電子書籍を出版する場合、出版社を通すことなく自分の意思で自由に出版することができます。つまり現在では、電子書籍であれば誰でも簡単に出版を実現することができます。

しかし電子書籍であっても、出版を果たすからには売れる本を作ることを目指さなければなりません。ハードルが極端に高い商業出版ならともかく、ハードルがかなり低めの電子書籍を出版しただけでは、残念ながら多くの人の目を引くことにはならないからです。

それにも関わらず電子書籍を出版する人の多くは、明らかに売れそうにない本を出してしまいます。そこで、電子書籍の作り方や文章術を学び、さらにはどのようにして販売促進していけばいいのかを学ぶ必要があります。

ここでは、電子書籍の著者として世の中に自分の本を出すときのポイントについて解説していきます。

読者のニーズを考えつつ、独自の切り口でコンセプトを作る

商業出版によって本を出版する場合、編集担当者によって「文章の構成」「扱うテーマの需要」などが深く吟味されます。さらに何度も修正を重ねていき、最終的に「売れる本に仕上がった」と判断されたときになって、ようやく本が世に出回るようになります。

その一方で電子書籍の出版であれば、商業出版のように編集担当者によって方向修正してもらうことはありません。このことから、商業出版での出版経験がない人が電子書籍の出版を行う場合、全く売れない本を仕上げてしまう可能性が高いです。

例えば電子書籍の出版を検討する人のなかには、「自分の幼少期から現在までの経歴を電子書籍にしよう」と考える人がいます。この場合、この人自身が圧倒的な知名度を誇る芸能人でもない限り、残念ながら電子書籍が売れる見込みはゼロに等しいです。

そこで売れる電子書籍を作成・出版したい場合、多くの人に需要があるテーマを選びつつ、自分独自の見せ方で執筆を行う必要があります。世の中で需要のあるテーマは既に決まっています。例えば、以下のようになります。

  • ビジネス
  • 投資
  • 美容
  • 恋愛
  • 健康

もちろん他にもありますが、世の中でベストセラーになるような本は特定ジャンルに偏っています。そこで、こうしたジャンルの中から電子書籍として出す必要があります。

また、ザックリとテーマを挙げましたがそれぞれは非常に幅広いです。例えばビジネスであっても「セミナー講師になる方法」「飲食店の開業」「マーケティングのやり方」「ネットビジネスでの稼ぎ方」などいくらでもテーマがあります。こうした中で一つの題材に絞って選択するのです。

・自分の得意分野でコンセプトを考える

なお、たくさんの人にニーズがあるテーマを選ぶとはいっても、その分野にある程度精通している人間でなければ、出版した電子書籍が売れる可能性は低いです。

例えば、多くの人に需要があるテーマとして医療があげられます。しかし、著者自身が医者でない限り、医療を扱った電子書籍を出版したとしても、売れる確率はとても低いです。多くの人は「病気や治療のことは医者に聞きたい」と考えるからです。

しかも、多くの人に需要がある分野の電子書籍を書いただけでは、それに関連する他の書籍に埋もれて売れません。そのため売れる本を作るにしても、誰も今までやり遂げていないコンセプトを作り、その内容を反映させた電子書籍に仕上げる必要があります。

例えばダイエットの電子書籍を作成する場合、「糖質制限ダイエット」などのように、既に有名なテーマで執筆してはいけません。「満腹ダイエット」「毎日1分ストレッチダイエット」などのように、今までにない見せ方を設定する必要があります。

電子書籍では無償サンプル(立ち読み)が必須

電子書籍の作り方としては、最初にこうしたコンセプトを設定することがあります。ただ、これらが出来上がったら次に実際に中身を作っていきます。

このとき、最初に立ち読み(試し読み)の部分を作るのが基本になります。

電子書籍の場合には、書店に訪れたときのように本を物理的に立ち読みすることはできません。その代わりに、電子書籍を扱うメディアによっては、電子書籍の前半の数十ページを無料サンプルとして提供しているケースがあるのです。以下のような感じです。

こうした電子書籍の最初の部分において、訪問客が電子書籍の無料サンプルでチェックする項目には主に以下のものがあげられます。

  • タイトル
  • 著者名
  • 著者プロフィール
  • もくじ
  • まえがき
  • 第1章の内容

これらのうち、最も重要なのはタイトルです。どのくらい重要かというと、書籍のタイトルの良し悪しで、本が売れるかどうかの8割が決まってしまうほどです。

そのため、電子書籍のタイトルを付ける場合には、訪問客に響くようなタイトルを設定しましょう。そのようなタイトルを作り出すためには、ベストセラーやロングセラーになっている類書などを参考にしつつ、頭の中で必死になって考える必要があります。

