サラリーマンが会社で働いていると、いずれ管理職と呼ばれるポジションにつきます。管理職とは「部下を持ち、人を管理する職務」のことです。これまでの管理される立場から他人を管理する立場になるため、管理職になることはサラリーマン人生における大きな変化です。

その転換期に、「実際に管理職になったが、どうすれば良いマネージャーになれるかが分からない」、あるいは「良いマネージャーになろうと努力しているのだが、間違った方向に進んでいはいないか」と悩んでいる人も多いかと思います。

部下のマネジメントを行うとき、陥りやすい間違いが存在します。そこで、あなたが良いマネージャーを目指すときに犯しやすい3つの間違いである「自分がチームを1から作らなければいけない」「部下をやる気にさせなければいけない」「チームをいい雰囲気にしなければいけない」について説明します。

「人をマネジメントする」とは?

そもそも「人をマネジメントする」とは、何を意味することなのでしょうか。

例えば、チームを1から作り上げ、チームの構成員をやる気に満ち溢れさせ、チームの雰囲気を良くすることを考える人もいるでしょう。しかし、そのようなことを実践する必要はありません。

マネジメントとは会社の資産であるヒト・モノ・カネを管理することで、会社の収益を最大化させることを目的とした行為です。ヒトを管理する場合も同じで、最終目的は組織の仕事の成果を最大化させることです。決して、組織の人が気持ちよく働くことではありません。

もちろん組織の人が気持ちよく働けていて成果が出る場合もあります。しかしプレッシャーがなく弛んでいる組織では、従業員はゆったりと仕事をしているだけの状態なので効率的に成果が出ることはありません。気持ちが良いというのは抽象的な表現であり、場合によっては「プレッシャー無く緩んだ組織」という誤解に繋がる可能性があります。

逆にチーム仲は険悪だが、結果が出る場合もあります。内部の対立構造がうまく機能して、成果が出るパターンです。例えば、「A課長とB課長はいつもけんかをしているが、そのおかげで部全体の緊張感が保たれ、全員がよく働く」という場合です。

このように「人をマネジメントする」ことは、抽象的なイメージだけを持って行うと間違いを犯す可能性があります。繰り返しますが、人を管理することで会社の収益を最大化させるという点を理解しましょう。

「自分がチームを1から作らなければいけない」という間違い

ここまでを理解したうえで、新任管理職が起こしやすいミスを確認していきます。

マネージャーになると、「自分がその組織を1から作らなければならない」という勘違いをする人がいます。しかし、その必要はありません。

あなたが起業家なら、人を集めるところから始めなければなりません。このとき、人材を見抜くのは容易ではありません。しかし、サラリーマンであるなら既に組織の土台はできています。会社のレベルに合った人材がいて、組織目標を達成するために必要な人数・人材が与えられる場合がほとんどです。あなたは組織の問題を見つけ改善し、上手に機能させてやれば良いのです。

例えるならば、マネージャーとは車の整備士と同じです。与えられた車のどこに欠陥があるか発見し、対策として潤滑油を入れたり、パーツを付け替えたりします。色々と選択肢がある中で、どう修理すれば性能を最大限発揮させて、最大馬力で走ることができるのかを見つけるのです。

つまり必要なものは基本的に揃っていて、あとは少し修理すれば良いかを探るのです。決して最初から車を作る必要は無いのです。

マネージャーが不要な組織もある

また、マネジメントが不要の場合もあります。つまり運がよければ、既に完璧な組織が構築されており、何も仕事をしなくとも勝手に成果が上がるようになっているのです。ただし、その場合はマネージャーとしての能力を発揮する機会がないでしょう。

敏腕マネージャーとは、問題が多い人たちをうまく使いこなして、目標を達成できる人のことをいいます。つまり元々問題の少ない人たちを部下にして、「敏腕マネージャーになるには」と考えていても仕方がないのです。結果が出ていれば、何もしないという選択肢を取れば良いです。

「部下をやる気にさせなければいけない」という勘違い

良いマネージャーになるためには「部下をやる気にさせなければいけない」というのも間違いです。

必ずしも部下全員がやる気になっていなくても、仕事で結果が出るからです。あくまで目標はチームとしての成果を最大限発揮させることであり、これを「部下のやる気を引き出すこと」と勘違いしてはいけません。

