マーケティング

USPで差別化し、競合なしを実現するマーケティングのニッチ戦略

ビジネスを実践するとき、必須となるものが差別化です。個人や中小企業が大企業と正面から勝負しても勝つことはできないため、ニッチ戦略による差別化を図ることが不可欠です。

しかし、世の中に存在する会社の多くは効果的な戦略を打ち出すことができず、疲弊していってしまいます。この事態を避けるためには、ビジネスにおいて正しい戦略をとることの大切さについて理解しておく必要があります。

適切なマーケティングを実施すれば、ライバル企業と勝負することなく独占市場を築けるようになります。

ニッチ戦略でライバル不在になれば、商品価格が高くても売れていくようになりますし、値下げをしなくても問題ないので利益率が非常に高いです。そこで、どのように考えて個人や中小企業がマーケティングを実施すればいいのかについて解説していきます。

成功に必要なUSPで個人や中小企業が生き残る

ビジネスでのマーケティングでは、USPという言葉が頻繁に使われます。USPとは、「独自の強み」のことを指します。あなたの強みを活かし、ニッチな分野でビジネスを確立させるようにするのです。他の会社と差別化を図ることでUSPを確立させなければいけません。

実際、そうしないと大企業と真っ向勝負することになります。大企業の場合、圧倒的なネームバリューや人員、拠点、予算を保有しています。一方で中小企業は、大企業に比べてすべてが劣っています。

どうやっても勝つことはできないため、中小企業が大企業に飲み込まれないようにするためには、中小企業自身が必要な戦略を打ち出し、それを的確に実行しなければなりません。

・1番の声しか聞こえない独占の法則

そのためには、特定の分野で1位にならなければいけません。マーケティングでは、2番手以下は意味がないと考えます。既に圧倒的な1番がいる場合、お客さんにとって1番の声しか聞こえないのです。これを独占の法則と呼びます。

例えば、日本人であれば日本一高い山を誰でも答えることができます。しかし、「日本で2番目に高い山は?」と聞かれれば、ほとんどの人が答えられなくなります。

答えは北岳(きただけ)という山になりますが、この山も富士山と同じように3000mを越す山です。それにも関わらず、この山の名前を知らない人がほとんどです。同じように、日本一大きい湖であれば「琵琶湖」と誰でも答えることができます。日本一面積の大きい都道府県も「北海道」であると分かります。しかし、2位は答えられません。

このように、1位であることはとても重要です。それがどれだけ小さい分野であっても問題ありません。1位にこだわる必要があります。これが、マーケティングを考えるうえでの最大の差別化になります。

業界や地域を絞り、狭い分野で1位をとる成功例

トップを狙うとなると、多くの人は「自分には無理だ」と思います。しかし、そのようなことはなく「狭い分野で1位になれば良い」と思えるかどうかがUSPを確立させる(ニッチ戦略を取る)ときに重要な考え方になります。

例えば、これからセミナー業を行うにしても「○○市で1番のセミナー講師」と狭い地域でトップを目指せば問題ありません。何でも見せ方が重要なので、1位の実績さえあれば問題ありません。

これは、私も同じです。当サイトではサイト運営の方法を教えていますが「毎日感謝メールが届きながら稼ぐ、社会的意義の高いポータルサイトビジネス」というコンセプトに設定しています。今も昔もネットビジネスは怪しい手法がメインのため、「真っ当な手法を用いたネットビジネス」に特化させて、ライバル不在にしている成功例です。

このように、私はネットビジネスの中でも真っ当なネットビジネス(ポータルサイトビジネス)という狭い分野にフォーカスしています。そもそも競合がいないので1位になるしかないのですが、これと同じ視点を持つことがビジネスでは重要となります。

業界や地域を絞る差別化の事例

なお、必ずしも誰も行っていない分野を探さなくても、分野を狭く設定さえすれば少し頑張るだけで1位になることができます。このとき、以下のことを考えます。

  • 業界・分野を絞る
  • 地域を絞る

例えば、転職業界は非常に儲かることで知られています。ただ、総合転職ではリクナビエージェントやマイナビエージェントなど、大手が既に参入していて勝つことはできません。そこで、業界を絞るようにしましょう。

転職の場合、世の中の職業の数だけ分野を絞れます。「薬剤師」「アパレル」「広告」「研究職」など絞り方は何でもいいです。特定の業界に絞れば、それだけライバル不在になります。

例えば、私はWebサイト運営をメインビジネスにしていますが、その中の一つに薬剤師の転職サイトがあります。それなりに儲かっており、運営1年で月50万円以上の利益になって現在も稼ぎ続けています。

