セールスマンとして営業活動を行う場合に気をつけるべきポイントとして、「お客さんにアンケートを書いてもらう」ことがあげられます。
このようにいうと、「営業マンがお客さんにアンケートを書いてもらう意味があるのか?」と思う人がいるかもしれません。しかし実際のところ、お客さんにアンケートを記入してもらうことは、セールスマンが日々の営業活動に取り組む上で大きな意味を成します。
営業で重要なものの一つに、「お客さんから紹介をもらう」ことがあります。このとき、アンケートが役立つのです。
そこで、「営業マンがお客様にアンケートを書いてもらうことの重要性や紹介をもらうコツ」について解説していきます。
アンケートによって自分の営業活動に自信を持つ
お客さんに書いてもらうアンケートに用意すべき質問項目の一つとして、「営業マンの対応で良かった点」があげられます。この項目を用意すれば半強制的ではあるものの、お客さんは自分に対応したセールスマンの良いところを書いてくれます。
営業マンとして日々活動している人のなかには、なかなかお客さんからの成約をとることができず、途方に暮れている人もいるのではないかと思います。セールスマンはポジティブでいる必要があるのですが、「成果が少なければモチベーションを保つことは難しい」と感じるかもしれません。
このようなときには、お客さんに書いてもらったアンケートにある「営業マンの対応で良かった点」の項目を見返すようにしましょう。これによって、「自分の営業活動はお客様の役に立っている」「自分の取り組みは間違っていない」といった気持ちになり、自分を肯定しようとする意識が芽生えるようになります。
これによってたとえ成果が少ない状況であっても、ポジティブな思考を取り戻すことができます。そうしてポジティブな気持ちを維持しつつ、お客様の役に立つことを念頭に置いて営業活動を続けていけば、やがて良い成果を生み出せるようになっていくはずです。
アンケートを自己分析のために活用する
またセールスマンがお客様にアンケートを書いてもらう意義は、当然ながらポジティブな気持ちを取り戻すだけではありません。アンケートの内容を確認し、自分の対応を振り返ることが重要です。つまり、アンケートを使って自己分析を行うわけです。
アンケートにより、自分の強みを見つけ出すことができるようになります。例えばアンケートのうち、「セールスマンの対応で良かった点」という項目において、「説明がとても分かりやすかったです」と書いてもらったとします。
この場合、あなたは「自分には専門的な情報を分かりやすく伝える強みがある」と理解できるようになります。その強みをさらに高められるように努力していければ、さらにライバル営業マンとの差別化を実現できます。
自身の強みを磨くことを意識しつつ、日々の営業活動に取り組んでいくことによって、少しずつ自分の営業スキルを高められるようになります。
このようにお客様に褒めてもらえた部分をさらに磨き上げることで、その強みに好感を持つほかのお客さんを対応したときに、当然ながら商品を購入してもらえる可能性が高くなります。
「アンケートで見つけた強み」を活かせるお客様を紹介してもらう
さらにいえば、アンケートによってお客さんに良い点を指摘してもらった場合、その強みに関連性が高いお客さんを紹介してもらうように依頼するといいです。
例えばインターネット回線の営業を行うとき、お客さんから「ネットについての説明がとても分かりやすかったです」という良い点をアンケートに記載してもらったとします。この場合、「お客さんのお知り合いの中に、ネットのことが分からなくて困っている方がいたら紹介してくれませんか?」と言って紹介を依頼します。
この方法によって紹介してもらった見込み客の場合、商品(サービス)の成約率がとても高くなります。あなたの強みに響く顧客だからです。さらに、「知人から紹介された営業マン」として訪問しているため、警戒されることなくこちらの話を聞いてくれます。
営業活動にアンケートをうまく活用することで、自分の営業成績をさらに高められるようになります。そのため、お客様に遠慮することなく、アンケートを書いてもらうように努力しましょう。
お客様から紹介をもらう、営業マンのアンケート設定項目とは
なおアンケートを活用して紹介をもらうためには、アンケートの回答項目に「紹介したい人」の記入欄を設ける必要があります。そこへ記載してくれた方に対して、アプローチしていくのです。
また、セールスマンがアンケートを通してお客様から紹介をもらいたい場合、「紹介したい人を記入する欄の前に、どのような記入項目を設定するべきか」について理解しておかなければいけません。
「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問を3つ先頭におく
まず営業マンがお客様に書いてもらうアンケートの冒頭には、「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問を3つ設定しておきましょう。より具体的にいうと「〇〇について、ご理解いただけましたか?」といった形の質問を3つ記載し、「はい」「いいえ」のどちらかに〇を付けてもらうようにするのです。
例えば、あなたがダイエット器具のセールスマンであったとします。お客さんとの商談が終わり、お客様にアンケートを書いてもらうことになりました。
この場合、お客さんに書いてもらうアンケートの冒頭は以下のような答えやすい質問を3つ設定します。
- 当社製品の特徴について、ご理解いただけましたか?
