リーダーシップ

優秀な人に仕事が集中してもバランスを無視するべき理由と依頼の仕方

リーダーやマネージャー職として活躍するようになると、同じチームメンバーに対して仕事を割り振ることになります。このとき、できる人に対して仕事が集中してしまいがちになります。これについては、ビジネスを行う上である程度は仕方のないことでもあります。

それでは、全体のバランスを考えて「仕事の遅い人や新人に対して仕事を割り振ったほうがいいのか」というと、リーダーやマネージャーである以上はそのように考えずにビジネスを動かしたほうが、良い結果を生じるようになります。

つまり、「できる人に仕事が集中する」という事実を理解したうえで、全体のバランスを考えず、あなたが適任だと考えた人に対して積極的に仕事を割り振るのです。

そこで、「リーダー・マネージャーは、どのようにしてビジネスを動かせばいいのか」について解説していきます。

仕事のできる人に仕事を依頼すべき理由

高いパフォーマンスを示す人であるほど、多くの仕事を抱えています。仕事のできる人であれば、これまでに多くの仕事を投げられてきています。当然ながら、他の人に比べると仕事量は多くなっていきます。

「この仕事を任せるのは彼(または彼女)が適任だ」と思ったとしても、そうした忙しそうにしている姿を見て、あなたは仕事を依頼するのをためらうかもしれません。

ただ、実際のところそこまで深く考える必要はなく、仕事のできる人に対しては重要な仕事をどんどん投げるようにしましょう。このとき、余計な心配をする必要はありません。

基本的には優れた仕事を実現する人ほど、どれだけ仕事を投げかけても高いパフォーマンスを維持します。もし、一人だけの力ではどうしようもなくなれば、他の人を巻き込んでビジネスをこなすようになります。そうして他の人では考えられないほどの大きな成果を生み出すようになります。

例えば会社の経営者は、その全員が人を巻き込むリーダーだといえます。私も現在は会社を経営していますが、メイン事業はサイト運営になります。例えば、以下のようなサイトを運営しています。

もちろん私一人だけの力でビジネスを動かすのは無理なので、外注を依頼したり、他の人を頼ったりしています。これと同じように、仕事が集まるときは他人の力も借りることでビジネスを動かすのが基本です。

そのため仕事を優秀な人に依頼する前に、仕事の量を減らしておいたり、優秀な人以外の人にあらかじめ頼んでおいたりする必要はありません。特に気にすることなく仕事を依頼するといいです。

適任でない人に任せるべきではない

一方、適任ではない人に仕事を頼むことの方が問題です。下手に仕事をお願いすることで低いパフォーマンスになってしまったら、被害を受けるのはあなたのチームになります。そうすれば、最初に頼もうと思っていた優秀な人を含めて余計な尻拭いが必要になってしまいます。

ただ、優秀な人に仕事を投げるのを躊躇してはいけないからといっても、何も考えずに依頼してもいいわけではありません。本当の意味で「仕事のできる人」が一人だけで仕事を抱え込んでしまい、悩んでしまうのは適切ではありません。

あなたが行うべきことは、仕事を投げた人に対して「困ったらいつでも相談していい」と常に門戸を開いておくことです。そうして問題が起こったときなどでは、いつでも対処可能なように準備しておく必要があるのです。

報酬やレベルの高い仕事で報いる

また、できる人に仕事をお願いするとはいっても、何の報酬もなしに仕事を依頼してはいけません。お願いする以上、上司であるあなたはその人に対して相応の対価として報酬を約束しなければいけません。

このときの報酬とは、その期の評価に関する金銭的対価かもしれませんし、社長賞を狙うためのステップに該当する評価になるのかもしれません。いずれにしても、その人にとってかなりのプラスにならなければいけません。

そうして仕事をこなしていけば、優秀な人はよりレベルの高い仕事をこなせるようになります。そのため、あなたが行うべきはやはり「難易度の高く、やりがいのある仕事を優秀な人に依頼する」ことなのです。

その人にとってレベルアップになるような、適度な仕事を次々に投げるようにするのです。そうして成長させていくことがリーダーやマネージャーの役割です。

優秀な人であるほど、これまで経験したことのない仕事を好みます。例えば営業マンであれば、「大企業の新規開拓に挑戦してみないか」「社長賞を狙うため、あと1ヵ月で20人の成約に挑戦しよう」など、新たなチャレンジに対して意欲が湧くものです。このように挑戦させることで、メンバーを成長させていきます。

リーダーやマネージャーの立場にある人は、メンバーの成長の機会を摘んではいけません。全体の仕事のバランスを考えるのではなく、適任だと考える人に対して積極的に仕事を依頼しましょう。

そうして適切な報酬を用意し、新たな挑戦のステージを準備することで部下を成長させていくのが、上司であるあなたの仕事になります。

チームメンバーの編成でリーダーが意識すべき3つのこと

ただ、このときは当然ながらチーム編成を組む必要があります。あるプロジェクトが上層部から降ってきたり、新たな仕事を舞い込んできたりしたとき、適切な人選を実現することで大きな成果を生み出せるようになるのです。