薬剤師のように、狭い職種を狙っても問題なく稼げるのです。

また、地域を絞ってもいいです。例えば、あなたが福岡に住んでいるのであれば「福岡の求人に特化した転職エージェント」と名乗っても問題ないのです。

さらにいうと、業界と地域を絞るとさらにニッチになります。例えば、以下のように地域絞った税理士はたくさんいます。

  • 名古屋の税理士

そこで、分野を絞ります。そうすると、以下のようになります。

  • 不動産に特化した名古屋の税理士

しかし、これでも名古屋には不動産に詳しい税理士が他にもたくさんいます。そこで、さらに次のように絞ります。

  • 不動産の相続に特化した名古屋の税理士

「不動産 × 相続 × 名古屋 × 税理士」にしています。不動産や相続の税理士は腐るほどいます。また、名古屋の税理士も多いです。しかし、これらを掛け合わせるとライバルゼロです。USPでは、特に難しく考える必要はありません。

こうした事例を参考にして、特定のものを掛け合わせるだけでニッチ戦略を取れます。

ニッチすぎる分野は大きく儲からないので大手は参入してきません。個人や中小企業だからこそ手掛けることが可能になる分野だといえます。

集中戦略では、広すぎや絞り過ぎは厳禁

経営学において、集中戦略を採用するのはマーケティングの基本です。ブルーオーシャン戦略とも呼ばれますが、ニッチな分野を攻めることで差別化を図るからこそお客さんに選ばれるようになるのです。競合がいなくなるため分野を絞るメリットは非常に大きいです。

ただ、このとき分野を絞るときにやり方をミスしてしまう人がいます。これには、大きく以下の2つに分けられます。

  • 分野が広すぎる
  • 絞りすぎをする

それぞれを解説していきます。

・広すぎると差別化戦略にならない

できるだけ多くのお客さんをターゲットにしたいと考えるあまり、分野を広く設定してしまう人は非常に多いです。分かりやすい間違いが「東京に特化」などです。

東京といっても、日本の3割以上の市場が集中しています。実際に住んでいる人は少なくなりますが、通勤や娯楽などで東京に出る人は多く、日本に存在する市場の多くが東京にあるのです。

当サイトでも、日本全国でどこの都道府県からサイトへアクセスがあるのか解析ソフトによって把握しています。このうち、東京は35%以上のシェアを誇っていることが分かっています。以下は当サイトでのアクセス解析の一部です。

日本シェアの35%以上であることから、東京では広すぎです。まったく絞れていません。そこで、「文京区に特化」「品川に特化」などのように、さらに細分化させる必要があります。

参考までに、当サイトでは京都府でも全アクセスの1.8%ほどしかシェアがありません。実際のところ、業種によっては京都府に特化させるだけでも広いことは多いです。この事実を認識したうえで、できるだけ絞らなければいけません。

・絞り過ぎてはいけない

それでは、絞れるだけ絞ればいいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。企業がニッチ戦略による差別化を図るためには、集中しすぎてもダメなのです。

例えば、不動産の販売をするときに「吉祥寺駅の不動産会社」になると市場が非常に狭くなります。お客さんの数が少なすぎなので、これではダメです。そこで、「新宿に特化した不動産会社」に設定する必要があります。

もちろん、業種によって絞り方が異なります。例えば整骨院や美容室であれば、半径1km以内が商圏です。そのため、特定の駅の周辺に特化させてもまったく問題ありません。

あなたが手掛けるビジネスによって、分野の絞り方を考えなければいけないのは集中戦略を図る上での注意点です。ただ、適切なニッチ戦略を取ればそれだけで1位を取ることができ、独自のブルーオーシャンを築けるメリットがあります。

ビジネスで1位になれない場合の対処法

なお、場合によってはどうジャンルを絞っても1位を取れないことがあります。このとき、少しぼやかすといいです。

例えば、日本三景がこれに当たります。「松島」「天橋立」「宮島」の3つに順位はありません。「3つまとめて1位」という具合に全てがまとめられています。

他にも、名水百選であればどうでしょうか。1つの都道府県に名水が2つ以上ある計算になります。とても多いですが、どれも素晴らしい名水として捉えられます。

こう考えると、ビッグ4(四大会計事務所)や世界三大美女など、「順位という概念がなく、全部素晴らしい」という見せ方を選択しているケースがとても多いことを認識できます。また、絶対的な1位という自信がなかったとしても「福岡トップクラスの……」とぼやかすことも可能です。

