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2つ以上の物や条件などを比較する際に、最初に提示されたものと、2番目に提示されたものとの差が激しい場合、私たち人間は、「最初のものと2番目のものとの差を、実際よりも大きく感じる」ような傾向があります。

例えば、10キログラムのダンベルを使って腕の筋力トレーニングを行った後で、1キログラムの重りを持った場合、筋力トレーニングをする前よりも1キログラムの重りを軽く感じてしまいます。

また、冷たい水の中にしばらく手を入れた後で、その手を人肌くらいの温度のお湯に入れた場合、そのお湯の温度を実際よりも熱いように感じてしまいます。

このように私たち人間は、最初の刺激と2番目の刺激との差が激しい場合、その差を実際以上に大きく感じてしまう傾向があります。このことを、「コントラストの原理」と言います。コントラストの原理は、重さや温度などの感覚だけでなく、物の値段などの目で見るものに対しても働きます。

また、同じように対比させることで要求を受け入れてもらいやすくする手法としてドア・イン・ザ・フェイス・テクニックがあります。これらの手法を活用することで、要求を受け入れてもらいやすくなります。

コントラストの原理によって、値段の感じ方が変わる

コントラストの原理をビジネスに活かすことで、たとえ高い商品であっても売り上げを伸ばすことができます。

例えば、お客様に車を販売する際、最初に廃車寸前のボロボロの自動車を紹介したとします。その次に、先ほどのボロボロの車と同じ値段ではあるものの、そこそこきれいな自動車をお客様に見せた場合、最初に見たボロボロの車との差が激しいことから、そのお客様は、2番目に紹介された自動車をものすごくきれいなもののように感じてしまいます。

また、3万円のパソコンと8万円のパソコンがあり、そのどちらかを販売すると仮定します。

このとき、8万円のパソコンに「型落ちのため、定価16万円のこのパソコンを本日限り半額の8万円でお売りします」という前提条件を付け加えたとします。その場合、お客様は5万円高いにもかかわらず、8万円のパソコンの方がお買い得であるように感じます。

このように、商品の見せ方や前提条件の追加によって、それを見たお客様がお買い得だと感じる商品に変わります。そのため、たとえ高額商品であったとしても、お客様に満足してもらいながら売り上げを伸ばすことができます。

最初に高額商品を売った後で、それより安いものを売る

非常に多くのお金が費やされるものとして、結婚式があげられます。結婚式では、式場の使用料、ウエディングドレスのレンタル料、出席者に振る舞う料理の費用など、たくさんのお金を必要とします。このとき、コントラストの原理によって、結婚式を挙げる当事者は、ほとんど抵抗なく結婚式のオプションを追加してしまいます。

要するに、結婚式自体に莫大な費用が掛かるため、お色直しなどのオプションを追加したとしても、それほど差がないように感じてしまうのです。このことを熟知しているウエディングプランナーは、結婚する当事者たちに対して、「一生の思い出になりますので、ぜひご検討ください」と伝え、追加オプションを勧めます。

その結果として、ウエディングプランナーは、結婚式を挙げる新郎新婦に大いに満足してもらいつつ、自分たちの利益を膨れ上がらせているわけです。

高い買い物の後では、他の商品は安く感じる

また、自動車を購入してもらった場合、その車のディーラーは、カーナビやフロアカーペットなどのオプションの追加購入をお客様に勧めます。この場合にも、自動車を買ったお客様にコントラストの原理が働きます。

つまり、高い商品である自動車を購入した後であれば、たとえ数万円の買い物だったとしても、自動車よりも安いカーナビなどの追加オプションの値段を安く感じてしまうわけです。

そのため、車を購入したお客様に対して、「おすすめの最新式ナビがあるのですが、いかがですか」と聞くと、カーナビ単体で売る場合よりも高い確率で買ってもらうことができます

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック:拒否されてから譲歩する

今回述べたように、比較するもの同士の差が大きい場合、私たち人間はその差を実際よりも大きく感じる傾向にあります。そして、このことを商品販売に活かすことで、商品の売り上げをさらに大きく伸ばすことができます。

