ビジネスを円滑にまわそうと考えたとき、リーダーは何をしなければいけないでしょうか。まず一つは、相談役を置くことです。このときの相談役は信頼できる人であれば、誰でも問題ありません。

また、リーダーとして実際にチーム編成するときはメンバーの多様性を考えるようにしましょう。同じ属性ばかりのメンバーは弱く脆いです。そこで、異なる経験を有している人たちでまとめるようにするのです。そうすることによって、組織がより強固になっていきます。

しかもこのとき、反対意見を積極的にいえる人間も取り入れなければいけません。イエスマンだけが集まる組織ほど弱いものはありません。

そうして組織を固めた後は、適切にチームが働くようにマネジメントする必要があります。このようなチーム編成を行い、強い組織を作り上げることで会社全体を達成へと導くのがリーダーの仕事です。そのために必要なマネジメント方法について解説していきます。

メンバー編成の最初に相談役を考えるべき理由

リーダーシップを発揮したいとき、何が重要になるでしょうか。それは、客観的に意見を述べてくれる人の存在だといえます。最も危険なのは、メンバーの全員があなたに対して意見を言わず、単なるイエスマンになってしまうことです。

どれだけ優れたリーダーであっても、判断を間違えることがあれば、不適切な言動を述べてしまうことがあります。こうしたとき、陰でこっそりとあなたに直接意見を述べてくれる人の存在が重要になるのです。

そのため、相談役としては仕事ができる有能な人である必要はありません。それよりも、あなたが相談したことを周囲に言いふらすことがなく、絶対に秘密を守るような信頼できる人物がいいです。

例えば、「自分が指示したことが全員に適切に伝わっているか」「あのとき、Aさんに言った言葉はきつくなかったか」などを調査するとき、信頼できる相談役の人はあなたにとって大きな力となります。そうした人たちからのフィードバックを受けることにより、メンバーである部下がどのように感じているのかを把握できるようになるのです。

他の人に言いにくいことであっても、相談役の人であれば言えることはたくさんあります。そこで、相談役の人から後で意見をもらうことで、より組織の動向を把握できるようになるのです。

あなたが上司でありリーダーとしての立場であったとき、同期や経験豊富な社歴の長い先輩など、こうした人たちは良い相談相手になりやすいです。もちろん、後輩であっても素晴らしい実績や経験を有している人であれば、相談役として適任な場合があります。いずれにしても、こうした相談役を確保するようにしましょう。

プロジェクトの進め方や会議を含め、反対意見が最も重要

メンバー編成のとき、実際のところ最も重要なのが反対意見だといえます。例えば会議などで議論を行うとき、「全員一致の和」を乱す人が一人でもいれば、より議論が深まっていくことが一般的に知られています。

よくある会議の場合、全員が同じような意見であれば「自分はみんなとは違う意見だけど、まあ別にいいか」と、どうしても思ってしまいます。つまり、「他の大多数がそのように思っているから別に問題ないだろう」という浅い思考に陥ってしまうのです。

実際にはかなりのリスクを含んでいたとしても、チーム内の議論で満場一致であると何だか良い案のように思えてしまいます。また、意見が一致しているために自分たちの都合の良い方向へ物事を捉えてしまいます。これが、集団思考(グループシンク)の罠です。

これを回避するために必要なものとして「反対意見」があります。

・反対意見を述べられる環境が重要

なお世の中には、何でも反対しようとする人がいます。当たり前ですが、このような人の意見であると効力が弱いです。それに対して、本心から反対意見を述べている人であると、より議論が洗練されていきます。

ただ重要なこととして、「何でも反対しようとする人が混じっている場合であっても、全員の意見が一致しているケースよりも議論に対する自信や意欲を高まる」ことがあらゆる研究で判明しています。

