あなたがプレゼンを行う場合、司会による紹介を受ける場合とそうでない場合があります。自主開催のセミナーでは、司会を設けないことがあります。得意先での営業や社内会議であっても、紹介を受けることはないでしょう。

一方、学会発表や講師として呼ばれる場合、たいていは司会進行係による紹介を受けた後に話を始めます。このとき、どのような紹介であれば多くの聴衆をひきつけることができるのかについて解説していきます。

聞き手を巻き込む3つのステップ

司会による紹介が下手だったことが原因で、その後の話が全てダメになることはありません。そうはいっても、上手な紹介であると、後に続くプレゼン内容に弾みがつくことは事実です。どうせならば、紹介によって聞き手にとっても話し手にとっても良い内容にしたいものです。

ただ、実際に司会から紹介を受けるとき、その内容は聴衆にとって退屈であることがほとんどです。多くの場合、以下のような紹介がほとんどではないかと思います。

今回のご講演は、京都大学医学部教授の本田 聡先生です。本田先生は東京大学医学部を卒業後、ハーバード大学へ留学なさいました。そこで博士号を取得後、生体移植に関わる研究に従事していらっしゃいます。

これまでに数多くの生体肺移植に成功し、2014年にはノーベル賞への登竜門として知られるアーバン賞を日本人で初めて受賞しました。その他、20以上もの偉大な賞が送られています。「最も影響力のある科学者100人」にも選ばれています。それでは、拍手でお迎えください。

何とも眠たくなるような紹介ですが、このような聴衆にとって何のメリットもない内容が99%以上を占めます。そこで、少しでも司会者が話の内容を工夫すれば、プレゼンに大きな勢いをつけることができます。

このときは、次に示す3つの点に注意します。

① これから話す内容が聞き手にとって、どのように役立つのか

② 演題と関係のある紹介を行う

③ 「話し手がいかに信頼できる人物か」について紹介する:経歴は最小限に留める

どちらかと言うと、紹介では演者の経歴について延々と話す傾向があるように感じます。しかし、聴衆にとって話し手の経歴ほど関心のないものはありません。

これから話す人の経歴について聞きにきたわけではなく、「これからの話が自分にとって、どのようにプラスになるのか」と思ってわざわざ時間を割いているのです。これを理解すれば、経歴の紹介は最小限に留めるのは当たり前のように思えます。

その代わり、聞き手に役立つ講演内容であることを紹介します。先ほどの紹介文では、「聴衆にとってのメリット」をまったく提示していないという欠陥があります。これでは、話を聞く方としては何もひきつけられません。

上手な紹介というのは、「何かしらの利益を得られることを提示しつつ、その実態を明らかにしない」というものです。

そのため、先ほどの紹介であれば、「今回の講演が終わるころには、生体移植の現状と問題点、さらには5年後の移植技術がどのように進歩するかについて理解していることでしょう」などの言葉を付け加えると、紹介に弾みがつきます。

また、演者を天才であるかのように崇めるのは良くありません。「彼は東大出身の医者であり、ハーバードを卒業して……」と紹介すると、「あなたのような天才だから達成できたのであり、自分には関係ない話だ」と思ってしまいます。

そうではなく、「演者がどれだけ信頼できるか」に関する紹介に重きを置きます。先ほどの例でも、「日本全国から患者さんの問い合わせがくる」「政治家として有名な○○さんを執刀したことがある」などのエピソードを話す方が聞き手に響きます。

経歴を話すにしても、「現在は京都大学医学部の教授であり、生体移植で優れた実績を残しています」だけで十分です。その後に「どれだけ信頼できる人物か」を話せば、紹介は必ず上手くいきます。

あらかじめ自分の紹介文を用意しておく

セミナーや講演、学会発表など、司会者はあなたのことを知らない場合がほとんどです。そのため、「紹介でその後のプレゼンに弾みをつける」とはいっても、何も対策を行わずに、ここで述べたような紹介を司会者に要求するのは不可能です。

そこで、紹介文を自分自身であらかじめ考えておいてください。先に示した3つのポイントを踏まえ、聴衆を引き込む紹介文を用意して司会者へ渡しておくのです。

後は司会者と一緒に原稿を見直し、1~2回のリハーサルを行います。リハーサルで話し方やタイミングなど、細かい修正をするのです。ここまでして、ようやく最初の紹介から好調なスタートが切れます。リハーサルまで行うことで、出だしの紹介から聞き手をあなたの世界へと連れ出せるようになるでしょう。

多くの人は司会者に紹介文を任せます。ここに、司会者による紹介がまったく面白くない理由が隠されています。この考えを改め、自ら紹介文まで考えておきましょう。

内容を考えるだけがプレゼンではありません。プレゼンによって聞き手を動かし、その完成度を高めることまで意識しなければいけません。ただ、ここまで考えている人は圧倒的少数であるため、少し工夫するだけで簡単に聞き手を引き込めるようになるはずです。

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