心理テクニックを活用すれば、人を正しく行動させることができます。同じように注意を促すにしても、やり方を変えるだけで効果が大幅に違ってくるのです。

例えば公園に立ち寄ったとき、「芝生の中に入らないでください」という警告がされていることがあります。しかし、警告の仕方を間違えてしまうとマイナスに働いてしまうことがあります。この貼り紙により、さらに人が芝生の中に入ってしまうことがあるのです。

ただ、正しく注意喚起を促せばそうした迷惑行為は劇的に少なくなります。

これは心理学でも証明されていますが、正しく伝えることで人間を正しい方向へと導くことができます。そこで、どのように考えて実施すればいいのか解説していきます。

トイレでのキャッチコピーやポイ捨ての心理

人を正しく行動させるとき、分かりやすい例としてトイレの貼り紙があります。あなたが公共トイレを利用したとき、次のような貼り紙を見たことはないでしょうか。

  • いつもキレイに使用してくださり、ありがとうございます

これは、貼り紙の効果として非常に良い例となります。「いつもキレイに使用してくださり」と伝えることで、全員がそのトイレを汚さずに使っていることを想像させることができます。

人間は多くの人が行動する様子に従います。「野次馬ができていると、気になって野次馬に並んでしまう」「行列のある店舗を見ると、無条件で質の高い店だと思ってしまう」など、私たちは無意識のうちに大衆の行動に従ってしまうのです。

先ほどの例であれば、貼り紙でみんながキレイに使っていることを伝えているため、「自分もキレイに使わないといけない」という心理が働きます。そのため、トイレは良い状態に保たれる可能性が高いです。

それでは、これが以下のような張り紙であればどうでしょうか。

  • ゴミや吸殻を捨てられて困っています。ポイ捨てはやめ、持ち帰ってください

このキャッチフレーズはむしろ逆効果であり、ゴミや吸殻をポイ捨てすることを助長してしまいます。これを見た人は「多くの人がポイ捨てしているのか」と考えて、自分も同じような行動を取ってしまうからです。

そのため、以下のようなトイレの貼り紙は最悪だといえます。

こうしたキャッチコピーを見たとき、「多くの人はダメな使い方をしているため、自分一人がダメな活用方法をしても問題ない」と考えてしまうケースも起こります。

ただ、実際のところ多くのキャッチコピーには、結果的に悪い行動を促してしまう文章が書かれています。ただ、それだと自分自身が余計困ることになります。人を正しく行動させるためには、言葉を選ばなければいけません。

伝える言葉を変えると効果的な心理学の原則

このように言葉が少し違うだけで、その後に人間が取る行動には大きな違いが生まれます。これを理解した上で世の中を見渡してみると、間違ったキャッチコピーが多く見受けられます。

  • ここでタバコを吸わないでください
  • この建造物にキズをつけるのは止めてください

本当にこれらの行為を止めて欲しいのであれば、「多くの人は正しい行動をしていますよ」と伝えなければいけません。

例えば、「ここでタバコを吸わないでください」ではなくて、「多くの人は、みんなが利用している100m先にある喫煙所を利用しています」となります。

また、「この建造物にキズをつけるのは止めてください」ではなく、「みんなが大切に扱ってくれているため、この建築物は今でもキレイなままです」としなければいけません。たったこれだけですが、大きな違いが表れます。

人がいないと人間は悪い行動を行う

このように考えれば、あらゆるキャッチコピーで多くの人が間違いを犯していることに気が付きます。ただ、こうした「人間に自分が意図する正しい行動をさせる」という心理テクニックは他にもあります。

誰も見ていないとき、悪く言ってしまえばどんな悪巧みをしてもバレる危険性は極めて低いです。そのため、極論を言えば好き勝手なことをしても問題ありません。

当然ながら犯罪はダメですが、ポイ捨てなどであれば多くの人が一度はやってしまったことがあるのではないでしょうか。

それでは、これらポイ捨てなどの小さい迷惑行為を防止する方法があるとすれば、どのようなことが考えられるでしょうか。

ポイ捨てをするとき、誰もいない場所で行う人がほとんどだと思います。これがたとえ見知らぬ場所であったとしても、誰か他の人がいればポイ捨てを行うのを躊躇してしまう人が大半です。このように、「誰かに見られている状態は迷惑行為の抑止力になる」という事実があります。