タイトルにはAmazonやkindleでのキーワードを含めるべき

なお、電子書籍のタイトルを設定する場合、「電子書籍を登録するメディアの検索システム」を意識したタイトルを設定しましょう。そのメディアの検索システムにおいて、検索されることが多いキーワードをタイトルに含めるのです。

読者がAmazonやkindleなど電子書籍を扱うメディアで検索をかけるとき、キーワードを入力して探します。例えば、先ほどのダイエットの例であれば、「ダイエット 運動 短時間」「ダイエット 食事 成功」などのキーワードで検索することにより、本を見つけるのです。

また、電子書籍を登録したメディアによっては、キーワード検索を行う際に、検索されやすい言葉が表示されることがあります。このような言葉をできるだけタイトルに含めることで、あなたの電子書籍を見つけてもらえる可能性を高めることができます。

以下のようにキーワードを入力することで、その下に「読者が検索するであろう、予測キーワード」が出てきます。

こうしたキーワードをタイトルに含めることで、より精度の高いタイトルを作れるようになります。

その一方で、あなたが出版したダイエットの電子書籍に「見ただけでは本の内容が分からないようなタイトル」が付けられていたらどうでしょうか。

例えば、「減量に悩むのはやめなさい」といったタイトルであれば、ダイエットの本なのか、それともマインドセットの本なのか、一見するとわかりません。さらに、ダイエットに関連するキーワードとして、「減量」という言葉しか入っていません。

そのため、電子書籍を登録したメディアで検索をかけたとき、あなたの電子書籍が見つからない可能性が高いです。

紙媒体の本であれば、このようなタイトルでも売れるかもしれません。書店で本を購入する場合には、検索という行動は関係ないからです。しかし電子書籍を扱う場合、検索結果に表示されやすいタイトルを設定しなければ検索結果ページに表示されません。つまり、お客様に見つけてもらうことすら難しくなってしまいます。

そのため、電子書籍ではタイトルをどのように設定するのか深く考えるようにしましょう。

もくじ(章立て)とまえがきを考える

タイトルを考えた後、次に重要度が高いものとして、もくじとまえがきがあります。これらのうち、もくじを作成する場合には、本文ごとの内容だけでなく、読者を惹き付けられるような項目名にすることが大切です。

例えば、あなたがダイエットの電子書籍を作成・出版しようと考えていたとします。この場合、もくじ(章立て)に書かれている項目名が、「ダイエットにおける食事内容の重要性」「ダイエット中の食事での心構え」「ダイエットに有効な食品」などのありきたりな言葉ではいけません。

そこで、インパクトのある項目名にする必要があります。例えば、以下のようになります。

  • 脂肪を摂取すれば、ダイエットに成功できる?
  • スリムな体を手に入れる3ステップ
  • リバウンドしない秘密の食材とは!?

このような項目名にすることで、ダイエットを考えている人の興味を引くもくじを作り上げることできます。

また電子書籍のまえがきの部分についても、タイトルやもくじと同じように、読者を惹き付けるような内容を執筆しましょう。

このとき、まえがきが本の内容を説明するだけの文になってはいけません。そうではなく、読み手の印象に強く残る、最も面白い内容を書くようにしましょう。最初が面白くなければ、読者は「本の中身をつまらないだろう」と考え、購入してくれることはないからです。

そうして、「タイトル → もくじ → まえがき」の流れを通して、電子書籍の無料サンプルを読んだ読者に強烈なアピールをします。これにより、読み手が本を買ってくれる可能性を高めることができます。

著者プロフィールの適切な書き方

そうして文章(本の中身)まで構築した後、著者プロフィールを考えなければいけません。プロフィールでは、読み手を惹きつける文章に作り上げることが重要です。

具体的な方法としては、著者が過去にたどってきた道筋を考えた上で、簡潔なストーリーに仕上げます。ストーリー化することによって、多くの読者がプロフィール欄を最後まで読んでくれるようになるからです。また、プロフィールで読み手の共感を得ることができれば、読者が本を購入してくれる可能性が高くなります。

