a0002_011580_m

値段が異なる3種類の商品が並んでおり、それぞれの商品の性能の違いが判断できない場合、人は中間の値段の商品を選ぶ傾向にあります。これを「極端の回避性(松竹梅の法則)」といいます。

商品を売るとき、多くても3つまでに種類を限定しなければいけません。選択肢が多すぎると、商品が売れなくなるからです。松竹梅の法則を理解したうえで、売るべき商品を絞ることが売上向上につながります。

真ん中の商品が売れる理由

例えば、家電量販店が掃除機を販売している場合に、1万円の掃除機、3万円の掃除機、10万円の掃除機の3つが並んでいたとします。さらに、各商品の見た目は同じであるものの、それぞれの性能は異なると仮定します。この場合、1番売れやすいのは3万円の掃除機になります。

人が商品の購入を検討する場合、「安い商品は壊れやすくて、高い商品は品質が良いだろう」と考える傾向にあります。このことは、私たち人間に働く本能的なパターンだといえます。これによってお客様は、3種類の掃除機のうち、1番安い1万円の掃除機を選ぼうとはしません。

その一方で、1番高い10万円の掃除機を買おうとはしません。なぜなら、3万円の商品に比べて大きく値段が異なることで「なんでこの商品だけこんなに高いのだろう」と感じてしまうからです。

さらに、3万円の商品と10万円の商品との値段の落差によって、3万円の商品がお買い得のように感じます。この心理現象のことを「コントラストの原理」といいます。これにより、お客様の多くは、最終的に中間の値段である3万円の掃除機の購入に至ります

高額商品の存在が商品の売れ行きに影響する

今度は、先ほどの家電量販店が10万円の掃除機の取り扱いをやめ、1万円の掃除機と3万円の掃除機の2種類の商品が残ったと仮定します。この場合、1万円の掃除機と3万円の掃除機のどちらが売れやすいのでしょうか。答えは、1万円の掃除機の方が売れやすくなります。

10万円の掃除機が選択肢から外れることによって、3万円を安いと感じる要素がなくなります。その上、1万円という価格は一般の感覚からすれば十分に高い金額です。そのため、「高い商品は品質が良い」という本能的なパターンが働く状態であっても、3万円の掃除機の方が選ばれるといった状況は起こりにくいです。

これらの要因が重なった結果、お客様は1万円の掃除機を選ぶ傾向が強くなります。

このように、値段が異なる商品が並んでいる数によって、どの値段の商品が売れやすいのかが変わってきます。そして、商品を選ぶ際の顧客心理を理解し、それに合わせた対応をとることにより、売りたい商品の売り上げを意図的に高められるようになります。

利益を増大させるため、売れなくても高額商品を置く

先ほどの家電量販店の例において、1万円の掃除機、3万円の掃除機、10万円の掃除機の3つを扱っていた場合では、3万円の掃除機が1番売れやすくなりました。そして、1万円の掃除機と3万円の掃除機の2つを扱っていた場合では、1万円の掃除機が最も売れやすくなります。

そのため、高額商品の売り上げを伸ばすためには、その商品よりもさらに値段が高い商品を並べることが重要になります。なぜなら、さらに高い商品を並べることで、「一番高額な商品に比べて、その他の商品の値段は安い」とお客様に感じてもらうことができるからです。これは、先ほど述べたコントラストの原理を活用した手法です。

つまり、最も高い商品は売れにくいことを理解した上で、売りたい商品よりも値段が高い商品を並べます。こうして、目的の商品の売り上げを高めるのです。そのため、後から追加する高額商品を選ぶ場合には、売れなくても全く問題ないものを選択する必要があります。

また、追加する高額商品に関しては、その値段にふさわしい高品質の商品にすることも大切です。もし、ほとんど性能に差がないのに、値段だけ釣り上げられた商品を置いてしまうと、それを購入してくれたお客様を泣かせることになります。また、信頼を失うことにもつながります。

商品購入の原理:多過ぎる選択肢は、お客様を離れさせる

なお、商品を作って販売する会社のなかには、「さまざまなお客様のニーズに答えよう」と考えて商品の種類を増やそうとする企業があります。ただこれをやってしまうと、お客様のニーズに答えるどころか、お客様は商品を買わなくなっていきます。これには、選択肢が多すぎることによってお客様に働く心理現象が関係しています。

商品の種類を増やし過ぎることで、お客様は商品を選ぶときに迷ってしまいます。その結果、「商品を選ばない → 商品を買わない」という結論に達してしまうようになるのです。

つまり、「お客様のためになるだろう」と思い込んで商品の種類を増やすことが、かえってお客様にとって不都合な状況をつくることになるのです。それにより、お客様は購入の意思をなくし、その会社の商品売り場から離れていきます。

このように、商品の種類が多すぎることで、お客様は商品を買わなくなります。これは、さまざまな企業や経営者が陥ってしまう罠です。

商品の種類を少なくし、お客様を迷わせないようにする

商品の売り上げを大きくしたい場合には、お客様を迷わせないことが大切です。そして、お客様を迷わせないためには、扱う商品の種類を少なくする必要があります。

例えば、ラーメン屋を営んでいる場合には、カレーライスやハンバーグなどのラーメン以外の商品はできるだけ扱ってはいけません。

ラーメンに合う餃子やチャーハンならまだしも、ラーメン屋でラーメンとかけ離れ過ぎている洋食のメニューを追加してしまうと、お客様は「この店は一体何がメインの飲食店なんだろう」と違和感を持ちます。その結果、お客様を迷わせることになり、お客様の数は次第に減っていくことになります。

また、電化製品を開発して販売する場合であっても、商品の種類はなるべく少なくしなければなりません。もし、掃除機を開発してそれがヒットしたとしても、新たに冷蔵庫を開発して売ろうとしてはいけません。そして、機能や形が異なる掃除機を新たに開発することも、できるだけ避けるようにするべきです。

なぜなら前述の通り、多過ぎる選択肢はお客様を迷わせる害や悪でしかないからです。このことを理解した上で、どんなに自社商品がヒットして売り上げが伸びたとしても、欲を出して新しい分野に手を出してはいけません。

商品の数を絞り、特定の分野に特化させる

自社で売り出す商品を決めた場合には、他の種類の商品に浮気してはいけません。つまり、1つの分野に特化させてビジネスを進めていくことが重要なのです。これによって、ようやくお客様が商品を購入するようになっていきます。

例えば、音が静かな掃除機を開発して大成功したのであれば、音が静かな掃除機に特化していかなければなりません。つまり、洗濯機やエアコンなどの掃除機以外の商品を扱ってはいけません。さらに、同じ掃除機でも吸引力の強い掃除機など、既存の商品とは異なる特徴を持つ商品を作るのも避けるべきです。

また、ケーキ屋を営んでいる場合に、モンブランが1番人気の商品であれば、「モンブラン推しのケーキ屋」という見せ方に特化していく必要があります。そして、和菓子などの別の分野に手を出さないようにします。

何の特徴もない「何でも屋」は、莫大な広告費を投下できる大企業でもない限り、お客様の注目を集めることはできません。そのため、参入する分野を決めたら、その場所でトップになれるように努力していく必要があります。それによって、お客様に認知されるようになれば、ようやく売り上げが立つようになっていきます。

このように、人は選択肢が多すぎると「購入しない」という選択をとります。お客様に商品を買ってもらいたいのであれば、あれもこれもと扱う商品を増やすのではなく、特定の商品に特化していくことが大切です。このことは、ビジネスを成功させるうえでかなり重要な考え方の1つになります。

利益率95%を超すポータルサイトビジネス:無料メルマガ登録