自分の姿を映す鏡を置けば悪い行動が少なくなる

このとき他人がいなくても、自分の姿を鏡に写すことも同様に抑止力になります。例えば、子供に対して「向こうの部屋にお菓子があるから、一個だけ取ってきてもいいよ」といいます。子供は勝手に部屋へ行ってお菓子を取るのですが、誰も見ていないので何個取ってもバレません。

アメリカで行われた実験ですが、このときには33.7%の子供が言われた数よりも多くのお菓子を取ってきました。

そこで、今度は条件を変えます。どのようにするかというと、お菓子が入っている箱の後ろに大きな鏡を置きます。これによって、子供がお菓子を取るときに自分の姿が写っている状態を作り出すことができます。

このときの結果はどうだったかというと、言われた数より多くのお菓子を取った子供は8.9%にまで減りました。

鏡を置くことによって、「自分が言われた数より多くのお菓子を取っている」という姿を見せることができます。これが抑止力へと繋がったのです。他人でなくても、自分の姿でも問題ありません。

万引きなどの犯罪を防ぐ方法として防犯カメラがあります。この方法でも十分に通用しますが、コンビニなど店によっては鏡を設置している店舗が多いです。例えば、以下のような鏡です。

また、防犯カメラを設置することで「他人の目」をつけることもしています。心理学で考えると、こうした対策はとても有効な方法の一つであることが分かります。

名札付けや実名があると正しい行動を取る

鏡だけが迷惑行為を防止する方法ではありません。名札を付けさせることで、自分の名前を相手に知らせることも正しい人間として行動させるときに有効です。

そのため、たとえ子供であっても名札を付けさせる行為は「より好ましい行動をさせる」という観点でいえば効果的な方法の一つとなります。

このように考えると、例えば友人にセミナーや講演会の手伝いをさせるとき、ただ頼むよりも「名札を作って付けさせる」ようにするといいです。これだけで、たとえボランティアであっても頑張って働いてくれるようなります。

またネット上での書き込みであっても、某巨大掲示板では誹謗中傷など好き勝手なことが書かれています。しかし、Facebookなどの実名登録の場合では発言に責任が生じるため、かなりまともな情報交換がされています。これは、実名であるためです。

匿名だと、批判が大好きな人間は好き勝手なことを言い始めます。ただ、実名だとそうしたことが起こりにくくなります。

目の絵を見せて迷惑行為を抑制する

当然、他にもこうした心理効果を用いた手法は存在します。例えば迷惑行為を防止するという意味では、「目の絵」であっても同様の効果があります。

第三者に見られていなかったとしても、「目の絵」があることによって「ただの絵」が掛けられている場合よりも大きな抑止力が働くことが分かっています。

例えば、私が立ち寄ったあるコンビニのトイレには以下のようなポスターが貼られていました。万引きを防止するために貼られていた、とてもよくできたポスターです。

このように、「万引きを防止する」という観点であっても至るところに心理学の要素が組み込まれています。わずかな工夫かもしれませんが、こうしたポスターを掲載するだけでも悪いことの防止に役立ちます。

心理学を使い、正しい人間として行動させる

伝え方によって、人を良い方向に行動させたり、悪い行動をさせたりするケースがあります。このとき、特に多い間違いとして「禁止を促す貼り紙」があります。「ポイ捨てをしないでください」などのように、悪い行動を禁止させる貼り紙をしてしまうのです。

ただ、このようにすると人間は無意識のうちに「ここではポイ捨てをする人が多い」と考えるようになります。そうして、さらに悪い行動をする人が増えます。

そこで、注意の方法を変えましょう。多くの人が正しい人間として行動していることを記すのです。

また、こうした貼り紙に限らず鏡を使ったり、名札を使ったりと、正しい行動を促す手法はいくつも存在します。

少しやり方を変えるだけで、迷惑行為は激減します。人を正しく行動させられていないのは、あなたのやり方が間違っているだけかもしれません。そこで心理学のテクニックを取り入れ、伝え方を工夫するようにしましょう。

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