日本でサラリーマンをしていると、どうしても「お金を稼ぐこと=悪いこと」という概念が染みつくようになります。実際に多くの人は、稼いでいる人を見ると「悪いことをしている人」と考える傾向が強いです。
しかし、これは本当に正しいのでしょうか。もちろん、実際は真逆です。金儲けする人ほど、大きな社会貢献を果たしているといえます。この概念を理解できるでしょうか。
起業・独立してビジネスを開始するとき、お金儲けする本当の意味を理解しなければいけません。これが分からなければ、どれだけ素晴らしいビジネスモデルを組んで行動したとしても、ビジネスで成功することはできません。お客さんに優れたビジネスを提供できないからです。
そこで「ビジネスを実践するに当たり、どのような心構えで稼げばいいのか」について解説していきます。
金を稼ぐのは悪いのに、なぜ賃上げは悪くないのか
先ほどの通り、日本のサラリーマンの多くは「金を稼ぐのは悪いことだ」と思っています。しかし、この考え自体が大きな矛盾を含んでいます。
ほとんどの人は給料を上げてほしいと思っています。社内で偉くなることで昇給を狙います。残業代も払えと要求します。ボーナスも当然のように要求し、さらにはその額が上昇していくことを願います。労働組合を盾にして企業と交渉するのは普通です。
「金を稼ぐのは悪い」と思っているくせに、なぜか「賃上げ要求」に対しては罪悪感を覚えません。このように、ほとんどのサラリーマンは矛盾した行動を取っています。
もちろんビジネスとはいっても、人を騙す行為は最悪です。しかし、自分が最高のものだと思える商品を作り、それに価値を見出してくれる人に対して売ることのどこが悪いのでしょうか。
そのため、まずは利益の本質について理解しなければいけません。
利益があるからこそ優れた商品・サービスを提供できる
まず、ビジネスを行う理由は利益の追求です。それでは、なぜ利益を生み出さなければいけないのでしょうか。これは、利益がなければ優れた商品・サービスを提供できないからです。
例えばケーキ屋があったとき、おいしいケーキを提供するにはどうすればいいでしょうか。そのためには高めの材料を仕入れる必要があり、国内・海外へ出張することで他の店から学んだり修行したりする必要があります。また、一人だけで店舗を運営するのは無理なので人を雇わなければいけません。
このとき、お金がなければ何もできません。材料を仕入れることはできないし、腕を磨くために学びに行くこともできません。人を雇うことも無理です。
ただ、優れたケーキを作ってお客さんが集まるようになれば、「おいしいケーキを作ってくれてありがとう!」と感謝されるようになります。そうして儲かれば、2号店や3号店を出すことでより多くの人を満足させることができます。
こうした現状を見たとき、利益を生み出している人は本当に金の亡者なのでしょうか。むしろ、大きく稼いでいる人ほどお客さんのことを考え、より多くの笑顔を作り、感謝されていることはないでしょうか。
まったく稼げない人だと、こうしたことは実現できません。起業・独立や副業によって自らビジネスを行い、儲かっているからこそ社会貢献しているといえます。この事実を踏まえると、「お金を稼ぐのは悪いこと」と考えること自体が意味不明であり、むしろ金を稼がないといけないことが分かります。
そう考えると、むしろ赤字を出している企業など「金を稼げない人は邪魔」だといえます。極端な意見かもしれませんが、実際のところ稼いでいない人ほど最悪なものはありません。
金を稼ぐ力がないと、従業員の給料を払うことができません。国や地方からしてみれば、税金を払ってもらえません。
銀行からすれば、貸した金を踏み倒される恐れがあります。つまり、良いことが全くないです。周りに悪影響しか与えることができないことを認識する必要があります。
起業・独立や副業に比べ、ボランティアは最悪な行為
同じように考えると、ボランティアも最悪な行為です。社会貢献にまったくならないどころか、単なる自己満足でしかないからです。
ボランティアを積極的にしている人の中には、「金を稼ぐのはダメで、無償で貢献しなければいけない」と間違った解釈をしている人が非常に多いです。
しかしこのような考えをもっている以上、実際には全く社会貢献できていないことを認識しなければいけません。
何かの活動を行うとき、必ずお金が必要になります。例えばアジアの貧困国に学校を建てたいと思ったとき、当然ながら建築費や学校の先生を雇うための費用が発生します。これがボランティアであれば、現地で教える先生は無給なのでモチベーションは下がり、学校の維持費すら捻出できなくなります。