そうしたとき、チームメンバーの編成でリーダーが意識すべき3つのポイントがあります。

  • エースばかりを集めない
  • 反対意見を言える人を取り入れる
  • 周囲に権限譲渡する

この理由について解説していきます。

エースばかりを集めて割り振りしない

何かプロジェクトを動かすとき、必ずメンバー編成が必要です。誰がその仕事に適任なのかを選ぶのです。これは大きな仕事に限らず、忘年会の企画立案などでも問題ありません。このときは数人の中から適任だと思う1~2人を選び出します。たとえ忘年会でも立派なメンバー編成だとえいます。

このとき重要なのは、エースばかりを集めないことだといえます。よくありがちなのは、仕事のプロジェクトを任せる上で成績の良い人ばかりを集めてしまうことです。

一見すると、こうしたドリームチームを作った方が良い結果を生み出しそうな気がします。しかし実際は、あまりよくない結果を生み出すケースが多く、そのためにプロジェクトが頓挫してしまいます。

人が仕事をするとき、助け合いのもとでチームは成り立っています。そのため、単に仕事ができる人ばかりを集めても、意見のぶつかり合いが起こるだけです。

例えばチーム全体をまとめ上げることが得意な人であっても、細かいお金の管理などの経費処理が苦手なケースはよくあります。また、営業やお金の回収が上手な人でも、リーダーとして多くの人を率いるのが苦手な場合があります。

私も現在は会社の経営をしていますが、売上を作ることについては得意だと自負しています。ただ、お金の管理は非常に苦手ですし、お客さんアフターフォローも面倒だと考えてしまいます。そのため、そうした管理が得意な人にお願いしています。

もし、これが「売上ばかり作れる人」だけのチームであればどうでしょうか。残念ながら、この場合はすぐに破綻してしまいます。

異なる得意分野やスキルをもつ人たちが集まることにより、お互いを補うようになります。同じスキルをもったエリート集団でチームメンバーを固めるよりも、他の技術や強みをもつメンバー同士でチーム編成した方が高いパフォーマンスを発揮するようになります。

反対意見を言える人をチームに取り入れる

他にも重要な点として、何でも「はい!」と同調する人ばかりを入れないことが挙げられます。あなたがリーダーとしてチーム編成をするとき、何でもあなたの意見を聞いてくれる人の方が気持ちいいです。あなたの思い通りに物事が進むからです。

ただ、反対意見が出ないチームほど危険なものはありません。どれだけビジネスの天才であったとしても、判断を誤ったり違う方向に向かったりすることは多いです。そうした間違いに対して率直な意見を進言してくれるメンバーがいなければ、結局のところプロジェクトは途中で止まってしまいます。

リーダーである以上は、反対意見を述べてくれる人の存在が重要になるのです。

しかしながら、反対意見とはいっても「単なる不満」を言う人を入れてはいけません。「意見」と「不満」はまったくの別物です。

意見は「プロジェクトを良い方向にもっていきたい」という純粋な気持ちによるものです。一方で不満は、「自分の負担を軽くしたい」という気持ちから出た発言です。そのため、不満ではなく意見を言う人をチームに入れましょう。

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できるだけ周囲に権限譲渡する

こうしてチームメンバーが決まったとき、リーダーであるあなたが何でも管理しようとしてはいけません。メンバーチームとして任命した人たちに対して、できるだけ権限移譲をするようにしましょう。要は、決裁権をもたせるのです。

例えば金銭管理を行う人をメンバー編成の中に入れた場合、集金方法を含めてその人にすべてを決定させるのです。

よくある間違いは、リーダーが金銭管理を行う人に対して「集金方法はこうする」「〇月〇日までにお金の支払いをさせる」など、細かく指示出しをすることです。これでは、単なる操り人形なのでメンバーの力が発揮されません。

また、せっかく自主性を発揮して活躍する機会があるにも関わらず、このチャンスを奪うことにもつながります。

こうした事実を考えたとき、リーダーは方向性だけを定めた後はできるだけ権限譲渡することを意識しましょう。ビジョンや目標だけを定め、メンバー編成後はそれぞれのメンバー個人に権限を移して自ら考えさせるようにするのです。そうしてメンバーが自主性を発揮し、互いを補うように行動するようになれば、大きな力を発揮できるようになります。

指示出しで部下のやる気を引き起こす依頼のやり方

ただ、実際にリーダーやマネージャーは部下にやる気を出させる必要があります。このとき、多くの人は指示出しのやり方を理解していないため、部下に対して「反発される」「上手く動いてくれない」「やる気を出してくれない」という悩みを抱えます。

実際のところ、重要な仕事を任せるにしても、部下としては「なぜ私に?」と思うことでしょう。この疑問を上司に投げかけてみたとしても、「君は優秀だから」「他に任せる人材がいないから」などのあいまいな答えが返ってきます。なんだかスッキリしない回答ですが、このような理由を並べている上司がほとんどです。

