会話をするときや文章で伝えたりするとき、何を言いたいのかよく分からなくなる人は多いです。このとき、その理由の多くは「論点がずれている」からです。論点がかみ合わないと、論理破綻の内容になってしまうのです。

何かの主張があるとき、そこには必ず論点が存在します。話がかみ合わないときは、ほぼ確実に「論点がずれている」と考えて間違いありません。

論点を理解すれば、ビジネスの場で優れたスピーチができるようになります。文章を書くときでも、非常に分かりやすい文章を書けたり、小論文で相手の望む内容を的確に述べたりできます。それだけ、論点は重要になります。

それでは、どのようにすれば論点がずれる現象を防止できるのでしょうか。ここでは、「会話や文章作成のときに必須となる、論点の考え方」について解説していきます。

論点がずれるとどうなるのか

まず、「主張」と「問い」は対になっています。このとき、主張と問いが合っていないと何をしたいのか不明になります。例えば、以下のような普通の文章があるとします。

私はサッカー部だけでなく、美術部にも入っています。将来、芸術家を目指しているからです。

これに対する問いは「なぜ美術に入っているのか?」です。主張に対する問いが「論点」に当たります。芸術家を目指しているため、美術部にも入っているわけです。

話の内容を示す道しるべが論点であり、核になります。論点がずれてしまうと、急に話がかみ合わなくなります。以下に論点がずれている会話を記します。

A:今日、学校に行く途中で捨て猫を見つけたんだ。帰りに拾っていきたいけど、家でペットを飼うのを親が許してくれないから他の人に頼もうかと思ってる。

B:猫といえば、私の家の近所に猫カフェがオープンしてさ、客の数もかなり多いらしいよ。かわいい猫たちがいっぱいいるってさ。

A:その捨て猫も小さくてかわいかったよ。隣のクラスにいるD君だったら興味をもってくれるかな。

B:私もかなり興味が湧いてしまって、いつかそのカフェに行きたいと思っているんだけど一緒に行かない。

かなりおおげさに書きましたが、「論点がずれている」とはこういうことです。Aの論点は「捨て猫を拾ってくれる人を探すには?」であり、Bの論点は「猫カフェに誰と行くか?」です。猫について同じ会話をしているように見えても、まったく違う方向を向いています。

これが、話の内容がずれてしまう理由です。互いの論点が違うため、そこには必ず意見の食い違いが表れます。ただ、このような論点のずれはあらゆる場面で見受けられます。

論点のズレは頻繁に生じる

大学での小論文試験や就活・転職などを行う場面では、「相手が提示している論点」を読み解かなければいけません。論点がずれた回答をすれば、その時点で不採用となります。例えば就職活動の場面について、論点を読むことの重要性を考えてみましょう。

就職活動でありがちなのは、一方的にこれまで自分が経験してきた出来事を述べることです。例えば、テニス部として頑張ってきた学生であれば、「大会で入賞した実績がある」「どれだけ自分がテニス部を引っ張ってきたか」などを話したがるでしょう。

ここに、論点のずれが生じます。そもそも、企業の面接官が何を望んでいるのかを考えていません。面接官と就職活動中の学生の論点を分析すると、次のようになります。

  • 面接官:学生時代の経験が自社のビジネスにどう活きるか
  • 学生:テニスをどれだけ頑張ってきたか

このように考えると、どれだけ厳しい練習に耐えて頑張ってきたかを熱く語ったところで無意味なことが分かります。それでは、どうすれば良いのでしょうか。これを解決する方法は簡単です。それは、学生が論点のずれに気がつき、自ら修正すれば良いのです。

相手の論点を読む

企業が求めていることは、自社に役立つかどうかです。そこでテニス部での経験を通して、どれだけ自分が相手(就活先)企業に貢献できるかについて話せばいいです。要は、論点を「テニスから得た経験を御社のビジネスに役立てるには」に変えるのです。

