物販を行う場合、必ず「在庫」が発生します。在庫がないと商売を行うこともできないため、在庫を置くことは必須となります。

経営を行う上で最も難しい問題がこの在庫問題です。ネットビジネスではそもそも在庫がないため、この問題を全て解決することができます。

しかし、これがECサイトの運営を行うと話が違ってきます。ECサイト上で商品を販売する以上、在庫が発生してしまうのです。

それでは、「なぜ在庫を持つビジネスは難しいのか」について確認していきます。

ECサイトの運営で気を付けるべき点(商品の出庫)

簡単に考えれば、ECサイトとはネット上に存在する店舗のことを指します。ECサイトから商品を選び、お客様が注文を行うのです。

ただこの時、ECサイトで何でも売れるかと言うと必ずしもそうではありません。

まずECサイトで売ることのできる商品の条件として「物流にのせることが可能である」という事があります。つまり、トラックに載せて運ぶことができる商品のことです。もっと厳密に言えば、宅配便で送ることのできる品物です。

そのため、例えば大きい家具を宅配で運ぶとなると、それなりの値段になってしまいます。

また、犬などの生き物も特殊な物流に乗せる必要があります。これらを運ぶためにはコストが大きくなってしまうため、ECサイトの運営ではハードルが高くなってしまいます。

このような理由から、ECサイトで売られている商品は酒や雑貨など、比較的小さい商品が主流となっています。

これら在庫を持つようになると、保管スペースが必要になります。最初は誰もが自宅に商品を置くことからスタートしますが、かなりのスペースを取られるようになります。

たとえ一つの商品が小さい物であったとしても、月商1000万にもなると、もの凄いスペースが必要です。そのために、倉庫が必要になります(宝石など小さくて高価な物は例外です)。

また、ECサイトから商品の注文があった場合には、倉庫から商品を取ってくる作業が必要になります。これをピッキングと言います。

この時、店長であれば商品がどこにあるか分かります。しかし、バイトを雇って倉庫から商品を取ってこさせようとすると大変な作業になります。そこで、倉庫にある棚に名前をつけてシステムを利用します。

この倉庫に置いてある商品それぞれの場所をロケーションと呼びます。このロケーションに番号を付けていきます。例えば、横に「A、B、C……」とつけていき、縦を「1、2、3……」と番号を振っていきます。

今回の場合、「B-3」であれば下図のようなロケーションを指します。

ロケーション

商品のロケーション設定を行った後、受注表を書かせて「B-3にある商品を取って来い!!」と指示をするのです。これによって、バイトであってもスムーズに商品を取ってこさせることができます。

ただし、商品の中でも似た商品がいくつも存在する場合があります。服のサイズもS、M、Lと規格違いがありますし、商品名の似ている品物があるかもしれません。つまり、誤って他のロケーションにある異なる商品を取ってきてしまう可能性があるのです。

そこで、ハンディスキャナーを利用します。

まず最初に、ピッキングリストにあるバーコードを読み取ります。つまり、「これから倉庫から取ってこなければいけない商品」を羅列してあるリストにバーコードが貼ってあり、このバーコードをハンディスキャナーで読み取るのです。

ピッキングリストに示されたバーコードを読み取った後、今度はそれぞれのロケーションに予め設定していた別のバーコードを読み取ります。

ここで商品が正しければ何も起こらず、商品が違えば「ピーピーピー」とハンディスキャナーが音を出して教えてくれます。

これらのシステムを導入することによって、在庫管理を行っていきます。これをしなければ誤発送が何回も発生し、クレームになることでより大きなコストがかかってしまいます。信頼を失うことにも繋がります。

また、システムなしに感覚で行うと品薄になることが多発し、その逆に発注をミスして一つのロケーションに大量の在庫が出るなどの問題が発生します。これは避けなければいけません。

そのため、ECサイトをある程度以上の規模にしようと思うと、システムの導入が必ず必要になります。
また、あくまでもECサイトの運営は「ネット上での物販」と捉えることができ、商品が売れるほど梱包や発送などの作業によって自分が忙しくなってしまいます。