しかし、ビジネスの仕組みを作ってお金を生み出すようにすれば、他にも多くの学校を建設することができ、さらには「学校の先生」という雇用を生み出すこともできます。人を多く使うことによってより大きな収益を生み出し、さらに投資することで大きな社会貢献となります。
結局のところ「無償で行うのが素晴らしい」と思っている人は大きな勘違いをしています。このようなことを言っている人は、「そもそも自分には社会貢献を行うだけの力がない」と宣言していることにもなります。
これが、お金を稼がなければ無意味であり、社会貢献できない理由になります。
また、本当に社会貢献性の高いボランティア活動をしたいのであれば、金を稼いだ後にそのお金を寄付でもすれば良いのです。しかし稼げなければ、寄付すら行えません。寄付を行える人と、何もできない人を比較したとき、どちらが真の社会貢献をしているかを考えなければいけません。
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お客様や従業員不在で利益ばかりを追求すると破たんする
ただ、それでも金儲けする方法を考えることに対するメンタルブロックを外せれない人は多いです。これは、テレビに出たりマスコミを騒がせたりするような世の中で注目されがちな人の多くが、実際に悪い方法で人を騙している傾向が強いからです。
例えば、私はサイト運営によるネットビジネスを実践しています。ネットビジネスでは、いまも昔も人を騙す手法が主流です。情報商材アフィリエイトと呼ばれる方法ですが、ねずみ講のやり方でお金を搾取しようとする人ばかりなのです。
例えば、以下のような感じです。
一方で私の場合、同じネットビジネスであってもこのようなことはしていません。有益な情報サイトを作り、人を感動させることだけを考えています。
例えば、以下は私が保有する薬学サイトです。
ここには薬に関する有益な情報を詰め込み、読者に情報を提供することだけを考えています。そのため、毎日のように感謝メールが届きます。
ただ、真っ当な手法のビジネスはかなり地味であり、稼ぐまでには時間がかかり、労力も必要です。それに対して、人を騙すビジネスのほうが派手に見えます。こうした現実もあり、「金儲けは悪い」と勘違いしているサラリーマンが多いのかもしれません。
しかし、お客さんに感謝される真っ当なビジネスで起業・独立するのであれば何も問題ありません。
また実際のところ、お客さんを騙すビジネスだと破綻しやすくなります。確かに企業経営をする以上は利益を生み出すことは重要であるものの、それだけにフォーカスするのではいけません。そこに必ずお客さんの存在がないとダメなのです。
ただ、実際のところ大企業や一流店舗であっても、お客様不在のまま利益を追求する現状が後を絶ちません。そうしてビジネスの本質を忘れると、確実に後で経営が傾いたり、破綻したりするようになります。
例えば、過去にはザ・リッツ・カールトンや帝国ホテル、ヒルトン東京という超一流ホテルであっても、食品偽装問題で大きく報道されたことがあるくらいです。以下は実際のニュースです。
こうした企業であっても、お客様の存在を忘れることがあるのです。しかし、これらの悪しき方法を採用した結果、悪い噂によって大きく利益を落とすことになってしまいました。
お金へのメンタルブロックを外し、利益の本質を学ぶ
ビジネスを展開する上では、利益の本質とは何かについて学ばなければいけません。このとき利益の本質というのは、「お客様が喜んでくれた額」であるといえます。
例えば高級フレンチであれば、女性をデートに誘うときに男性が活用するかもしれません。良い雰囲気や男性が用意したサプライズで女性が満足してくれれば、男性にとっては次のデートの約束に繋げることができ、最高の内容になります。
このときお店というのは、料理というよりも「非現実を楽しめる一瞬」を売っているといえます。
こうした感動を与えることで、お店はその対価を受け取ります。このときの対価が「お金」という形で返ってくるだけのことなのです。これについては、ケーキ屋の例で説明した通りです。
悪だくみによる利益創出は長期的に損をする
一方で「お金という利益」を簡単に増大できる方法があります。それは、人を騙す行為をすることです。例えば外国産の安い原料を仕入れ、国産の高級素材だとウソをついてお客様に出すという方法を採用します。こうすれば、原価が下がるので利益額は簡単に本来の倍以上になります。
