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世の中には、宝くじを買う人が大勢います。このような人たちは、「もしかしたら、宝くじに当たって大金持ちになれるかもしれない」という期待を寄せ、毎年宝くじを買い求めています。宝くじの1等に当たる確率は、1枚の宝くじを購入した場合で約1千万分の1といわれています。つまり、宝くじで1等に当たる確率はとてつもなく低いのです。

また、宝くじを買う人たち自身も「宝くじが当たる確率はとても低い」という事実を知っています。それなのに、宝くじを買う人が多いのはなぜでしょうか。これには、宝くじを買う人たちに働いている「認知バイアス」が関係しています。認知バイアスを活用すると、商品が売れやすくなります。

他にも、商品を販売するときに効果的な手法として希少性(限定性)の原理があります。珍しいものであると、人はそれを欲しいと思ってしまう心理効果のことです。

認知バイアスや希少性の原理を有効活用することによって、よりビジネスがうまくいくようになります。

認知バイアスが働くと、正しい結論から遠ざかる

特定のものに対して、自分の都合のいい方向に考えが偏ったり、他人の意見によって自分の考え方がゆがめられたりして、非合理的な判断をする現象を「認知バイアス」といいます。

先ほどの宝くじを例にあげると、認知バイアスが働いていることで、宝くじを買う人は以下のような考え方に陥っています。

①「宝くじが当たる確率が低いのは知っているけど、買えば当たるかもしれない」という考え方

②「今までずっと買い続けて負けてきたので、今度こそ当てて負けを取り戻したい」という考え方

まず①の考え方について解説します。人は、物事を自分の都合のいい方向に考えてしまう傾向があります。例えば、車を運転している際にも「自分は絶対に事故に遭わない」と心のどこかで思ってしまうのです。

そのため、宝くじを買う人の場合には、「自分には当たるのではないか」、「宝くじは買わなければ当たらないし、当たらなくても当選日まで夢が見られる」などのように考えてしまい、宝くじの絶望的な当選確率を無視してしまうのです。

次に②の考え方について解説します。これは、宝くじを買い続けたことで、お金の損失が膨れすぎたために起こる考え方です。

宝くじを買う人のなかには、何年間も買い続けてしまう人がいます。このような人の場合、「もし宝くじを買うのをやめたら、今まで損したお金を取り戻す機会を永久に失うことになる」という気持ちがあります。そのため、滅多に当たらない宝くじを買うことから抜け出せないのです。

このように、認知バイアスが働くことで、人は偏った考え方に囚われてしまいます。それゆえ、宝くじ販売というビジネスが成り立っていると考えることができます。

認知バイアスは、他人との交渉に活用できる

自分が思い通りに誘導したいと考えている相手に認知バイアスを働かせることで、その人の考え方を自分の意のままに導くことができます。

例えば、あなたに強く当たってくる先輩社員Aさんがいたとします。Aさんがあなたに対して強く当たらないように誘導する方法として、Aさん以外の周囲の社員に対して次のような言葉を吹聴するのです。

「私は、Aさんを尊敬しています。Aさんは、私をかわいがってくれており、とてもありがたいと思っています」

このような言葉を使っていくうちに、この話がAさんの耳に伝わります。そして、「○○(あなたの名前)は、私のことを尊敬しているのか」とAさんに思わせることができるようになります。この状態になれば、Aさんはあなたに対して「尊敬されるような行動をとらなければ」という意識が芽生え、あなたに強く当たらなくなってきます

認知バイアスを用いて、ビジネスを加速させる

先ほど述べた宝くじ以外にも、認知バイアスを活用してビジネスを発展させることができます。わかりやすい例でいうと、プレゼントの企画があげられます。例えば、販売している商品に応募券を付けた上で、「商品の応募券を20枚集めてハガキに貼って応募すると、抽選で5名様にハワイ旅行をプレゼント」とするのです。

この企画を見た人のうちの何人かには、認知バイアスが働いて「もしかしたら当たるかもしれないから、商品をたくさん買って応募してみよう」という意識が芽生えます。これによって、商品の売り上げを高めることができるのです。

