多くのビジネスマンは売上を伸ばすためにマーケティングを勉強します。ただ、MBAなどで学ぶ経営学に意味はありません。理由は単純であり、マーケティングは日常的に身の回りで起こっており、MBAなどに出てくる難しい分析法などとは程遠いものだからです。

それよりも、商品・サービスの販売をしてビジネスで大きな成果を上げたい場合には、実際にマーケティングが起こっている現場に出向き、そこを注意深く観察しなければいけません。

このときは難しく考えず世の中をもっと単純にとらえ、マーケティングを実践できる人ほどビジネスの世界で起きな成果を出せるようになります。

そこで、ビジネスマンが理解するべきマーケティング戦略の立て方を学び、具体的にどのようにして競合分析をしてビジネスモデルを作ればいいのかを解説していきます。

現場の実学からマーケティングを観察する

大原則として、ビジネスをするうえで経営学を学んでも無意味です。実際、MBAなどの経営学を勉強しても稼げない人は腐るほどいますし、その反対にそうしたことを理解していなくても大きく稼いでいる経営者はたくさんあります。

そうではなく、ビジネスでは実学から学ばなければいけません。

例えば商品の売買が行われている場所の1つとして、スーパーマーケットがあります。スーパーマーケットは、誰しも足を運んだことがあるのではと思います。

このとき精肉売り場を見てみると、近くにステーキソースや焼き肉のたれなどの調味料が置かれていることが多いです。また、ビールなどのお酒売り場の付近には、多くの場合で柿の種やビーフジャーキーなどのおつまみの売り場があります。

これらの商品の配置は、その店舗に訪れたお客さんの感覚を計算した上で決められています。

例えば発泡酒やチューハイなどのお酒を飲む場合、多くの人はお酒を飲みつつピーナッツなどのおつまみを口にします。店舗側はこのことを意識し、お酒売り場の付近におつまみ売り場を配置しています。お酒を買うだけでなく、一緒におつまみを買ってもらえるように計算しているのです。

このように、できるだけ多くの商品を訪問客に買ってもらえるような配置にしています。お客さんの感覚を計算した上で、商品の売り場(配置)を決定しているのです。これにより、実際に多くの商品をお客様に購入してもらい、店舗の売り上げを伸ばしているわけです。

マーケティングは身の回りで起こっている

このように考えると、マーケティングというのは身の回りで起こっていることが分かります。ただ、これらのことを理解せずに難しい分析手法を活用しようとすると、ビジネスで行き詰るようになります。

経営に行き詰った会社経営者や個人事業主のなかには、MBAや中小企業診断士など経営に関する資格を取得した経営コンサルタントに依頼して、アドバイスをもらおうとする人がいます。そうして経営コンサルタントの多くは、一般人が聞きなれない難しい分析法を使って、依頼主のマーケティングについて調査を行います。

しかし、これらの作業が実際のビジネスで役に立つことはほぼありません。前述の通り、マーケティングは常に私たちの身の回りで起こっているからです。人が商品・サービスを購入する場面において、経営コンサルタントが扱う難解な分析法で調べるような市場動向や競合との力関係などの話は一切出てこないのです。

そのため、MBAなどを取得した経営コンサルタントが話すような複雑な分析法をありがたく聞いていても、経営セミナーに出席したとしても、あなたのビジネスの売り上げを伸ばすことはできません。

・マーケティングは肌感覚で考える

本来、マーケティングは肌感覚で考えるべきものです。例えば、あなたが冷蔵庫を買おうと考えていたと仮定します。そしてこのとき、買う冷蔵庫の機種そのものはすでに決まっており、どの店舗で購入するかを検討していたとします。

この場合、いつも利用している家電量販店に行くかもしれません。あるいは、知り合いから「この販売店の方がいいよ」と勧められて、別の店舗で買おうとするかもしれません。また、ネット上で調べて通販で購入するかもしれません。こうしたいくつかの候補の中で感覚的に購入先を決め、目的の冷蔵庫を買うはずです。

このとき、あなたは「現在の冷蔵庫の市場動向」「各販売店の強みと弱み」といった複雑なことは一切考えないはずです。そうした事実からも、マーケティングは肌感覚で考えるべき理由といえます。

戦場が変わると自社の強みや手法も変わる

マーケティング戦略では実学から考えることの重要性を理解すれば、どのように企業の強みを考えればいいのかも分かるようになります。同時に競合がどうなっているのかも分かります。