プロフィールの書き方については、ベストセラー「伝え方が9割」の著者プロフィールが参考になります。

上智大学大学院を卒業後、1997年博報堂に入社。もともと伝えることが得意でなかったにもかかわらず、コピーライターとして配属され苦しむ。ストレスから1年で体重が15%増、アゴも無くなる。あるとき、伝え方には技術があることを発見。そこから伝え方だけでなく、人生ががらりと変わる。本書はその体験と、発見した技術を赤裸裸に綴ったもの。

後に書籍『スティーブ・ジョブズ』に出てくる伝説のクリエーター、リー・クロウのもと米国で2年間インターナショナルな仕事に従事。日本人初、米国の広告賞OneShow Designでゴールド賞を獲得(Mr.Children)

このように、プロフィール内だけで一つのストーリーが出来上がっています。ダメだった人生から、一つの解決策を見つけて成功者になったように記すのです。

このときのポイントの一つとして、「電子書籍の内容に関連しない部分は、できるだけ記載しないようにする」ことがあげられます。

例えば、あなたがダイエットの電子書籍を出版したとします。このとき、「高校生時代に太ってしまった」「社会人になって、独自のダイエット方法を編み出して痩せた」といった経歴があるのであれば、プロフィールの文章に加えるようにします。

その一方で、「出身校は工業高校だった」「趣味はスノボー」などのように、ダイエットに関わりのない情報を記載してはいけません。本の内容に関係する情報だけをピックアップして物語形式にすれば、プロフィールを読んだ人に共感してもらえる可能性が高くなります。

電子書籍での表紙設定の注意点

これらすべての過程を終えた後、最後に作り上げるべきものが表紙です。電子書籍を販売する場合、紙媒体の本と同じように、「どのような表紙を作り上げるのか」は重要なポイントになります。電子書籍の表紙は、お客さんに内容のすばらしさをイメージさせる役目があるからです。

このとき一般的な本であると、以下のようにデザイン性に優れた表紙を出版社が考えてくれます。

これと同じように、電子書籍であってもデザインはそれなりのものにしましょう。電子書籍の表紙を設定する場合、素人臭い作りにならないように、しっかりとしたものを制作しなければなりません。

そのため、デザイナーに依頼するのは必須です。もし、知り合いにデザイナーがいなくてもクラウドソーシングによるサービスを使えばいくらでもデザイナーを見つけることができます。

このような意識や方法で電子書籍の表紙制作を行うことにより、お客様が電子書籍を購入してくれる確率を高められるようになります。

一冊の本と同じ厚みがベストセラーになる

このとき、電子書籍作成での勘違いとして、「2~3万字ほどの簡単な電子書籍を出せばいい」という考え方の人が非常に多いことがあげられます。ただ、これは勘違いなのでやめたほうがいいです。

確かに電子書籍としての販売なので、紙の本に比べると安い価格で販売することになります。通常は100~300円であり、高くても500円です。

しかし、実際に電子書籍を売ることを考えたときに500円ほどで売るからといって、2万文字ほどで仕上げて「本当の意味で『500円程度』の内容の電子書籍」を販売してはいけません。その場合、読者はがっかりして「この本の作者の実力はこの程度」と落胆します。

そうではなく、紙の本として商業出版するレベルで濃い内容を電子書籍の中にすべて詰め込むようにしましょう。一般的に一冊の本は10万文字といわれています。それだけの内容を電子書籍として詰めるのです。

私の知り合いにも、自らビジネスを動かしながら電子書籍を発売し、いまでも売れ続けている人が何人もいます。彼ら彼女たちには共通点があり、それは全員が「紙の本として出しても問題ないほど濃い内容を電子書籍に入れた」ことです。

もっているノウハウを電子書籍に詰め込み、その量も多いからこそ読者は「これだけの内容がたった500円!」と感動するわけです。良い意味でお客さんの期待を裏切れば、電子書籍を売ったときの影響が大きくなります。電子書籍の作り方を考えるうえで、実はこの考え方は一番のキモになります。

リスト取りが電子書籍の最大の目的

それでは、なぜ電子書籍よってそうした濃い情報を提供しなければいけないのでしょうか。それは、電子書籍を出す一番の目的はリスト取りだからです。

ネットビジネスでもリアルビジネスでも、顧客リストを取得することが最も重要になります。お客さんとなる見込み客の名簿をもっていれば、そこにアプローチすることでいつでも売上を作り出すことができるからです。

このとき、Webマーケティングで最重要になるリストがメールアドレスです。電子書籍を販売した後、購入してもらったお客さんのメールアドレスを集めることができるのです。