そこで、インターネットを使って物販を行うが、自社でしっかりした物流システムを構築することで伸びていった会社がアマゾンです。

物流システムを組んでいるため、自社で物流の全てを把握することができます。もしこれを外注で行うとなると、もの凄いコストがかかります。

ここまでが、ECサイトを運営する上で問題となる商品を出庫する時の問題点です。

ただし、問題点とは言ってもリアルビジネスで物販などを行う場合はこれらのシステムを当たり前のように稼動させています。そのため、リアルビジネスでも同じようにこれらの問題が発生していることを認識できます。

ECサイトの運営で気を付けるべき点(商品の入庫)

また、メーカーから商品が届いた場合、ある作業を行う必要があります。その作業とは、「商品の数や品質に問題ないかチェックする」という行程です。これを検品と呼びます。

この検品作業では二種類行う必要があり、それぞれを「員数検品」、「品質検品」と呼びます。

員数検品:商品の数が正しいかチェックする

品質検品:届いた商品の品質に問題がないかチェックする

これらの作業を飛ばしてしまうと、後で大変なことになってしまいます。そこで、これらの検品作業を行う理由を記します。

員数検品(いんずうけんぴん)

ECサイトの商品を仕入れるためのメーカーから商品が届いた時、その商品の数を数える必要があります。なぜなら、商品の数が合っていない事が頻繁にあるためです。

例えば、納品書には「100個」と書いているにも関わらず、実際には90個しか納品されていないことがよくあります。もし員数検品を行わずに商品を入荷すると、実は10個足りないが100個分の料金を支払わないといけなくなります。

これを見逃すとその分だけ利益損失になるため、メーカーにクレームを入れて足りない分を納品して貰わなければいけません。これによって、大きな手間がかかります。

また、員数検品ではメーカーから送られてくる商品の数が多すぎてもダメです。何も言わずにそのまま仕入れても良いのですが、実際にはその後の信頼関係も考えて返品をしなければいけません。この作業にも手間がかかります。

品質検品

商品入荷時には数だけでなく、品質までチェックしなければいけません。この作業をしなくても良いですが、もしお客様に届いた後で不良品があればクレームになります。

これによって信頼が失われ、送料や保証などによって無駄なお金が出ていきます。往復分の送料も負担しなければいけないため、これを考えると品質検品を行わなければいけません。

メーカーも完璧ではないため、現実では品質検品時に不良品がいくつも出てくるようになります。

商品を出荷するときの問題

商品を入庫する時にこのような検品作業が必ず必要になりますが、これは商品を出荷する時も同じです。商品出荷時には、まず最初にお客様へ発送するために出庫手続きを行います。この時、出庫した商品を宅配業者に頼みます。

そして、宅配業者に頼んだ時に商品を100個発送したはずなのに、宅配業者が「98個しか受け取っていない」と言えば、2個分の商品が消えるという現象が起こります。

そのため、宅配業者に引き渡す時に100個を現場で数えながら引き渡さなければいけません。

しかし、現実的にはどうかと言うと、商品の数を全く数えずに箱に入った商品を宅配業者が持っていく場合がほとんどです。そのため、実際に商品がどこかへ消えるという事はいくらでもあります。

このように、在庫を持たなければいけないビジネスである物販は落とし穴だらけなのです。いくら気をつけたところで、これらのリスクをゼロにすることはできません。

これらの理由があるので、ECサイトの運営はとても難しいです。たとえ、物流システムを導入していても同じです。これが、在庫を持つデメリットとなります。

在庫の売れ残り問題

さらに、在庫の売れ残り問題もあります。

在庫として仕入れたとしても、その在庫が全て完売することは現実的にとても難しいです。そのため、在庫が売れ残ってしまう問題は必ずと言っていいほど発生します。

売れ残り在庫をどのようにして処分するか

例として、100万円分の商品を仕入れたとします。一般的には6割の値段で仕入れるので、仕入れにかかる値段は60万です。つまり、全部売れると40万の利益となります。

しかし、このように上手く商品が売れることは稀です。ここで例えば半分の50万円分の商品しか売れなかったとすれば、仕入れの時に60万をメーカーに支払っているため、既に10万の赤字となります。

