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私たち人間は一度何かをやると決めたとき、それに一貫した行動をとろうとする傾向があります。この心理現象のことを「一貫性の法則」といいます。

一貫性の法則をうまく活用すれば、ビジネスでの売上を増大させることが可能です。人の心理法則を理解することによって、ビジネスでより成功できるようになるのです。

他人と約束をしたとき、それを守ろうとする

例えば、あなたが友人と出かけているとき、その友人から「ちょっとトイレに行ってくるから、戻ってくるまでここで待っていて」と頼まれたとします。そして、あなたは友人の頼みに答え、指定された場所で待ち続けたと仮定します。

このとき、あなたの「友人の帰りを待つ」という行動は、あなた自身が「友人の約束を守らなければならない」と考え、「友人をトイレから戻るまで待つ」という行動を一貫してとり続けようとするために起こります。

また、タバコを吸うのが好きな人(愛煙家)が、自分の子供に「タバコは体に悪いから、もう吸わないで」と言われたとします。そして、その愛煙家は、子どもとの約束通り禁煙を行ったと仮定します。

この場合、愛煙家の「禁煙する」という行動は、「子供との約束通り、禁煙しなければならない」と愛煙家自身が意識し、「タバコを我慢する」という行動を一貫してとり続けようとするために行われるものです。

このように、私たちは、他人と何らかの約束をした場合、その約束を一貫して守り続けようとする性質があります。そして、先ほどの2つの例のように、一貫性の法則は、私たちの人間関係を良い状態に保つために、非常に重要な存在となっています。

他人に誓いを立てなくても、一貫性の法則は働く

先ほどの2つの例では、どちらも他人と約束をしたことによって一貫した行動を取るようになりました。ただ、実は他人に誓いを立てず、自分の心の中で何かをする決心をした場合であっても一貫性の法則は働きます。

例えば、受験生が志望校の受験に合格できるように、自分の心の中で「1日6時間以上勉強する」という誓いを立てたとき、この受験生に一貫性の法則が働きます。それにより、その受験生は「1日6時間以上勉強する」と決心する前に比べて、「1日6時間以上、勉強をしなければならない」という意志を強く持つようになります。

また、ダイエット中の女性がダイエットに成功するために、心の中で「目標の体重になるまで、甘いものは摂らない」と決心したとします。この場合にも、この女性に一貫性の法則が働きます。

そのため、この女性は「目標の体重になるまで、甘いものは摂らない」という誓いを立てる前よりも、「甘いものの誘惑に負けない」という意識が高まった状態になります。

このように、たとえ他人との誓いではなく、自分1人で心に誓ったことであったとしても一貫性の法則は働きます。そしてこのことは、私たち人間がそれぞれ自分で立てた目標に向かって努力し続け、その目標を達成させるために大変重要な力となります。

他人への宣言はより強い拘束力が働く

また実際には、「自分1人だけで決心した場合に働く一貫性の法則」よりも、「他人との約束によって働く一貫性の法則」の方が拘束力は強いです。なぜなら、他人との誓いを立てることによって、自分自身に「この人を裏切りたくない」という意識が芽生えるからです。

そのため、何としても成し遂げたい目標がある場合には、家族や友人などに対して、自分の目標とそれを必ず達成させることを宣言するのが効果的です。そうすることで、「他人に宣言したとおり、目標を達成させなければ」という強い拘束力があなた自身に生じます。これにより、目標を達成させるまで努力を続けられるようになるのです。

今回述べたように、私たち人間が他人と約束を交わしたり自分で誓いを立てたりしたとき、それを果たそうとする傾向があります。そして、この法則を「一貫性の法則」といいます。

この法則は、「自分の中で誓いを立てる < 目標を書いていつも見る壁に貼っておく < 家族に宣言する < 100人の前で宣言する」など、公の場になるほど拘束力が強まります。

一貫性の法則が働くことによって、私たちは人間関係を良好な状態に保つことができます。さらに、自分の掲げた目標に向かって努力し続けることができます。これらのことは、ビジネスにおいてより大きな結果を出すために極めて重要なことなのです。