つまり、その意見が本心かどうかよりも「何でも良いので反対意見があった方が良い」のです。

これらの事実から、例えば会社の会議や友達同士で意見を言い合う場合、「多数派の意見に対して、反対意見を言える環境をどれだけ整えられるのか」が重要だといえます。

メンバー編成のとき、部下や後輩たちが賛成意見だけではなく、「臆することなく反対意見を述べられるかどうか」を大切にしなければいけません。この過程がなくなってしまうと、いとも簡単に集団思考(グループシンク)の罠に陥ります。

そこで、集団思考の罠に陥る前に反対意見に耳を傾けましょう。これを理解することで、ようやく最良の決断を下すことができるようになります。

チームビルディングでのメンバーの多様性を理解する

そうしてチームビルディングによって相談役を置いたり、反対意見を積極的にいえるようにしたりしていきますが、同時に構成員(メンバー)の多様性を考えるようにしましょう。同じようなスキルをもった人たちを寄せ集めるのではなく、異なる経験を有する人たちを集めた方が高いパフォーマンスを発揮できるからです。

ビジネスは助け合いによって成果を出すのが基本です。営業力に優れている人であっても、お金の回収が苦手であることはよく起こります。また顧客対応に優れている人であっても、パソコン操作に弱いことがあります。こうしたスキルを補いあうのです。

例えば学校のテストで良い点数を取るとき、「理系のA君」と「理系のB君」が組む場合、数学や理科については高得点を取れるものの、その他はダメです。一方で「理系のA君」と「文系のC君」が組めば、理系と文系のすべての教科で高得点を取れます。

これと同じことは会社の仕事でも起こります「中途採用の人」「子育て中のOL」「成績の良い営業マン」など、人によってさまざまなバックグラウンドがあります。そうしたことを考慮したうえで、背景の異なる人たちをチームメンバーとして招きいれ、プロジェクトを動かすことを考えましょう。

例えば、過去にシステムエンジニアとして働いていた人をメンバーに入れた場合、少なくともパソコン操作や情報システムの知識でチームメンバーが困ることはなくなります。また、そうした専門性の高い人に相談することで、どのようなシステムを構築すればいいのか一瞬で疑問点を解決できるようになります。

メンバーの多様性を理解したうえでバックグラウンドの異なる人を取りいれるのは、「異なる専門職種の人をできるだけ多く配置する」ことになります。メンバーの中に同じ仕事ができる人が何人もいる必要はなく、お互いを補完し合うことですべてが円滑に回ることをリーダーは認識しなければいけません。

そうした多様性を認識すれば、リーダーはメンバー内にさまざまな相談役を置くことができます。

「営業はあの人に相談すればいい」「システム関係についてはこの人に聞こう」「経理処理や顧客対応はあの人に問い合わせればいい」などのように、メンバー構築のときにいろんな専門家を配置することで、高いパフォーマンスを発揮できる土壌を構築できます。そうして、容易に問題を解決できるようになります。

全責任を負い、チームメンバーを守るリーダーが優れている

このように、リーダーである以上は必ず相談役を置くようにしましょう。このときはチームメンバーの多様性を考え、さまざまな異分野の人を取りいれることを考える必要があります。多くの相談役があなたの周囲に存在することになるため、問題を容易に解決できるようになります。

それでは、実際にチームビルディングした編成チームをどのようにマネジメントすればいいのでしょうか。このとき重要なのは、「リーダーがすべての責任を負う」ことです。

リーダーの役割はいくつかあります。その中の一つとして、「自分自身が全責任を負ってチームメンバーを守る」ことがあげられます。多くの人はこれを行うことができません。ただ優れているリーダーであるほど、たとえ自分に責任が直接なかったとしても、起こった問題のすべてを自らの責任として受け止めて行動します。

それでは、具体的にどのように考えてリーダーは行動しなければいけないのでしょうか。トラブルや問題に対してリーダーが行うべき適切な行動について、以下で確認していきます。