実際には、ここにさらに店舗代やシステム費、人件費などさまざまなコストがのしかかってきます。

在庫が売れればお金になりますが、売れなければ邪魔なだけです。そこで、売れない商品は値引きをして売ります。これがいわゆるセールです。

ただし、安く売れば売るほど利益は少なくなりますし、セールをしても在庫が残ることの方が多いです。売れない在庫が残れば、倉庫の保管スペースだけを取るようになります。

また、売りが立たないので決算が確定しません。他にも、在庫をたくさん持つことによって、本来は他の資源に投資すべきものに資金を注入することができません。

それではこれらの在庫どうするかと言うと、二つの方法があります。

1. 商品を捨てる(償却する)

2. 買取業者に二束三文で売る

以下にそれぞれの説明をしていきます。

商品を捨てる(償却する)

売れない在庫は倉庫のスペースを取るだけであるため、この在庫が存在すること自体に意味がありません。そこで、在庫として倉庫内にある商品をなかったものとして捨ててしまいます。

これを難しい言葉で「償却する」と表現します。会計上では「特別損失」などで計上します。

このように、いらない商品を捨ててしまうことは出版業界などで普通に行われていることです。当然ながら、他の業界でも行われています。

買取業者に二束三文で売る

売れ残ってどうしようもない商品を処分する時、買取業者に二束三文で売ってしまう方法もあります。この買取業者を通称ばった屋とも言います。

買取業者へ売る時の値段としては、定価の5%程度となります。悪い時は2~3%になります。

このように、一括売却を行うことによって余計な在庫を処分するのです。正月に行われる福袋もこのような一括売却の一種です。

在庫を処分した時に発生する罠

在庫を持つビジネスモデルの場合、いくら黒字であろうとも一瞬のうちに大赤字に転落することが頻繁にあります。このような現象は在庫処分時に起こります。

例えば、これまでに利益が100万出ていたとします。ここでもし200万円分の在庫があり、この在庫が古くなって売れないとすると、在庫を捨てる(償却する)必要があります。すると、100万の利益から在庫償却分の200万が引かれて、一気に100万の赤字になります。

つまり、在庫を償却した時に初めて会計上の悪夢を見ることになります。そのため、企業が決算を行うときにどれだけ黒字が出ているように見えたとしても、期末の在庫償却によって赤字に転落してしまうのです。

それでは、中には「在庫をずっと持っていれば損が出ないのでは」と思う方がいます。

確かに、在庫を持っている限りは損失が確定しないです。しかし、この在庫が売れないままであれば、倉庫スペースがどんどん詰まっていくことになります。新しい商品を入荷したいにも関わらず、売れない商品が倉庫の大部分を取ってしまうのです。

これによって余分なコストが発生し、新しい商品を売る機会を失ってしまいます。売れない在庫を持っていては意味がありません。そのため、余計な在庫は損失として捨ててでもなくしてしまう方が良いのです。

不良在庫の悪夢

多くの人はどこに目がいっているかと言うと、現時点での利益額だけです。自分がどれだけの不良在庫を保有しているかに着目する人は少ないです。

その結果どうなるかと言うと、前述の通り期末に行う最後の決算で悪夢を見ることになります。在庫を償却したり買取業者に売ったりすることによって、それまで不良在庫として会社内に眠っていた在庫分だけ損が出ます。

例えば100万の不良在庫を償却すると、会計上で利益が100万円分だけ減ってしまいます。

このように、一見すると黒字のように表面上は見えていたとしても、会社内の不良在庫まで考慮すると大赤字であることがあるのです。

そうは言っても、物販では在庫がなければ商売が出来ません。そのため、物販を行っているビジネスでは必ず在庫が発生してしまいます。

ただし、仕入れた在庫が売れるかどうかは誰も分かりません。どれだけ天才的な経営の神様であっても、在庫が売れるかどうかを当てることはできないのです。

それでは、どのようにして在庫の発注量を決めるかというと、過去のデータを見て決定します。このデータから、「将来はこれくらい売れるはずだ」と予測をするのです。

しかしほとんどの場合、この予測は当たりません。在庫を持つビジネスが難しい理由はここにあります。たとえ在庫を仕入れたとしても、売れ残りがほとんどの場合で発生してしまうのです。

さらにサプリメントや健康食品のように賞味期限がある場合、期限の短くなった商品は商品価値がなくなります。そのため、償却として必ず捨てなければいけません。

返品などで商品が返されてきた場合であれば、返品された商品は以前に発送した品物になります。そのため、手元には比較的期限の新しい商品があるが、返品によって期限の古い商品が混じることになってしまいます。

