あなたはなぜ働くのでしょうか。よくある金持ち本を読むと、大金を手にした後にセミリタイア生活を送るような話がでてきます。南の島に移住して、あとはのんびりと過ごすことが素晴らしいかのように記載されています。
それでは、世間の大金持ちがセミリタイアを考えているかというと、実際のところそうではありません。何億円という資産を保有していても、精力的に働いている人がほとんどです。そして彼らは全員、「強欲なために、さらに稼ごうとしている」わけではありません。
それでは、なぜ働いているのでしょうか。これは、それだけ仕事の意義を見出しているからといえます。
この考え方を理解すれば、やりがいのある好きな仕事を選んで自由に働けるようになります。ここでは、社会的意義のある仕事をするための考え方について解説していきます。
お金を稼ぐ思考に切り替える
お金はもらうものだと多くの人が考えています。一番わかりやすいのは時給であり、これは「1時間働くごとに800円」など、もらえる値段が事前に決められています。サラリーマンも同様であり、何となく定時に出社して、残業代をもらうために意味なく会社に残り続けます。
このような状況はお金が上から降ってきている状態であり、自らお金を稼ごうとはしていません。
そのためか、宝くじに当たって一攫千金を狙ったり、楽に儲かる投資話などにのったりして、「働かずにセミリタイア生活を送る」というよくわからない話が出てきます。なぜ、こうした話が出てくるのかというと、それは「時間を差し出すことで、お金を生み出すことが頭に染みわたっている」からだといえます。
また、仕事している時間を「我慢の時間」だと考えている人が多いです。人生の中で、最も多くの時間を費やすものの一つが仕事です。それならば、考え方を工夫することで仕事の時間をやりがいのある内容に変えれば、良いことがたくさん起こるように思わないでしょうか。
社会的意義のある仕事にやりがいを見出す
そもそも、どのような仕事であってもやりがいはあります。例えば清掃の仕事であれば、マニュアル通りにこなすだけでは苦痛でしかありません。
そこで、より効率的に作業する方法を自ら考えることができます。また担当している建物の社員にヒアリングして、「どのような部分が気になっているか」を聞き出してもいいです。
こうして仕事をしていき、もし前の担当者に比べて明らかに建物がキレイになって使いやすくなれば、必ず建物を利用している人から喜びの言葉をもらうようになります。こうして、仕事に対する意味付けをするのです。
ただマニュアルに沿うのではなく、自ら仮説を立てて検証すれば、それによって結果が生まれます。結果が悪ければ元に戻せばいいし、良い結果が出たら取り入れるようにします。これを繰り返すことが、「生み出す仕事」につながっていきます。
やりがいのある仕事を行う
この思考法を行えるようになると、やりがいをもって仕事に取り組めるようになります。多くの人が勘違いしているのは、「どこかにやりがいのある仕事が転がっていると考え、それを探している」ことです。
しかし、実際はそうではありません。やりがいのある仕事は転がっているわけではなく、自分でやりがいある仕事を生み出さなければいけません。そうして、仕事が好きになっていきます。
やりがいのある仕事を作る方法は、前で述べたように「自分で仮説・検証を繰り返して仕事を生み出す」ことで達成できます。つまりマニュアルに従うのではなく、自分のルールを作り出すのです。
前の例で述べた清掃の仕事は、多くの人が嫌がる業種の一つです。ただ、やり方や考え方によっては大きなやりがいを感じることができます。好きな仕事というのは、誰かが用意してくれるものではありません。自ら仕事を創造することが、好きな仕事を自由に行うことにつながるのです。
自ら仕事を生み出すことに意味がある
要は、サラリーマンであっても、自分で仕事を作り出せばいいのです。上司に反対されるからという言い訳はどうでもよく、許可なく試しに実行してみれば問題ありません。
社会正義に反することでなければ、基本的には誰も文句をいいません。そこで大きな実績を出せば、上司は認めるしかありません。
もし、これであなたの実績が認められず反対された場合、そこの経営者は無能であり、会社に未来はないのですぐに転職するほうが望ましいです。実際のところ、「仕事を生み出す」という思考で働いている人は少数であるため、他の会社であればさらに活躍できるようになります。
自分で仕事を生み出す楽しさを知れば、セミリタイアなどよく分からないことを考えることはなくなります。お金を稼ぐために働くのではなく、社会のために自由に仕事をするという思考に切り替わることでしょう。
例えば私の場合、サイト運営を仕事にしています。このとき、サイト上に有益な情報を無料で公開しているわけですが、これによって感謝の言葉をもらうことが何度もあります。例えば、以下はSNS経由で実際にもらった感謝メールです。