しかしこうした手法に手を染めると、必ず後でその不正が表に出てしまいます。理由は単純であり、内部告発(または社外からの告発)があるからです。
どれだけ上から圧力がかかっていたとしても、道徳や法令に反することをすると、必ず内部から反発がでます。これがある臨界点に達すると、周囲に悪いうわさが広まるようになるのです。
信頼を構築するのは難しいですが、悪いうわさは瞬時に広まり簡単に消えることはありません。一瞬でも悪いことを考えて実行に移した企業の多くが、数年で潰れたり、業績を著しく悪化させたりするのは、こうした理由があるからなのです。
もちろんこれは、先の例で出した産地偽装などの単純なものだけではありません。利益を押し上げる方法として、他にも「人件費を安く抑える」というやり方があります。
ただ、それによって事業拡大した企業は、安い人件費によって成り立つビジネスモデルを組んでいます。また従業員の労働環境が劣悪なため、それが表に出ることで企業イメージが悪化して経営に苦しむようになるのです。
不正行為をなくし、ビジネスでは誠実さが必須
ビジネスでは利益を追求することが重要です。ただ、その利益が「どのように生み出されたのか」はもっと重要です。お客さんへ提供する質を落とすなど、人を騙すことで利益を増大させたのであれば、後で必ずお客さんからの信用を失います。
他にも、従業員の人件費を抑えることで実現した利益なのであれば、それも同様に悪いうわさが広まるようになります。従業員のモチベーションも落ちるため、生産性は上がらなくなります。これはサービスの質が落ちることを意味するため、あるときを境にして客離れが一気に加速します
これらの要因が重なると、それまで事業が好調だったとしても資金繰りが急速に悪化して倒産への道の一歩を踏み出すようになります。このように考えると、「利益の生み出し方」がいかに重要であるかを理解することができます。
・誠実さがビジネスに不可欠
そうした視点でみると、ビジネスで成功し続ける人の共通点は「どれだけ誠実であるか」になります。利益の追求というのは、「感動させた人の数を増やしたことによる利益」によっての実現でなければ意味がありません。この意味を理解して、誠実に接することのできる人だけがビジネスで永久に活躍できるといえます。
本当に重要な部分というのは、「お客さんの目に見えない部分」に存在します。
- 飲食店による産地偽装問題
- 従業員に対するコストカット
- 工事会社による手抜き工事
これらを行おうと思えば、お客さんの目が届かない部分でいくらでも不正行為ができてしまいます。どれも利益を簡単に増大させることは可能ですが、こうした目に見えない細部こそ重要だといえるのです。
そうした内部の気づきにくい部分に対して、「どれだけ誠実なこだわりをもっているのか」によって、あなたのビジネスに対する姿勢がわかります。また起業して10年後も活躍できるかどうかについても、細部にわたる誠実なこだわりの実践によって、ある程度までは見分けることができます。
お客様・取引先・自社の全員が得をするビジネス以外は無意味
そうしたうえで、全員が得をするビジネスだけを考えましょう。事業を展開するとき、必ず他の人が関わってきます。関わる人は商品を仕入れる取引先であったり、実際に商品やサービスを利用してもらうお客さんであったりします。
こうしたビジネスを開始するとき、世の中を見渡すと「誰かが損をするサービス」を展開している企業が多いことに気づかされます。
その代表例として、広告代理店があります。飲食店などリアル店舗を運営している会社や事業主に対して、広告を出させることで集客を手伝うサービスが広告代理店の仕事です。
ただ実際に広告を出したところで、ほとんど反応が生まれないケースがほとんどです。この理由は単純であり、多くの広告代理店は「高い広告料を出させること」だけにフォーカスしているからです。
「クライアントに対して成果を出させる」ことは、多くの広告代理店にとってどうでもいいのです。そのため、クライアントが広告を出して集客できなかった場合は「もっと大きな広告枠に出さないといけません」のようなことを、平気で言い放ちます。
同じことは、サイト作成業者にもいえます。彼らは見た目がキレイなサイトを構築できるものの、集客できるサイトの作り方が分かりません。そのため数百万円などのサイト作成代を支払わせておき、実際はアクセスが集まらない無意味なサイトを仕上げます。