- 当社製品の使い方について、ご理解いただけましたか?
- 当社製品の3つの機能について、ご理解いただけましたか?
こうした簡単な質問であれば、お客さんは3つ連続で「はい」の方に〇を記入してくれます。このようにお客さんがとった行動が紹介をもらうときに重要な役割を果たします。
お客さんがアンケートで「はい」を3つ選び続けることで、顧客は「営業マンから受けた説明の内容を理解した」ことについて納得してくれます。さらにお客さんにポジティブな意識が芽生え、最初の3つの簡単な質問に続く「商談で良かったところ」「紹介する人」の2つの質問に答えてもらいやすくなります。
商談で良かったところを3つ書いてもらう
お客様に書いてもらうアンケートのうち、「はい」か「いいえ」で答えられる簡単な質問の次には、「セールスマンとの商談で良かったポイント」を3つ書いてもらうようにします。
またこの質問に答えてもらう際には、営業マンは「この質問の回答欄には、このようなことをお書きください」といった形で、お客様をアシストするようにしましょう。この質問を見たお客さんは「この問いには、どのようなことを書けばいいのだろう?」と不安になることが多いからです。
例えば、お客様が質問の回答に迷っている場合には、セールスマンの方から「私の印象でも構いませんよ」といった言葉を使い、お客さんに設問の回答を促します。
また、お客さんに「商談で良かったところ」を書いてもらうことによって、顧客は商談に対して良いイメージを持つようになります。
また回答において「〇〇について知ることができて良かった」といった言葉を書いてもらうことで、紹介をもらうための布石になります。
前述の通り、顧客が記入した「〇〇について知ることができて良かった」という回答を取り上げ、「このことが分からなくて困っている方がいましたら、ぜひ私に紹介していただけませんか? きっとお相手の方から喜んでもらえますよ」と伝えます。
このように御膳立てをしておくことで、その次に続く「紹介したい人の記入欄」において、顧客がスムーズに名前を書いてくれるようになります。
顧客に紹介してもらった人への連絡の仕方
なおお客さんに知人の紹介をもらった場合、営業マンがいきなり紹介してもらった見込み客へ電話をかけるのは避けなければいけません。なぜなら、紹介してもらった人を驚かせてしまうからです。
このとき、人によっては「信用していた知り合いに、自分の個人情報を売られた」と勘違いしてしまうかもしれません。これでは、セールスマンに警戒心を抱いてしまうどころか、紹介してくれたお客様と紹介してもらった人の人間関係が壊れてしまう恐れがあります。
こうした事態を避けるためにも、お客さんから知人を紹介してもらった場合には、顧客の方から紹介してもらった人に連絡を取ってもらい、後から電話をかけるようにしましょう。
このように配慮することで、お客様と紹介してもらった人との人間関係を保つことができます。さらに、お客様が知人に対して事前連絡するとき、「自分が買った商品が良かった」ことをその知人に話すことになります。
これによって、お客様自身が商品購入に対して、もう一度高い満足感を見出すことができるのです。その一方で事前連絡により、紹介された人は営業マンに対する警戒心がゼロに近い状態となります。
少なくとも、紹介してもらった見込み客の場合、営業マンのオファーを受けてくれる可能性がかなり高いといえます。
そうはいっても、無理やり商品を売りつけようとしたら、せっかくの信頼関係が壊れてしまう可能性が高いです。そこで紹介してくれた人に恥をかかせないためにも、お客さんの役に立つことだけを最優先にして商談を進める必要があります。
営業マンがアンケートでお客様からの紹介を得る際の注意点
このように、お客様にアンケートを書いてもらうときには、お客様が確実にアンケートを書いてくれる状況を作り出しておくことが重要です。これができていないと、お客様がアンケートに記入してくれない可能性が高いです。
そこで、お客様にアンケートを書いてもらう場合に、「紹介したい人の記入欄をどのように作成するべきか」と「確実にアンケートに記入してもらうにはどうするべきか」についてより詳しく理解しなければいけません。
