他人から言われた言葉によって、自分の行動が変わってしまうことがあります。例えば、「あなたは思いやりがある人だね」と言われつづけていると、「自分は思いやりがある人間なのかな?」と思えてきます。そうして、実際にその言葉通りに行動しようとします。

私たちに見られるこの現象を用いた心理テクニックとして、ラベリング・テクニックがあげられます。この手法は、「相手に対して、こちら側が望むことを伝えていくことで、相手にその内容通りに行動させるテクニック」になります。

ラベリング・テクニックをビジネスに活用することで、ビジネスをさらに発展させることができます。ラベリング・テクニックを用いる場合、「お客さんをこちらが意図するタイプの人間に変え、商品の購入に導く」ことができます。

他にも優良顧客を集めてファン化させることも可能です。マーケティングや営業のときにこうした方法を正しく実行することで、ビジネスが非常に円滑になります。そこで、「どのようにラベリング・テクニックでの心理テクニックを利用すればいいのか」について解説していきます。

ラベリング・テクニックを活用し、商品購入に誘導する

それでは、具体的にどのようにしてラベリング・テクニックをビジネスで活用するのでしょうか。

例えば、「子どもに勉強机を買ってあげよう」としているお父さんが店に訪れたとします。通常であれば、このときはおすすめの勉強机を紹介し、その商品を売っただけで終わりになってしまいます。

一方、先ほどのラベリング・テクニックをうまく活用すれば、勉強机以外の商品を購入してもらうことができます。例えば、そのお客さんに対して「子供思いの優しいお父様ですね」と言います。これにより、お客さんは自分のことを「自分は子供思いの優しい父親だ」と考えるようになります。

その後、さらに「子供のことを考えてらっしゃる他の優しいお父様は、勉強机だけでなく本棚や電気スタンドなども買っていかれますよ」と伝えます。

こうして、思っていたよりも多くの買い物をしてしまいます。しかも、このときは「子供のために」と思っているので満足して家に帰っていきます。

ラベリング・テクニックをビジネスに有効活用することで、お客さんに目的のもの以外の商品まで買ってもらうことができます。このように商品を買ってもらうように仕向けるとき、非常に有効な心理テクニックだといえます。

ラベリング・テクニックを活かすと、お客さんとの信頼関係ができる

先ほどの例では、子供用の勉強机を買いに来たお客さんに対して、ラベリング・テクニックを活用しました。その結果として、本棚や電気スタンドなど、買う予定がなかった商品まで購入に結び付けていました。

ただラベリング・テクニックのすごいところは、お客さんにより多くの商品を買ってもらうことだけに留まりません。ラベリング・テクニックを活用した場合、商品を購入したお客さんに満足してもらうことができ、さらにはあなたに好意を持ってくれるようになります

先ほどの例では、子供のための勉強机を買いに来たお客さんに、「子供思いの優しいお父様ですね」と伝え、そのお客様に「自分は子供思いの父親だ」と意識付けることができました。また本棚や電気スタンドまで購入まで結びつけることで、お客さんは「この販売員のおかげで、自分は子供思いの優しい父親らしい行動ができた」と考えます。

商品を紹介しなければ、優しい父親として振る舞うことできませんでした。一方、あなたが他の商品を紹介することで、ようやく優しい父親らしい振る舞いをその場で行えるようになりました。

そのためお客さんは今回の買い物に満足し、再びあなたの店に訪れてくれる可能性が高くなります。ラベリング・テクニックは商品販売にとどまらず、お客さんとの人間関係を築くときにも役立つのです。

優良顧客を集め、ファン化させるマーケティングのやり方

それでは、ラベリング・テクニックはビジネスでの購買のときだけに効果的なのでしょうか。もちろん、そうではありません。優良顧客を集めるときでも有効です。

ビジネスにおいてどんな会社や業界であっても、できるだけ優良なお客さんを集めたいと考えます。このときの優良なお客さんとは、「その会社の商品・サービスに対して多くのお金を使ってくれて、さらにクレームなど面倒な行動を起こさない人」を指します。

こうした優良なお客さんだけをビジネスで相手にしたい場合、先ほど述べたラベリング・テクニックが効果的です。例えば、広告やCMなどでダイエットサプリメントを紹介する場合、以下のような言葉を添えます。

