上司として部下を抱える立場になった場合、「できるだけ部下を動かすこと」を考えて行動する必要があります。なぜなら、部下を動かすことができなければ、それによって業務を進められなくなってしまうからです。

それでは、上司が部下を動かすためには、どのようなことに気を付け、どのような行動をとる必要があるのでしょうか。

そこで今回は、「上司が部下を動かすための思考とテクニック」について解説していきます。

上司は部下が担当する業務を行ってはいけない

上司として部下を指導する立場になると、部下が行った仕事をチェックするようになります。このとき、部下の仕事内容にいくつかの改善すべき点が見つかった場合、「自分だったらもっと良い仕事ができる」「部下に任せるよりも自分でやった方が良かったかもしれない」と思う上司は多いです。

しかし実際のところ、たとえ部下の仕事内容が上司の期待値を下回っていたとしても、上司が部下の業務を肩代わりしてはいけません。その理由は、上司は部下に業務を与えるのが役目であるからです。

仮に、上司が部下と同じように仕事を忙しく進めていた場合、部下の行動にまで意識が回らなくなります。さらに、部下が上司に確認したいことがあったとしても、上司が忙しく働いていることで「話しかけにくい」と感じてしまいます。これらによって、上司と部下との連携が取りにくくなり、正確な業務の遂行に支障をきたす恐れがあります。

このことから、上司が部下の仕事に対して何らかの不満を感じたとしても、部下の代わりに自らで部下が担当すべき業務を肩代わりするのは避けるべきです。

部下の仕事内容が合格点に届いていれば、上司は満足するべき

また、部下が終わらせた仕事の完成度が低かったとしても、その内容に特に問題がない場合、上司は部下の仕事ぶりに満足しなければいけません。そして上司は、自分が抱える部下の中で優秀な者だけに目をかけるのではなく、部下全員が合格点に達する仕事を遂行できるように配慮する必要があります。

なぜなら、一部の部下が優秀であったとしても、合格点に達しない仕事をする部下が存在する場合、その悪影響が周りに及んでしまうからです。つまり、合格点に達していない仕事をする部下が何らかのミスを犯したとき、それによって優秀な部下が担当している仕事にまで支障をきたす恐れが出てくるのです。

そのため、上司として部下を抱える立場になった場合、自分の部下全員が合格点に達する仕事を遂行できるように指導することが重要です。そして、部下全員が合格点に届く仕事を遂行できるようになったとき、部下全員の仕事のレベルを上げることを考えるようにすれば良いのです。

部下にやる気を出させる3種類の手法

上司として部下をもつ立場になると、人によっては「部下がやる気になってくれない」「部下が自分の言う通りの仕事をしてくれない」といった悩みを抱えることがあります。部下が言う通りに動いてくれなくては、仕事を円滑に遂行することができなくなってしまいます。

それでは、上司として部下を動かすためには、どのようなことを実践すれば良いのでしょうか。そのための方法としては、以下の3種類のテクニックが存在します。

部下に好かれる上司になる

上司が部下に好かれるように振舞うことで、部下は上司を好きになってくれる可能性があります。そして、部下が上司を好きになってくれた場合、部下は上司のために自ら率先して動いてくれるようになります。

ただ実際のところ、部下に自分を好きになってもらうのはなかなか難しいです。なぜなら、人は感情で誰かを好きになる生き物であるうえに、相手の感情を完全にコントロールすることは不可能だからです。

そのため、部下に好かれるために自らの振る舞いを変えたとしても、実際に部下が自分のことを好きになってくれるかどうかは分かりません。このことから、部下に好かれる上司になって部下を動かすのは、あまり現実的ではないといえます。

部下に大きな実力差を見せつける

上司が部下に対して、仕事ぶりで圧倒的な力を見せれば、部下は「自分の上司にはとてもかなわないから、黙って従うしかない」と考えます。この場合、部下は嫌っていたり苦手だったりする上司であっても、その上司の言動に従いやすくなります。

しかし、このテクニックを実行するのはなかなか大変です。なぜなら、この手法を活用するためには、上司と部下とで大きな実力差がなければならないからです。

そして実際のところ、入社したての社員ならまだしも、同じくらいの勤続年数の上司と部下で極端に実力差が開いていることはまずありません。それどころか、同じ現場で長く働いている部下であれば、部下の方が上司よりも完璧に業務を遂行できるケースもありえます。

これらのことから、上司が部下に対して圧倒的な実力差を見せつけて部下を動かすことは、部下が新入社員でもない限り難しいといえます。

一生懸命働いているところを部下に見せる

上司が部下に「一生懸命働いているところ」を見せることで、部下は「あの上司はいつもしっかりと仕事をしていて、仕事のことをよく考えている。自分にはとても真似できない」と思うようになります。その結果、部下は上司の言うとおりに仕事を行うようになります。