例えば、スターバックスの強みは何でしょうか。この答えは人によって違ってきます。「落ち着ける空間」と答える人がいれば、「品質の高いコーヒー」と回答する人がいるかもしれません。

ただし、これは誰を競合として捉えるかによって異なってきます。例えば、ドトールなどの競合と比べるとスターバックスの強みは「高品質のコーヒー」「騒がしくない落ち着いた空間」となります。

しかし、これが高級ホテルやレストランが出すコーヒーとなれば、スターバックスの強みは「お手ごろ価格」となります。このように、比較対象とする競合が変われば強みや弱みも異なってきます。

これはどの業界でも同じです。他にも、マクドナルドの強みは「値段の安さ」と「手軽さ」だと多くの人が思います。

しかし、人によってはハンバーガーではなくて「待ち時間を過ごすために待機する場所」を探している人もいます。私も次の商談までのつなぎとして、コンセントがあってインターネット環境のあるマクドナルドを利用することが頻繁にあります。

この場合、マクドナルドの競合は飲食店ではなくてネットカフェやスターバックスに移ります。「値段」という要素に加えて、「インターネットの環境」「コンセントがあるかどうか」「イスの座り心地」なども重要なポイントとなります。

飲食店だからといって、必ずしも食事が目的ではないことに気が付かなければいけません。このように「飲食の提供」という戦場から「休憩場所の提供」という戦場へと考えを変えることによって、競合がガラリと変わってしまいます。

このように考えると、業界内でのシェアや規模を考えるのはそもそも意味がありません。本当の競合はどこかを考え始めると、特定の業界内で争うことがいかに無意味であるか理解できます。

他にも、バス会社のライバルはどこでしょうか。これはその他バス会社ではありません。高速バスであれば、電車・新幹線、飛行機などがライバルになります。

これをバス会社という狭い業界だけに注目していれば、いつまで経っても売上を上げることができません。「本当のライバルは自分がいる業界の外にいる」という事実を認識する必要があります。これによって、ようやく本当に勝負すべき相手を見極められるようになります。

人によって伝えたいメッセージが異なる

ビジネスとしてあなたが提供する商品やサービスを選んで欲しい場合、お客さんに応じてメッセージを変えなければいけません。これを行うために、まずは誰を競合とするかを決めておく必要があります。

先ほどの例であれば、マクドナルドは「飲食の提供」という戦場で他の業界よりも安く、そして早く提供する必要があります。容易に店舗に入ることができるようにドアをなくし、店の入り口からレジまでの距離を短くします。

しかし、「休憩場所の提供」という戦場を意識すればその対策は異なってきます。これは、マクドナルドが「なぜ多くの店舗で売り場を1階、店内での食事は2階と分けているのか」「なぜ机にコンセントの穴があるのか」を考えれば、ようやく何を考えてマーケティング戦略を立てているのか理解できるようになります。

そこで、自分の競合となるのは誰かを見極めるようにしましょう。本当の競合はあなたが想定している範囲外にいることはよくあります。戦場を変えてみれば、ビジネスを行うために必要な戦略も異なってきます。

戦場の種類とビジネスモデルの立て方

それでは、実際にどのようにしてどのようにしてビジネス戦略を練ればいいのでしょうか。マーケティング戦略の立て方としては、適切な方法があります。

そのため、まずは差別化を意識しましょう。差別化とはいっても、3つのやり方しか存在しません。このうち、どれを目指すかによって想定する競合や戦略を変えなければいけません。このときの戦略としては、以下があります。

  • 手軽なサービス:できるだけ安く、そして早く
  • 高度な商品:商品の品質
  • 地域密着:オーダーメイド(顧客に応じる)

例えば、病気を治す場面を考えてみましょう。このとき、どのようにして体の不調を改善させるかというと以下のような方法があります。

・手軽なサービス:ドラッグストア(一般用医薬品など)

とにかく安く、そして早くと考える人であればドラッグストアに行きます。多少のことなら「ドラッグストアに置いてある一般用医薬品で良い」と考え、できるだけ値段の安い店を選びます。

ドラッグストア側にしても、規模を大きくすることでできるだけ安く商品を取り揃えたり、ポイント制度を導入したりすることで新規顧客の獲得を急ぎます。

・高度な商品:急性期病院

一方で急な病気や事故などであれば、かなり高度な医療によって治療を受けなければいけません。そのため、最新の医療設備が整っている急性期病院では医療の質で勝負する必要があります。