ビジネス(金儲け)の目的で私はサイト運営をしているわけですが、やはりこうした感謝メールはお金をもらうこと以上の価値があります。
私の場合、優れたWebサイトを運営するほど喜んでくれる人がこのように増えるため、社会的意義の高い仕事をしていると実感できます。
重要なのは、こうしたことはサラリーマンでも実践できることです。仕事を我慢の時間と捉えるのではなく、新たな価値を生み出す創造的な時間に変換することが本当の意味で自由に働くことだといえます。働く意味を間違えてはいけません。
やりがいある自由な仕事を選ぶためには、あなた自身が新たな価値を生み出していく必要があるのです。
成果を生み出すビジネスマンになる思考法
それでは、仕事にやりがいを見出すことの重要性について他の角度から見ていきます。
生きている以上は、誰であっても価値のある人生を歩みたいと思うものです。それでは、どのようにすれば社会から必要とされる人間になり、自己実現を行えるようになるのでしょうか。そのためには、仕事や職業に対する意義付け・意味付けを適切に行う必要があります。
これは、「自分の存在価値を高め、認めてもらいたいという欲求」を満たすことと意味は同じです。
人は生まれながらにして、他人に認められたいという欲求をもっています。詐欺師は別にして、普通の感覚をもつ人であれば「自己の職業が他の人の役に立ち、社会貢献できる人生を歩みたい」と必ず思います。これを実現させることが重要なのです。
成果を作る人の共通点
実際のところ資本主義社会の中で生きていく以上は、必ずビジネスをして仕事を行うことになります。仕事をする以上、利益を出さなければいけません。利益がなければ仕入れ先にお金を払えず、従業員の給料も出せず、銀行にお金を返すことができません。
そういう意味では、稼げない人ほど「悪」なものはありません。稼げないと他人に迷惑をかけてしまいます。
そこで良い商品やサービスを開発し、それを提供することでお客様に感謝されながら大きな利益を生み出すようにしなければいけません。これを実現させてこそ、ビジネスだといえます。
その中でも、大きな成果を生み出す人であるほど仕事や職業に対する意味付けを徹底しています。例えば、3人の営業マンがいるとします。この営業マンたちに「あなたはどんな仕事をしていますか?」とそれぞれ尋ねてみました。すると、以下のようなバラバラな答えが返ってきました。
- 自分は会社の商品を売る営業マンです。いまは忙しいので、これ以上の質問は後にしてくれませんか。
- 私は商品を売ることで、お客様に感謝されることだけを考えています。商品を売って喜ばれるため、これ以上楽しいことはありません。
- よくぞ聞いてくれました。私の会社の商品はあらゆる環境の水を浄化する仕組みを構築しています。その営業を担当していますが、この商品が全世界に広がれば、アジアやアフリカなど世界中で困っている人を救えます。この商品を広めて世界を救うまで、私は絶対に諦めません。
この中で、あなたはどの人が最も成功すると感じるでしょうか。この中であれば、「3」の返答をした人が最も大きな成果を出す可能性が高いです。
成果の出る人は、自分の仕事の社会貢献性を理解している
まず、「1」の人は論外です。営業という仕事にプライドがなく、お客さんに対して商品を売ることしか考えていません。これでは、お客さんは逃げていくので成果が上がることはありません。
一方で「2」の人は素晴らしい考え方をもっています。営業職の本質は、商品やサービスを使ってもらうことでお客様の悩みを解決することにあります。決して、無理に販売することではありません。そういう意味では、営業という仕事を通じてお客様に喜ばれるように留意しているのは素晴らしいです。
ただ、さらに上をいく人が存在します。それは、自社のサービスが大きな社会貢献になることを認識したうえで活動する人たちです。
「なぜ、そのような仕事をするのか」について、その意義を熟知したうえでビジネスを動かしています。こうした人たちであれば、より大きなビジョンをもって活動できるようになります。お客さんを満足させるのは通過点であり、そこからさらに社会貢献の領域まで到達しようとするのです。
このように、自分が行っている職業に対して肯定的な考えを抱いたうえで、未来に対する見通しを持っている人は成果を生み出すことができます。ビジネスに対する意義付けをすることで、自己実現を達成しようとします。
楽しく仕事できる環境や仕組みに「努力」や「才能」は勝てない
ただ、いくら仕事への意味付けが重要とはいっても、まったく興味を持てない仕事ではダメです。あなたにとって、興味関心のある分野でなければ仕事で大きな成果を出すことはできません。
例えば世の中には、圧倒的な成果を出している人がいます。スポーツの世界でいえば「メジャーリーグで84年間破られなかった安打記録」を更新した日本人としてイチロー選手が知られています。彼は野球のドラフト指名で4位であり、当初はまったく注目されていなかったことで有名です。しかし、その後に大きな活躍をしました。