この商品は、貴重な原料を使って丁寧に作られたダイエットサプリメントです。こうした理由から、限られたお客様にしかご提供できません。

そのためダイエットに対する意識が高く、痩せるために正しい努力ができる方のみ、ご提供させていただきます。

このような言葉を商品の広告やCMに添えることで、ダイエットサプリメントの注文を検討しているお客さんは、「自分はダイエットに対する意識が高く、痩せるために正しい努力ができる」と考えるようになります。

その結果、ダイエットの意識が高く、さらに痩せるための正しい努力を惜しまない優良顧客だけが申し込みます。

どのようなメッセージを投げかけるのかによって、集まってくる客層が異なります。当然ながら、「できるだけ楽に痩せたい」と考えている人よりも、「ある程度の努力は問題ない」という人では、後者のほうが客層は優れています。

ラベリング・テクニックを活用することで、その商品に集まるお客さんを優良顧客に限定することができます。その結果、商品の売り上げを大きく伸ばせるのです。

お客さんへの商品販売でトップセールスマンを生み出す営業法

また、ラベリング・テクしてくニックは口コミでも非常に効果的です。ビジネスでの商品を売るだけでなく、お客さんに対してあなたの商品・サービスを口コミれるように仕向けるのです。

言い変えれば、「お客様(クライアント)をトップ営業マンに仕立て上げる」ことになります。商品を売ったお客さんが優れた口コミをしてくれる(勝手にセールスしてくれる)ことにより、結果として何もせずに集客できるようになるのです。

要は、ビジネスにおいて最強のトップセールスマンは「自分のクライアント」だといえます。こうした最高の営業というのは、「いまのお客さんをどれだけ満足させているのか」にかかっています。「お客様をファンにさせ、クライアントに口コミしてもらうことで広く紹介してもらう」ことが最も効果的な手法だといえます

それでは、どのように行動すればお客さんを連続して紹介してもらえるのでしょうか。それは、お礼を言えるかどうかにかかっています。

例えば紹介によって商談が決まったとき、紹介してくれた人に対してお礼を言えているかどうかにあります。ファンになった人は善意で紹介をしてくれます。そのような人に対して電話や手紙を書き、感謝の意思を伝えることが重要なのです。

あなたも誰かを紹介した後に「今回、〇〇さんを紹介してくださりありがとうございます。一度お会いしましたが、人間性や性格など素晴らしい方でした。とても良いご縁をいただいたことに感謝します」と言われたらどうでしょうか。その人のために、もう一度別の人を紹介したいとは思わないでしょうか。

簡単なことですが、こうしたことを実践できていない人はかなり多いです。そのため、たとえ紹介をもらったとしても、一度きりで終わってしまうことは多々あります。

重要なのは、紹介をもらったときに心からのお礼を言えることです。お礼自体は誰でも実践が可能であり、そこまで時間はかかりません。しかしお礼というのは、大きな効果を発揮するツールの一つなのです。

このように、「あなたは素晴らしいお客様です」というラベルを貼る(ラベリング・テニクックを使う)ことにより、結果として何もしなくてもお客さんが舞い込むようになります。

相手を望んだタイプの人間に変える人間関係の構築法

なお、ビジネスで有効なラベリング・テクニックですが、人間関係の構築にも重要な作用があります。

ラベリング・テクニックをうまく活用することで、相手のモチベーションを高めて、より活発な人間に変えていくことができます。ただ、ラベリング・テクニックを正しく行えていない場合、相手のモチベーションを下げるだけでなく、相手がこちらの意図とは逆のタイプの人間になる恐れがあります。

ここまで述べた通り、ラベリング・テクニックの効果的な用い方は、「相手に対して、その相手になってほしいような言葉を投げかけ続ける」ことです。これによって、その相手は実際にそのタイプの人間に変わっていきます。

例えば、自分の子どもに優しい人間になってほしい場合、子どもに対して「君は優しい子だね」と伝えていきます。それにより、その子どもは「自分は優しい人間だ」という意識をもつようになり、優しい人間へと育っていきます。

また、会社の部下に仕事を早くこなしてほしい場合には、その部下に対して「君は仕事が早いね」という言葉をできるだけ多く投げかけていきます。そうすると、その部下は「自分は仕事を早くこなすことができる」と意識付けされます。そうして、本当に以前よりも素早く仕事をこなせるように変化します。

相手に対して「なってほしい人間像」を多く語り続けることで、相手はこちらが意図するタイプの人間に変わります。これをビジネスに活用すれば、優秀な社員を大量生産することも可能になります。