これが、商品軸での勝負になります。今回の例の場合、商品は最新の医療になります。できるだけ高度な商品を提供してもらうことで、高くてもいいので病気を治してもらうようにするのです。

・地域密着:行きつけの診療所や薬局

ただ、そこまで大きな病気でない場合は地域密着型の行きつけのクリニックへ行きます。しかも、このときは他の店舗に浮気されくいです。実際、風邪をひいたときに出向く診療所を毎回変える人はいないです。

病気に罹ったときにいつも行っている診療所や薬局であれば、その人が過去にどのような病気を持っていたかをすぐに調べることができます。これによって、病院ほど高度な医療機関ではなくても、その人の症状に合わせた密着型の医療を提供することができます。

どれか1つの軸だけに特化することが差別化となる

マーケティングでは、この3つある種類の中でどれか1つだけに特化させる必要があります。2つ同時に取り入れることは不可能です。2つ同時に取り入れようと思った時点で失敗し、倒産への道を踏み出します。

例えば、高度な商品開発で勝負するマーケティング戦略を採用するのであれば、「低価格を実現させる」というメッセージを排除しなければいけません。品質で勝負しているにも関わらず、同時に低価格まで満たすことはできないからです。

先ほどの例でいえば、高度な医療を提供する病院が低料金プランを実現するために努力するのは不都合といえます。最新の医療を売りにするべきなのに、必要な検査を飛ばしたり安い機材を活用したりして、料金を抑えることを考えるのは最悪です。

むしろ、患者さんからしてみれば医療費は高くてもいいので、あらゆる機器を駆使して自分の命が助かる方を優先して欲しいと考えます。高品質と低価格を両方とも満たすことは不可能であり、差別化を考える以上はどれか1つだけの軸を見定めなければいけません。

・家電量販店(小売り)で考える差別化戦力

他にも家電を見ても分かると思います。いわゆる家電量販店であればチェーン展開することによって大量に仕入れ、できるだけ安く商品を売ろうとします。これは手軽なサービスで勝負しようとしています。

しかし、Apple社は基本的に値引きをせずに定価で商品を売ろうとします。定価であっても、商品に絶対的な自信を持っているためにその品質だけで売れていきます。これが高度な商品を売りにしたマーケティング戦略です。

また、個人で運営している電気屋は完全なる地域密着になります。商品の値段を安くすることはしませんが、店主によっては電球一個を交換するだけでもお客様の家まで出向いて作業してくれます。顧客に合わせて対応するため、この場合は密着型となります。

・ビジネスモデルの立て方を学ぶ

これを理解した上で、自分の強みで勝負しなければいけません。個人の電気屋が値段で家電量販店に勝負しても勝てません。商品開発で勝負しようにも、そのような資金力もありません。

「お客様に合わせて臨機応変に対応を変化させる」という独自の強みに特化しているからこそ、これら個人商店は今でも生き残っています。何に特化すれば良いかを考えていけば、これからどのようにビジネスを展開していけば良いか分かってきます。

なお、価格の高い高級品」が必ずしも高品質戦略ではないので注意しましょう。比較的値段の高い財布であっても、それを海外で大量に調達してコストを抑えた上で販売しているのであれば、これは手軽なサービスで勝負していることになります。

また、1個150円のまんじゅうであっても、代々引き継がれたその店でしか味わえないお菓子であれば高品質の商品で勝負しているといえます。これを理解した上で、特定の分野に絞ることでビジネス展開をしていきます。

市場が飽和しているときに新ビジネスを創出する思考法

ここまで、どのようにしてビジネスモデルの戦略を考えればいいのか理解できました。しかし、「高品質の商品開発で勝負し、事業をしていく」と決めたとしても、特に戦略のないまま開始しても成功することはありません。

実際のところ、ビジネスで儲かる分野は既に決まっています。そのため、レッドオーシャンの中でビジネスをして勝ち抜いていかなければいけません。そこで、他の人とちょっとだけ思考をズラすことを考えましょう。

・壊したり元通りにすることもビジネスである

世の中を見渡すと、「新たな商品やサービスを生み出すことだけがビジネスである」と考える人が大多数です。確かに、物販をしている会社や飲食店など、顧客に対して常に新しいことを提供して商売をしている形態が多いのは事実です。