自分事と捉えることの重要性

何かトラブルが起こったとき、その解決策をリーダーが提示する必要があります。また、そのための権限をメンバーへ委任するようにします。

しかし、中には本当の意味で重大な問題を生じることがあります。そのようなとき、部下に任せるのではなくリーダー自身がすべての権限を駆使して「自分がすべての責任を負う」という気持ちで問題に対処しなければいけません。

このときは得意先(お客さん)や会社内など、外部や内部からさまざまな非難を浴びせかけられます。それらについて、上司の立場であるリーダーが全部受け止めてメンバーの耳に入らないように注力しましょう。部下には問題対処に全力を注がせ、その代わりとしてマネージャー職に当たるリーダーがあらゆる攻撃から部下を守ります。

もちろんこれは、チームメンバーが起こした問題ではなくて、前任者から引き継いだトラブルであっても同様です。普通に考えれば、前任者のリーダーが起こした問題は自分とはまったく関係ありません。ただ、優れたリーダーであるほど決して愚痴をいわずにそうした問題へ対処します。

トラブルから逃げようとする弱腰のリーダーに対しては、誰も付いて行こうとは思いません。どのような場面であっても、愚痴を封じて自分事と捉えることがリーダーに要求されるのです。

リーダーはチームメンバーを守るべき

つまり重要なのは、部下を守ることだといえます。ビジネスを行う以上は、会社を含めて組織で動く必要があります。このときは必ずどこかでトラブルを生じるものですが、よほどの問題児のメンバーでない限り、自らトラブルを起こそうと考えて行動している人はいません。必死に努力して良い結果を出そうとしているのです。

そうした中で生じた問題に対して、みんなの前で問題を起こした部下をつるし上げるのは最悪です。そのようなことをされた部下は、あなたのことをまったく信用しなくなります。

そうしてモチベーションが下がり、あなたがとった行動を何年もずっと覚え、反抗してくるようになります。これでは、互いにとって悪い結果しか生み出しません。そこでメンバー編成をした後、組織内の人ができるだけモチベーション高く仕事を遂行してくれるように工夫する必要があります。

悪い報告を上司は「事実」と鵜呑みにしてはいけない

それでは、実際にトラブルが舞い込んできたときにリーダーはどのように対処すればいいのでしょうか。このとき、悪い報告に対しては適切な対処法が存在します。

リーダーやマネージャーなど、上司である以上はメンバーを信じて仕事を任せなければいけません。ただ、部下の報告まで鵜呑みにしてもいいのかというと、そうではありません。

むしろ、部下からの報告をそのまますべて信じるのは危険です。そこには、部下の勝手な解釈や考えが入ってしまうからです。リーダーというのは、チームメンバーから上がってくる報告が「事実」なのか「解釈」なのかを見極める必要があります。

悪い報告に上司は注意すべき

良い結果を手にして部下が報告にやってくるとき、基本的に何も問題ありません。メンバーは起こったことや結果などをそのまま正直に話してくれます。それでは、何かトラブルが起こったときや悪い結果を生じたときはどうでしょうか。このときは注意しなければいけません。

仕方のないことですが、人間は自分にとって不都合な出来事を隠そうとしたり、問題が小さいように見せたいという心理が働いたりします。そのため、ウソをついているわけではないものの、実際に生じた出来事とは異なる報告をすることがあります。

例えば、「取引先を怒らせてしまいましたが、いつものことなので何とかなります」という報告を部下から受けたとします。普通に考えれば、そこまで気に留める報告ではありません。ただ、数日後になってその取引先から電話があり、「あなたの会社とは取引停止にします」という連絡をもらうことは珍しくありません。

こうした事態は、「取引停止になるかもしれないという瀬戸際」という事実に対して、部下が「自分が対処すれば何とかなるはずだ」という解釈を加えた結果として起こります。

ここで挙げた例は分かりやすい内容ですが、実際の会社組織では「報告するときに問題を小さく見せ、後で取り返しのつかない状況に陥る」ことが日常茶飯事に起こっています。そこで上司は、チームメンバーからの報告を事実として受け止めるのではなく、その報告が本当の意味で正しいのかを見極めるように留意しなければいけません。

