社会に出ると、いろいろなタイプの人に出会うことになります。例えば、気さくに話しかけてくれる人に会うことがあれば、必要最小限の会話しかしない人もいます。

そのほかにも、こちらが下手に出ているのをいいことに横柄な態度を取る人や、自分の不満を周囲の人に当たり散らす人間もいます。こういった人に出会ってしまうと、非常に神経を使ってしまいます。

日常の業務に支障をきたさないためにも、こちらに対して暴言を吐いたり突っかかってきたりするような人間がいたら、その迷惑行為を直ちにやめてもらわなければなりません。

しかし、そのような人間に対して適切な対応をするためには、こちらができるだけ冷静でいられるように準備しておく必要があります。そこで手に不当な言葉を浴びせられたとき、落ち着いて対処するための心構えや方法について解説します。

人はペーシング(同調行動)を営業やビジネスで活用する

普段の生活において、他人が話しかけてきたとき、人はその相手に同調するような形で返事や反応をします。相手の行動に対して、それに同調する形で応じることをペーシング(同調行動)といいます。

例えば相手が笑顔で話しかけてきたとき、こちらも笑顔で対応しようとします。また、相手が悲しそうな目で話しかけてきたら、こちらは不安げな顔で応対します。また相手が怒っていたときには、こちらはびっくりして相手に対して身構えてしまいます。これらはすべて、ペーシングにあてはまります。

こうした行動はビジネスで利用されます。例えば営業の場面を含め、ビジネスでは「似ていると親近感を抱くようになる」という心理学の法則が頻繁に活用されます。これを類似性の法則といいます。

例えば、同じ出身地であればそれだけで話が弾むようになります。これが同じ学校出身など、さらに狭い類似点があると、より仲良くなりやすいです。

そこで優れた営業マンの場合、相手のしぐさや表情、会話の内容を真似するようにします。ページングによって、さらに親近感を得てもらえるようになるのです。

同調しないのがディスページング

一方で他人が話しかけてきたとき、それに一切同調しないように対応することをディスペーシング(反同調行動)といいます。

例えば相手が笑顔で話しかけてきたとき、こちらが悲しそうな顔で相手の顔を見れば、相手は「何があったのだろう」と思いつつ、こちらの顔色をうかがいます。また相手が不安そうな顔をしているとき、こちらが相手に対して「そんな顔をするな!」と檄(げき)を飛ばせば、相手はびっくりして表情を変えます。

これらはすべて、ディスペーシングにあてはまります。「相手に対して、同調しない行動」だと考えるようにしましょう。

相手への同調をやめ、相手の不当な暴言を中断させる

ここまでを理解したうえで、正しい対応を取るように心がけます。

例えば他人から急に怒鳴りつけられた場合、よほど度胸のある人でもない限り身構えて萎縮してしまいます。ただ委縮したままだと、怒鳴っている相手はさらにヒートアップし、こちらに暴言の集中砲火を浴びせてきます。こちらが相手に対してペーシング(同調)している状態だからです。

つまり、相手の罵声によってこちらが委縮すればするほど、相手は勢いに乗ってさらに余計に暴言を吐くようになってしまいます。そこで相手に対して、不当な言いがかりをやめてもらうように仕向けるためには、こちらがディスペーシングの態度をとる必要があります。

具体的には相手が一方的に言葉の暴力を振るってきているとき、こちらは相手の目を見て冷静な顔でいるようにします。また相手に対して「落ち着きなさい」「静かにしてください」と言い放ち、相手に冷静さを取り戻すことを要求します。

ただ、言葉でいくら分かっていたとしても、自分がその状況に慣れていなければ相手に暴言を浴びせられたときに委縮してしまいます。そこで、自分自身に度胸をつけておく必要があります。

逆質問によって、商品への悪質クレーマーを撃退する

それでは、単純に態度だけを変えればいいのかというと必ずしもそうではありません。相手に対して適切な質問を投げかけることも重要です。

人として生きていく以上、さまざまな人に出会うことがあります。例えば、気の合う人に会うことができれば、友人になることができます。また、知識が豊富な人に会えば、いろいろと勉強になる話を聞くことができます。

その一方で、こちらに因縁をつけて突っかかってくる人に会えば、とても嫌な思いをすることになってしまいます。

また、社会人としてビジネスを行う場合、「自分たちに多くのお金を投下してくれて、さらに商品やサービスに喜んでくれるお客さんだけに注力していきたい」と考えるのは当然です。しかし、ときには悪質クレーマーとの不毛なやり取りに労力を割かなければならない場合もあります。

しかし、悪質クレーマーが言う不当な要求や暴言に付き合っていては、多くのお金を使ってくれる優良顧客への対応に支障をきたす恐れがあります。そのため悪質クレーマーの執拗な言葉攻めを受けたら、それをできるだけ早く止める必要があります。

相手の不当な要求を、逆質問によって止める

悪質クレーマーのなかには、遠回しな言い方で金品を要求しようとする者がいます。具体的には、「どうしてくれるんだ」「誠意を見せろ」などの言い回しで、こちらが責任を負うように誘導しようとするのです。

もちろん、これに応じなければお金を出す必要はありません。しかし、会社の業務に支障をきたさないためには、この状況を直ちに打開する必要があります。

これら「こちらに責任を取らせようとするタイプの悪質クレーマー」に対する適切な対応方法の1つとして、逆質問があります。つまり、相手の言葉に対して常に質問をかぶせていくのです。例えば悪質クレーマーからの電話を受けた社員が対応する場合、以下のように会話を進めていきます。

悪質クレーマー:そちらのせいで、私は大変気分を害しました。どうしてくれるんですか?

社員:「どうしてくれるんですか」と言われましても困ります。お客様は具体的にどのようにしてほしいとお考えでしょうか?

悪質クレーマー:あの、つまり、そちらの誠意を見せてほしいんですよ。わかりますよね。

社員:申し訳ございませんが、全くわかりません。具体的にお話しくださいますでしょうか?

悪質クレーマー:……。

このように、相手の不当な要求に対して、こちらからも質問を投げかけることによって、悪質クレーマーは言葉に詰まるようになります。これは、人間の性質によって起こる現象です。

誰かから質問を受けると、人は「その質問に答えなければ」と無意識のうちに判断します。そのため、こちらの落ち度を明確に指摘できない悪質クレーマーは会話を続けにくくなったわけです。

ページングによって同調すれば、相手は強い要求をしてくるようになります。反対に、ディスページングをうまく活用すれば、クレーマーを撃退することができるのです。

ビジネスでの態度を考えるべき

営業やマーケティングでの電話応対を含め、必ず人と接しなければいけません。そうしたとき、どのように接すればいいのかを考えるのは重要です。

特にビジネスの場面であれば、ページングとディスページングを使い分けるようにしましょう。ページング(同調効果)については、要は相手の呼吸や表情と合わせることで親近感を抱かせるテクニックになります。

ただ、クレーマーに対しては正反対の態度を取るようにしましょう。ディスページングを活用し、相手に主導権を握らせないように留意するのです。

相手に対する態度を変えることで、その後の結果が大きく違ってくるようになります。そこで、どのような態度を取ればいいのかを理解したうえでビジネスを進めるようにしましょう。

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