紹介したい人の記入欄は、名前と自身との関係のみにする
営業マンがアンケートを使ってお客様からの紹介を獲得したい場合、そのアンケートにはお客さんが紹介したい人の個人情報を書き込むことになります。
このとき、紹介したい人の記入欄において、名前の他に住所、郵便番号、電話番号、メールアドレスといった項目まであると、お客さんはどのように思うでしょうか。きっと「いきなり紹介した人の所に直接連絡されてしまうのでは?」と感じるはずです。
その結果、顧客はアンケートに紹介したい人の情報を書くことに大きな抵抗を感じ、知り合いを紹介してもらえなくなる可能性が高いです。
こうした事態を避けるため、アンケートを使ってお客様に知り合いを紹介してもらいたい場合、紹介する人の名前と関係性だけを書いてもらうようにしましょう。
この場合であれば、顧客は「名前と間柄だけでいいなら、いきなり連絡されることはない」と考えて安心してくれます。これによって、たくさんの知り合いの名前を書いてくれる可能性が高くなります。
顧客から紹介者の連絡先を教えてもらう
このようにいうと、「それでは紹介してもらった人にアプローチできないではないか」と思う方がいるかもしれません。もちろん、こうしたアンケートでは紹介してもらった人に対してセールスマンから連絡を取ることはできません。
そこで前述の通り、お客さんのほうから紹介してくれた人に連絡を取ってもらうようにします。この場合、顧客がその人に対して、別件の連絡のついでに「そういえば、この前に〇〇さん(営業マンの名前)という方がきて、いろいろとためになる話をしてくれたんだけど、あなたも興味ある?」と話してもらいます。
または、簡単に「△△について以前、困っていたようだけど、〇〇さんという営業の方がいるから紹介しようか?」という感じの簡単なメールを送ってもらいましょう。当然、事前にメールのテンプレートはあなたが考えておく必要があります。
このあと、お客さんから見込み客の連絡先を教えてもらい、セールスマン自らがアポイントを取るようにします。このような手順を踏むことで、紹介してくれた人に対してスムーズに商談を進めることができるようになります。
必ずその場でアンケートを書くように促す
またお客様にアンケートの記入を依頼したいとき、営業マンによってはお客さんに気を使って、「商談で疲れているだろうから、アンケートを渡すだけにしておこう」と考えてしまう人がいるかもしれません。
しかし、これは絶対にやってはいけない間違いです。顧客にアンケートを渡しただけにすると、アンケートを書いてくれる可能性が非常に低くなるからです。この場合、ほとんどのケースでお客さんはアンケート用紙を無くしたり捨てたりしてしまいます。
こうした事態を避けるためには、アンケートを書いてもらうときに必ず商談の最後にその場で記入してもらいましょう。これであれば、お客さんがアンケート用紙を無くすことなく、確実に回収することができます。
正しくアンケートを利用し、飛び込み営業をやめて紹介をもらうべき
営業マンがお客さんから紹介をもらうとき、いくつか方法があります。そうしたとき、非常に有効な手法の一つにアンケートの活用があります。
実際のところ、ほとんどの人は紹介をもらえません。飛び込み営業を行い、罵倒されながら営業活動を継続するようになります。ただ、こうした手法は非常に非効率なのでやめたほうがいいです。
一方で敏腕営業マンであるほど、飛び込み営業はしません。そうではなく、紹介だけで商談が埋まるようになります。これだと商談のときに警戒心を抱かれることがないですし、ある程度の信頼が作られている状態からスタートできます。
そうした紹介をもらう手段として、アンケートを有効活用しましょう。正しくアンケートを利用すれば、多くの紹介をもらえるようになります。
もちろん、紹介をもらうにはお客さんに最大限の満足をしてもらうことが絶対条件です。お客さんに優れた商品・サービスを紹介したうえでアンケートを実践するからこそ、紹介をいただく場合にアンケートが大きな威力を発揮することを理解しましょう。
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