人気商品の場合、かなりの時間を待たされることがあります。インターネットで検索すると、たまに「この商品は3ヶ月待ちです」と書かれていることがあります。

普通の人であれば、そんなに人気商品なのかと思うことでしょう。しかし、ビジネスを仕掛ける立場になれば、この店の店主が何を考えているのか、その裏を読み解くことができます。そもそも、「なぜ3ヶ月待ちの商品を置いているのか」ということです。

在庫問題による機会損失の発生

不思議ではないでしょうか。本当に3ヶ月待ちの商品なのであれば、大量生産すればいいだけです。大量の注文が入ってうれしい悲鳴をあげているのであれば、大量に作り置きしておけば問題を解決できます。バイトをその分だけたくさん雇えばいいのです。

表現は良くありませんが、正社員と違ってバイトは簡単にクビにすることができます。もし商品の需要が落ちていけば、それに伴ってバイトを解雇していけばよいです。

お客様にとって、商品はできるだけ早く欲しいものです。3ヶ月も待つのであれば、「やっぱりいいや」と思う人がたくさん出てきます。これが、本当は売れるはずだった商品が売れないという「機会損失」につながります。

ビジネスにとって在庫は悪ですが、在庫不足による機会損失も悪です。本当に人気商品なのであれば、大量生産して売りまくろうと考えるのが普通の感覚です。

ここまでを踏まえたうえで、なぜ3ヶ月待ちの商品を置いているのでしょうか。もちろん、これには理由があります。

希少性によって店舗を良く見せる

1日の生産数をわずかにし、そこに大量の注文が入るようになれば3ヶ月待ちの商品くらいすぐにできます。ではここで、店舗を訪問したり、サイトを訪れたりしたときに「3ヶ月待ちの商品」という言葉と共に商品が目に飛び込んでくれば、あなたはどのように思うでしょうか。

多分、ほとんどの人は「そこまでの人気商品があるのなら、他の商品も良いのだろう」と思うことでしょう。なんだか、その店にある商品が全て良い物であるかのような錯覚に陥ってしまいます。

「みんなが3ヶ月待ってでも欲しい商品を置いている」と考えるようになるのです。心理学でいえば、多くの人の行動に引っ張られる「社会的証明の原理」が働いています。

つまり、3ヶ月待ちの限定商品は「無理やり人気商品を作る」という戦略で行っているため、特に利益を出さなくても問題ありません。このような人気商品は大量生産をあえて行わず、数を限定しているため、効率が悪く収益という面では良くありません。

その代わり、人気商品を見せることで店舗全体の印象を良くし、他の商品を売ることで利益を出せば問題ありません。3ヶ月待ちの商品はその店舗の引き立て役としての役割を担っているということです。

だからこそ、何ヶ月も待たなければならない商品に対して、バイトを新たに雇って大量生産したらいけないのです。待たないと手に入らない商品を敢えて作り、これを大々的に宣伝することに大きな意味があるのです。

これが、店舗によっては「長い待ち時間を要する商品を置いている理由」です。限定商品を有効活用しているのです。

ビジネスは全て共通しています。

・ラーメン店がなぜ店を狭くしているのか

・ネット店舗はなぜ特典をつけてまで口コミを書かせるのか

・なぜ、わざわざ3ヶ月待ちの商品を置いて宣伝しているのか

この理由はどれも同じです。人気ラーメン店であっても、店舗面積を大きくすれば客数は激減します。店内を狭くし、そこに行列を作ることに大きな意味があるのです。

ネット店舗にしても、良い口コミを集めるほど他の見込み客の目にとまるようになり、商品が売れやすくなります。手法は異なりますが、ビジネスで必要となる考え方は全て同じなのです。

このような事であっても、ビジネスで重要な「仕掛ける側の視点」を学べば、完全に読み解くことができるようになるはずです。

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