こうした活躍をする人をみていると、共通点があることに気が付きます。それは、「どれだけ本気になっているのか」ということです。
・努力と天才ではどちらが優れているのか
もともと天才肌の人がいれば、一方でスキルを努力によって補おうとする人もいます。あなたは、天才と努力のどちらが最終的には勝つと思うでしょうか。答えをいえば、努力が勝ちます。
どれだけ天才的な才能をもっていたとしても、練習をすることで技能を伸ばす必要があります。これを怠れば、圧倒的な努力をしている人には勝てません。いくら才能があっても、それを成長させる努力を継続しなければいけないのです。そのため、天才は努力に勝てません。
それでは、天才としての才能をもつ人が努力をすればどうでしょうか。この場合は大きな成績を残すレベルにまで成長します。もっている才能が開花されるのです。
ただ、実は天才の人でも努力をしている人でも勝てないものが一つだけあります。それは「夢中」です。夢中になっている人はある意味で最強です。
「努力する」というのは、どういう感情で動いているのでしょうか。いわゆる、必死で頑張っている様子であるといえます。たとえ興味がなかったとしても、何とか行動しようとしている状態が努力です。確かに行動をしているものの、そこに楽しさなどの感情はありません。
それでは、夢中になっている人はどうでしょうか。この場合、本人は努力しているとはまったく感じていません。それを行うことが楽しいため、食事や寝る時間さえ惜しいと感じています。何時間でも集中して取り組むことができるため、頑張らなくても継続して行動を起こすことができます。
先ほどのイチロー選手は、まさに野球に対して夢中になっていた人だと推測できます。本当に大きなことを成し遂げる人は全員、夢中になっています。
努力や才能は「夢中」に勝てない
夢中になっている人は、楽しみながら行動しているといえます。結果を出したり新たな挑戦をしたりすることに対して、喜びを覚えるのです。スポーツであれば、練習するほど記録が向上する様子をみてうれしくなり、夢中になって行おうとするようになります。
それでは、これを仕事に置き換えてみましょう。仕事に対して努力してもいいですが、それだけでは不十分です。それよりも、自分が本当に好きだと思っている分野で働き、さらには夢中になっている人であるほど大きな成果を出せます。
例えば、営業職の人を考えてみましょう。営業は人と会うことが仕事ですが、同じことの繰り返しになっている人がほとんどです。ただ、トップセールスであるほど刺激的な人と毎日会うことができ、新たな気付きを得ながら普通の人では考えられないような営業成績を生み出します。
成果を上げるほど周りからの賞賛を得ることができ、さらに人が集まってくるという好循環が生まれます。そのため、営業で成績を残している人は「営業職は最高に楽しい職業」と全員が答えます。自らを夢中にさせる環境に身を置き、そのような仕組みを構築しているのです。
それでは、今度はお客さんの立場になって考えてみましょう。「仕方なく営業活動をしている人」と「楽しみながら営業をしている人」の2人がいた場合、あなたはどちらから商品を購入したいと思うでしょうか。
夢中になっている営業マンの方が、アフターフォローまでしっかりと行ってくれるように感じます。その仕事を辞めることもないだろうと予測できるため、何か困ったことがあってもすぐに連絡がつくとお客さんは考えます。そのため、夢中になって営業活動をしている人から商品が売れていきます。
重要なのは、どれだけ楽しく仕事できる環境や仕組みを構築できるかにかかっています。本当の意味で成功するには、「夢中になれる仕組み」を何とか作り上げることが必要不可欠です。
こうした概念は、これまで何かを成し遂げたことのない人にとっては理解しにくいかもしれません。ただ、誰もが認めるような成果を出した人であれば、全員がその通りだと感じる内容です。
能力の棚卸を行い、分野を変えて価値を付加する重要性
こうしたことを実現するため、まずは自分の能力を見つめなおすようにしましょう。ビジネスで成果を出すためには、自分の価値を知ることが重要です。その後、自分の価値を高める努力をしなければいけません。
夢中になって行動し、高度なスキルや知識を身に着けたうえで仕事をするようにするのです。
実際、社会貢献性の高い仕事を継続するには、特定分野の専門知識がなければ不可能です。例えば医療で世界を救うにしても、医療知識がなければいけません。環境浄化の製品を売るにしても、営業力がなければ相手先に受け入れてもらえません。そのため、あなた自身の価値を高めるのです。
ただ「価値を高める」ことを考えたとき、特定の分野で一位でないといけないかというと、必ずしもそうではありません。少し考えれば、自分の価値を大きく増大させることができるようになります。これは、勝負する分野を変えるだけで問題ありません。
勝負する分野を変えれば、大きな価値が付加される
