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講演会やセミナーなどでは、壇上で話す講師の経歴について、座長などの担当者が紹介するケースが多いです。このように紹介する理由について、気になったことはないでしょうか。講師の経歴については、それを実績としている講師自身が一番知っているはずです。

そのため、講師自身の実績は、他の人に紹介してもらうよりも、講師が自分で言った方がより詳しく正確に伝えられます。それにもかかわらず、ほとんどの講師は、自分の経歴について他の人に紹介してもらいます。このようにする理由は、一体何なのでしょうか。これは、人は権威によって動かされているからです。

ただ一方で、権威は時として悪い結果をもたらすことがあります。どのようにして権威によって悪い事態に陥るのかを知ることができれば、事前に回避方法を知ることができます。

権威をうまく活用すればビジネスがうまくいくようになるため、権威を活用することのメリットとデメリットを理解したうえでビジネスに応用するようにしましょう。

他の人の紹介による権威付けの威力

私たち人間は、肩書や資格などの権威ある人の言動に影響されやすい傾向にあります。例えば、道で警察官に呼び止められれば、びっくりして思わず立ち止まってしまいます。これは、自分を呼び止めた人が、警察官という権威をもっており、それに影響されたために起こす行動になります。

この権威の力を付ける最も手軽な方法として、「他人に紹介してもらう」というものがあります。つまり、冒頭で述べた「講師が座長などの他人に自分を紹介してもらう」のは、講師自身が自分を権威付けさせるために行っていることなのです。

ちなみに、講師自身で自分の実績を言う場合には、お客様からの信頼をあまり得られません。さらに、聞いているお客様によっては、講師自身がする経歴紹介を自慢話ととらえ、不愉快に思う可能性があります。

こうしたことを避け、お客様の信頼を得るために、講師はあえて他の人間から自分の経歴を紹介してもらっているわけです。

このように、自分の実績を他の人に紹介してもらうことで、聴衆からの信頼を得られます。その上、経歴が自慢話のように思われて、お客様に疎まれることを避けることができます。

ビジネスにおける他人の紹介の有効性

先ほど述べた「他人に紹介してもらう」ことによる権威付けのテクニックは、ビジネスにおいて大きな威力を発揮する手法です。例えば、サプリメントを販売する際に、その広告やCMでは「医学博士が推薦」、「栄養士推奨」といった言葉を添えるようにします。

もちろん、こうした「権威者の言葉」を使う場合には、実際に医学博士や栄養士の方に推薦をもらわなければなりません。もし、「医学博士も薦める」といった言葉を、医学博士からの推薦を受けずに使ってしまったら、会社の信頼が失われるだけでなく、罪に問われることになります。

「医学博士も推奨・推薦」などの言葉を広告やCMに添えることで、サプリメントの広告やCMを見た人は、「医学博士からの推薦があるなら効果は本物だ」、「栄養士が推奨しているなら効きそう」と考え、商品のことを信頼してくれます。

権威によって人は商品を信用する

そして、その商品の広告やCMを見た人の何人かが、実際にそのサプリメントを購入するのです。

その結果、「医学博士が推薦」などの言葉を添えない状態に比べて、サプリメントの売り上げを大きく伸ばすことができます。その結果、この商品を販売した会社はさらに発展していくことになるのです。

このように、商品の広告やCMなどに権威がある人からの推薦を載せることで、商品の信頼性を大きく高めることができます。その結果、実際に商品を購入してくれる方が現れ、会社の売り上げを大きく飛躍させることができます。

機長症候群:権威ある人の言動で人は動く

一方で、権威の使い方を誤るとビジネスで失敗してしまうことがあります。

前述の通り人は、何らかの「権威」によって物事を判断してしまいがちです。そして、「権威がある」と判断した人の指示に従ってしまう傾向にあります

例えば、病院で医師の診察を受けたとき、その医師の判断が間違っていたとしても、患者さんは「お医者さんが言っていることだから間違いない」と考え、医師の指示に従ってしまいます。その結果、患者の病状がさらに悪化してしまいます。

また、権威とは、医師免許のような資格や経歴にとどまりません。見た目に威厳があったり、怖さがあったりするなどの見せかけの権威であっても、人は従ってしまう傾向にあります

例えば、ある家に警察官の格好をした詐欺師が訪れ、その家の住人に対して「貯金口座が不正に使用されていることが判明したので、口座情報を教えてください」と言ったとします。

この場合、この詐欺の手口を知らない人であれば、詐欺師を本物の警察官だと思い込み、口座情報を教えてしまうことがあります。これは、警察官の権威を悪用した詐欺だといえます。

このように、人は「権威がある」と判断した人の意見に従いやすい傾向にあります。このことは、先ほど上げた2つの例のように、ときに好ましくない結果をもたらしてしまいます。

「機長症候群」の概要

先ほど挙げた2つの例のうち、「医師の判断ミス」の場合には、医師の言動によって、患者さんの病状のさらなる悪化がもたらされてしまいます。また、「警察官に扮した詐欺」のケースでは、警察官に扮した詐欺師の嘘によって、住人は現金が引き出されるという悲惨な結果となってしまいます。

このように、「権威がある」と判断された人の言動によって、周りの人の考えなどが抑えられた結果、好ましくない結果がもたらされることを「機長症候群」といいます。

機長症候群は、航空機の機長が誤った判断をしたとしても、副機長やキャビンアテンダントなど周囲の人が指示に従ってしまうという現象からその名がつけられています。

権威がある人の言動には重みがある

権威がある人の場合、権威をもたない人よりも言動に重みがあります。例えば、会社で会議をする場合に、社長や部長といった役職のように、一番強い権威をもつ人が最初に意見を言ってしまってはいけません。たとえそれが間違った判断であったとしても、権威をもたない周りの社員はそれに従わざるを得ないからです。

このことは、会社の内部におけるパワーバランスが働いているために起こります。権威をもたない社員は、「下手なことを言って、自分よりも立場の強い人の機嫌を損ねたら、つらい部署に左遷されるなどの制裁を受けるのでは」と考えてしまうわけです。

その結果、社員は全員が委縮し、自分たちの意見があっても言えないまま会議が終了してしまいます。

一番下の社員から発言すべき理由

このような事態に陥らないためには、一番強い権威をもつ人の意見は後回しにして、権威をもたない社員から意見を出すように配慮する必要があります。そして、権威のない人が言った意見すべてにしっかりと耳を傾け、権威でねじ伏せるようなことはしてはならないのです

もし、権威をもたない社員の意見を、一番強い権威をもつ人が一方的に押さえつけてしまうと、社員はやる気をなくし、一切意見を言わなくなってしまいます。その結果、社内の空気が悪くなり、それに耐えきれなくなった社員が会社を去っていきます。

そのため、社員が出した意見に対しては、必ずしっかりと受け止める必要があります。そして、一番強い権威をもつ人は、自分の意見を交えつつ社員の意見をまとめ、最終的な決断を下すようにした方が良いでしょう。

このように配慮することで、社員たちは委縮することなく正直な意見を言いやすくなります。それにより、社内の雰囲気が次第に良くなり、従業員のやる気を高めることが可能になります。

人は権威をもつ人の言動に従ってしまいやすい傾向にあります。そしてこのことは、場合によっては好ましくない結果をもたらします。機長症候群を防げるかどうかは、権威をもつ人の言動にかかっているのです。

このように権威をうまく活用すれば、商品を爆発的に売ることができます。ただ、権威の使い方を間違えるとビジネスが停滞してしまいます。うまく権威性を活用することが、ビジネスでは重要になります。

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