部活でチームワークを学んだのかもしれませんし、信頼関係の重要性に気が付いたのかもしれません。いずれにしても、相手企業に論点を合わせなければいけません。

相手との論点が一致するため、これでようやく就職活動のスタートラインに立てます。ただ、この原則を理解している学生は圧倒的に少ないため、「論点の考え方」を理解するだけでもその他大勢のライバルよりも抜き出ることは簡単です。

友達との会話であれば、何も考えなくても論点が一致します。しかし、社会に出てビジネスを動かすとなると「相手の論点は何か」を鋭く観察する力が求められます。

自分の意見だけを述べているようでは、相手との話はかみ合いません。ただ、先ほどの「テニス部の例」のように、少し切り口や見せ方を変えるだけで、同じ話題であっても相手が興味をもって話を聞いてくれるようになります。

これを行える人が、ビジネスで稼げる人です。企業でいえば優秀社員に当たり、起業家であれば敏腕経営者になります。話の論点を明確にして物事を進めていけば、日常会話に限らず、あらゆる場面で上手くいくようになります。

テーマと論点の違い

ただ、論点というと「テーマ」と同じ扱いをする人が多く存在します。ただ、論点とテーマはまったく違います。テーマが話の大きな枠組みであるのに対して、論点はテーマに対する問題意識になります。

例えば、ダイエットに関するスピーチをするとします。このときダイエットというテーマだけを頼りに話を組み立てると、かなりぼやけた内容になります。実際、ダイエットとはいっても以下のように人によって様々なケースがあります。

  • リバウンドで苦しんでいる
  • 更年期になって一気に体重が増えた事例
  • 運動したくても面倒な人への対処法

テーマというのは、非常に広い内容を取り扱います。一方で論点であれば、「ダイエットに運動は必要か?」「ダイエットに食事制限は必要か?」といったように、テーマからより踏み込んで問題・関心を絞り込んだものになります。

つまり、論点はあなた独自の見方・考え方だといえます。あなた独自の論点があるスピーチをするからこそ、初めて聴衆は面白いと感じてくれるようになります。

会話でも文章でも、論点のない文章は面白くないです。教科書的な内容を読んでもまったく惹かれないのと同じです。そこで、会話でも文章でも積極的に論点を絞って述べていかなければいけません。ただ、このとき論点がずれると会話が成立しませんし、文章も意味不明な内容になってしまうのです。

意見と論点を対応させ、論点のずれを防ぐ

そこで、論点がずれる現象を防ぐように注力しましょう。このとき、意見と論点を対応させておく必要があります。論点が「問い」であるため、問いの答えである意見を一致させておかなければ、話がかみ合わなくなってしまうのです。

例えば、論点が「ダイエットに食事制限は必要か?」であれば、「ダイエットに食事制限は必要」「ダイエットに食事制限は不必要」といった意見にならなければいけません。仮に、「ダイエットでは運動と食事が大切」という意見だと、「食事制限に関する論点」と「意見」が対応していないことは明らかです。

「こんな馬鹿げたことはしない」と感じる人が多いと思いますが、実際のところ論点と意見が一致しない会話や文章作成をする人は驚くほど多いです

例えば「ダイエットに食事制限が重要な3つの理由」などのようなタイトルで記事コンテンツを書くとき、コンテンツの中で「運動をする意義」「リバウンドしない方法」についても詳細に述べてしまう人が続出します。

食事制限が重要な理由について述べているにも関わらず、なぜか話の内容に運動やリバウンドの内容も加わるようになります。その結果、論点と意見が一致しなくなります。

問いの形にすれば論点のスジが通る

論点のずれを直すには、もっと簡単に考えると「問いに対する答えだけで記す」ようにするといいです。論点と意見は「問い」と「答え」の関係性にあります。そのため、基本的に論点は「問い」の形にするといいです。

例えば、ダイエットの食事に関して記事コンテンツを書くのであれば、「ダイエットに有効な食事法について」ではなく、「ダイエットに有効な食事法は存在するのか?」というように疑問系にします。