そしてこの方法を採用する場合、部下に好かれている必要もないですし、部下より圧倒的に高い能力を保持していなくても問題ありません。そのためこの手法は、上記の2つのテクニックに比べて実行に移しやすい現実的な方法だといえます。

また当然ではありますが、「一生懸命働いているふり」を部下に見せるのはいけません。なぜなら、部下にそのことを見破られてしまい、部下に幻滅される可能性があるからです。この場合、部下は上司の言うことにますます従わなくなる恐れがあります。

そのため、部下にやる気を出させ、こちらの言うことに従うようにさせたい場合、本当に「一生懸命働いているところ」を部下に見せることが重要です。

部下の得意分野を見極めて仕事を任せる

人には、誰しも得意・不得意が存在します。そして、自分にとって得意なことを行う場合、人はそれをスムーズかつ上手に遂行することができます。

そのため、部下に仕事を任せる際には、できるだけその部下が得意な業務を任せることが重要です。そうすることで、部下が仕事をスムーズに遂行しやすくなり、業務で良い成果を出せるようになります。

短所を無くすより、長所を伸ばすことに注力する

上司として部下をまとめる立場になったとき、人によっては「部下に苦手な業務を克服させて、どのような仕事にも対応できる人材に育てよう」と考えます。

しかし、短所をなくさせようとして時間をかけて指導しても、部下が苦手なものを克服できるかどうかは分かりません。場合によっては、たくさんの時間をかけて多くの経験を積ませても、苦手なものを克服できないままに終わってしまう可能性もあります。

それよりも、その部下が既にもっている長所をさらに伸ばすように仕向けた方が、より優秀な人材に成長する可能性が高いです。さらに、部下自身も自分が得意な仕事だけを行っていた方が、やる気が出やすくてストレスになりにくいはずです。

そのため、上司として部下を指導することになった場合、それぞれの部下が得意とする仕事を任せるようにした方が良いといえます。そして、それぞれの部下の長所がさらに洗練されることで、それが自社の業績向上にもつながるようになります。

上司が人材配置を行うときのポイント

上司が部下の人材配置を行うときのポイントとして、「部下がもつ適性を把握する」ことと「周りの状況を把握する」ことの2つが挙げられます。これらを見極めたうえで人材配置を行うことで、部下がもつスキルを有効活用することができます。

部下がもつ適正を把握する

上司として部下に仕事を任せることになった場合、まずはそれぞれの部下において「どのような仕事を得意としているのか」と「どのような仕事が苦手なのか」を見極めておくことが重要です。そして、それぞれの部下に対して得意な仕事だけを任せるようにし、苦手なことを無理に克服させようとしないようにします。

そうすることで、それぞれの部下がもつ能力を大きく活用でき、部下がやる気をもって業務を遂行する可能性が高くなります。

周りの状況を把握する

上司として部下に仕事を任せるとき、「今がどのような状況なのか」を把握しておくことも重要です。なぜなら、現在の状況では実施する必要がない仕事に部下を充て、しかも人材を投入するべき仕事に部下を1人も担当させていなかった場合、本来完了すべき業務を遂行できなくなるからです。

その反対に、人材を投入すべき仕事のみを部下に任せることで、部下の能力を有効活用できるようになります。その結果、本来完了するべき仕事が円滑に進められるようになり、自社の業績がさらに発展していくようになります。

部下のタイプを把握し、適した方法で育てる

上司として部下を指導する立場になったとき、部下がどのようなタイプであるかを見極めて育てることが大切です。なぜなら、部下に適した育て方を実行しなかった場合、部下が思い通りに仕事をしてくれなくなったり、会社を辞めてしまったりする恐れがあるからです。

部下を大きく分けると、「厳しくすることで成長するタイプ」と「厳しくしてはいけないタイプ」の2種類に分類できます。そして、それぞれに適した育て方を実行することで、自社にとって有力な人材へと成長させることができます。

「厳しくすることで成長するタイプ」の部下の育て方

「厳しくすることで成長するタイプ」の部下を育てる場合、その部下に対してある程度強い負荷をかけることが効果的です。より分かりやすくいうと、その部下が十分に対応できる仕事よりも難易度が高い業務を任せるようにするのです。

例えば、あなたが営業を担当する部下を指導することになり、その部下が毎月10件の成約を取ってきていたと仮定します。この場合であれば、その部下に対して毎月15件以上の成約を取ってくるように指導します。

ただ、「厳しくすることで成長するタイプ」とはいっても、ひたすら強い負荷を与えるだけではいけません。厳しくすることで成長するタイプの部下に厳しい業務を任せるだけでは、部下はやる気を失くしたり上司に不満を抱いたりするようになります。場合によっては、会社を辞めてしまう恐れもあります。