たとえ300円や500円でもいいので、電子書籍を購入してくれた人は濃い見込み客だといえます。そうした人のメールアドレスを効率的に集めるために電子書籍を活用するのが大原則です。そうしたとき、本を読んでくれた人をファンにしなければいけません。

そのため、本の中にできるだけ多くのノウハウを出し尽くし、「この人はものすごい知識とスキルをもっている」と思わせる必要があるのです。そのため、2~3万字ほどの電子書籍にするのではなく、10万文字ほどの濃い内容にするのは必須だといえます。

電子書籍の文章を校正する場合のポイント

なお電子書籍に限らず、出版する本の文章を作成する場合には、どうしても誤変換や誤入力が発生しやすいです。そして、本の中に誤字・脱字などのミスが多く発生している場合、読み手は残念な気持ちに襲われます。

そこで電子書籍用の文章を作成した後は、少なくとも三度以上は見直しを行うようにしましょう。

このとき、できれば第三者に校正(内容の見直し)を依頼したほうが良いです。第三者は文章を100%客観的に読み込むことができるからです。著者自身が間違った表現方法を使っていたとしても、第三者であれば見つけて指摘してくれる可能性が高いです。

紙媒体の本を商業出版する場合、担当の編集者が文章内容を細かくチェックしてくれます。編集者だけでなく、校正者と呼ばれる人の目も入ります。何度も修正をくり返し行い、文章の精度を高めることができるのです。

その一方で、電子書籍を出版する場合、出版社を通さず自分で電子書籍を出すケースだと、担当の編集者が中身をチェックしてくれることはありません。そのためクラウドソーシングの外注でも何でもいいので、文章校正として第三者の目を加えるのは必須です。

このときのポイントとしては、できるだけ文章能力に長けた人に読んでもらうことがあげられます。具体的には、今まで数多くの記事を作成してきたライターに見てもらうのが最適です。

出版後に行うべきインターネット上の販促活動のポイント

ここまでのことを意識して濃い内容の書籍を作り上げましょう。ただ、そうして電子書籍を仕上げた後は実際に売ることを考える必要があります。

読者が電子書籍を買う場合、その本が登録されているメディア(Amazonやkindleなど)にアクセスし、そのサイト内で本を探して購入する形になります。そのため、ほぼ100%の確率で本を売るときはネットマーケティングを仕掛けることになります。電子書籍の性質上、インターネットに重点を置いた販促活動を行うことが重要になるのです。

例えば、Webサイトやブログなどの自社メディアを構築しているのであれば、その媒体を使って電子書籍を出版したことを大きくアピールする必要があります。また、メールマガジン(メルマガ)にたくさんの登録者がいるのであれば、メルマガ内でも出版した電子書籍のことを伝えなければいけません。

これらの方法であれば、広告費ゼロで電子書籍を宣伝することができます。

電子書籍を売る手法として、やり方は決まっています。それは、「2週間の期間中だけ100円のキャンペーンを実施する」などによって、短期間で多くの電子書籍を販売するだけです。定価500円のところ、100円にするのです。

100円なので簡単に購入してくれます。そのため、簡単にAmazonでのカテゴリー1位を取ることができます。

そうした実績をWebサイトやメルマガ、SNSに掲載することでさらに宣伝していくことができます。電子書籍を売る方法としては、実はこのやり方くらいしか存在しません。そのため、売り方はかなりシンプルだといえます。

できるだけ最初にたくさん売り、多くの人の口コミを生み出すように仕向けるのが電子書籍の売り方です。100円のキャンペーン期間でたくさん宣伝し、いろんな人を巻き込むように仕向けましょう。

電子書籍の著者になり、出版する意義を理解する

実際のところ、ビジネスにおいて電子書籍を出したとしても大きな実績にはなりません。電子書籍は誰でも出すことができるからです。

ただ、それでもなぜ多くの人が電子書籍を出版するかというと、作家としてのブランディングではなく、「リスト取りを実現するため」という目的があります。自分のビジネスに役立てるために電子書籍を出すのです。

このとき、タイトルやもくじ(章立て)、まえがきなどを考えたうえで実際に執筆活動に取り組むようにします。そこで10万文字ほどの濃い内容を考え、中身が薄くならないように意識するといいです。

当然、出版後の販売方法まで視野に入れて執筆活動に取り組みましょう。ここまでを実施すれば、リスト取りが進んでビジネスを行いやすくなります。

出版コンサルティングの実施

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