自分には能力がないと考えている人がいます。しかし、本当にそうなのかを考えなければいけません。実際のところ、見せ方を少しずらすだけでビジネスで大成功できるほどの能力をもっている人は多いです。
能力の棚卸(自分がもっているスキルを見極めること)をするとき、もし相手に誇るだけの力がないと感じているのであれば、力を発揮する場所を間違えているといえます。
多くの人は、強大な相手がいる分野で攻めようとします。そのため、まったく相手にされません。
例えば、簿記一級の資格をもっているとします。この状態で税理士事務所へ入社すればどうでしょうか。その場合は間違いなく、大切にされることはありません。税理士事務所では、税理士資格をもっていることが活躍するための第一条件です。簿記一級では馬鹿にされるだけです。
これと同じことは銀行でも起こります。銀行で簿記やFP(ファイナンシャルプランナー)の資格をもっていることは普通であり、別にそれが大きなプラスになることはありません。
環境を変えればトップになれる
それでは、簿記一級ほどの会計知識や能力をもっている人が中小企業へ行けばどうでしょうか。それまでの環境とは打って変わって、あなたはトップクラスの人材として受け入れてもらえるようになるはずです。
同じように、保険や不動産など営業の中でも花形と呼ばれる業界で活躍できない人は多いです。これは当然のことであり、こうした業界であるほどトップクラスの営業マンがひしめき合っています。
それでは少し考えを変え、風俗業界の営業職であればどうでしょうか。こうした業界は偽名で入社試験をパスできるほどの業界です。そのため、言葉は悪いですが普通の会社の営業職として通常の成績を出している人であるなら、風俗業界であればトップ営業マンとして活躍できます。
このように考えれば、勝負する分野や業界を変えるだけで、誰でもトップクラスの成績を出せるようになります。競合がひしめき合う分野で勝負するから埋もれるだけであり、自分の能力をうまく活用してライバル不在の分野で勝負すればいいだけなのです。
価値を提供すれば、相手が勝手に寄ってくる
考え方を変えれば、いくらでも活躍できるようになります。例えばマラソンであれば、42.195kmを世界で一番速く走れれば誰もが注目します。ただ現実的には無理なので、分野を変えます。
例えばマラソンで世界100位だったとすれば、普通に考えれば価値がないと考えてしまいます。ただ、実際は大きな価値があります。例えば分野を変えてトライアスロンへ転向すれば、トップクラスのマラソン成績を残せる可能性が高いです。
それでは、マラソンで1万位だとすればどうでしょうか。これも問題なく、地元のマラソン教室であれば人を指導する先生として活躍できます。まったくマラソンを体験したことのない素人に比べれば、42.195kmを何度も完走しているというだけで、すごい人だと思われるようになるのです。
こうして分野や見せ方を変えてトップの成績をおさめるようになれば、勝手に人が集まってくるようになります。ビジネスで稼げている人であるほど、自分を売り込みません。そうではなく、お客さんから「ぜひともあなたから学びたいのでよろしくお願いします」と懇願されます。
結果を出せば、仕事が楽しくなります。そうして夢中になって行動していけば、さらに高度なスキルや知識を手にできます。
当然、自分の仕事に対する意味付け・意義付けを認識しやすくなります。このように考えて行動していけば、仕事はさらに楽しくなります。
・見せ方を変えればトップを取れる
一流のコンサルタント、敏腕プロデューサー、売れっ子キャバ嬢など、どの業界であっても客の絶えない人はここまで述べた戦略を採用しています。
ビジネスで大きな人脈を作り上げるためには、相手に対して誇れる何かが必要です。このときは能力の棚卸が必要になるものの、分野を変えるだけで大きな価値を付加させることができます。
人間の価値というのは、「何と比べるか」によって決まります。価値は相対的なものであるため、まずは勝負する業界を変えるようにしましょう。こうした思考を行えるようになれば、仕事でより大きな成果を出せるようになるはずです。
誰でもやりがいのある仕事を行える
どのようにすれば、やる気をもって仕事に取り組むことができるのでしょうか。これについては、あなたがいま取り組んでいるビジネスについて、意味付けを行うことが必要です。
大きなパフォーマンスを発揮する人では、全員が自分の仕事に対して誇りをもっています。惰性で仕事をすることはなく、いまの仕事に対してどのような意味があるのかを見出し、そのうえでビジネスに取り組んでいるといえます。
このとき、より大きな成果を出すためには「夢中になれる分野で活躍することを考える」「自分の活躍できる分野を探す」ことを考えましょう。結果が出て、周囲から認められることもやりがいを得るうえで重要になるからです。
ビジネスで成果を出す人には共通点があります。これらを理解したうえで仕事に取り組まなければいけません。