「厳しくすることで成長するタイプ」の部下に難易度の高い仕事を任せる場合、部下に対して「仕事を遂行することのメリット」を提示すことが大切です。

先ほどの例であれば、毎月15件以上の成約を取ってくるように指導するときに、次のようなことを部下に伝えるようにします。

・毎月15件以上の成約を取れたら、給料やボーナスが増えるよ

・毎月15件以上の成約を取れたら、昇進に大きく近づけるよ

このようなことを部下に伝えたうえで仕事を任せれば、部下はやる気を出して業務に対し励んでくれるようになります。そして、困難な仕事に挑戦するようになり、自社にとっての有力な人材に成長してくれる可能性が高くなります。

「厳しくしてはいけないタイプ」の部下の育て方

「厳しくしてはいけないタイプ」の部下を育てる場合、負担が大きい仕事を任せるのは避けなければいけません。なぜなら、「厳しくしてはいけないタイプ」の部下は基本的に打たれ弱く、つらい仕事を任されたときにやる気を失くしやすいからです。

もちろん、簡単な仕事ばかりを任せていては、部下を優秀な人材へと成長させることはできません。そこで、「厳しくしてはいけないタイプ」の部下を育てる際には、その部下が十分に遂行できる業務よりも少しだけ難易度が高い仕事を任せるようにします。そして、与える仕事の難易度を少しずつ上げていくようにします。

例えば、毎月5件の成約を取ってくる営業担当の部下がおり、その部下が「厳しくしてはいけないタイプ」であったと仮定します。

この場合、まずは毎月6件以上の成約を取ってくるように指導します。そして、毎月6件以上の成約を取り続けられるようになったところで、7件、8件といった形で「毎月成約するべき件数」を少しずつ増やすように指導します。このようにすることで、「厳しくしてはいけないタイプ」の部下をさらに成長させていくことができます。

社員の残業時間を減らすことの重要性

日本に存在する企業の多くは、「長時間働くことで、その分だけ生産性が向上する」と考える傾向にあります。そのため日本企業の場合、従業員に長時間の残業をさせることがほとんどです。

ただ、残業をさせればさせるほど、その分だけ社員の疲労が溜まりやすくなります。さらに、ある調査機関が「労働時間と生産性との関連性」について調べたところ、「日本における1時間あたりの生産性は、日本よりも平均労働時間が低い外国よりも低かった」との報告があります。

このように、残業時間が長くなるほど従業員の疲労が蓄積し、生産性が低下してしまいます。さらに、社員に残業をさせればその分だけ人件費が大きくなり、自社にとっての負担が増すことになります。

このような悪循環を断ち切るには、「従業員にできるだけ残業をさせない仕組み」を作ることが大切です。それでは、そのようなシステムを導入するためには、どのようなことを実践すれば良いのでしょうか。

社員を評価する基準を変える

従業員の残業時間を減らすためには、「社員を評価する基準」を変更することが重要です。具体的にいうと、「労働時間の長さで従業員を評価するのをやめ、生産性の高さで社員を評価する」ように評価基準を変える必要があります。

このような評価方式を自社に組み込むことで、職場に「残業はできるだけ避けなければいけない」「時間短縮を意識して、生産性を上げなければならない」といった雰囲気が生まれるようになります。そして、社員一人一人が、「残業をやっても評価されないのだから、勤務時間ができるだけ短くなるようにしよう」と思って業務に従事する可能性が高くなります。

労働時間を短くするルールを設定する

さらに、「会議の時間は1時間まで」「残業は上司や役員の許可がなければやってはいけない」といったルールを自社の業務に設定することで、より確実に従業員の労働時間を短縮できるようになります。

労働時間が短くなればなるほど、その分だけ社員の疲労が溜まりにくくなります。その結果、従業員の集中力や体力が衰えにくくなり、社員それぞれの業務における生産性が向上していくようになります。

上司が部下を動かすための3つの条件

上司が部下を動かしたいと考える場合、その上司自身に「部下を動かすための条件」が備わっていなければなりません。その条件とは、「強い志」「共感させる力」「統率力」の3つです。これら3つの条件を満たすことによって、部下が上司の言う通りに動いてくれる可能性が高くなります。

強い志をもつ

上司が部下を動かしたい場合、まずは上司自身が「この仕事を何としてでもやり遂げたい」という強い志をもつことが重要です。そうすることで、上司であるあなた自身の仕事に対する姿勢が、より前向きなものとなります。