双方に確認を取り、メンバーの力を借りる

部下の報告が事実なのか解釈なのかを見極める1つの方法として、双方に確認を取ることがあげられます。問題を起こした部下だけでなく、相手に対しても確認を取るのです。

先ほどの例であれば、取引先に対して「部下が失礼なことをしたようですが、申し訳ございませんでした」と電話か対面であいさつに伺うようにしましょう。そうすれば、向こうが「絶対に許さない」と怒っているのか、「問題は小さいし、そこまで謝らなくてもいいよ」とあまり怒っていないのかをようやく理解できるようになります。

また、双方の言い分や認識が異なることもよくあります。

そこで問題が大きい場合、双方に単独で聞き取りを行うのではなく、当事者全員を集めて互いの認識が間違っていないかを確認しながら、何が事実でどう解決すればいいのかを模索することが重要です。そうすれば、事実は何かを把握しながらトラブルに対処できるようになります。

要は、上司として組織を動かす場合、現場に着目することで「事実は何か」を見極める目をもたなければいけません。

そうしてトラブルを突き止めた後、最適なチームメンバーを派遣するようにしましょう。良いチームビルディングを実践していれば、前述の通りメンバー内にさまざまな専門家が在籍することになります。そのため一人で解決させるのではなく、他の人に「あいつを助けてやってくれ!」とリーダーからお願いするのです。

その人だけでは無理でも、チーム内の専門家の力を借りれば簡単に問題を解決できることはよくあります。チームビルディングでいろんな専門家を集めるというのは、あなたに反対意見を言ってくれることで軌道修正するだけに留まらず、他のメンバー同士を素早く助けることにもつながるのです。

トラブルの伝言ゲームに惑わされてはいけない

特に組織が大きくなるほど、問題が伝わるときには多くの人を介して伝言ゲームのようになるため、事実とは全く異なることが伝わることがよく起こります。そこで上司は、伝言ゲームによって捻じ曲げられた言葉を信じるのではなく、実際に現場に出向くなどをすることで何が正しいのかを確認する必要性があります。

リーダーやマネージャーであるほど、部下からの報告を信用してはいけません。チームメンバーの人間性は信用するべきですが、トラブルや悪い報告に対しては疑いの心をもって「それは事実なのか」を見極めながら聞くようにしましょう。

上司が着目すべきは事実です。決して、部下の解釈が加えられた言葉ではありません。

こうした認識で業務にあたれば、未然にトラブルを防げるようになります。そうして問題が大きくなる前にメンバーの力を借りながら対処することによって、より重要なことに注力できるようになります。こうしたことも、良いリーダーやマネージャーに求められる資質の1つになります。

会社・ビジネスでのメンバー編成を考える

どのような組織を構築するのかについて、チームビルディングは非常に重要な要素になります。特に重要なのが反対意見です。あなたに対して、積極的に反対意見を進言してくれる人を置かなければいけません。

それと同時にチームビルディングでは多様性を意識しましょう。多くのリーダーやマネージャーは同じスキルを保有した人を集めたがります。ただ、これでは問題に対処できないダメな組織が完成されます。そうではなく、いろんな技能をもった人でメンバー編成するのです。

そうすれば実際にトラブルが起きたときであっても、メンバー個々の専門性を活用して素早く対処できるようになります。当然、リーダーはトラブルの全責任を背負い、チームの人を守らなければいけません。

こうしたことまで意識してメンバー編成を行い、組織を成功に導くようにマネジメントできれば、非常に優れたリーダーとして活躍できます。

チームビルディングにはコツがあります。リーダーとして組織を引っ張るのであれば、どのようにしてマネジメントすればいいのか理解するようにしましょう。

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