このように、認知バイアスが働くことで、人は偏った考え方に陥ってしまいます。そして、認知バイアスをうまく活用することで、人間関係を良好にすることや、ビジネスを加速させることができます。

もし、商品の売れ行きが怪しい場合には、認知バイアスを上手に活かして、お客様の購買意欲を掻き立てるようにしてみてください。

希少性(限定性)の原理:珍しいものは高くても売れる

さらに、認知バイアスだけでなく希少性まで考えるようにするといいです。

世の中には、希少価値を持つ品物が存在します。例えば、宝石や骨董品、名画などです。これらは、流通する絶対数がすでに決まっていることから、高額で取引されます。

そのほかにも、販売元が意図的に流通する数を減らして販売される商品があります。それが、いわゆる「限定品」です。限定品であれば、たとえ珍しい材料を使っていない場合であっても、高額で取引されます。

人は、限定性があるものに注目してしまう性質があります。そして、珍しいものや数が限られているものほど、高額で取引されるのが当然だと思ってしまいます。このような心理現象のことを、「希少性(限定性)の原理」といいます。

商品に限定性を付け、爆発的に売る

リアルビジネスでは、この現象が効果的に活用されている例が数多くあります。その例の1つとして、通販番組があげられます。通販番組での商品紹介では、以下のようなことが頻繁に言われています。

「この番組の終了から30分以内にお申込みいただいた方に限り、こちらの素晴らしい特典もサービスとしてお付けします」

この例では、紹介されている商品そのものに限定性は付けられていません。しかし、この言葉には、視聴者の注目を集める「限定性」の要素が盛り込まれています。それは、「30分以内に申し込んだ場合にもらえる特典のサービス」です。

商品を買おうか迷っていた視聴者は、「30分以内の申し込みでの特典追加」を聞かされたことで、購買意欲が大きく動かされます。なぜなら、特典が付いていない商品を買うよりも、特典付きの商品を買った方が得だと感じるからです。

この場合、特典が本当に素晴らしいもので、その説明がしっかりと行われていれば、多くの視聴者を衝動買いに導くことができます。

希少性を付加するための方法

そのほかにも、限定性を付けるために使われる言葉として、以下のようなものがあります。

・「本日限り」

・「200名様限定」

・「これが最後です」

このような言葉を用いて商品に限定性をつけることで、多くの見込み客の心を動かし、注目を集めることができます。その結果、商品を爆発的に売ることが可能になります

希少性(限定性)の原理を応用した交渉テクニック

先ほどは、商品に限定性を付加して爆発的に売る手法について述べました。しかし、希少性(限定性)の原理による効果を活かせるのは、商品販売だけにとどまりません。得意先の会社との交渉にも、大きな力を発揮してくれるのです。

例えば、あなたが取引先の企業の商品を受注する際に、その会社の担当者に対して以下のような言葉を使います。

「今月は予算が厳しいので、今回だけ特別に3割引きにしてもらえませんか」

この言葉では、商品の割引きについて限定性が付加されています。この言葉を交渉に活かすことで、取引先の商品をより安く購入することが可能になります。また、3割引きは無理だといわれても、2割引きあたりなら了承してもらえるかもしれません。

このような交渉のとき、「特別に」「今回だけ」などの限定性を付加するキーワードを使うと、相手は「いつもこうしてくれと言っているのではなく、今回だけの頼みとして言っているのだから」と思い、依頼しているにも関わらず譲歩してくれていると錯覚してしまいます

その結果、相手は「向こうが譲歩しているのだから、こちらも譲歩で答えなければいけない」という心理に陥り、こちらが提示した条件を飲んでくれます。

希少性を連発すると不信感を招く

ただし、当然ながら毎回は通用しません。一度この手法を使った場合には、同じ会社には1年以上は使わない方が良いでしょう。もし、高い頻度で先ほどの言葉を使っていると、今度はこちらが得意先の企業に譲歩しなければならなくなったり、得意先の会社に「これ以上はあの会社と取引したくない」と思われたりする恐れがあります。

