部下に指示だしを行うのは会社組織だけではありません。学生であっても、後輩に指示を出す場面はたくさんあります。

ただ、指示を出すときに「反発される」「上手く動いてくれない」「やる気を出してくれない」という悩みを抱えているリーダーは多いです。そこで、どのように考えて指示を出していけば、やる気を出してくれるのでしょうか。

同じように部下へ仕事を任せるにしても、一気にやる気がでる言葉を投げかける人が世の中にはいます。この違いは何なのでしょうか。この疑問について解説していきます。

「現在」の視点だけで物事を語ると相手は不安になる

重要な仕事を任せるにしても、部下としては「なぜ私に?」と思うことでしょう。この疑問を上司に投げかけてみたとしても、「君は優秀だから」「他に任せる人材がいないから」などの答えが返ってきます。なんだかスッキリしない回答ですが、このような理由を並べている人がほとんどです。

これでは、部下はやる気を起こしてくれません。「君は優秀だ」と言われればうれしいでしょうが、仕事を任せられる十分な理由とは言えません。

ただ、このような例はまだマシであり、日本では「会社都合のため」という意味不明な理由が最も多いように感じます。どこかへ転勤するにしても、「会社が決定したことだから」という本人とはまったく関係ないところで話が進められます。これで部下にやる気を出せという方が間違っています。

これを回避するため、決定理由を理論的に説明していかなければいけません。このときは「時間軸」を意識してください。

多くの人は「現在」だけで物事を語ろうとします。「君は優秀だから」「会社都合だから」という理由は、現在のみを軸にして考えられた理由です。この考えを改め、「過去 → 現在 → 未来」へと話を展開していきます。これを意識して部下へ指示を出せば、伝わる内容になります。

例えば、以下のようになります。

過去:これまで、わが社は下請けに甘んじてきた。だが、そのような中でも君は医療機器に関する新製品開発を試み、その芽がようやく出始めている。

現在:そこで、君の製品で勝負を仕掛け、これから全国展開を行おうと思っている。ようやく、下請けからの脱却をしようとしている。

未来:君が開発した製品により、来年はわが社の売上を1.5倍にしようと思っている。そのためには、君の製品知識や経験が必要なんだ。そこで技術職を飛び出して、今度は営業として活躍してくれないか。君の製品によって、病気で苦しんでいる全国の患者さんを助けるシステムを作ってほしい。

このように理論立てて説得していけば、部下はかなりやる気を出してくれます。

しかし、いきなり「営業職で頑張ってくれ」と伝えるだけではどうでしょうか。部下としては、技術職から営業職へ転向させられたことに怒りさえ覚えるでしょう。

ただ、多くの組織はこのような流れで部下を説得せず、現在だけの視点で語ろうとします。ここに、部下のやる気が削がれる理由が隠されています。

言い方を少し変えるだけで、部下はやる気を出して頑張ってくれるようになります。また、「時間軸」だけではなく、「社会との関係性」まで含めて話を行うことも重要です。

社会貢献が人のやる気を引き起こす

自己満足で完結する内容であれば、人のやる気は大きく失われます。「この仕事をしても将来何も役に立たないが、せいぜい頑張ってくれ」と言われたとき、やる気を出して行動しようという人はいないと思います。

それよりも、「この仕事はわが社にとって2億円を動かす大型プロジェクトだ。これをやり遂げれば得意先からの信頼を得ることができ、さらに全国のお客様にわが社を認知してもらえるようになる」と言われた方がやる気がでます。やる気の度合いは「社会貢献の度合い」でもあるのです。

このときは、「自分 → 相手 → 社会」という流れで話を展開していきます。

まず、自分の状況を説明し、それが世の中とどのように関わっているのかについて説明します。その後、相手との関係性を語り、自分と相手に対する影響を説明します。最後に、これらを通して社会にどう影響を与えるかについて話すのです。

先ほどの例であっても、

自分(自社):下請けに甘んじてきたが、新たに医療機器の開発を行ってきた

相手:全国展開により、下請けからの脱却を図ろうとしている

社会:製品が広まれば、病気で苦しんでいる全国の患者さんを助けることができる

という流れになっています。

このように、やる気を出させるためには「時間軸」と「社会との関係性」を付け加えて説明する必要があります。全てを入れなくても、どちらかの要素を加えるだけでも説得力は格段に上がります。

多くの人は、説得するときに「現在の出来事」や「自分の状況」しか説明しません。その結果、部下はやる気をなくし、反発を始めます。これは部下が悪いのではなく、指示を出す人のやり方が下手なのです。少しの工夫を加えるだけで、組織は円滑にまわるようになります。

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