ネットビジネスでの副業や起業を考えるとき、YouTubeの活用を考える人は非常に多いです。自分の動画をYouTubeのアカウントへアップすることにより、広告収入を得ようと考えるのです。
しかし、残念ながらYouTubeの広告収入で稼ぐのは無理です。単純に再生回数に対する収益額は非常に少ないからです。また、急にアカウント停止を食らって翌日から収益がなくなる可能性もあります。
世の中に存在するYouTuberと呼ばれる「YouTubeで生活する人」はリスクでしかないのです。稼げないことをしているだけでなく、アカウント停止のリスクを常にはらんでいるのです。
それでは、YouTubeなどの動画を使った手法が無意味かというと、当然ながらそういうわけではありません。実際、私もYouTubeを利用しています。ただ、これはYouTubeの広告収入を狙ったものではなく、あくまでもビジネスのツールとして活用していることになります。
適切に利用すれば、YouTubeは儲かります。ただ、広告収入については儲からないというだけです。そこで、どのようにYouTubeを利用して売上につなげていけばいいのかについて解説していきます。
YouTubeからの広告料は儲からない
映像を作成した後は、他人に見てもらわなければいけません。動画を作っただけで終わっていては、単なる自己満足になってしまいます。他の人に映像を視聴してもらうことで、感動させることに動画作成の意義があります。
このとき、映像を活用してどこにキャッシュポイントを置けばよいのでしょうか。特にビジネスの素人であれば、YouTubeで再生されるときに発生する広告収入を目当てにします。
実際、YouTubeを再生すると以下のように広告が出されるようになります。
このように、「動画が再生される最初」「横のバナー」に広告が掲載されています。また、動画再生中に広告表示されることもあります。
「5秒後にスキップできます」という文字がYouTubeに現れることもありますし、スキップできず強制的にCM広告を見せられることもあります。いずれにしても、これらすべてがYouTube広告になります。
YouTubeであなたの動画が再生されるとき、あなたの動画の中にこうした広告を出すことができます。必ずしも広告がクリックされなくても問題ありません。CMが再生されるため、そうしたCMが視聴者に見られれば広告料が発生するようになります。
このときに発生する広告料の何割かについて、あなたへ還元される仕組みになっています。そこで動画をたくさん再生してもらうことで広告料を得ようとするのです。
ただ、残念ながら費用対効果の点でいえばこのような手法は儲かりません。広告収入モデルは最も稼ぎにくい方法だからです。
「多くのアクセスが集めるメディアを構築し、そこに広告を貼りつける」という広告モデルは小学生でも思いつくビジネスであるため、多くの人が取り組もうとします。ただ、現実は圧倒的に利益を出しにくいので挫折する人がほとんどです。
そこで、実際の事例を見せたいと思います。私もYouTubeを利用してサイト運営しており、それなりに大きな媒体に育っています。YouTubeアカウントを作成して1年でチェンネル登録者数は6,000人を超え、動画再生回数は200万回を軽く突破するようになりました。
そうしたYouTubeアカウントによる、月の収益額が以下になります。
このように、月27.9万回(約30万回)ほど再生されて、収益額は約50ドル(約5,000円)です。これだけの媒体を作り上げたとしても、月に5,000円ほどの広告収入しか得られないわけです。
YouTubeアドセンスの広告単価は低い
それでは、YouTubeアドセンス(YouTubeの広告)で得られる広告費はどれくらいになるのでしょうか。これについては、先ほどの事例から計算することができます。
- 5,000円 ÷ 30万再生 = 約0.017円
つまり、YouTubeへ動画をアップした後に再生された場合、私に入ってくるお金は1再生あたり約0.017円であることが分かります。
一般的には、YouTubeによる広告収入は1再生で0.01~0.02円(場合によっては1再生0.005円以下)だといわれています。そのため、この金額は非常に妥当だといえます。
ここから、どれだけYouTubeが稼ぎにくいのか容易に想像できるのではないでしょうか。もし、頑張って動画を作成して100万回ほど再生されたとしても、あなたが得られる広告収入はわずか1~2万円ほどです。