これまで送っていた商品よりも期限の古い商品を送ることはできないため、返品された商品をどうするかについても考えなければいけません。

運転資金の問題

他にも、運転資金の問題もあります。ネットビジネスの中でも情報を売るビジネスの場合、最初にお金を出すことがほとんどありません。私の場合、最初に出したお金は数万円のサイト作成ソフトと月300円に満たないサーバー代だけでした。

それに対し、同じネットビジネスでも在庫を持つ場合は先に商品を仕入れなければいけません。この時、前払いで商品を仕入れることになります。

そもそも信頼がないため、当然ながら最初にお金を払わないとメーカーとしても商品を納入することができないのです。つまり、最初に大量のお金を使ってしまいます。

たとえ資本金100万でスタートしたとしても、そのほとんどが在庫を買うための費用に消えてしまいます。そのため、在庫を持って物販を行うビジネスでは開始直後からお金を一瞬のうちに使い切ってしまいます。

資金繰りが難しい

なお、もし商品が売れたとしても、お金が入ってくるのは何ヵ月か後になります。銀行振込なら良いですが、ネットビジネスでは多くの場合でクレジット決済となります。そのため、すぐにお金があなたの元に入ってくることはありません。

在庫を持つためにメーカーには前払いでお金を既に支払っています。そのため、手元にほとんど資金が残っていません。お金が残っていないため、新たな商品を購入したり設備投資を行ったりができません。

それにも関わらず、商品が売れてもお金が入ってくるのは何ヵ月後になります。この間を何とかして工面しなければいけません。

商品は売れているのに手元にお金が入ってきていないため、新たな在庫の購入や設備投資などができないのです。

しかも、これは商品が売れた場合です。ほとんどの場合で商品が全て売れることはありません。つまり、そもそも商品が売れないためにどれだけ時間が経っても全く入金されないことが当たり前のようにあります。

このように、在庫を持つと手元にあるお金が商品に変わっていくため、お金が一瞬で消えていくのです。この時、商品を購入することで、お金が「仕入れ」という経費に変わります。この仕入れが物販を行う上で最大のコストになります。

物販ではどれだけ商品を売ったとしても、メーカーから請求書が回ってくるようになります。メーカーとは先払いの契約をしているため、メーカーとしてはあなたに商品を納入することですぐに売りを立てることができます。

しかし、こちら側はなんとか商品を売って、この時に売れたお金が入金されるまでの数ヶ月を耐え忍ばなければいけません。

情報を扱うビジネスでは在庫が不要

このように、在庫を持たなければいけないビジネスはその構造がとても複雑です。そのため、在庫を持つ物販を行う場合、どれだけ頑張ってもビジネスの全てを理解するまでに10年はかかると言われています。

在庫を扱うと、まず最初に「商品が売れるかどうか」で壁に当たります。その後は在庫管理や運転資金で壁にぶち当たります。

これに対して、情報だけを扱うネットビジネスであれば、これら在庫に関わる問題を全て省くことができます。

経営で最も難しいのは「在庫に関わる問題」となります。具体的には以下の三つがあります。

・在庫の入庫や出庫などに関わる在庫管理(在庫がどれだけあるか)

・在庫が売れ残った時の問題

・商品を購入することによる運転資金の問題

ビジネスを行う上で問題となる、これら最大の課題を全て省くことができるのがネットビジネスです。スタート時は事務所代すらかからないため、自宅でパソコン一台という最小の資源で始めることができます。

さらに、基本的には電子媒体なので売りまくることができます。「在庫がないのでお客様に売ることができない」という機会損失が発生しません。売ることだけに焦点を当てることができ、さらに売上がほぼ利益となります。

そのため、ビジネスを行うにはネットビジネスから始めなければいけません。

このように説明してきましたが、ネットビジネスを行っている人の中で「在庫」に関してここまで理解した上で「だからネットビジネスを行いましょう」と言っている人はごく少数です。

数あるビジネスの中でも、私がネットビジネスを推奨しているには理由があります。私が在庫を持たないビジネスを基本としているのには、このような理由があるのです。

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