ、気兼ね無しに頼みごとをすることもできます。

さらに言えば、会う回数が増えるほどその人に好感を抱きやすくなります。これは必ずしも人でなくても構いません。商品やキャラクターなどでも良いのです。

いずれにしても、目で見たり耳で聞いたりするなど接触回数が多くなるほど、それに対して好感を持つようになることは確かです。毎日顔を合わす人を好きになりやすく、遠距離恋愛になると心が離れてしまう人が多いのは、これらの理由があります。

このように、触れる回数が多いほど好感を抱きやすくなる作用をザイオンス効果と呼びます。別名で単純接触効果とも呼ばれます。

ザイオンス効果は論文で発表されている

アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスによって、1968年に論文で発表されたのがザイオンス効果です。彼の名前からとって、ザイオンス効果と呼ばれています。

彼は学生を対象にさまざまな実験を行いましたが、そのときに出た結論が「接触回数を多くすればするほど、その人は好感を抱くようになる」というものです。

これについては、あなたも経験済みのはずです。最初は何とも思っていなかった音楽にも関わらず、テレビCMであったり、いつも通っているスーパーで毎日曲が流れていたりすると、つい口ずさんでしまったことはないでしょうか。

または、学生のとき同じクラスの異性に何度も会うことになるのですが、最初は何とも思わなかった人であっても毎日顔を合わせるうちに好きになってしまった経験はないでしょうか。別に学生でなくても、同じ社会人クラブや会社の同僚でも問題ありません。

他にも、テレビに映るアイドルを何度も見るたびに、そのアイドルに対して愛着をもったことはないでしょうか。

こうした経験が必ずあるはずです。これが単純接触効果であり、接触頻度が多いことによって好感を得るようになるのです。

仕事で営業マンが成績を上げるためには

そして、ザイオンス効果は職場の仕事で大いに役立ちます。ザイオンス効果はビジネス心理学で知られる法則の一つですが、サラリーマンとして働く営業マンが営業成績を上げるために応用できる心理学なのです。

接触回数が多いほど好感を持ちやすくなるザイオンス効果ですが、例えば新規顧客の開拓を行うときに以下のどちらが有効であるか考えてみてください。

  1. できるだけ多くの見込み客を訪問し、一度断られた所には行かない
  2. ある程度訪問する見込み客を絞り、何回も足を運んで話を聞く

多くの人はこの答えに解答することができませんが、ザイオンス効果を知っている人であれば「2」が正解であると即答できます。つまり、同じ場所を何回も訪問することで、接触頻度を多くするのです。

別に訪問して商品を売らなくても良いです。商品を売るために訪問するのが営業ではありません。そのような営業は訪問のたびに断られて帰されるだけです。

優秀な営業マンであるほど、接触頻度を多くしようと試みます。一回の商談ですべてを完結させようとは思いません。何度も会うことで人間関係が構築され、信頼されるようになります。こうして人間関係ができたうえで、ようやく商談に入るのです。

実際の営業では「訪問回数を多くすると、その回数の2乗で発注量が増えていく」とされています。

ザイオンス効果はとても強力な営業手法の一つです。商品を買うかどうか分からない人に対して闇雲にアプローチしても意味がありません。そうではなく、商品を買いそうな見込み客に対して何回も訪問することで、ようやく営業成績が上がっていくのです。

会わなくても評価を上げることは可能

なお、このとき多くの人は「顧客と実際に会わないといけない」と考えます。しかし、実際はそうではありません。たとえ対面で会わなかったとしても、その他の方法でアプローチすることでもザイオンス効果は働きます。

例えば、初対面の人に会った後にどのようなアプローチをすればいいでしょうか。仕事のできる人であると、いろんな方法によってアプローチを試みます。例えば、以下の手段があります。

  • メール
  • 手紙
  • 電話

電話は相手の時間を取ってしまいますが、この中でもメールや手紙は非常に手軽です。離れた場所にいても問題ないからです。

優秀な営業マンだとメールや手紙をかなり有効活用します。例えば、初対面で会った人がいるとき、職場(事務所)に帰る前にすぐメールを送るようにします。そうすると見込み客がメールを開くとき、メールによって一回接触できたことになります。

また、仕事のできる営業マンはすぐに手紙をポストへ投函します。お会いできてうれしいことを記載し、手紙を送るのです。そうすると1~2日後に手紙を見たとき、再び接触することになります。そうなると、次に会うときにはメールや手紙によって何度も接触した段階(既に信頼関係がある状態)で会えるようになります。

小さいことですが、こうした細かいことが実践できる人ほど仕事での成績が上がっていくようになります。

広告を出すタイミングもわかる

また、ザイオンス効果は他のいろんな分野にも応用できます。例えば、広告を出す場面を考えていましょう。

もし「1年間で使うべき100万円の広告費」があるとすれば、どのように使うでしょうか。多分、ほとんどの人は毎月少しずつ使っていくと思います。

しかし、これでは効果が薄いです。それではどうしなければいけないかと言うと、1ヶ月や2ヶ月など、ある一定期間の間で使い切ってしまうのです。実はこれが最も効果の高い広告費の使い方です。この理由としてザイオンス効果があります。

テレビCMを思い浮かべれば分かりやすいですが、ある一定期間に集中して広告を出している企業がほとんどです。大企業はいつもテレビCMを出しているので別ですが、それ以外の企業はどれも集中して広告を出します。

その結果、同じ番組内で同じような広告が何回も流れ、テレビ番組を変えてもやはり同じCMが流れています。

これには前述の通り、「ザイオンス効果を狙う」という理由があります。ある一定期間に何回も触れることによって、そのテレビCMが宣伝している企業や製品に好感を持たせるように仕組んでいるのです。