やる気が無さそうに見えても、与えられた仕事はしっかりやっている人はたくさんいます。そこでやる気を全面に出させるのではなく、その人の持つ能力を最大限に引き出すことがマネージャーに求められているのです。

部下の機嫌を取ることは間違い

場合によっては、人をマネジメントすることを「部下の機嫌をとること」と捉えている人がいます。ただ、これも間違いです。

例えば、i phoneを開発したことで知られるスティーブ・ジョブズは部下を罵倒したことでよく知られています。しかし彼は、Macやi phoneを生み出しIT社会の発展に大きく貢献したアップル社や、世界で大人気となった初の3Dアニメーション「トイストーリー」を製作したピクサー社などの一大企業を残しているのです。「とにかく部下を行動させる」というやり方も1つのマネジメントといえるのです。

あるいは、あえて部下へ厳しい言葉をなげかけるのも1つの戦略です。見返したいという気持ちをバネにする人には効果的です。

つまり人によって、求める仕事をやらせるために最適な方法が違っているのです。そこで重要になるのが、相手の反応を予測することです。それぞれの人には、得意不得意があり、またその性格に合わせて、対応を変えることが上手な部下管理法となります。

全員を満足させることはできない

マネジメントの基本はそれぞれの部下に適切な業務を与えることです。各自の能力に合った業務を与えることで集団としての仕事の成果が最大化されます。

しかし、それだけでは部下全員を満足させることはできないと考えるべきです。どんな仕事を与えても不満をもらす人間がいます。そういった人には別のアプローチをする必要があります。

例えば、いつも文句ばかりを言っているAさんがいるとします。Aさんにとって「満足の指標」は仕事の内容ではなく、「上司にどれだけケアされながら仕事を進められるか」という点です。この場合、Aさんには細かく仕事の状況を聞いてやることが対策方法になります。

仕事をする上で、「誰もが納得する」「皆に好かれる」というようなやり方はありません。率いる部下が多ければ多いほど、「全員を満足させることはできない」ことをマネージャーは理解するべきです。そこで、あなたの有限の時間を使って組織の仕事の成果を最大化させるためには、「誰にどうアプローチするのが良いかを考える」ことが重要になるのです。

例えば、文句ばかり言うAさんとBさんの二人が部下にいたとします。同じケアをするにしても、あなたの有限な時間を使うべきなのは二人のうち能力の高い方です。これが現実的な人のマネジメントなのです。

「チームをいい雰囲気にしなければいけない」という勘違い

「チームを良い雰囲気にしなければいけない」というのも間違いです。

そもそも良い雰囲気とは何でしょうか。部下が仲良く楽しんで仕事をしている様子をイメージするでしょうか。しかし、実際はそのような状態になることはありません。

ビジネスである以上、お互いの文句や口論があって当然です。むしろ対立構造からより良い組織ができると考えるべきです。対立関係は、ライバル意識をうまく使えば大きな成果を出すことにも繋がります。

例えば、若手のホープのA君とB君は仲が悪いとします。あなたはこの対立構造に目をつけるべきです。あなたの組織の目玉プロジェクトについて、プレゼンを二人に準備させて競わせ、組織メンバーに評価させるのです。

勝った方は自信をつけて、本番に良いプレゼンができます。負けた方は「次こそ」と闘志を燃やして、次の機会に向けて努力を積むようになります。その二人の競う様子は、組織メンバーにも良い影響を与えます。

仕事をするには敵も必要

人間というのは「敵がいて初めてやる気が出る」という性質があります。これに気付くことができれば、人を使って大きな成果を出すことができます。

例えば、あなたの会社にとって競合となる企業が複数存在していたとします。その場合、あなたはターゲットを一社に絞り、そこに勝つことを組織の目標にするべきです。明確な敵の像を作ることで、士気が高まります。

そのうえで、本当にチームの仕事に悪影響しかないと思う部分を見抜き、取り除くのがマネージャーの役目です。

例えば、何度注意しても仕事のやり方が改善されないAさんは、仕事に対するやる気を失ってチームにも悪影響を与えています。こういう人物は、対策の効果がなければ上司にかけあってチームから外すようにするべきです。

このように人をマネジメントすることは、考え違えると大きなミスに繋がります。あくまで成果を出すという観点で「部下をどう扱うのが最大の効果を生み出すのか」を考える必要があるのです。したがって、それぞれの人物や人間関係を深く理解できている人は、優れたマネージャーになることができるといえるでしょう。

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