1万回の再生だと、単価0.01円では100円の収益です。広告単価が低いため、圧倒的に稼ぎにくいビジネスモデルなのです。
・Googleアドセンスの方が稼げる
副業や起業などで広告収入を考えるとき、ビジネス目的で行うのであればGoogleアドセンスの方が優れています。ブログやサイトを作り、そこへアドセンス広告を貼るのがGoogleアドセンスです。YouTubeによるアドセンス広告のブログ版だと考えてください。
例えば、以下のような広告がGoogleアドセンスになります。
Googleアドセンスの広告単価がいくらかというと、「1PV = 0.5円」が一般的な相場です。YouTubeアドセンスとは違い、動画がクリックされるごとにお金が入る仕組みです。収益性は低いですが、それでもYouTube広告の30倍ほどになっています。
規約や規制、著作権など条件が厳しく稼ぎにくい
また、YouTubeの場合は細かい規約があり、著作権に対して非常にうるさく規制が厳しいと考えるようにしましょう。
少なくとも、著作権に触れる動画については広告を出すことができず、規制されるようになると考えてください。
よくあるのは、ゲームの実況レビューです。ゲーム実況を動画にしてYouTubeへアップするのです。これについては、ゲーム会社が許可を出している場合のみ可能です。ただ、日本に存在するほとんどのゲームは禁止されており、著作権の規約に反することで広告停止を食らうことは頻繁にあります。
同様に音楽の二次創作(カバー曲)についても著作権違反です。元の音楽を自分で演奏したり、歌ったりしたものを動画として掲載するのは著作権違反です。すぐにアカウント停止を食らうことはないですが、少なくともその動画について広告出稿することはできません。
- ゲーム
- 音楽の二次創作、カバー曲
- テレビ、ドラマ
- アニメ
これらに少しでも触れると広告が無効になります。
もし、こうした動画をアップロードした場合、「動画は公開された状態であるものの、著作権の問題によって広告は出向できない状態」になります。以下のような感じです。
アカウント全体で広告停止になるわけではなく、動画単位で警告を受けて無効になります。いずれにしても、指摘を受けた広告については広告が出なくなります。
しかも、このときの規約はあなたが想像している以上に条件は厳しいです。私のYouTube動画の場合、どれも私オリジナルの動画です。ただ、広告停止となった動画は「たまたま隣で音楽のBGMがうっすらと流れており、それが動画の一部分(10秒ほど)に入り込んでしまった」というだけで広告停止になりました。
BGMで音楽を使ったケースなどのように明らかな著作権違反でなくても、「スマホなどで屋外撮影をしていたとき、たまたま音楽が少し入ってしまった」というだけでも広告を出せなくなるのです。
ちなみに上図では、黄色マークで「制限付き」とあるのが分かります。これは、表示される広告に制限が付いているというマークです。これについても基準は不明であり、なぜ制限付きなのか理解不能なケースの方が多いです。
禁止事項に触れるとアカウント停止のリスクが大きい
また、特にゲームや音楽、アニメを含めてこうした動画をアップする場合、アカウント停止になって削除される危険性が非常に高まります。一つの動画で広告停止になるだけならいいですが、場合によっては「動画自体を削除され、ペナルティを受ける」ことがあるのです。
動画が削除されるのは、別に著作権違反に限りません。著作権を含めYouTubeの禁止事項に違反すると動画削除され、ペナルティを受けるようになります。
以下が実際に私のところに来たことのあるYouTubeからのメールであり、「Your video has been removed from YouTube(あなたの動画をYouTubeから削除しました)」という件名でメールが送られてきました。
英語なので詳細は不明ですが、要は「あなたの動画はコミュニティガイドラインに違反しているので削除しました」とあります。
理由は不明です。特に著作権に違反しているわけではありませんし、規約違反しているとも思えません。そこでクレームを入れたところ復活したのですが、場合によっては削除されたままになっていたかもしれません。こうしたことがYouTubeでは平気で起こります。
