似たもの同士は仲が良い傾向にあります。そしてこれは、人付き合いをするときも同じです。ビジネスでも同じです。人は自分と似た人に好感を持ちやすいようになっているのです。これを、「類似性の法則」といいます。
敏腕営業マンは、この類似点を探すのがとても上手です。まずは相手のことを聞いていき、何とかして自分との類似点を探そうとします。この時の類似点は何でも良いです。例えば、以下のようになります。
営業:どこの出身ですか?
客:実は神戸出身なんですよ。
営業:そうなんですね。実は弟が大学で神戸に行ってまして、よく話を聞くんですよ。最近だと○○祭りが有名だと弟から聞いたんですが、行ったことありますか?
客:懐かしいですね。子供の頃は毎年行っていました。
このように、何でも良いから共通点を見つけながら会話を繋いでいきます。別に弟が大学に行っていなかったとしても、自分が神戸に旅行したことがあるなら、その話で共通点を見つければ良いです。過去に友達から聞いた話でも問題ありません。
要は、その人が知っている範囲で共通する部分があればどんなものでも良いです。
類似性による好意
営業マンが行う手法は先ほどのように共通点を無理やり見つけていくことにあります。それではビジネスではどうかと言うと、「共感」が全てになります。人によっては、「神話の法則」と言ったほうが分かりやすいかもしれません。
人気のある映画やマンガのストーリーは全て型にはまっており、どれも同じ展開で物語が進んでいきます。理由は簡単であり、この型が最も共感を呼びやすいためです。この型が神話の法則です。
神話の法則を簡単に言ってしまえば、「逆転ストーリー」となります。これ以外の型であると、人の共感を得るのはなかなか難しいです。
例えば、「最初から頭が良くて東大へ行き、大学院はハーバードを出て大手企業に就職後、独立して3ヵ月後から月商1000万を達成しました」という人の話を聞きたいと思いますか? 多分、ほとんどの人が「自分には無理だ」と思って話を聞かないと思います。
それでは次の場合ではどうでしょうか。
大学は二流大学で成績も普通。ようやく就職できましたが、リストラにあって底辺を彷徨いました。しかし、あるメンターと出会った後に起業する道を選び、一年後にようやく利益で200万を毎月だせるようになりました。
このような私でも出来たので、同じように困っている人の手助けをしたいです。 |
いかがでしょうか。内容が本物であるなら、「少しは話を聞いてみてもいいかな」と思ったと思います。なんだか、自分でも出来そうな気がします。
このように、地を這った後に利益が毎月200万という簡単な逆転ストーリーが描かれています。これが人を共感させる王道ストーリーです。この共感によって、「自分と同じだ」と思わせることができるのです。
人は全員、神話の法則の中で生きています。例えば受験があると聞けば、受験戦争という底に落とされた後に「合格」という逆転ストーリーを勝ち取るために頑張ります。
他にも、就職活動をするとなれば「不景気」、「雇用圧縮」という言葉が飛び交う中で底に落とされ、そこから「内定」を取るために努力していきます。このように、全ては逆転ストーリーで人生が成り立っています。
こう考えると、「どのようにして共感させることで好感を生み出すのか」や「なぜ売れる映画やマンガは全て神話の法則に従っているのか」などが見えてくると思います。