ビジネスの場で一貫性の法則を利用する

それでは、ビジネスの場ではどのように一貫性の法則が利用されているのでしょうか。

日本人であれば、ほとんどの人が一度はファーストフード店を利用したことがあるかと思います。ファーストフード店でハンバーガーを注文した直後に、店員がドリンクなどのサイドメニューを勧めることは頻繁にあります。このとき、大抵の人は、ハンバーガーを注文した流れでドリンクなども頼んでしまいます。

これは、ファーストフード店側が一貫性の法則を活用していることに他ならないのです。

店員にハンバーガーをオーダーしたとき、私たちはすでに「ハンバーガーを注文する」という行動を店員に示したことになります。この直後に、店員にサイドメニューを勧められると、私たちは先ほどのハンバーガーと同じく「注文する」という行動を維持しようとしてしまいます

これにより、店員に勧められるがままにサイドメニューまで買ってしまうという現象が起こるのです。

あらゆる場面で一貫性の法則が利用されている

また、自動車をもっている人の多くは、ガソリンスタンドでガソリンを買って補給する際に、店員に車のオイル交換や洗車などを勧められたことがあるかと思います。これもガソリンスタンド側が「一貫性の法則」を活用し、私たちにオイル交換や洗車のサービスを買ってもらおうとしているわけです。

このように、一貫性の法則によって、私たちは一度決めた行動を取り続けようとしてしまいますそして、普段何気なく利用するファーストフード店やガソリンスタンドでは、お客様により多くの商品を買ってもらうために、一貫性の法則を利用した商品販売を行っているのです

一貫性の法則を自社のビジネスに活用するために

一貫性の法則は、ファーストフード店やガソリンスタンド以外のビジネスでも活用することができます。しかし、これによって利益を増大させるためには、より結果が出やすい方法を取る必要があります。

たとえ一貫性の法則を理解していても、最初の商品が売れなければ活用することができません、そのため、一貫性の法則を実行する場合、まず最初の商品を買ってもらわなければいけません。最初の商品とは、ファーストフード店では、ハンバーガーにあたります。また、ガソリンスタンドではガソリンに相当します。

どちらの商品も、来店したお客様に販売するのはとても簡単です。なぜなら、ファーストフード店に来るお客様すべてが、ハンバーガーなどの商品を買うために訪れるからです。また、ガソリンスタンドに来るお客様も、ガソリンの給油などのサービスを購入するために訪問します。

つまり、ファーストフード店もガソリンスタンドも、お客様に商品を買ってもらうためのハードルがとても低いのです。

最初はハードルの低い商品を用意すべき理由

このことから、お客様が商品を買う目的で訪問してくれるのでない限り、ファーストフード店のように最初の商品は、お客様にとって購入のハードルができるだけ低いものにする必要があります。例えば、最初に売る商品を以下のような特徴をもつものにしてみるのです。

・価格が安いもの

・お客様のニーズに合っているもの

このような特徴を持つ商品を最初に販売した場合、お客様が商品を追加注文してくれる可能性が高くなります。購入のハードルが低いと、商品販売が容易になるのです。

または、コミットさせてもいいです。例えば、車販売の場面で「家族で出かけるためには、大きめの車に買い替える必要性が大きいですが、どう思いますか」などの質問を投げかけ、お客様に「私もそう思います」と発言させるように誘導します。これにより、お客様は最初の商品購入に向けて一貫した行動を取るようになります。

そして、お客様に商品を購入してもらった際には、その直後に、最初の商品に関連する商品をお客様にさりげなく勧めていきます。

このとき、お客様には「最初の商品を注文した」という行動を維持しよういう心理が働いています。そのため、勧められた商品も一緒に購入してくれる可能性が高いのです。

今回述べたように、一貫性の法則をビジネスに活用することで、商品の売り上げを大きく伸ばすことができます。そして、一貫性の法則を活かすためには、まずは最初の商品を注文もらう必要があります。