また、半年など一定期間の間に何度も動画削除のペナルティを食らうとアカウント停止になります。その結果、広告収入は翌月からゼロになります。
これが、「歌ってみた系の演奏動画」であったり、テレビの実況中継などのように明確な著作権違反が見受けられたりすると、立て続けに動画削除されることがあります。そうなると、簡単にアカウント停止になります。
中学生や高校生でも年齢関係なく稼げる
ただ、そうはいっても、中学生や高校生を含めて動画をWeb上にアップするだけで年齢に関わらず子供でもお小遣いを稼げるのがYouTubeです。特に高額な撮影機材は不要であり、スマホで動画を撮ってアップすれば問題ありません。
実際、現在の私はYouTubeに動画をアップするとき、ほぼスマホ撮影になります。
それでは、どのようにYouTubeでの収益化をすればいいのかというと、単純にまずはYouTubeアカウントに登録をするようにしてください。YouTubeとパートナー契約を結んだあと、Googleアドセンスの審査に通過すれば広告を出すことができます。
広告の付け方は簡単です。申請をして審査に通過した後、それぞれアップした動画について「収益化」の部分を有効化するだけです。
これだけであなたの動画に広告が付くようになります。もし、広告が付かない場合は数日待つなど時間を開けるだけで問題ありません。
あとは、動画が再生されて収益が発生した後、Googleアドセンスであなたの銀行口座の口座登録をして、お金が振り込まれるのを待つだけになります。
・広告出稿は厳格化している
しかし、広告を出せるとはいっても誰でも動画に広告を貼れるわけではありません。
いまではかなり厳格化されており、「チャンネル登録者数が1,000人以上でないと広告を出せない」などの制限があります。そのため、実は広告を出せるようになるだけでもハードルが高いです。
YouTuberを目指すにはジャンル決めが必要
それでは、どのようにしてYouTubeで稼げる金額を増やせばいいのでしょうか。これについては、再生回数がすべてになります。
GoogleアドセンスではPV(ページビュー)と呼ばれるアクセス数が非常に重要視されています。これと同じように、YouTubeではどれだけ再生されるのかが大切なのです。
このとき、まずはどのようなジャンルに参入するのか決めましょう。ゲームの実況中継や音楽など著作権違反が起こりやすいものを省き、自分独自のYouTubeチャンネルにするためのテーマ決めをするのです。例えば、以下のようになります。
- 旅行が好きなので、旅先の風景に特化したチャンネル
- スキューバダイビング専門のチャンネル
- 学校での勉強方法を自ら解説したチェンネル
何でもいいので、こうした専門性をもたせたうえで動画配信するのがコツになります。自分の得意分野や好きなことで稼いでいくのがYouTubeです。
・入金額が激減するリスクがある
なお、「再生回数や再生時間の割合」「バナー広告がクリックされたか(ワンクリックごとに収益発生)」などがYouTube広告での収益になりますが、このときのルールはかなり頻繁に変わります。また、広告単価も大きく変動するため、「あるときから収益が大幅に減少した」という人は非常に多いです。
実際、「動画配信による広告単価が1再生あたり0.02円ほどだったのが、1再生あたり0.005円に減った」などの状況に陥るのは、YouTubeでは普通です。
広告単価が減少すると、あなたの銀行口座へ振り込まれる入金額も少なくなります。ただでさえ稼げないビジネスモデルなのに、より収益性が悪化するのは珍しくないのです。
動画からメルマガや店舗などへ誘導する
なお、YouTubeを活用してもそのままでは稼げないことを解説しましたが、方法によってもかなり儲かる仕組みを構築できるようになります。これについては、どのようにすればいいのでしょうか。
それは、「広告収入ではなくて、動画を見てもらった人に次のアクションを起こさせるようにする」ことです。つまり、広告収入以外の収益源を作るのです。例えば、以下のようになります。
- あなたが運営する店舗へ来店してもらう
- ECサイト(ネットショップ)へ飛ばし、商品購入してもらう
- メルマガ登録してもらい、リスト化する
基本的には、このように何かしらの行動を促します。
例えばあなたが保険の代理店を運営しているのであれば、保険の選び方について丁寧に解説した動画をYouTubeとして何本もアップするようにします。そうすれば、多くの人に保険の解説動画を見てもらえるようになります。