ただ、追加で販売する商品も含めて必ず良いものを売るようにしましょう。自分たちだけでなくお客様にも得をしてもらってこそ、長続きするビジネスが成り立ちます。

なお、同じように「最初に大きなものを提示して、次に小さい要求をお願いすることで受け入れてもらう手法」としてドア・イン・ザ・フェイス・テクニックがあります。

コントラスト効果では、対比させることで要求を受け入れやすくしてもらいます。一方でドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、「最初にわざと断られるような大きな要求をした後で、それよりも低い依頼をする」というものになります。

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックの概要

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックは、他人と交渉する上で、ぜひ知っておきたい重要な手法になります。例えば、会社間での取引において、以下のような会話があったとします。

営業マン「すいません、今月は予算が厳しいので、今回だけ仕入れる商品の値段を半額にしていただけませんか」

取引先「ちょっと待ってください。さすがに半額にするのは無理ですよ」

営業マン「それなら、今回だけ商品の値段を2割引にしていただけませんか。よろしくお願いします」

取引先「わかりました。今回限り、商品の値段を2割引にしましょう」

この例では、営業マンは最初に「商品の値段を半額にしてください」という要求を取引先に提示しました。この依頼は、営業マン自身が断られることを想定して取引先に出したものです。無理な要求をされたため、当然、取引先はその依頼を却下します。

すると、営業マンは「半額が無理なら2割引でお願いします」と、半額よりも軽い要求を取引先に提示しました。この状況は、営業マンは「半額は無理」という取引先の意思に譲歩した形になります。それにより、取引先は無意識のうちに「この営業マンはこちらの意思に譲歩してくれた」と恩義を感じます。

要求を下げたら、人はそれに応えようとする

このときの取引先の心理状況は、「人に何かをしてもらったら、何かの形で恩返ししなければならない」と感じているのです。

さらに、取引先の立場からして、「商品の値段を半額にする」という要求に比べて、「商品の値段を2割引する」の方が、負担が大幅に軽くなります。そのため、最初の要求と2番目の要求との間に大きな落差が生じます。それにより、取引先は、2番目の要求を実際以上に軽いものに感じるようになります。

これらの心理現象の結果、営業マンの狙い通り、商品の値段を2割引にするという要求に取引先が応じた形になったわけです。

このように、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを活用することで、こちらの要求を相手に受け入れてもらうことができます。

本命の依頼をする前に、より大げさな要求を提示する

先ほどの取引例のように、自分の要求に相手が応えてもらいたい場合には、まず相手に対して断られそうな大げさな依頼を出すのが効果的です。そのあとに、最初よりも程度の軽い要求を伝えれば、その依頼に相手が応えてくれる可能性は非常に高くなります。

重要なポイントとしては、「本来の依頼が最初に提示する依頼よりも軽いもの」であることがあげられます。

例えば、相手からお金を借りたい場合、最初に「100万円貸してください」と相手に要求し、断られたとします。そして、その後に「じゃあ、90万円でもいいから貸してください」と依頼したとしても、相手がお金を貸すことに応じてくれる可能性は極めて低いです。

なぜなら、貸す金額が100万円から90万円に変わっただけでは、最初の依頼と2番目の本命の依頼との落差が少な過ぎるからです。

そのため、最初に出す依頼は常識の範囲内を超えるか超えないかぐらいの大げさなものにしておきましょう。その後には、常識の範囲内にとどまるレベルの本命の依頼を相手に提示します。

そうすることで、2番目に提示する本命の依頼のとき、相手に「こちらの意見に譲歩してくれた」と感じさせることができます。さらに、最初の提案と2番目の提案との落差により、相手に「最初の要求に比べれば、2番目の要求は軽いな」と思ってもらえます。

その結果、こちらが応えてほしかった本命の要求に相手が応じてくれるわけです。

このように、拒否された後に譲歩するドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを活用すれば、あなたの要求を通してもらいやすくなります。その結果、ビジネスがスムーズに進むようになります。

要求を対比させることによって、こちらが望むように行動させる心理テクニックがコントラストの原理とドア・イン・ザ・フェイス・テクニックです。これらを有効活用すれば、ビジネスを行いやすくなります。

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