ビジネスを始めるとき、多くの人は商品をできるだけたくさん売ろうとします。ただ、一瞬だけ売れてビジネスが終わってしまうことはよくあります。つまり、継続して稼ぐことができないのです。

ただ、本来は将来的な展望まで見据えて商品を販売しなければいけません。やみくもに商品・サービスを売ればいいわけではないのです。

場合によっては、一時的な売り上げによって危機的な状況を招くこともあります。それでは、なぜ爆発的な売上が将来に悪影響を及ぼすのでしょうか。これには、当然ながら理由があります。

ビジネスで目指すべきは、ベストセラーではなくロングセラー商品の開発です。これを実践すれば、あなたのビジネスは安泰します。そこで「ロングセラー商品の特徴や作り方を理解し、戦略的にビジネスを続けていくやり方」について解説していきます。

ビジネスで大きなインパクトは必要ない

世の中には、社会現象を引き起こすほど売れる商品が存在します。分かりやすい例でいえば、お笑い芸人がこれに該当します。別の言葉でいえば、「一発屋」と表現されます。

一時期の流行やブームによって、その年だけはあらゆるテレビに引っ張りだこです。雑誌や新聞を含め、さまざまなメディアに露出しているので見ない日がありません。そのため、一発屋の芸人の多くは一年で莫大な金額を稼ぎ出します。

ただ、流行が終わると同時にオファーがなくなります。テレビ出演があったとしても、「あの人はいま」で取り上げられる程度です。

それでは、このような売れ方に意味はあるのでしょうか。一時的に有名になったことで満足するなら問題ないですが、多くの場合は日々の生活費が必要です。

たとえ最高で月に1000万円以上も稼いだ芸人であっても、一年後に月10万円程度の稼ぎに落ちこむのでは意味がありません。それよりも、一発当てなくても実力によって長い期間に渡って生き残り、毎月50~100万円の給料をもらっている芸人のほうが圧倒的に素晴らしいです。

人気商売というのは、飽きられたら終わります。飽きられないように自分の芸に変化を加えることが、本当の意味でプロであるといえます。この努力を怠った芸人は例外なく消えています。

本当に稼げる芸人は、「売れた後の将来設計」まで考えます。例えば他の才能をもつマルチタレントであれば、有名になったことを利用して、「画家として活躍し始めた」「トーク技術を磨く講師としてリスタートした」などのビジネスを実践している人が実際にいます。

芸能界で生き続けるにしても、長く活躍している人であるほどマルチに活動しています。一つの分野に捉われずドラマや映画、さらには執筆まで幅広いです。

ずっと売れ続ける工夫がビジネスで必須

これは、実業の世界でも同様です。例えば出版であれば、ベストセラーであっても一年後に中古本として山積みにされていることがよくあります。何度も読み直したい本だとは思われず、大量に古本屋に流れてしまったのです。

こういう本であるほど、大量増刷したもののあるときを境にしてピタッと売れなくなります。すると、数字上はたくさん売れたにも関わらず、大量の在庫によって赤字に転落しやすいです。

そのため、本来は定期的に売れるロングセラーの方が望ましいです。将来の売上予測を立てやすいですし、時が経てば在庫を減らすことができるからです。

他にも飲食店であれば、インパクト重視で「これは美味しい!」と思える商品を出せばよいわけではありません。それよりも「最初は何も思わなかったが、食べているうちにクセになって毎日通うようになった」という状況になってくれたほうが望ましいです。

流行やブームにのってインパクト勝負を仕掛け、一時的に大量販売を生み出すことは良い結果を招きません。そうではなく、長く売れる仕組みを構築するほうがビジネスでは何十倍も大切です。

売らない戦略を学ぶ

ビジネスで集客を行うことは重要ですが、たまに急激に客数が増大するケースがあります。「マスコミに取り上げられる」などは良い例です。そうしたとき、以下のような行列が並ぶようになります。

ただ、客が急に増えすぎるのは好ましくありません。リアル店舗であれば、お客さんを外で何時間も待たせることになりますし、それまで通ってくれた既存客の満足度を落としてしまいます。一度信用を失うと既存の客はなかなか店に戻ってきてくれないため、リピート客の減少に繋がります。

マスコミの効果は一時的であることが多いため、突如として増えた客は急速に減少していきます。そうなると、リピートしてくれた優良顧客が減った分だけ将来の利益が下がってしまいます。これを理解している店主もいるため、中には「マスコミお断り」を掲げている経営者もいます。

ビジネスを拡大させるとき、必ず身の丈に合った速度で成長しなければいけません。「従業員が育たないうちから大量の広告を出し、集客を頑張った」「ベストセラー商品を狙い、一発勝負をかける」などを実行に移せば、どこかで「きしみ」を生じます。

経営者というのは、時間経過と共に「商品が継続的に売れ」「人が育っていき」「満足してくれるお客さん(=ファン)の数が徐々に増える」という仕組みを構築するのが仕事です。

