ビジネス戦略

訪日外国人観光客の特徴とインバウンドビジネスへの活用法

インバウンド(訪日外国人観光客)ビジネスは、年々市場規模が拡大しています。またインバウンドビジネスには、さまざまな業界が関連しているため、多くの企業がインバウンドビジネスへの参入を検討・実行しています。

そうしたインバウンドビジネスで成功するためには、ビジネスの対象となる訪日外国人観光客について理解しておくことが重要です。

特に、インバウンドビジネスを始める上では、「訪日外国人観光客が日本に対して期待していること」「訪日外国人旅行客の情報収集方法」「訪日外国人観光客が求めるサービス」の3つを理解してビジネスに応用することが欠かせません。

そこで今回は、「訪日外国人観光客の特徴とインバウンドビジネスへの活用法」について解説します。

訪日外国人観光客が日本に期待していること

外国人観光客が日本を訪れた際に期待していることとして、「食」「買い物」の2つが良く挙げられます。インバウンドビジネスで成功するためには、こうした訪日外国人観光客のニーズを把握しておくことが大切です。

そこで以下に、訪日外国人観光客が日本に期待することについて記します。

2015年に行われた観光庁の調べによって、外国人観光客が日本を訪れる前に最も期待していたことは「食事」であることが明らかになっています。具体的には、訪日外国人観光客の4人に1人が、訪日の目的を食だと答えています。

そして、日本における食の中でも、最も人気が高いのは「ラーメン」です。訪日外国人観光客が「実際に食べておいしかった」と感じた食品は、ラーメンに続いて刺身・寿司、とんかつ、てんぷらの順になります。

また、日本食というと、2013年にユネスコの無形文化遺産として「和食」が登録されたことで注目を集めるようになりました。訪日外国人観光客に人気が高いのはラーメンですが、当然ながら和食を求めて日本を訪れる人も少なくありません。

このように、外国人観光客が訪日する大きな目的となっている日本食ですが、外国人観光客は具体的に日本食の何に対して魅力を感じているのでしょうか。

2015年に行われた調査によると、外国人が日本食に対して素晴らしいと感じるところとして、「食材の新鮮さ」「盛り付けの美しさ」「ヘルシーさ」などが上位に挙げられました。そのため、訪日外国人観光客に対して飲食のサービスを提供する場合には、こうした点を意識しなければいけません。

インバウンドビジネスを行う上では、このような訪日外国人観光客の日本食に対するイメージを理解することが重要になります。

買い物

買い物(ショッピング)は、食事に続いて外国人観光客が日本を訪れる前に期待していることとして挙げられます。

外国人観光客の中には、高品質な日本製の商品を求めて日本を訪れる人も少なくありません。例えば、日本製のデジカメやビデオカメラなどの家電製品は、訪日外国人観光客に人気の商品です。

また、そうした高額の商品だけでなく、菓子類や食料品、化粧品なども外国人観光客に人気があります。

実際に、2014年に行われた観光庁の調査によると、訪日外国人観光客が日本で買った商品としては、菓子類の購入率が最も高いことが明らかになっています。そして、菓子類に続いて、食料品(飲料・酒)・タバコ、衣類、化粧品・香水、医薬品・健康グッズ、和服・民芸品、電気製品の順に人気があります。

これは、お土産としてお菓子類などの消耗品を買って帰る訪日外国人観光客が多い結果だと考えられます。

特にお菓子類の中でも、「チョコレート」と「キットカット」は人気が高い商品であることがわかっています。さらに、「東京バナナ」や「宇治抹茶」「北海道小豆」など、日本の各地における地域限定商品を求めている訪日外国人観光客も多くいます。

そのため、インバウンドビジネスで日用品やお土産品といった商品の販売を行う場合には、こうした訪日外国人観光客に人気が高い商品を取り揃えておくことが大切です。

このように、訪日外国人観光客の買い物動向を理解しておくことも、インバウンドビジネスを行う上では欠かせません。

買い物する場所

このように外国人観光客が日本を訪れる目的の一つとして、買い物が挙げられます。そして、訪日外国人観光客が買い物する場所についても、一定の傾向があります。

2014年に実施された観光庁の調査によると、訪日外国人観光客が最も多く買い物をする場所は、「スーパー・ショッピングセンター」であることが明らかになっています。それに次いで、「空港の免税店」「コンビニエンスストア」「百貨店・デパート」が順に続いています。

既に述べたように、訪日外国人観光客に人気の高い商品がお菓子類であることが、「スーパーやショッピングセンター、コンビニエンスストアなどで買い物をする外国人観光客が多い」ということに関係していると考えられます。