・シチュエーションに合った言葉をかけ、相手の誤解を防ぐ

もちろん実際に言葉をかけるとき、その状況に応じて適切なものを選択する必要があります。

例えば、自分の子どもをやさしい人間にしたい場合、子どもが他の友達とケンカをしていたとき、「君は暴力的な子だね」などと声をかけてはいけません。子どこに対して「暴力的な人」というラベルを貼ることになり、さらに暴力を振るうようになる可能性があるからです。

そこで、「君は優しい子だから、すぐにやめてくれるよね」といったニュアンスの言葉を自分の子どもにかけます。それにより、その子どもは「自分は優しい人間だから、ケンカはいけない」と意識づけされます。

・マイナスの言葉にもラベリング・テクニックが適用される

このように、負の言葉を投げかけると相手はその通りに動くようになります。良い言葉を発すると相手が良い人間になるように動くのと同じように、悪い言葉だと悪い人間のように振舞うのです。

「お前はダメな人間だ」という言葉だと、本当にダメ人間として行動するようになります。ラベリング・テクニックというのは、あらゆる場面で通用されると考えましょう。

相手へ丁寧にお礼を言い、感謝を伝えると敵対心が薄れる

ちなみに、会社内を含め敵対心を抱いている人についてもラベリング・テクニックは効果的です。例えば相手が何か仕事をした後は、なるべく丁寧にお礼を言うようにします。このときは絶賛するように、相手に感謝の気持ちを伝えます

例えば、相手がビジネスで成果を出したとき、それに対して絶賛します。例えば、以下のような形になります。

〇〇さんが企画したプレゼン内容、最高でした。いままでにないビジネスモデルですし、やはり企画力は抜群ですね!

こうした言葉を伝えるようにします。これによって、相手はあなたへの敵対心を少なくします。「自分のことをほめてくれる人に対して、高圧的な態度を取れない」と考え、あなたに対して良い態度を取るようにラベリングされるからです。

褒め言葉かけを続けていくと、相手はあなたの敵ではなく、むしろ味方になってくれるようになるのです。

しかも、これら褒め言葉を投げかけていれば、相手に対して「仕事で相談があるのですが、教えてくれませんか?」と伝えたとしても嫌がることはありませ。そうして、さらに互いの仲が改善されていきます。もちろん、このときは「忘年会の幹事をしてくれて、店選びが最高だった」などの内容でも問題ないです。

・風評(うわさ)を利用し、こちらへの敵対心を薄れさせる

また、敵を味方に変えるラベリング・テクニックとして風評(うわさ)の活用はより効果的です。具体的には、相手の耳に「あなたが褒めている」といううわさが入るようにするのです。

先ほどの例であれば、「〇〇さんはとても仕事ができる人で非常に優れている」と周囲の人に言いまくります。そうすれば、「あなたが褒めていた」ことは、風評(うわさ)として勝手に広がります。これによりあなたに敵対する相手からは、あなたに対する敵対心が次第に薄れていきます。

自分が直接伝えるよりも、こうしたうわさを活用したラベリング・テクニックも存在するのです。

当然、人間関係の構築に限らず、ビジネスの場を含めあらゆる場面で風評によるラベリング・テクニックは重要です。例えばお客さんを紹介してもらったとき、紹介先との商談のときに「紹介元の人」をできるだけ絶賛する必要があります。

お客さんを紹介してくれたということは、当然ながら「商談しているお客さん(紹介先)」と「紹介元の人」は別の場で会う確率が非常に高いです。そのとき、「紹介元の人」を絶賛していたことが本人(紹介元)に伝われば、紹介元の人は「より、あなたにお客さんを紹介したい」と思ってくれるようになります。

言葉で相手を誘導する心理テクニック

ビジネスの場面において、言葉は非常に重要です。今回述べたように、ラベリング・テクニックによって相手をこちらの思い通りの人間に変えていくことができるからです。ビジネスの場であれば、どれだけラベリング・テクニックを利用するのかによって売り上げも変わってくるようになります。

さらに、相手と良い人間関係を構築する場面でも良い言葉を投げかけたり、こちらが意図する人間になるように仕向けたりするのは有効です。

もちろん、その反対に「相手を勘違いさせ、こちらの意図しない人間に変えてしまう」こともあります。負の言葉を投げかけると、悪い結果を生み出すようになるのです。

ラベリング・テクニックを活用する場合には、これらを理解した上で実践しましょう。ビジネスでマーケティングや営業を仕掛けるとき、心理学を用いたテクニックは有効です。そこで、うまくこれらの手法を取り入れるといいです。

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