比較対象があると、物が安く見えたり高く見えたりします。ビジネスでは頻繁に使われる手法ですが、値段は最初に高くした後に少しずつ下げていった方が良いです。なぜなら、そちらの方が値段を安く見せてお得感を出すことができるからです。

例えば、5千円の服と1万円の服があります。普通であれば、1万円の服は高いと思ってほとんどの人は5千円の服を買うと思います。しかし、見せ方によってはこの価値観が180°変わります。

ここで、先ほどの1万円の服に前提条件をつけて次のようにします。

「定価が5万円の服だけど、既に流行も過ぎているし在庫を早く処分したい。そのため、今日だけに限って先着3名様までこの服を1万円で売ります」

どうでしょうか。先ほどの1万円の服が急に安くてお買い得のように思えてこないでしょうか。

このように、きちんとした理由を付けて値段を下げていくことによって、それまで高いと思っていた商品が安く見えてきます。

ここで行ったこととしては、最初に高い値段を見せてそれを下げていっただけです。

最初の5万円から考えれば、最終的に行き着いた1万円はとても安いのです。このように、高いものと安いものを対比させることで見方が変わってくることをコントラストの原理と呼びます。

コントラストの原理を利用して商品を売る

車のディーラーがカーナビを売る時、それ単体ではなかなか売れません。カーナビ自体で何十万もするため、これにお金を払う人はかなり稀です。

しかし、ある時であればほぼ確実にカーナビが売れていきます。それは、お客様が車を買った直後になります。

新車を購入する時、少なくとも100万を切ることはないと思います。それなりのお金を支払わなければ、車を購入することはできません。

そこで、車を購入した時には他のオプションもどんどん売っていくのです。カーナビ単体で見れば何十万もしますが、それ以上の何百万もする車を購入した後ではカーナビの値段は安く思えてしまうのです。

他にも、結婚式の場面を考えても分かりやすいと思います。式場やウエディングドレス代などを考えると、とんでもない金額になってしまいます。

そこで、式場関係者はその後にどんどんオプションを付けていきます。お色直しの回数もそうですし、食事の内容であっても同じです。

結婚式をすること自体にかかる値段のことを考えると、お色直しの回数が1回増えたところでそこまで変わりがないように思えてしまうのです。これが、コントラストの原理を利用したビジネス手法です。

最初に悪いものを見せる

コントラストの原理は何も値段に関することだけではありません。あらゆる場面で応用されています。不動産を決めるときにもこのコントラストの原理を利用している会社があります。

例えば、お客様に不動産を見てもらうときに、わざとボロボロの物件を最初に見せます。この時であると、当然ながらお客様は「この物件では……」と断ります。

その次にようやく本命の物件を見せます。「先ほどの物件と値段は同じなのですが……」と言って本当に売りたい物件を見せると、先ほどのボロボロの物件との落差によって良い物件のように思えてしまうのです。

実は普通の物件であっても最初に悪い物件を見せられることによって、何でもない物件が素晴らしい物件へと変化してしまうのです。ボロボロの物件と値段が同じ事を伝えているので、まさにコントラストの原理が働くのです。

このようにすれば、あらゆる場面でコントラストの原理が利用されていることが分かります。

重要なのは「落差」です。この落差が大きくて理由もしっかりしているほど、コントラストの原理が働きます。

たまに広告を見ていても、「今回に限り10%OFF」としている企業がありますが、それでは落差が少なすぎます。ビジネスの原理を理解していない事が一瞬でばれてしまいます。

なお、広告ではお客様に「資料請求」や「注文」という行動を起こさせなければ意味がありません。そのための方法の一つとしてコントラストの原理が頻繁に使われます。

周りを見てみれば、多くの企業がコントラストの原理を利用していることが分かります。その中でも上手な企業とそうでない企業があるので、これを見極めると大きな学びを得ることができます。

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

なお、効果的に使えばさらにビジネスがうまく回るようになります。

相手の承諾を引き寄せる方法として、「最初に必ず断られるような誇大なオファーをする」というテクニックがあります。

頼み事をするときに、最初はわざと断られます。その後に、本当に頼みたい事をお願いするのです。そうすると、引き受けてくれる可能性が高まります。これを、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックと呼びます。

最初に無理なお願いをする

本命のお願いをする時、まずは大きな頼み事をした方がより高い成約率を得ることができます。例えば次のようになります。

A:先輩!! 今度私たち後輩全員を連れて飲みでも奢ってくださいよ

B:いやいや、今ちょうど金がなくてきついんよ

A:じゃあ、100円のアイスでもいいです

B:う~ん、どうしようかなぁ……

この場合、いきなり「アイスを奢ってください」と言ってもなかなか承諾してくれません。そこでワンクッション入れます。このワンクッションが断られる要求です。これによって、本来の頼みを受け入れてくれる可能性が高くなります。

このようなドア・イン・ザ・フェイス・テクニックですが、この方法には二つの心理要素が絡んでいることが分かります。その一つが返応性の法則の法則です。

最初に断られ、その後に低い要求を出すという事は「譲歩をした」となります。この時の譲歩も相手に恩を与える行為の一つです。そのため、相手も譲歩に対して「返さないといけない」と気持ちにさせることができます。

そのために、自分が譲歩を行うことで相手の承諾を引き出すドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは返応性の法則を大いに利用した手法と言えます。

返応性の法則とコントラストの原理

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを直訳すると、「相手がドアを開けたら、いきなり顔を突っ込んでしまえ!!」となります。つまり、最初に大きな要求を行います。

このテクニックには返応性の法則以外にも、コントラストの原理も利用しています。物事を対比させることで相手の承諾を引き出す方法がコントラストの原理ですが、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックも同じであることが分かります。

最初は無理なお願いを行い、その後に実現可能な頼みごとをすることで二つの間に大きな落差が生まれます。この落差によって、本命の頼まれごとがそこまで大したことのないように思えてしまうのです。

このように、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックには「返応性の法則」と「コントラストの原理」の二つの心理法則が絡んでいます。このように説明すると、なぜドア・イン・ザ・フェイス・テクニックが有効なのかを理解できると思います。

利益率95%を超すポータルサイトビジネス:無料メルマガ登録