ビジネスで勝つためにはトップを取らなければいけませんが、このように1位に見せるための方法はいくらでもあります。

これができれば、ようやくお客さんから選ばれる立場になります。

集中戦略とは、何かを「捨てる」ことである

ただ、集中戦略を採用するというのは、「他の分野を行わない」ことを選ぶのにも繋がります。つまり、自分が絶対にしない分野を決めなければいけません。

例えば、「不動産の相続に特化した名古屋の税理士」であれば、他の分野に手を出してはいけません。不動産や相続に関わる周辺分野なら手掛けてもいいですが、企業経営の相談や補助金・助成金などのアドバイスをサービスメニューに入れてはいけないのです。

一点突破させ、ある特定の分野に絞ることで圧倒的な専門家として認識してもらうことができます。しかも、圧倒的なスピードでビジネスを成長させることが可能です。

例えば大きなプールの水を満杯にしようとすると、いくら時間があっても足りません。どれだけ努力しても報われないのです。しかし、方法によってはあたかも満タンになっているかのように見せる方法があります。

それは、プールの幅を仕切って極端に狭くさせる方法です。プール幅が狭いため、すぐに水が満タンになります。これを横から見せれば問題ありません。

プールの水を一瞬で満杯にする方法

ある狭い特定の分野だけでも特化していれば、何だかすごい人のようにお客さんは勝手に思ってくれます。ビジネスを行う上ではこれが一番重要です。なぜ、捨てる分野を決めて集中することが差別化戦略につながるかというと、こうした理由があるのです。

全員を対象としているビジネスほど流行らないものはありません。分野を絞り、他を捨てるからこそ意味があるのです。

ベネフィットを考えた商品の差別化戦略の具体例

「差別化戦略を実施して、隙間産業をどのように探すのかが重要」なことは、理解できたと思います。ただ、ブルーオーシャン戦略としてニッチ分野に進出した後は、実際に商品を考え出さなければいけません。

その際、普通の商品を出してもお客さんから選ばれることはありません。例えば、「広島市に特化した一戸建て住宅の建築会社」と差別化させたとしても、サービス内容が普通であれば「全国対応の大手建築会社に依頼したほうがいい」と思われてしまいます。。

他にもアパレル特化の転職サービスを実施するにしても、普通のサービス内容であるなら「リクルート社が実施している総合転職サービスを利用すればいい」とお客さんから見捨てられてしまいます。単に参入ジャンルや地域を絞るだけでは意味がないのです。

そこで、分野を絞った後は「どのようなベネフィット(商品価値)をお客さんに提供できるか」を考えましょう。もっといえば、お客さんは商品そのものを買っているわけではありません。それがもたらすベネフィットに対してお金を支払うのです。

例えば、高級飲食店な何を売っているでしょうか。確かに食事は提供されますが、1万円もする料理の値段は原価に比べると圧倒的に高いです。

しかし、こうした店でも多くの人が訪れます。これは、ただ料理を食べたいわけではなく「デートで利用したい」「記念日に活用したい」などの思い出として高級店が利用されます。要は、こうした店は料理ではなく雰囲気を売っています。

このように、「どのようなベネフィットをお客さんに提供できるか」を考えることが、差別化戦略に必須です。

機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットの違い

ただ、ベネフィット(付加価値)といわれても漠然としすぎてしまいます。そこで、ベネフィットそのものを大きく分けると、「機能的ベネフィット」と「情緒的ベネフィット」の2つに分類することができます。

機能的ベネフィットとは、その名の通り、「商品が持つ機能に関係するベネフィット」のことを指します。高級車に例えると、「頑丈である」「運転しやすい」「シートの座り心地が良い」などが機能的ベネフィットに相当します。

一方、情緒的ベネフィットとは、「デザイン性や高級感、思い出などのように、商品の機能とは無関係なベネフィット」のことを指します。高級車であれば、「デザインがかっこ良くておしゃれ」「この車をもつことで、周りの人から一目置かれる」「販売台数が極めて少なく、貴重な車である」などが情緒的ベネフィットにあてはまります。

また、情緒的ベネフィットでは、その商品にベネフィットを感じる人によって、その理由がそれぞれ異なります。例えば、高級車を持つ人であっても「デザインのことを意識したわけではなく、ただ単に自分のステータスを高めるために買いました」という人がいるかもしれません。

差別化を3つの種類:手軽軸、商品軸、密着軸

それでは、競合との差別化を図った後はどのように考えて商品を提供すればいいかというと、マーケティングの戦略では「手軽軸」「商品軸」「密着軸」の3種類があります。当然、どのやり方を選ぶかによって、採るべき戦略や競合となる存在が大きく異なってきます。