これにより、動画を見た人のうち何人かは「この人に保険相談をすることはできないのだろうか」と考えます。このとき、YouTube動画に「保険相談を希望する方はこちら」という相談応募フォームへ飛ぶことができるリンクがあればどうでしょうか。この場合、YouTube経由で見込み客からの申し込みが来るようになります。
他にも、ビジネスコンサルティングを実施している人であれば、メルマガ読者として登録を促しても問題ありません。例えば、以下の人はYouTube経由でメルマガ読者の集客をしています。
このようにして、「来店を促す」「電話をかけさせる」「登録フォームに記載させる」「メルマガ登録させる」「ECサイトで商品を購入させる」など、広告収入ではなくて自社ビジネスを加速させるためのツールとしてYouTubeの活用を考えるのです。
こうした広告収入以外で収益化(マネタイズ)する戦略によって動画を利用すれば、YouTubeでの広告収入で得られる金額の何百倍もの収益を手にできるようになります。
再生回数やチャンネル登録者数を増やすSEOのコツ
なお、動画を撮影してアップしたのであれば、多くの人に視聴してもらわなければいけません。これについては、どのようにすればいいのでしょうか。
YouTube動画が再生されるとき、いわゆる検索エンジンではなく、YouTubeのサイトやアプリ内であなたの動画へアクセスがあるのが普通です。以下はWebサイトでのYouTubeですが、このように他の動画がリストとして表示されるようになっています。
何とかしてここに表示されなければいけません。このときはタイトルやタグ、動画を説明する文章などを工夫する必要はありますが、最も効果が高いのは「有益な情報の動画をできるだけたくさんアップする」ことに行きつきます。
結局のところ、動画を作って公開するとはいってもどの動画の再生回数が多くなるのかは誰も見当がつきません。
いまの私でも、「この動画は人気になるはず!」と思ってもアップしても再生回数は微妙だったが、そこまで期待していなかった動画が人気になることもあります。要は、実際にYouTubeへアップしてみないと分からないのです。
どれが人気動画になるのかについては、どれだけ考えても分かりません。そのため、「数打てば当たる」の戦略にしたがって、多くの動画をアップするようにしましょう。これが、最も確実なSEO対策(動画リストに上位表示される対策)になります。
・動画の長さは5~10分にする
なお、注意点としては「短い動画にする」ことがあげられます。動画の長さについて、何分がいいかというと長くても10分です。できるだけ5~10分に納めるようにしましょう。
長すぎる動画は見られません。あなたも、30分や40分の動画をYouTubeで見たくないと思います。映画やドラマならいいですが、素人がアップしたどうでもいい動画を10分以上も集中してみる人などいないのです。
一回の再生時間を最高10分までにする方が視聴者は集中してみてくれます。再生時間の長い動画ほど、実際のところ再生回数が少なくなって動画SEOとしても悪影響を及ぼすようになります。
動画を活用した正しい稼ぎ方や手順を理解する
多くの人は「YouTubeで広告収入を得るにはどうすればいいのか」を考えます。ただ、残念ながらあなたがどれだけ広告収入の稼ぎ方を学び、始め方を勉強し、たくさん動画をアップして多くの人に評価され、月に何百万回再生のチャンネルに成長させたとしてもほぼ稼げません。
私のYouTubeアカウントは月30万回再生で月5,000円の収益ですが、これが現状です。また、一般的に1再生で0.01~0.02円が相場です。どれだけやり方を勉強して人気アカウントに育てても、稼げないという大きな問題点があるのです。
ただ、広告収入ではなくて「自分の商品販売につなげる」「他の会社と組み、その会社の商品販売につなげて手数料をもらう(アフィリエイトする)」などのように考えてビジネスモデルを組めば、収益が青天井になります。広告収入に頼るときに比べて、100倍以上の収益額になるのは普通です。
副業でお小遣い程度を考えている場合は広告収入でも問題ありません。ただ、ビジネスとして動画配信する場合、ビジネスモデルの組み方によってお金の流れが大きく変わるのです。この事実を理解したうえで、正しい方法によってYouTubeを活用するようにしましょう。