企業が活動するとき、どうにかして資金を用意しなければいけません。お金がなければ商品を仕入れることができませんし、従業員を雇うこともできません。

このときの資金調達の最も分かりやすい例は「頑張って稼ぐ」ことです。自力でお金を生み出せば、誰にも文句をいわれることなく好きに活用することができます。ただ、実際は会社がすべて自前でお金を用意するのは稀です。銀行から借りたり、投資家に出資してもらったりします。

当然ながら、借金をしたり投資をしてもらったりすると、それだけコストがかかります。ファイナンスでは、このときのコストを負債コストと呼んだり、株式資本コストと呼んだりします。ここでは、この考え方について学んでいきます。

負債コストとは

銀行などからお金を借りる企業は多いです。自分だけの力ではできなかった事業であっても、借金をすれば新たな設備投資を行うことができます。ただ、このとき借りたお金は後で利子をつけて返さなければいけません。

簡単に考えれば、このときの利子が負債コストに当たります。債権者(お金を貸す人)にとってみれば、企業に貸した利子の分だけリターンを要求します。ただ、このリターンの部分は、会社側にとってはコストになります。例えば、銀行からお金を借りるときの利子が2%だとすると、負債コストは2%になります。

会社によっては、社債を発行することがあります。社債とは、国債の会社バージョンだと考えてください。投資家からお金を出資してもらい、数年後にいくらかの利子をつけて返す契約を結びます。社債も負債コストです。

株式資本コストとは

負債コストに対して、株式資本コストとは「株主が要求するリターン」のことを指します。株主であれば、出資することによって、当然ながらリターンを要求します。このときのリターンは、企業にとってコストとなります。

ただ、株式資本コストを測るのは難しいです。株主によって、要求するリターンが異なるからです。ある株主は、「この会社の株は危険なため、多くのリターンを要求したい」と思うかもしれません。その反対に、他の株主は「将来にわたって事業が安定しているため、リターンは少なくても我慢する」と考えることもあります。

また、株主が考える見返りには2通りあります。1つは配当です。インカムゲインとも呼ばれますが、主要株主にとって重要なのはこちらです。

一方、デイトレードをしている人であれば、株価の方が重要です。キャピタルゲインとも呼ばれ、株価の差額によって儲ける方法です。

いずれにしても、株式投資している人からすれば、「投資しているのだから、配当や株価上昇でリターンをくださいね」と思うわけです。このときのコストまで考えなければいけません。

資本コストとは

これら負債コストと株式資本コストをあわせたものを、資本コストといいます。ファイナンスでは資本コストが重要であり、これを考慮しながらビジネスを動かさなければいけません。

多くの人は負債コストだけに着目します。銀行からの借り入れによる利子など、負債コストは損益計算書に「支払利息」として表れるため、とても分かりやすいからです。しかし、株式資本コストは会計上のどこにも表れません。

しかも、負債コストよりも株式資本コストの方が大きいです。これは、「お金を貸して利子をもらう」という場合よりも、「株式投資を行う」という場合の方がリスクが大きいからです。

前者であれば、会社がつぶれない限り、期限がくれば利子を上乗せして払ってくれます。しかし、後者の株式投資では、株価が下落すれば元本割れします。また、業績が悪ければ配当はありません。このようにリスクが大きいため、それだけ大きなリターンが要求されます。結果として、株式資本コストは高くなります。

そこで、本来は負債コストと株式資本コストを合わせた「資本コスト」で考えなければいけません。銀行からの利子だけに捉われていては、会社運営は成り立たないのです。

なお、株式資本コストというのは、「株価の下落」という形で表れます。株主の期待に応えられなかった場合、株主たちはその会社の株を売ります。その後、同じリスクではあるものの、より大きなリターンを期待できる会社の株を購入するのが基本だからです。

株価の下落というのは、企業価値が下がることを意味します。これを防ぐためにも、株式資本コストまで意識しなければいけません。

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