それぞれの軸の特徴は、以下のようなものになります。

  • 手軽軸:価格の安さと提供スピードを重視
  • 商品軸:商品の品質重視
  • 密着軸:お客様への対応重視(オーダーメイドなど)

軸ごとの戦略について、さらに掘り下げて解説していきます。

・手軽軸の戦略

手軽軸を取り入れる場合の戦略としては、競合よりも安い商品を扱い、さらに速いスピードでお客様に提供するようにします。

このときの商品の品質は、「最高ではないが、一定の水準を満たすレベルの良いもの」にします。またお客様への対応については、特別親切に対応するのではなく、必要最低限のマナーと礼儀を守るようにします。

手軽軸の具体例としては、「安くて早く提供されて、そこそこおいしい」という戦略を採っているハンバーガーチェーン店があげられます。また、「適度に良い品質の商品を各種取り揃え、低価格で販売する」ことを意識しているホームセンターも、手軽軸にあてはまります。

・商品軸の戦略

商品軸を取り入れる場合の戦略としては、競合よりも高級で高品質な商品を扱うようにします。提供するスピードをある程度犠牲にしてでも、価格が高くて品質の良い商品を作るようにします。

商品軸の具体例としては、「高品質で高級な時計を扱う」という戦略を採っている高級時計ブランドがあげられます。そのほかにも、「最高級の料理を提供する」ことを意識している高級フレンチも、商品軸にあてはまります。

・密着軸の戦略

密着軸を取り入れる場合の戦略としては、競合よりもお客さんに親身に接するようにします。また、お客さんの希望を叶えることを重視した商品を開発・販売するようにします。その一方で、値段や商品の提供スピードについては、一定の水準を満たせるレベルを保つようにします。

密着軸の具体例としては、「お客様が食べたいものを聞き、それを提供する」という戦略を採っている飲食店があげられます。そのほかにも、「お客様との密な信頼関係を作る」ことを意識している地元のコーヒーショップも密着軸にあてはまります。この場合、店主の個性がビジネスを行う上で重要になります。

差別化では商品軸や密着軸で勝負する

こうした差別化戦略の種類のうち、できるだけ多くの商品を低価格で販売するのは大企業のマーケティングです。そのため、手軽軸の戦略は個人や中小企業がとる戦略としては不適です。

そこで、高品質商品(商品軸)やお客さんへの個別対応(密着軸)などによって他企業とは異なるUSPを打ち出さなければいけません。

値段での勝負や大量生産ではなく、個人や中小の企業経営ではその他の独自戦略を採用しなければいけません。

例えば「京都市に特化した一戸建て住宅メーカー」などと分野を絞った後、以下のような商品を生み出すようにしましょう。

  • 昔ながらの工法を活用した、伝統あふれる住宅
  • 一級建築士がゼロから要望を聞き、独自の住宅をデザインする
  • 家相・風水の概念まで取り入れた運気の上がる家

業界や分野を絞り、さらには独自の商品コンセプトの商品を打ち出すからこそ、あなたから商品が売れていきます。他と勝負をするのではなく、できるだけ隙間産業を狙いながらも市場の大きいジャンルを狙うことが成功の秘訣です。

企業経営で参入ジャンルや商品の差別化はメリットが大きい

起業であれ新規事業であれ、大企業と戦うことほど無意味なものはありません。売上や会社規模、社員数、知名度を含め、すべてで劣るからです。そのため、個人の起業家や中小企業が経営戦略を考えるとき、差別化戦略が有効です。

このときはどのようにニッチ戦略を練るかというと、「業界や地域を絞る」ようにしましょう。広げすぎず狭めすぎず、適切なニッチ戦略を取ることで特化させる必要があるのです。

しかし、独自の強みをもとにして単にニッチ分野に参入するだけでは意味がありません。儲かる隙間産業を発見した後は、それに対応する商品・サービスを作り出して提供しなければいけません。

このときは3種類のやり方(手軽軸、商品軸、密着軸)があるものの、商品価値を高めたり、個別対応したりすることを考えるといいです。こうしたベネフィットを提供し、明確なUSPを確立するからこそお客さんに選ばれるようになります。

ビジネスでは1位だからこそ意味があります。あなた独自の強みを活かし、分野を絞ってオリジナル商品を提供しましょう。その後はお客さんに商品・サービスを購入してもらい、売上を増やすだけです。

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