そして、上司であるあなたが一生懸命働いているところを部下に見せることで、部下は「自分も頑張らなくては」と思ってくれる可能性が高くなります。

共感させる力を身につける

上司が仕事に対して強い志を持っていたとしても、それを心の中に秘めていては部下に伝わりにくいです。そのため、上司自身の仕事に対する熱い思いを部下に話すように心がけることが大切です。そうすることで、部下は上司の志や姿勢に共感してくれるようになり、より前向きな姿勢で業務に当たってくれる可能性が高くなります。

逆に、上司が不平不満ばかりを口に出していた場合、それが部下にも広がってしまいます。この場合、部下はさらにやる気を失くしてしまい、労働生産性が落ちてしまう危険性があります。

そのため、上司として部下を動かしたいのであれば、自らの不平不満を口に出さないように注意することが大切です。そして、上司であるあなた自身の「仕事に対する強い志」を部下に伝えるように心がけることで共感が起こり、部下が上司の言う通りに動いてくれる可能性が高くなります。

統率力を発揮する

上司自身が「仕事に対する強い志」をもち、それを部下に伝えていたとしても、いつでもスムーズに業務を遂行できるとは限りません。例えば、仕事の疲れやストレスで部下の動きが悪くなることがあれば、何らかのミスによって業務に悪影響が出ることもあります。

そのようなときには、上司自らが部下を引っ張っていくような「統率力」が重要になります。ただし、上司が「しっかりしろ」「黙って仕事しろ」などの言葉で部下を罵倒すると、部下はやる気を失くしてしまいます。場合によっては、上司に歯向かうようになったり、会社を辞めてしまったりする可能性があります。

その反対に、上司が部下の状況を確認し、「業務をうまく進められていない部下を気遣う」「体調がすぐれない部下に休みを与える」などの配慮をすることで、部下は上司に恩義を感じるようになります。

これにより、部下は「親切にしてくれる上司に迷惑はかけたくないから、もっと頑張ってみよう」と思ってくれるようになります。また、体調不良の部下に休みを与えた場合であれば、その部下は「休ませてもらった分だけしっかりと働こう」と考え、より活発に業務に当たってくれる可能性が高くなります。

上司がもつべき「統率力」とは、部下を無理やり従わせようとすることではありません。そのようなことをすれば部下の反感を買い、組織が崩壊していくようになります。

その反対に、部下一人一人に声を掛け、「相談に乗る」「体調が整うまで休息を与える」などの配慮をすることで、部下自らが「頑張って自分の業務を完了しよう」という気持ちになってくれます。その結果として、自社全体がまとまっていき、それが事業の向上へとつながるようになるのです。

部下に対して怒りや好き嫌いの感情を出し過ぎない

上司として部下に接する場合、怒りや好き嫌いの感情をできるだけ出さないようにすることが重要です。上司が部下に対して怒りの感情をぶつければ、部下は委縮してしまいます。そして、「あの上司には近づきたくない」と思われるようになり、部下とのコミュニケーションが取りにくくなってしまいます。

また、上司が気に入っている部下だけに丁寧に接し、気に入らない部下を排除しようとしたとします。その場合、職場には上司が喜ぶことだけしか報告しないような、「上司のご機嫌取りをする部下」だけが残るようになります。

このような部下は、自分にとって都合が悪い報告を上司にすることはありません。これにより、上司が知らないところで大きな失敗や損失が生まれる恐れがあります。

これらのことを避けるためにも、上司は部下に対して怒りや好き嫌いの感情を出し過ぎないようにすることが大切です。

体調管理と深呼吸によって、感情をコントロールする

上司が部下に対して自らの感情をぶつけないようにするためには、上司自らが自分の感情をコントロールする必要があります。そして、上司が感情をコントロールするために重要なポイントとして、「体調管理」と「深呼吸」が挙げられます。

体調が整っていない場合、それによって感情が乱れやすくなります。この場合、上司が部下に対して、自分の感情を前面にさらけ出してしまう可能性が高くなります。その反対に、「しっかりと睡眠をとる」「食生活を整える」といった方法で上司が自らの体調を良好にしていれば、その分だけ精神が安定し、感情をコントロールしやすくなります。

また、部下から悪い報告や不満の声などを受けたとき、その部下に対して強く反論したくなることがあります。このときは、深呼吸を行って呼吸を整えることが大切です。そうすることで、自らが言いかけた「感情的な言葉」を抑え込むことができ、部下との人間関係の悪化を避けられるようになります。

このように、上司が部下を動かすためには、上司自身が仕事に対する心構えを見直す必要があります。そして、仕事に対する熱意を部下に伝えつつ、丁寧にコミュニケーションをとるようにすることで、部下は上司の言う通りに動いてくれるようになります。その結果、職場の雰囲気が良くなり、さらに自社の業績が向上するようになります。

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