これを理解せずに目先の利益ばかりを追っているうちは、瞬間最大風速でしか稼ぐことができません。流行やブームに乗らずに5~10年後のことまで考え、長いスパンで支持される仕組みを構築できてこそ、ようやく一人前の経営者といえます。

特定の人に好かれるロングセラー商品の特徴

ここまでのことを理解したうえで、ロングセラーを狙うようにしましょう。できるだけリピート客を集め、何度も利用してもらうように仕向けるのです。

また、ロングセラー商品を構築するとき、どの時代であっても廃れないことが絶対条件になります。数年ほどで廃れる製品に意味はなく、長く売れなければいけません。

そうした視点であなたの周辺にあるロングセラー商品を確認したとき、いくつか共通点があることに気が付きます。まず、最初に考えなければいけないポイントとして「特定の人がターゲットか?」があげられます。大衆向けの商品だと微妙なのです。

ベストセラーというのは、大衆向けに作られています。多くの人が手に取ることで社会現象になることもあります。

一方で本当の意味でのロングセラーでは、そこまで多くの人に知られてはいません。中にはコカ・コーラのような商品例はあるものの、このような誰もが知っているロングセラー商品は大企業が開発しているものばかりです。大企業のマーケティングは中小企業が真似できず意味がないです。

そうした視点で見ると、やはり本当の意味でのロングセラーほど大衆には知られていません。ただ、特定の人の間では重宝されているケースがほとんどです。

分かりやすい例でいえば、特定の専門家に向けた書籍があります。例えば、私はかつて薬剤師として働いていました。このとき、どの薬剤師も全員が所持していた書籍として「今日の治療薬」があります。薬の効能効果や使用方法がすべて載っており、薬剤師の間では非常に重宝されています。

医療本でベストセラーを狙う場合、大衆向けの本にします。ただ、そうではなく薬剤師という特定の業種の人だけを狙ったのです。

同じように考えると、長く売れている商品であるほど「多くの人に好かれる戦略ではなく、特定の人だけに喜ばれる商品・サービス」をターゲットにしていることが分かります。例えば、私はアーロンチェアという非常に値段の高いイスを使っています。20万円ほどするイスですが、以下が実際のアーロンチェアです。

私はサイト運営という仕事柄、どうしてもデスクワークが多くなります。そのため腰が悪くなりますが、同じようにサイト運営を仕事にしている人の多くが利用しているイスにアーロンチェアがあります。一般人にはなじみがなくても、私のような仕事をしている人たちには有名なのです。

いずれにしても、このように「知っている人は知っている」という状況を作りましょう。マーケティングではターゲットを絞るのが大原則です。特定の人だけに好かれるマーケティング戦略を展開しなければロングセラー商品を作り出すことはできません。

定期的に欲しい人が出てくる仕組みがあると良い

そうして、定期的に売れていく仕組みを構築するようにしましょう。無理に売上を作り出そうとするのではなく、自然と売れるように仕向けるのです。

例えば、先ほど紹介した「今日の治療薬」であれば、薬は毎年のように新薬発売がありますし、保険適用追加などによって使い方が変わります。そのため毎年改定版を出す必要があり、そのたびに全国の薬剤師が毎年購入するようになります。

その結果、専門書にも関わらず圧倒的に売れている書籍になっています。また、薬という必ず必要なものをターゲットにしています。

アーロンチェアについても、腰痛に悩む人が消えてなくなることはありません。「腰痛」という、どの時代の人間でも悩む普遍的な事柄に焦点を当てているため、私のように腰痛を抱える人間が購入するようになるのです。

つまり、ロングセラー商品ほど最新のトレンドを追求しません。100年前から存在する、人間が必ず欲するものや悩みに対してサービス展開しています。

そうなると、どの時代でも必ず「この商品が欲しい!」と考える人が出てくるようになります。もちろんリニューアルによる改善は必要になるものの、その後は何十年も売れ続けるようになるのです。

この法則を無視して最新の技術を追うと、ロングセラー商品を想像するのが不可能になります。長期に渡って売れている商品であるほど、良い意味で普通です。ただ、その中身を確認すると、かなり戦略が練られたうえでマーケティングを仕掛けていることに気が付きます。

長く売れる製品は理由がある

個人事業主や会社経営者であれば理解してもらえると思いますが、ビジネスにおいて一瞬だけ稼ぐことほど意味のないものはありません。そうではなく、稼ぎ続ける必要があります。

ビジネスで最も難しいことの一つが、稼ぎ続けることなのです。そのためにマーケティング戦略を考えなければいけませんが、一時的な流行やブームに乗ることをいますぐやめなければいけません。そうではなく、ロングセラーによって長く利益を生み出し続ける商品・サービスの開発が重要です。

そこで頑張って売ろうとするよりも、売れ続ける仕組みを作るようにしましょう。

また、長く売れる製品には理由があります。「特定の人だけに好かれる」「100年前から存在する、人間の普遍的な事柄や悩みをターゲットにする」などの共通点があるのです。

こうした特徴を理解したうえでロングセラー商品を構築しましょう。一度でも製品化に成功すれば、長く安定したビジネスを続けられるようになります。

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