そして、これと同じことを実践しなければいけません。つまり、ダラダラと長期間広告費を使うのではなく、集中して広告を出していかなければいけないのです。このようにザイオンス効果を学ぶだけでも、営業マンが成績を上げる方法や広告の正しい出し方まで理解することができます。

ネットビジネスのマーケティングに必須なビジネス心理学

なお、ザイオンス効果はサイト運営やSNS(Twitterなど)を含め、ネットビジネスによるマーケティングを行うとき、必須となる思考になります。

例えば、TwitterなどのSNSを活用するときはどのようにすればいいのでしょうか。これについては、当然ながら1日1回の投稿をするよりも、1日10回ほどSNSに投稿したほうがいいことが分かります。単純にその方が接触回数を多くできるからです。

以下のように、数時間おきに投稿するようにするのです。

また、メールマガジン(メルマガ)を行うとき、どのようにメルマガ発行をすればいいのでしょうか。これも、可能なら毎日メルマガを送った方がいいと分かります。メルマガによる接触を多くすることで、良い感情を抱いてもらうようにするのです。

ネットビジネスでのマーケティングを考える場合、ザイオンス効果は必須の考え方になります。

恋愛でも広く応用される単純接触効果

また、人に好かれるようになる手法がザイオンス効果ですが、これは仕事だけでなく恋愛でも広く活用されています。片思いの好きな人にアプローチするときであっても、接触頻度を多くすることが重要になるのです。

例えば片思いの人にお願い事をしてみたり、毎日メールのやり取りをしたりした方がいいです。この方が相手に好感を与えやすくなります。

また、できることから「一緒の仕事をするプロジェクトに入れる」などして、強制的に何度も会って話をする環境を作れるといいです。

例えば同じ社会人のフットサルチームに所属しているのであれば、新たに合宿を企画して、企画メンバーの中に入れてしまうのです。相手が嫌がらないという条件は必要ですが、何とかして接触頻度を増やすことができれば、勝手に信頼されるようになります。

接触回数の効果の限界は10回まで

それでは、何度も接触することによっていくらでも好感度が上昇するようになるのでしょうか。実は、ザイオンス効果には限界があることが分かっています。その限界とは、10回です。つまり、「10回以上の接触があっても、そこまで好感度は上昇しない」と実験や論文で示されているのです。

そのため、例えば仕事でセールスを行うとき、10回ほどアプローチしてみてもダメな場合は諦めて次に向かった方がいいです。

ルートセールスのように、訪問すべき顧客が会社で既に決められている場合は無理ですが、新規開拓の仕事であれば諦めて次にいくべきなのです。

また、恋愛についても「3回デートしてダメなら、その人は諦めた方がいい」と言われています。それ以上、デートをしても友達として見られ、恋愛関係に発展しないからです。

恋愛の場合、メールなどを入れると3回目のデートまでに10回以上はアプローチすることにはなります。ただ、それ以上アプローチしても好感度が上がることはないため、無理だった場合は素直に諦めるのが適切なのです。

非常に優れたビジネス心理学のザイオンス効果ですが、こうした限界があることは理解しましょう。

また、例えば仕事で顧客と良い人間関係ができた場合、長期的な付き合いになります。その後の関係はザイオンス効果ではなく、あなたの実力次第になります。

ザイオンス効果が逆効果になる例もある

単純接触効果を利用し、どのようにして仕事でのマーケティングや恋愛を含め、活用すればいいのか事例をもとに解説してきました。ただ、こうしたザイオンス効果が逆効果になる例もたくさんあります。

なぜ、接触回数を多くしたにも関わらず、信頼関係を築くどころか嫌悪感を抱かせるようになってしまうのでしょうか。これには、当然ながら理由があります。

それは、下手に売り込みをしたときになります。相手のことを考えず、一方的に売り込みをした場合は逆効果です。

例えば、以下のようなメールがあなたのもとに何通も届いたとします。このとき、どのように思うでしょうか。

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単なる売り込みメールですが、確実に無視をすると思います。それどころか、「このような迷惑メールを送ってくるとはどういうことだ!」と考えるでしょう。このように、相手にとって必要ない売り込みをする場合、接触回数を増やすごとに嫌われるようになります。

これは、恋愛も同じです。一方的に「デートしてくれ!」「付き合ってくれ!」と伝えたところで相手は困惑します。そして、相手からの評価が下がって最終的には嫌われます。

ザイオンス効果とはいっても、ただ接触回数を増やせばいいわけではありません。相手にとってメリットとなることを提示したり、感謝の気持ちを述べたりする回数を増やすことで、ようやく好感度が上昇するようになるのです。

日常生活でザイオンス効果を利用する

ビジネス心理学の中でも、非常に有効な手法がザイオンス効果になります。この方法を取り入れることで、仕事でも恋愛でも効果を発揮するようになります。

単純接触効果を得るため、できるだけ会う回数を増やすようにしましょう。3時間会うよりも、「1時間 × 3回」で会った方が相手は好感を覚えるようになります。また、メールや手紙、電話なども有効活用するといいです。

さらに、こうした手法は営業に限らず、ネットビジネスでのマーケティングでも必須となる考え方です。あらゆる場面でザイオンス効果を応用することができます。

ただ、接触回数を多くすることが逆効果につながることもあります。激しい売り込みをするなど、相手が嫌がる行為をする場合、いくら接触回数を増やしたとしても相手からの信頼を得ることはできません。

こうしたことを理解して、ザイオンス効果を活用するようにしましょう。仕事でザイオンス効果を活かせば、それだけで相手から信頼されて評価が上がるようになります。

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