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怒りや罪悪感を覚える理由を知り、感情の抑え方や謝罪の仕方を学ぶ

人間として生きている以上は、怒ってしまったり罪の意識を感じたりすることがあります。こうした負の感情は精神的にあまり良い影響を与えないため、自分の中で適切にコントロールする必要があります。

それでは、どのようにすれば怒りや罪悪感から解放されるようになるのでしょうか。これを実現できるようになるためには、まず「なぜ怒りや罪悪感の感情が生まれるのか」を知らなければいけません。

怒りや罪悪感を覚えるのは理由があります。これを理解すれば、感情が爆発しそうになったときでも対処できるようになります。また、同時に相手を怒らせたときにどう謝罪すればいいのか把握できます。

ここでは、負の感情が沸き起こる理由や抑え方について解説し、どのように向き合うべきなのかを確認していきます。

他人が自分のルールを破ると怒りの感情が生まれる

なぜ、あなたは怒るのでしょうか。こうした感情は、自分の中に存在するルールを他人が破ったときに生じます。人間は自分なりのルールを誰もがもっています。これに従わない人に対して、怒りの感情が沸き起こるのです。

例えば、病院や新幹線の中などは公共の場であり、「こうした場では他人に迷惑をかけないために静かにしておくべきだ」と考えているとします。このとき、新幹線の隣に若い学生たちがいて騒ぎ始めたらどうでしょうか。その場合、学生に対して注意をすることでしょう。

なぜ学生たちを注意したかというと、自分の中にある「公共の場では静かにしておくべきだ」というルールを破ったからです。

他にも、明日までに仕上げるように指示していた仕事を部下が行ってこなかったことに対して怒ったとします。なぜ怒りの感情が生じたかというと、「仕事を明日までにしなければいけない」というルールを部下が破ったからです。

・目線を自分ではなく、相手に合わせる

どのような場合であっても、怒りの感情は「他人が自分のルールを破ったとき」に生まれます。そこで、怒りの感情を生まないためには、寛大な心で許した後に目線を相手に合わせます。

先ほどの仕事をしなかった部下に対しては、「仕事をしてこなかったのは、何かハプニングがあったからなのか? 困っていることがあれば、アドバイスするから何でも相談してくれ」と伝えます。

目線を相手に合わせれば、その人はあなたのルールを破ったことを申し訳ないと思い、自らの意思で行動を変えるようになります。このようにして、人間関係を良好に保ったまま相手を動かすのです。

前提条件が変われば、怒りの感情が起こらなくなる

実際のところ、ビジネスの場において感情的になることは大きなマイナスになります。そのため、怒りに向かわないように感情をコントロールしなければいけません。

人はなぜ怒るのかというと、「自分の中のルールを他人が破った」ことによって生じることを学びました。つまり、怒りというのは自分が判断したものにすぎません。他人が自分を怒らせたのではなく、自らが「怒る」という選択をしたのです。

これが、どういう意味かわかるでしょうか。怒りの感情というのは、本人の捉え方次第によるものが大きいのです。どのように物事を考えるのかによって、怒ること自体がなくなってより良い人生を歩むことができます。

・怒りとは何かを学ぶ

ある程度のことをすべて許すことができる人と、すぐに怒る人ではどちらが良好な人間関係を築くことができるでしょうか。もちろん、怒らずに相手を許すことのできる人間です。

これを踏まえたうえで、どうせなら相手に対して怒鳴り散らすのではなく、傾聴したり励ましたりすることで良好な人間関係を構築したいとは思わないでしょうか。

これを実践するためには、あなた自身の考え方を変えるだけで問題ありません。本来なら怒りの感情が沸き起こる場面であっても、前提条件が違うだけで怒りが収まるようになります。これを理解すれば、怒りというのは自ら引き起こしたものだということを認識できます。

例えば、病院で子供たちが騒いでいるとします。子供の目の前には父親がいて、見て見ぬふりをしています。通常なら、病院では静かにしておくべきです。病院には病気の人がたくさん訪れているため、病院内を走り回ったり大きな声を出したりするのはよくありません。

そのためあなたは、怒りの感情が沸いてきます。「病院内であるにも関わらず、なぜ父親が子供を注意しないのか」と感じるのです。そうして、実際に父親と思われる人物に対して注意します。すると、驚きの答えが返ってきました。次のようなものです。