しかし、ビジネスはそれだけではありません。例えば、壊したり元通りにしたりすることで大きな利益を出している会社が存在します。最も分かりやすい例でいえば、工事業界がこれに当たります。

工事を依頼して新築すると、きれいな家に仕上がります。ただ、何十年も経過すると、次第に老朽化して立て直しが必要になります。そのままの状態では地震などで倒壊する恐れがあるのです。つまり、「新たに創出する」ということは、どこかの段階で「壊す必要がある」ことを意味します。

また、取り壊すだけではなく、リフォームを行うことも有効です。元ある骨格を再利用するのです。そうすれば、値段を抑えながら再建することができます。これは、「元通りにしている」ことになります。

新たに何かを造れば、必ず「壊す」「元通りにする」という作業が必要になります。市場が飽和している状況であるほど、これらの仕事が必要とされます。

つまり、市場が飽和して商品が売れないと嘆いている時点では、まだまだビジネスの素人です。レッドオーシャンで競合が多く、飽和した業界にいるのであれば、少し発想を変えて「今の知識を活用してメンテナンス業に応用できないか」と考えるだけでビジネスが飛躍していきます。

飽和市場に金脈を見出す思考とは

「取り壊す」「元通りにする」という考え方は、工事業界でいえば解体やリフォームなどの業種に分類されます。これらの業界は巨大産業です。ただ、工事業界以外の異分野へ目を向けると、「工事業界での解体やリフォーム」に相当するビジネスがまったく発展していない業界は多いです。

例えば、歯科医院はコンビニの数よりも多いといわれています。そのせいか、開業しても稼げない歯医者は無数に存在します。

他にも、美容師の数はさらに多いです。店舗は無数に存在し、開業している歯科医とは比較できないくらい展開しています。しかも単価が低いため、美容師の給料は低い傾向にあります。

それでは、こうした多くの店舗が存在して客の奪い合いになっており、いわゆる「飽和している市場」ではビジネスを行うチャンスがないのでしょうか。もちろんそうではなく、見せ方や手法を変えるだけで急に儲かるようになります。

例えば、ここまで述べてきた考え方を参考にすれば、以下のように考えることができます。

  • 個人プレーをしている歯科医師(または美容師)をまとめる仕組みを作れないか
  • コンサルビジネスを歯科医向けにできないか
  • 歯科医師や美容師向けの顧客管理ツールは売れないだろうか
  • 事業継承に悩む歯医者向けのサービスを展開する

要は、その業界に参入して真っ向勝負を仕掛けるのではなく、そうした人たちを支援するサービスを構築します。市場が飽和しているほどサービスを欲する人が多くなるため、結果として売り上げは大きくなります。

「市場が飽和している」という言葉を聞いたとき、どのように感じるでしょうか。少なくとも、経営センスのある人ほどチャンスだと考えます。

勝手に発展する市場よりも、誰もが見捨てる市場のほうに実は大きな金脈が眠っています。これに着目できる人だけが、ビジネスで大きなチャンスをつかみ取ることができます。

ビジネス立案の戦術を理解し、大きな売上を作る

どのようにマーケティングでの戦術を考え、ビジネスモデルを構築すればいいのかを解説してきました。多くの人が勘違いすることとして、ビジネスを難しく考えることがあります。特に難しいフレームワークを理解する必要はなく、ビジネスはあなたの身の回りで起こっています。そこで、それらを注意深く観察しましょう。

このとき、マーケティング戦略の手法としては3つしか存在しないことに気が付きます。繰り返すと、以下のようになります。

  • 手軽なサービス:できるだけ安く、そして早く
  • 高度な商品:商品の品質
  • 地域密着:オーダーメイド(顧客に応じる)

これらの手法の中から、どのようなやり方を実践するのか明確に選ぶようにしましょう。これが、最初のセグメンテーションになります。

ただ、それだけでビジネスをしても競合には勝てません。競合の多い中で勝ち抜くためには、さらにビジネスモデルを考える必要があります。そこで、真っ向勝負を仕掛けるのではなく「飽和市場に対して、別の角度からビジネス展開できないか」を考えるようにしましょう。

ここまでマーケティング戦略の立て方を理解したうえでビジネスをしている人は非常に少ないです。そのため、簡単に勝てるようになります。こうしたマーケティング戦術の思考を取り入れ、ビジネスでの売上を拡大させていくようにしましょう。

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