もし、お客様が最初の商品を買うと宣言してくれた場合には、その機会を逃さずに関連商品を勧めていき、ビジネスを大きく飛躍させていってください。

フット・イン・ザ・ドア・テクニック:小さな要求から達成させる

なお、「ハードルの低い小さな要求から入ることの重要性」について記しましたが、実はこの心理法則には名前がついています。

人に何らかの要求をするとき、いきなり本命の依頼をしてしまうと、しっかりとした信頼関係ができている人でもない限り、要求に応じてもらえる可能性は低いです。

その一方で、最初に些細な頼み事を聞いてもらうことから始めていくと、その後の本命の依頼に応じてもらえる可能性が高くなります。

私たち人間には、前述の通り一度取った行動を取り続けようとする性質があります。つまり、一度誰かの依頼に答えると、その人の要求に応じ続けようとしてしまいます。この性質を活用し、「最初は小さな依頼に応じてもらい、やがて本命の要求に答えてもらう心理テクニック」のことを、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と言います。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックをビジネスに活用する

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、さまざまな業界や会社で行われている手法です。例えば、サプリメントを販売している会社のなかには、広告やCMなどで、「初回送料無料」や「今だけ増量中」などの案内を出しています。

これによって、この会社のサプリメントに興味を持った人の多くは、初回購入時の手厚いサービスに惹き付けられます。その結果、そのうちの何人かが商品の購入に至ります。

また、化粧品メーカーのなかには、問い合わせをした人に対して無料サンプルを送っている会社があります。これにより、化粧品の無料サンプルに惹き付けられた人がこの会社に問い合わせをして、無料サンプルの提供を希望します。そして、化粧品の効果に満足したお客様は、継続的にこの会社の化粧品を買い続けるようになります。

このように、フット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用している会社は、まずお客様に対して、お得な商品の購入や無料サンプルの受け取りといった「小さな要求」をします。その要求にお客様が答えてくれた場合、そのお客様のうちの何人かは、その会社の商品を購入するという行動を一貫してとり続けるようになります。

その結果、その会社の利益は膨れ上がっていくことになるのです。

最初の商品は赤字でもいい

先ほどのサプリメントの販売会社と化粧品メーカーの例に共通するポイントとして、以下の2つがあげられます。

・最初の商品では、利益を出すことを目指さない

・赤字でもいいので、集客に全力を注ぐ

先ほどの例のうち、サプリメントの販売会社では、初回購入時の送料無料や商品の増量などを行い、商品に興味を持った人を惹き付けていました。そのため、たとえ最初の商品が売れてもほとんど利益は出ません。

一方、化粧品メーカーの例においては、商品サンプルを無料で提供していました。そのため、サンプルを送れば送るほど赤字になります。しかし、これらの会社にとってはそれでも良いのです。

なぜなら、最初の商品を購入したお客様や無料サンプルを取り寄せた人が、継続的に購入してくれるお客様になった場合、それらの会社はすぐに黒字になるシステムになっているからです。そのため、フット・イン・ザ・ドア・テクニックを実践する会社の多くは、たとえ赤字を出してでも集客に多大な労力を費やします

このように、最初の商品を買ってもらうなどの「小さな要求」に答えてもらえれば、あとは商品を届けるだけで簡単に売り上げを伸ばせてしまえます。もちろん、2つ目の商品で元を取れるようにするには、そのためのシステムをしっかりと組むことが必須です。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは真逆の手法

一方で、相手に「本命の依頼よりもはるかに大げさな要求をし、その要求を断られてから本命の要求に応じてもらうというテクニック」があります。この手法のことを、「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」といいます。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、お客様に商品を購入してもらうときに有効な手法です。一方、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、企業間での取引などの交渉の際に有効な手法といえます。つまり、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、お客様に商品を買ってもらうなどの売り上げを増やすことには向きません。

そのため、商品の売り上げを伸ばしたい場合や、リピート客を獲得したい場合には、フット・イン・ザ・ドア・テクニックを活用するようにしましょう

今回述べたように、フット・イン・ザ・ドア・テクニックを用いることで、お客様が商品を継続的に購入してくれるようになります。商品の売り上げが伸び悩んでいる場合には、このテクニックを上手に活用してみてください。そして、会社の利益を大きく増大させていってください。

なお、一貫性の法則の一つとしてフット・イン・ザ・ドア・テクニックがあります。一貫性の法則を活用すれば目標達成に対して有利になりますし、ビジネスでの売り上げを増やすことにつながります。あらゆる場面で活用できるため、ビジネスで必ず取りいれるようにしましょう。

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