これでは、部下はやる気を起こしてくれません。「君は優秀だ」と伝えられればうれしいでしょうが、仕事を任せられる十分な理由とはいえません。

ただ、このような例はまだマシであり、日本では「会社都合のため」という意味不明な理由が最も多いように感じます。何か仕事を依頼するにしても、「会社が決定したことだから」という本人とはまったく関係ないところで話が進められます。これで、部下に「やる気を出せ」というほうが間違っています。

特定の人に依頼する時間軸の考え方

これを回避するため、決定や依頼の理由を理論的に説明していかなければいけません。このときは時間軸を意識しましょう。

多くの人は現在だけで物事を語ろうとします。「君は優秀だから」「会社都合だから」という理由は、現在のみを軸にして考えられた理由です。この考えを改め、「過去 → 現在 → 未来」へと話を展開していきます。これを意識して部下へ指示を出せば、伝わる内容になります。

例えば、以下のようになります。

過去:これまで、わが社は下請けに甘んじてきた。だが、そのような中でも君は医療機器に関する新製品開発を試み、その芽がようやく出始めている。

現在:そこで、君の製品で勝負を仕掛け、これから全国展開を行おうと思っている。ようやく、下請けからの脱却を実現しようとしている。

未来:君が開発した製品により、来年はわが社の売上を1.5倍に伸ばそうと思っている。そのためには、君の製品知識や経験が必要だ。そこで技術職を飛び出して、今度は営業として活躍してくれないか。君の製品によって、病気で苦しんでいる全国の患者さんを助けるシステムを作ってほしい。

このように理論立てて説得していけば、部下はかなりやる気を出してくれます。

一方でこのとき、「営業職で頑張ってくれ」と伝えるだけではどうでしょうか。部下としては、技術職から営業職へ異動させられたことに怒りさえ覚えるでしょう。

しかし、多くの組織はこのような流れで部下を説得せず、現在だけの視点で語ろうとします。ここに、部下のやる気が削がれる理由が隠されています。言い方を少し変えるだけで、部下はやる気を出して頑張ってくれるようになります。

社会貢献と結びつく頼み方がやる気を引き起こす

また時間軸だけではなく、社会との関係性まで含めて話を進めることも重要です。

自己満足で完結する内容であれば、人のやる気は大きく失われます。「この仕事をしても将来何も役に立たないが、せいぜい頑張ってくれ」と言われたとき、やる気を出して行動する人はいません。

それよりも、「この仕事はわが社にとって2億円を動かす大型プロジェクトだ。これをやり遂げれば得意先からの信頼を得ることができ、さらに全国のお客様にわが社を認知してもらえるようになる」と言われた方がやる気がでます。やる気の度合いは「社会貢献の度合い」でもあるのです。

このときは、「自分 → 相手 → 社会」という流れで話を展開していきます。

最初に自分の状況を説明し、それが世の中とどのように関わっているのかについて説明します。その後、相手との関係性や影響を説明します。最後に、これらを通して社会にどう影響を与えるかについて話すのです。

先ほどの例であっても、以下のような流れになっています。

  1. 自分(自社):下請けに甘んじてきたが、新たに医療機器の開発を行ってきた
  2. 相手:全国展開により、下請けからの脱却を図ろうとしている
  3. 社会:製品が広まれば、病気で苦しんでいる全国の患者さんを助けることができる

このように、やる気を出させるためには「時間軸」と「社会との関係性」を付け加えて説明する必要があります。全てを入れなくても、どちらかの要素を加えるだけでも説得力は格段に上がります。

多くの人は、説得するときに「現在の出来事」や「自分の状況」しか説明しません。その結果、部下はやる気をなくし、反発を始めます。これは部下が悪いのではなく、指示を出す人のやり方が下手なのです。

少しの工夫を加えるだけで、組織は円滑に回るようになります。仕事が集中する特定の人に依頼するとき、頼み方を工夫するだけで部下は大きなパフォーマンスを発揮するようになります。

一人に仕事が集中しても問題ない

ビジネスを動かすとき、リーダーやマネージャーに当たる人は他の人を動かす必要があります。会社経営者は当然として、部長やチームマネージャーを含め、あらゆる人がリーダー・マネージャーに当たります。

そうしたとき、仕事のできる特定の一人に仕事が集中したとしても問題ないと考えましょう。

もちろん、仕事を依頼するときはリーダーがチーム編成をしなければいけませんし、優秀な人のパフォーマンスを最大限に発揮できるように支援する必要があります。

また、既に多くの仕事を抱えている人にさらに依頼をするとき、何も考えずに頼むと反発されます。そこで、時間軸や社会貢献まで視野に入れて仕事を依頼しなければいけません。

ここまでを意識できれば、リーダー・マネージャーとしてチームを成功に導けるようになります。部下をどう動かせばいいのかを学ぶことで、高いパフォーマンスを発揮できるようになるのです。

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