申し訳ございません。実は、妻が先ほど急病で亡くなってしまいました。昨日までは元気だったのですけどね。それで、子供たちも少し動揺していて、気を紛らわすために騒いでいるのだと思います。

私が子供たちを注意する立場なのに、そこまで気が回っていませんでした。

これを聞いたあなたは、急に申し訳ない気持でいっぱいになります。そのような悲劇があったにも関わらず、怒りにまかせて言葉を吐いてしまったからです。

そこで、「こちらこそ失礼な言動をして、申し訳ございませんでした。奥様に対してお悔やみ申し上げます」と思わず言います。

前提条件が変われば怒りの感情が起こらない

なぜ、先ほどのような現象が起こるのでしょうか。

病院内で騒いでいる子供の親に対して大きな怒りを覚えていたとしても、「数時間前に子供の母親が亡くなった」という情報が加わるだけで、怒りの感情がまったく起こらなくなりました。これは、そもそもの前提条件が変わったからです。

こうして考えると、どのような前提条件があるのかによって怒りの度合いが変わります。まったく同じ出来事であったとしても、その出来事が起きた背景によってその後の結果はまったく違ったものになるのです。

これが、「怒りは自らが起こしている」といえる理由です。

不都合な場面に出くわしたとき、「感情にまかせて怒る」という選択は簡単です。ただ、「もしかしたら、何か特別な事情があったのかもしれない」と解釈をして、相手に寄り添うという選択もできるはずです。自分自身が「怒る」という選択をしなければ、怒りの感情は沸き起こりません。

自分の考え方を変えれば、人間関係は良好になる

ここまでを理解すれば、批判や脅し、罰を与える言動など、怒りの感情を起こさないためには、あなた自身の考え方を変えればいいことが分かります。あなたにとって何か不都合な出来事があったとしても、その前提条件を変えれば怒りの感情は起こらなくなります。

良い人間関係を保つためには、怒りをぶつけるよりも、支援したり励ましたりすることのほうが重要です。先ほどの病院の例であっても、前提条件を変えれば次のように提案できたはずです。

「もしかして何か事情があったために、お子様が騒いでいるのでしょうか。ただ、大きな音は他の人の迷惑になるため、代わりに私が面倒を見ましょうか」

同じ出来事に対して、前提条件や考え方を変えるだけでその後の結果は大きく異なるようになります。この事実を認識したうえで、起こった出来事に対するあなたの解釈を変えれば、物事が良い方向に向かうことを理解しましょう。そうすると、より素晴らしい人間関係を構築できるようになります。

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自分が他人のルールを破ると罪悪感の感情が生まれる

一方で怒りの感情とは異なるケースとして、罪悪感の感情があります。どのようなときに罪悪感の感情が生まれるのかというと、それは自分が相手のルールを破ったときに起こります。

あなたもこれまで、一度は友達の約束を破ったことがあるはずです。例えば、寝過ごしてしまって約束の時間に間に合わなかったとき、あなたは「時間通りに現れなければいけない」という相手のルールを破ったことになります。これに気づいたあなたは、その瞬間に大きな罪悪感(自分に対する怒り)を覚えるようになります。

詐欺師であったり人間的に問題があったりする人でない限り、他人のルールを破ると高確率で罪悪感の感情が芽生えるようになるのです。

・ルールを破った後は、すぐに行動するべき

ただ、このとき「他人のルールを破ってしまった」という事実は変わりません。過去を変えることはできないため、そうした事実に対してクヨクヨするのではなく、「これからどのように対応すればいいのか」に注力する必要があります。

相手はルールを破られているため、怒っている可能性があります。そのため、このことに対するフォローや信頼回復に努めるようにします。罪悪感を覚えて行動が止まっている場合ではありません。すぐに次の行動へ移す必要があります。こうした考えのもとに動くことで、人間関係を良好に保てるようになります。

お詫びの言葉や謝罪文を作るときの考え方

なお、相手のルールを破って罪悪感を覚えると同時に、相手に対して謝罪する必要があります。このとき、お詫びの言葉や謝罪文を作るときは適切なやり方があります。

謝罪するときの目的は何でしょうか。もちろん、相手に許してもらうことだと思います。このとき相手が優しい人であれば、そこまで難しく考えなくても電話をかけるだけですぐに許してくれます。

