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なぜ、リーダーの存在が必要なのでしょうか。それは、全体の先導役になるからです。リーダーにとって最も重要な仕事の一つとして、ミッションやビジョンをメンバーと共有することが挙げられます。「何のためにその仕事を行うのか」という目的を部下に教えることにより、さらにメンバーがやる気をもって動くように仕向けるのです。

そしてこのとき、感情を込めてメリットを伝えるようにしましょう。単にメリットを伝えるのも重要ですが、「感情を込める」ことが重要になります。これができるようになれば、あなたの下にいる人間は主体的に動くようになります。

ただ、リーダーとして機能するためには一人だけで頑張ってはいけません。必ず右腕(ブレイン)と呼ばれる人間の存在が重要になります。右腕と共にミッションやビジョンを共有していくことによって、ようやく組織が円滑にまわるようになります。

ミッション、ビジョンを共有する意味

人は目的がなければ、やる気を出して動くことができません。そのため、ダメなリーダーが陥りがちなのは「とりあえずこの仕事をしておけ」などのように、単に仕事をメンバーに依頼することです。

そこで、何の目的も告げずに「この資料を明日までに作ってこい」と仕事を投げるのではなく、「この資料は1億円の商談を行うために必要であり、これが将来会社にとってコア事業になるかもしれない。そのため、ぜひとも頑張って欲しいのだが大丈夫か」と言えばどうでしょうか。

仕事を依頼される側としては、資料を作成する意味がまったく違ったものにはならないでしょうか。

ビジネスを行うとき、意味付け・意義付けが重要になります。このとき経営者であれば、なぜその仕事を行うのか理解できています。ただ、経営者以下の人間であると、「なぜその仕事を行う必要があるのか」というミッションやビジョンがあいまいになりがちです。

そのため、経営者に限らずリーダー職に当たる人は「目的」を明確に意識して、さらにそれを部下に伝えるようにしなければいけません。

ミッションについては、以下のような有名な話があります。

あるとき、詩人が砂漠を歩いていると、レンガを積んでいる青年がいました。そこで、彼に「あなたはいま、何をしてるのですか?」と詩人は尋ねました。すると、「見ればわかるだろ。レンガを積んでいるだけだ」と言いました。それを聞いた詩人は「分かりました」と言い、彼を後にして歩き始めました。

歩いていると、再びレンガを積んでいる別の青年がいました。そこで、詩人は同じように「あなたはいま、何をしているのですか?」と尋ねました。すると、「家を作っているのです」と答えました。それを聞いて、詩人は再び歩き始めました。

そうして進んでいくと、またレンガを積んでいる青年を発見しました。そこで同じように、彼に「あなたはいま、何をしているのですか?」と尋ねました。すると、「私は人を救う診療所を作っています。このレンガ一つが将来、何人もの人の命を救う建築物の一部として活躍するようになります」と言います。それを聞いた詩人は、再び歩き出しました。

この話について、事実は何でしょうか。それは、「レンガを積んでいる」ということです。ただ、同じようにレンガを積んでいることには変わりがなかったとしても、それを行っている意味は大きく異なります。実際にあなたがレンガ積みを行うとき、どのように伝えられて仕事を行いたいでしょうか。「人の命を救う仕事です」と言われて仕事をしたくはないでしょうか。

同じ資料作成であっても、先に述べた通り目的を伝えるだけで部下のやる気は大きく異なります。これを認識したうえで、リーダーはミッションやビジョンを共有するようにしましょう。

リーダーは部下にメリットを伝えるべき

そして、リーダーである以上は感情を込めてメリットを伝達するようにしましょう。ビジョンを共有したとしても、実際にその仕事を頼まれた人は「なぜ自分である必要があるのか」が気になります。そこで、メンバーからのこの問いに答えるのです。

先ほどの資料作成であれば、例えば「コア事業となるかもしれない今回のビジネスについて、将来あなたを中核メンバーに招き、そこのリーダーを務めてもらおうと考えている。そのため、必ずやり遂げてくれ」と伝えるようにします。

このような明確な理由があれば、部下は期待されていることが分かり、さらにやる気を出してくれます。

このとき、「社会貢献になるから」「君の役に立つと思うから」などの漠然とした理由を述べてはいけません。意味不明なメリットを伝えると、部下は「結局のところ誰でもいいのか」と感じ、やる気をなくしてしまいます。そこで、リーダーはきちんと相手にメリットを伝えるようにしましょう。

こうしたメリットについては、単に頭の中で思っているだけではいけません。声に出して部下に伝えることで、ようやく意味のあるものになります。リーダーの声掛けによって、部下はモチベーションが上がるようになるのです。

感情を込めて伝えると人は動く

そして重要なのは、感情を込めて伝えることです。感情に訴えかけることができれば、相手はその通りに動くようになります。「なぜそれを行うのか」という理由づけに関してこれまで述べてきましたが、それを超えるものが「感情」なのです。

例えば、「あの人の熱意に負けた」など、理由とはまったく無関係に人が動くときがあります。これが、感情に訴えかけるものになります。

人間は理屈よりも感情で動きます。そのため、これまで述べてきたようなミッション・ビジョン・メリットに「感情」まで加わるようになれば、リーダーであるあなたが願うように、メンバーから「ぜひともその仕事をやらせてください」と言われるようになります。ここまでなれば、多くの人の先導者として活躍できるようになります。

