生き物はある決まったパターンの行動をします。つまり、何も考えずに行動に移すのです。例えば昆虫のオスであれば、メスのフェロモンに対して寄っていきます。

たとえ、発せられたフェロモンがその昆虫を食べようとしている捕食者が放つ偽のフェロモンであってもです。この場合であると、「フェロモン」という物質に対して昆虫は何も考えずにその場所へ集まってくるように動きます。

他にも、クジャクの求愛行動やサケが川を上っていく活動など、何かしらの刺激があると生き物は特定の行動を取るようになります。このように、ある刺激に対して決まった行動をすることを固定的動作パターン(本能行動)と呼びます。

そして、このような固定的動作パターンは人間にも当てはまります。

「高いもの=良いもの」という考え

人はできるだけ安いものを買うようにしますが、ここには前提条件があります。それは、「良いものを安く買いたい」という心理です。むしろ安すぎれば、「これは本当に大丈夫なのか」と心配する人がほとんどです。

この例は商品が安い場合についてですが、その逆に人間は高価なものは「品質が良いものである」と考えてしまいます。

例えば「100万円の時計」と「1万円の時計」があればどうでしょうか。「100万円の時計」は一つの誤差もなく時間を刻み、一生の宝物になるような気がします。毎日使っても、何十年も長持ちすると無条件で思ってしまいます。

しかし、「1万円の時計」では5年くらいもてば満足でしょう。そこまで大きな期待はせずに購入するはずです。

このように、人間には「高い=良いもの」と反射的に思ってしまう習性があります。これは固定的動作パターンの一種です。

同じ品質のサプリメントであっても、3万円の商品と3千円の商品ではありがたみが違ってきます。このように、商品の価値が品質ではなくて値段で決められることも多いです。

値段が曖昧な商品は狙い目

家具や野菜など、ある程度値段の相場が決められている商品であっても、値段を上げるだけで高級感が出ます。他の商品よりも品質が良い事が前提条件となりますが、金持ちの中にはそのような高級品が欲しい人もいるかもしれません。

この時、値段が曖昧な商品は特に値段操作が有効です。

例えば指輪を買うにしても「30万円の指輪」と「50万円の指輪」の区別が付くでしょうか。少なくとも、私はこれらの区別が全く出来ません。全て同じに見えてしまいます。

これらの商品は値段が曖昧です。そのため、実際のところ値段があってないようなものです。別に定価をさらに10万円上乗せしたとしても、全く違和感がありません。

他にも、工事なども同じです。家を建てるときに見積りを出されて、あなたは2000万円の家と1800万円の家の違いが分かるでしょうか。材質などが違うのかもしれませんが、細かい違いは分からないはずです。

あまり違いがないようにも思えますが、冷静に考えれば200万もの大きな開きがあります。しかし、なんだか2000万円の家の方が高いけど良さそうな気がしてしまいます。

専門家から見れば1800万円の家の方が良い提案だったとしても、素人から見れば分かりません。このように、私達は物の品質を値段で判断してしまいます。つまり、前述の通り「高価なもの=良いもの」という固定的行動パターンが働いているのです。

値下げ戦略は最悪

これを理解した上でビジネスとして商品を売る場合、安易に値下げをしない方が良いと分かります。本当に商品が良くて他と明確な差別化ができるのであれば、値下げは最悪の行為です。

そもそも小学生でも値下げを考えられるため、理由も無く値下げをしているようではいつまで経ってもビジネスの初心者です。自信があるのであれば、敢えて値段を高くさせて「良い商品」であることを植えつける必要があります。

例えば、多くのアイスメーカーが値下げ競争に走っている中、「なぜハーゲンダッツだけは値段を下げずに高級路線を行っているのか」について考えなければいけません。

ハーゲンダッツの品質が良いのも当然ですが、値段が高いからこそ「ハーゲンダッツ=高級品」というイメージがあるのです。

他にもブランド品であれば、製品自体は全く同じであっても「他のブランドよりも圧倒的に高い値段を設定する」という普通とは逆の行動を行うことで、販売量を飛躍的に伸ばしたという事例もあります。
このように、普通の人が取らない「値段を上げる戦略」によって差別化を行い、ビジネスを加速させることもできます。

理由をつけて頼むことで行動させる

こうした固定的動作パターンは他にもあります。その一つの例として、「人に頼みごとをするときは理由をつけると成功しやすい」という事があります。

自分が頼まれごとをされる時を想像すれば分かりやすいですが、例えばあなたがコピーを使っている時に「先に使わせてください」と言われたらどうでしょうか。「この人は一体何を考えているのか」と疑ってしまうはずです。

それでは、ここで言い方を変えます。具体的には理由を添えるのですが、この時の理由は何でも良いです。例えば、「急いでいるので先に使わせてください」と言います。 この場合であれば、かなりの確率で承諾してもらえます。

ただ単に「先に使わせてください」と頼んだ時は成功率が60%ですが、「急いでいるので」と理由を付け加えると成功率が93%になります。

このように、何かしら理由を加えることによって「理由のある頼みごと=引き受けないといけない」という固定的動作パターンが多くの人で表れたのです。理由をつけさえすれば、人は納得して動くようになります。

理由らしきものをつける

ただし、この時の理由は別に真っ当な理由でなくても問題ありません。「理由らしきもの」と曖昧な表現をしますが、意味をなしていない理由でも良いのです。

例えば先ほどのコピーを取る例であれば、「急いでいるので」というのはきちんとした理由となります。そこで、今度は理由らしきものとして「コピーを取りたいので」という言葉を付け加えます。

つまり、「コピーを取りたいので、先に使わせてください」と頼むのです。この場合であっても、93%の人が先にコピー機を使わせてくれることを承諾してくれました。

「コピーを取りたいので」というのは理由になっていません。しかし、このような理由らしきものを付け加えることによっても、人は納得して行動してくれます。

このようにすると、固定的動作パターンに従って動いてくれる確率が高まります。

今回の場合であると、理由と言うよりも「~ので」という言葉に多くの人が反応した事が分かります。この言葉があることによって、「その通りに動かないといけない」という既に決められた行動をほとんどの人がとってしまったのです。

ただし、これはある程度の常識の範囲内での話になります。コピー枚数が100枚以上もあるのに、理由らしきものをつけて「コピーを取りたいので、先に使わせてください」と言っても通用しません。

心理学は人を行動させるとても強力な学問ですが、それはあくまでも常識の範囲に沿った中での話であることを認識してください。

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