そのため、交渉に希少性(限定性)の原理を再度用いる場合は、できるだけ長い期間をおいた上で、実行するかを検討するようにしてください。

このように、希少性(限定性)の原理をビジネスで活用することにより、商品の売り上げを大きく伸ばすことや、自分に対して有利に交渉を進めることができます。

もし、商品の売れ行きが怪しい場合には、その商品そのものや特典の追加などに限定性を付けるようにしてみてください。これだけで、あなたのビジネスは変わっていくはずです。

人間は、失うことに強い恐怖を感じる

なお、希少性の原理の中で最も効果が強いのは「失うこと」です。私たち人間は何かを得られる喜びよりも、何かを失う恐怖の方が強い傾向にあるからです。何かを失う可能性があると知ったとき、「何とかしてその状況から逃れよう」と考えます。

例えば、あなたが店に行ったとき、その店舗にあなたが購入を検討しているものが売られていたとします。そして、この商品は特に珍しいものではなく、いろいろなところで売っているものと仮定します。

このとき、あなたに十分な予算があれば、その商品を買うと思います。また、手持ちのお金が足りない場合には、「予算の都合がついたとき、ここか別の店で買おう」と考え、その日はあきらめるのではないでしょうか。

それでは、今度は状況を変えます。あなたが購入するかを検討している商品が本日だけの限定品であり、ここで買えなくなったら二度と手に入らないと仮定します。さらに、その商品を買うための予算がない場合、あなたはどうするでしょうか。

おそらく多くの人は、店側に「目的の商品を取っておいてもらえないか」と交渉したり、家族や友人に電話をかけて、お金を貸してもらえるように頼んだりすると思います。

手に入らなくなると思ったときに人は行動する

このように、人は何かを得ることの喜びに比べて、何かを失うことの恐怖の方が強い傾向にあります。このような人間心理のことを「損失回避性」といいます。

購入を検討しているものがいつでも手に入る商品であれば、たとえそのときに買えなくても、人はとくに落ち込んだり悔んだりすることはありません。

その一方で、欲しいと思っているものがいずれ手に入らなくなると知った場合、人は「今買わないと、その商品を手に入れられなくなる」という恐怖から何としてでも逃れようとします。

損失回避性を活用し、商品購入を促す

損失回避性は、先ほどの例のような「限定品の販売」以外であってもビジネスに大いに活用できるものです。先にも述べましたが、特典でも問題ありません。

例えば、広告やCMなどを使ってサプリメントの宣伝を行う場合、その商品にオリジナルの限定特典を付けます。そして、商品の広告やCMで次のような言葉を添えます。

「当社のサプリメントご購入時の特典には、数に限りがございます。そのため、○月○○日までにお申込みいただかないと、特典をお渡しすることができなくなります」

商品と特典に興味がある人がこの言葉を見た場合、その人は「特典を手に入れられなくなる恐怖」を感じます。そして、この恐怖から逃れようと考え、サプリメントの購入を決心してくれます。

特典の限定性を活用してもいい

このように、たとえ商品そのものに限定性がなかったとしても問題ありません。価値ある特典を限定品として商品に付与することにより、お客様の心のなかに「失う恐怖」が芽生えます。そしてお客様は、「商品に付けられた特典が手に入らない恐怖」から逃れようとして、限定品付きの商品を購入してくれます。

また、このときのポイントは、限定品を「今回限り」のものにすることです。もし別のシーズンに同じものを特典として付けるのであれば、お客様は「また次回売り出されたときに買えばいい」と考えます。その結果、特典を付けたにもかかわらず、商品をほとんど売ることができません。

そのため、商品に特典を付けて販売する場合には、必ず「今回限り」のものにする必要があります。

そして、その機会を過ぎたら、実際にその特典が付かないようにしなければなりません。するとお客様は「この会社の商品に付けられる限定品は、売り出されたときにしか手に入らないから、欲しいものはそのときに買わなければ」と考えます。

それにより、限定特典付きの商品を売り出したとき、それに興味を持った多くのお客様が、ごくわずかな時間で商品購入に至るようになります。

このように、商品をできるだけ多く売りたい場合には、お客様に「失う恐怖」が芽生える仕掛けを導入することが重要です。これによって、商品の売り上げをさらに大きく伸ばすことができます。

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