ただ、そうはいっても「ミッションやビジョンを伝える」ことすらできていない人が大多数です。

そこで、まずは仕事の目的を部下に伝えるようにしましょう。そこから感情を込めてメリットを伝え、相手を動かせるようになれば、リーダーとして大きく飛躍できるようになります。

経営者の右腕(ブレイン)になれる人間の条件

ただ、人を動かすときは自分一人だけで頑張ってはいけません。助けてくれる人の存在が重要になります。

経営者として成功するためには、その隣に右腕と呼ばれるような素晴らしい人物が必要ということはよく言われます。右腕というのは、社長の脳として判断することから、ブレインともいわれます。

右腕(ブレイン)がいることにより、経営者は自由に動くことができ、多くのネタを仕入れることができるようになります。そして右腕と呼ばれる人は、経営者が考えていることを社内に落とし込んでいきます。

それでは、どのような人が経営者にとっての右腕としてふさわしいのでしょうか。これには、いくつか条件があります。適切な条件に合う人を右腕として据えなければ、経営者は後で足元をすくわれてしまいます。そのため、慎重に選ばなければいけません。

優秀な人は独立を考え、右腕(ブレイン)ではない

何人かの部下を抱えるようになると、その中には必ず高いパフォーマンスを示す優秀な人が現れるようになります。仕事をさせれば一流であるし、人付き合いも良好です。上昇志向が強く、何でもどん欲に吸収しようとします。そのような人物を見ると、ついつい自分の右腕として頑張ってもらうように手をかけようと考えてしまいます。

ただ、本当の意味で優秀な人を右腕として置くと、後で後悔することになります。その理由は単純であり、後で独立されるからです。

まったく別分野での独立など、自分と関係ない市場なら問題ありませんが、よくあるのは「ほぼ同じノウハウで独立する」というケースです。同じ市場で争い、最悪の場合は自社のお客様をそのままもっていくというパターンがあります。

優秀な人であるほど、「自分の考えている通りにビジネスを動かしたい」「自分が動けば、より素晴らしいサービスを提供できる」と考えているものです。

また、大企業の部長よりも、たとえ小さい会社であっても代表取締役社長という肩書の方が大きな人脈を築けます。さらには、会社組織であれば出世も昇給も遅いです。

こうしたことを考えると、自ら独立してビジネスを動かした方が、圧倒的にスピードが速いです。そのため、優秀な人であるほど独立を考えます。これについて、いくら引き留めても無意味です。「優秀な人であるほど、会社を去っていく」という事実を経営者は認識しなければいけません。

よく、「右腕だと思っていた人が独立してしまった」と嘆く経営者は多いです。ただ、それは経営者が右腕だと勘違いしていただけで、その人は最初から右腕としての器をもっていなかったといえます。もっといえば、経営者の単なる判断ミスです。

右腕(ブレイン)になる存在は、経営者の気持ちを汲み取る

一方で、経営者の右腕となる人も同じように仕事ができて優秀である必要があります。ただ、優秀ではあるものの、「上昇志向や独立志向はまったくない」という人でなければいけません。つまり、自分で何か大きなことを成し遂げようという野心をもっている人よりも、経営者の気持ちを汲み取って社内に伝えることのできる人が右腕だといえます。

そういう意味では、右腕と呼ばれる人は社長には向いていないかもしれません。どちらかというと、仕事はできるものの、上の立場にいる人間が言うことを忠実に再現するサラリーマンが右腕に向いています。

ただ、単なるサラリーマンではなく、右腕というのは経営者の発言を自分なりに解釈し、より高いパフォーマンスを生み出すエリートサラリーマンになります。

そして、経営者の元にはさまざまな情報が流れ込んでくるため、どれが必要な情報なのかを精査したり、経営者の考えを浸透させたりする人間が必ず必要になります。こうした右腕の存在があるからこそ、社長は事業拡大に集中できるのです。

ブレインは社長のサポート役である

右腕の存在というのは、経営者にとって欠かせない存在です。ただ、右腕は自分で新たなビジネスを創出することには向いてなく、あくまでもサポート役です。そのため、次期社長に支えてくれた右腕を指名するのではなく、社長には先ほど述べたような「上昇志向の強い人」を指名する必要があります。

そうした「上昇志向、独立志向の高い人」を次期社長に置き、それまで右腕として活躍してくれた人には、同じように指名した社長を支えてもらうように頼むのです。そうすれば、組織が円滑にまわります。

社長が組織全体のリーダーだとすれば、右腕は完全なるサブリーダーという存在になります。サブリーダーというのは、リーダーには向いていません。そのため、あくまでもサブリーダーとしての役割に徹しなければいけません。

右腕として働くブレインである以上は、自分が表に立って出る人間でない方が適切です。

人にはそれぞれ役割があるため、その人に合ったポストを与えることが大切です。これを誤ると、右腕だと思っていた人に独立されるなど、痛み目を見ることになります。こうした事実を認識したうえで、経営者は右腕となる人を見極める必要があります。

こうして、経営者と右腕が一緒になってミッションやビジョンを共有していけば、よりビジネスがうまく回るようになります。経営者だけでなく、チーム全体で会社のミッションを伝えていくことによって、ビジネスよる社会貢献を行いやすくなります。

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