一方、どれだけ真摯に謝罪したとしても、まったく相手にされないことがあります。この場合、「これだけ謝っているのに!」と相手に対して嫌悪感が生まれてしまいます。

ただ、謝罪するときの方法を間違えていることもよくあります。実際のところ正しい手順で謝罪を行えば、許してもらえる可能性が高くなります。よくあるダメな例は次のような謝罪文です。

今回、御社へ多大なるご迷惑をかけてしまい申し訳ございませんでした。今後は同じことを繰り返さないよう、弊社一同気を付けて参ります。

今後とも、よろしくお願いします。

どこかで聞いたことのある文面だと思います。少なくとも、あなたがこのようなメールを受けとったとき、「謝罪の誠意が伝わってきた」と思うことはないでしょう。「多大なるご迷惑」といっても、何の迷惑か分かりません。また、「同じことを繰り返さない」と述べられても、どのような改善策があるのかも理解できません。

相手に対して謝っているようにみえて、実は何も謝罪していないのです。そこで、謝罪文を書くときは「反省」「謝罪」「償い」の3段構造で考えます。

例えば、彼女との待ち合わせ時間に10分遅れてしまったとします。このときの謝罪を先ほどの3段構造に当てはめると、以下のようになります。

  1. 反省:待たして悪かった。
  2. 謝罪:ごめん。
  3. 償い:今回のデートでは、楽しくするように工夫するよ。

これらの要素が機能してこそ、ようやく謝罪が活きます。最初の謝罪文の例では、何に対する反省か見えてきません。謝罪内容も薄く、償いは述べてすらいません。そのため、誠意の伝わらない内容になってしまいます。

最初は難しかったとしても、実際に経験を積んでいけば、謝罪文の書き方が徐々に分かってくるはずです。反省・謝罪・償いを書くことが謝罪文の基本です。

自分がすべて悪いことを認識する

サラリーマンにしろ起業家にしろ、社会に出てビジネスを動かしている以上は必ず謝罪しなければいけない場面に出くわします。もちろん、同僚や部下のことに関する失敗まで謝らなければいけません。

それどころか、どう考えても相手が悪い場合でも謝罪を求められるケースは頻繁にあります。多くの人がこのときに世の中の不条理を感じるものです。そういう場合でも、自分の都合をすべて消し去り、相手の都合だけで文面を考えなければいけません。

どれだけ丁寧に謝罪したとしても、「この点についてはあなたも悪い」という内容を少しでも付け加えてしまえば、後で10倍怒られます。あなたが正しいことを言ったとしても、通じないケースはたくさんあります。

そこで自分の感情を捨て、先ほどの「謝罪文のテンプレート」に上手く当てはめる必要があります。すべての責任は自分にあることを明記し、何とか相手に納得してもらうように注力しましょう。

このときは解決策を提示することも重要です。「償い」の部分で代替案を提示すれば、納得してくれる確率は格段に高くなります。それだけでなく、「提示していただいた代替案でやってみましょう」と向こうから言われることもあります。

すべての責任は自分にあると考え、感情をコントロールする

ここまで述べてきたことには共通点があります。それは、すべての責任が自分自身にあるという事実です。

怒りを引き起こしているのは、あなた自身の考え方によるものです。前提条件が変われば怒りの感情は起こらないため、一つの物事に対してどう捉えるのかが重要になります。

同じように、罪悪感の感情は他人のルールを破ることで起こりますが、自分に対する怒りに対処すると同時に素早く相手に謝罪するようにしましょう。このときの言い訳はすべて排除し、解決策を提示しながらも反省を述べるといいです。

ビジネスを実践するうえで怒りや罪悪感の感情が沸き起こる場面は必ずあります。そうしたとき、感情をコントロールできない状況に陥ると確実にビジネスではマイナスになります。

そこで、どのようにして感情をコントロールすればいいのか学ぶようにしましょう。前提条件を変えたり、自分にすべての責任があると理解したりすれば、負の感情は起こらなくなります。こうしてビジネスを行い、さらには良好な人間関係を構築するように努力しましょう。

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