これらは、お客さんを泣かせているケースだといえます。実際のところ、自社の利益を追求するためにお客様や取引先が損をしているビジネスは多いです。ここに、ビジネスを行うときのねじれを生じるようになります。
関わる全員が得をするビジネスとは何か
本来、ビジネスで利益を出すためには、全員が得をしなければいけません。関わる人全員が幸せになる事業を考えて実行できる人だけが、何十年後もビジネスで活躍することができるのです。
例えば私の場合、先に示した通り薬学サイトを運営しています。このサイトを運営することにより、損をしている人は一人もいません。
まず、薬学サイト自体はすべて無料で閲覧できます。そのため、全国の薬学生やMR(製薬企業の営業)、医療従事者から「これだけ分かりやすいサイトを作ってくれてありがとうございます」と感謝メールが毎日届きます。
さらに薬学サイトに広告を出している企業としては、そこに広告を出すことで売上が増大していきます。実際、薬剤師や薬学生を相手にビジネスをしている会社からは、「もっと広告を出したいが枠はないか」という相談を頻繁に受けます。
また私としては、こうした感謝の言葉を増やすために有益な情報発信をするほど、広告収入が増えていくようになります。したがって、誰も損をしておらず全員が得をしているビジネスだといえます。
関わる人全員が喜ぶビジネスを考えるべき
私の場合、このように必ず全員が得をするビジネスモデルだけを組みます。そうしなければ、事業の発展がないからです。
お客さんを騙して泣かせるのは論外として、取引先も幸せでなければいけません。取引先に値下げ要求を行い、圧力をかけている以上、ビジネスマンとしては二流だといえます。そうではなく、取引先には気前よりサービス料を支払っても問題ないビジネスを組まなければいけません。
また重要なのは、ビジネスを行うあなた自身も幸せである必要があります。忙しく働くだけ働き、お客さんや得意先は喜んでいるものの、あなた自身が疲弊するビジネスモデルはダメなのです。
- お客さん
- 取引先
- あなた自身
この全員が得をするビジネスだけを考えるようにしましょう。例えば、私は他にも商業出版に関するマッチングサイトを運営しています。以下は実際のWebサイトです。
このサイトでは、提携先の出版コンサルタントをお客さんに紹介しています。このとき、商業出版を考えているお客さんは、「どのようにして商業出版を実現すればいいのか」について、見当がつきません。
また、出版コンサルタント側としても「お客さんを紹介して欲しい」と考えています。そこで両者をつなぎ、仲介料をもらうビジネスを実践しています。
こうしたビジネスモデルについても、誰も損をしません。それどころか、ビジネスに関わった人全員を幸せにすることができます。
お客さんは自分の知識やスキルを本として世の中に出すことができます。出版コンサルタントとしても、私のサイト経由でお客さんが増えて儲かります。私も仲介料を得られてうれしいです。しかも、これまでにないノウハウが本として世の中に出るため、世間一般の人へも影響を与えられるようになります。
本来、ビジネスはこのように展開しなければいけません。誰かが泣くビジネスというのは、ビジネスモデルとして不十分です。ビジネスを実践することで感謝されるからこそ、事業を展開する意味があるのです。
金儲けこそが真のビジネスとなる
ここまでを踏まえたうえで、あなたが実践しているビジネスの形態はどのようなものでしょうか。もし、誰かが泣くようなビジネスを実践しているのであれば、そのビジネス内容を見直す必要があります。
ただ、そうではなく全員が得をするビジネスを行い、誠実に対応していれば、「ビジネスで稼いだ利益=社会貢献の額」だといえます。悪いことは何一つしておらず、関わった人の全員が得をしているからです。
ここまでのことを理解すれば、なぜ金儲けが悪い行為ではなく、むしろ社会貢献性の高い優れた行為なのか理解できるのではないでしょうか。サラリーマンから起業・独立や副業によってビジネスをするとき、まずはこの考え方をインストールしなければいけません。
ただ、どのように考えてビジネスをすればいいのか理解すれば、後は行動に移すだけです。あなた独自の事業を展開させ、大きく稼いで売上・利益を増大させるようにしましょう。
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