この場合、ダイエットに優れた食事法だけを記せば、無駄なことを記さず問いに対して端的に回答できます。そうして、論理が通った内容に仕上げることができます。論点を問いにすることで意見が明確になり、文章の方向性もズレにくくなるのです。

このとき、もし「ダイエットに有効な食事法について」という論点にしてしまうと、「有効な食事法として〇〇法や××ダイエット、△△制限などがある」といったように、結論が複数になる可能性があります。結論(意見)がまとまりにくくなるのです。

結論(意見)が定まっていないと、当然ながら記事コンテンツの途中で内容が脱線してしまい、関係のない話を書いてしまう可能性が高くなります。そうなると、コンテンツを読んでいるユーザーは「結局何が言いたいのか分からない」という状態になるのです。

そこで、このように論点を「問い」の形にすれば、論点に対する意見が明確になる(意見が一つに統一される)ため、論理的な文章を書けるようになります。

ペルソナを定め、論理的な内容に直す

また、同時に会話や文章作成のときはペルソナ(一人の人間)を定めるようにしましょう。先ほど、一つの問いに絞ると論理的な内容になると記しましたが、これはペルソナを定めているからといえます。

例えば、「ダイエットに食事制限は必要か?」という論点で会話や記事コンテンツを作成するとします。そのとき、「ダイエットに悩んでいる人」というターゲット像では不十分です。そうではなく、以下のように詳細にターゲット像を設定する必要があります。

年齢:32歳

性別:女性

仕事:デスクワーク

趣味:読書

その他:未婚

これまで10代の頃からいくつものダイエット方法に取り組むも、何度も失敗。現在、新たなダイエット法を探しているが、最近「ダイエットに食事制限が必要なのか?」ということに悩んでいる。

食べることが好きであるため、できれば食事制限をせずにダイエットを成功させたいと考えている。

ターゲット像が明確であるほど、ユーザーの心に響く文章を書けるようになります。いってしまえば、ユーザーが「まさに自分のことが書かれている文章だ」と感じるような記事ほど、質が高いコンテンツだといえます。

そのためには、ターゲット像をできる限り詳細に設定しなければいけません。このとき、ペルソナを絞れば以下のような文章を書けます。

30代以降で徐々に太り始め、「やせなければ!」と思いつつもつい食べてしまうことはないでしょうか。しかも、これがデスクワークで働く人だと日々で動くことも少なく、よけいに運動不足に陥ってしまいます。

そうした女性は非常に多いです。そこで……

このようにすれば、30代の太っている女性にとって論点が明確であり、興味深い内容に仕上げることができます。ターゲットが明確で論点を絞っているからこそ、それに当てはまる人に振り向いてもらえるのです。

論理的な内容の会話や文章を仕上げることを考えるとき、誰がターゲットかを明確にしなければいけません。伝えたい人が決まっているからこそ、その人だけに届く内容に仕上がるのです。

多くの人は欲張りすぎて、話や文章のなかに多くの内容を詰め込んでしまいます。そうして論点がずれた、論理破綻の会話や文章になってしまいます。そこで一人のペルソナを設定し、一つの問いに対してのみ明確に答えることを意識しましょう。これが、論理的な内容にするコツです。

話や文章の論点を明確にするべき

何が言いたいのか分からない人は非常に多いです。会話を聞いても意味不明ですし、文章を読んでも内容を理解することができません。

なぜ、そうした意味不明な内容に仕上がってしまうかというと、それは話の論点がずれているからです。一つの問いに対して、主張(答え)が合っていないのです。

そこで、論点のずれをなくすようにしましょう。相手が何を望んでいるのかを把握したうえで述べるようにするといいです。また、そのためには「問いは何か」「ペルソナは誰か」を意識したうえで論理的な内容を構築しましょう。

これらを意識できていないと話の内容が論理破綻してしまいます。多くの人はできていませんが、これを行えるようになるだけでも、ビジネスで大きな成果を生み出せるようになります。

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