そして、こうした事実に基づいて、セブンイレブンやイオングループのスーパーなどでは、外国人観光客に向けた免税店化や、ATMの多言語対応化などを実施しています。

このように、買い物をしやすい場所に外国人向けのサービスを取り入れることで、訪日外国人観光客の満足度を高めることにつながります。

インバウンドビジネスを行う際には、こうした訪日外国人観光客が訪れやすい場所について知っておくことも重要になります。

訪日外国人観光客の情報収集方法

インバウンドビジネスで成功するためには、訪日外国人観光客を集客することが必須になります。そこで以下に、訪日外国人観光客が日本の情報を収集する方法と、そのことを活用した集客方法について記します。

ウェブサイト

日本を訪れる外国人旅行者の多くは、インターネットを使って日本に関する情報を集めます。具体的には、旅行出発前に外国人観光客が日本について調べる際に利用される情報源として、「検索サイト」や「ブログ」「旅行会社のホームページ」などが多く活用されています。

また、日本滞在中においても、ほとんどの人はインターネットを使って情報を得ています。

こうしたことから、訪日外国人観光客を集客するためには、ウェブサイトの活用は必須になります。自社のホームページやブログで、外国人観光客に役立つ情報を発信することで、自然と自社への集客ができるようになります。

特に、訪日外国人観光客が検索しやすいワードに関する情報を掲載しておくと、多くの外国人によってホームページやブログが検索され、あなたの会社が認知されるようになります。

そのため、訪日外国人観光客の集客を目的とする場合には、外国語に対応したウェブサイトを作成するだけでなく、こうした情報発信の仕方も工夫する必要があります。また、SNSや外国人向けポータルサイトを活用することも有効です。

このように、ウェブサイトを使った集客は、インバウンドビジネスで成功するためには必須になります。

旅行会社・宿泊施設との提携

インターネットを使ったウェブ集客は、継続性の高い集客方法です。ただ、こうしたウェブ集客の弱点として「集客するまでに時間がかかる」ということが挙げられます。

そうした際に、手っ取り早く訪日外国人観光客を集客する方法として、旅行会社や宿泊施設との提携があります。

多くの訪日外国人観光客は、旅行会社が提供している団体ツアーを利用します。つまり、旅行会社によってあらかじめ決められたルートを回ります。

そのため、旅行会社と提携してツアーに自社の利用を組み込んでもらうことができれば、それだけで多くの外国人観光客を集客することにつながります。ただ、外国人観光客のツアー内容のほとんどは、現地の旅行会社が決めています。

そうした中で、旅行会社と連携するためには、インバウンドビジネスを促進する団体へ加盟したり、インベントに参加したりすることが有効です。こうした活動で、現地の旅行会社やツアーオペレーターとつながりを持つことができれば、旅行会社と提携できる可能性ができます。

また、こうした旅行会社だけでなく、訪日外国人観光客が利用する宿泊施設と提携することも集客方法として有効だといえます。

訪日外国人観光客が訪れる宿泊施設内に自社の広告を貼ってもらったり、チラシを置いてもらったりすることで、その宿泊施設を利用した観光客を集客することにつながります。さらに、フロント係などに営業して自社を覚えてもらうことができれば、観光客に対しておススメとして紹介してもらえる可能性もあります。

このように、短期的に訪日外国人観光客を集客するためには、旅行会社や宿泊施設との連携は有効になります。

旅行情報サイトの活用

旅行情報サイトとは、旅行者向けに作られた、国内外におけるホテルや旅館に関する情報を検索することができるウェブサイトです。

例えば、「トリップアドバイザー」や「トラベルjp」「Find Travel」などは、日本で認知度が高い旅行情報サイトです。

これらの旅行情報サイトには、実際にホテルや旅館、レストランなどを利用した人の口コミや、ランキングなどが掲載されています。そのため、検索者はそれらの情報を元に宿泊先などを検討することができます。

外国人旅行客のほとんどは、こうした旅行情報サイトの口コミやランキングを見て、宿泊先のホテルや食事に利用するレストランを決めています。こうしたことから、旅行情報サイトを上手く活用することで、訪日外国人観光客を集客することができるようになります。

旅行情報サイトに登録して、良い口コミが投稿されたり、ランキングが上位に表示されたりするようになると、自然と訪日外国人観光客への認知度が高まります。

ただ、旅行情報サイトに登録するだけでは、良い口コミが書き込まれることも、ランキングで上位に表示されることもありません。

登録後に、写真やアメニティなどの設備情報を更新したり、口コミに対して返信したりするなど、登録後も来訪者やサイトからの評価を高めるような工夫をしなければいけません。

このように、旅行情報サイトを上手く活用することも、訪日外国人観光客を集客するために有効な手段になります。

訪日外国人観光客が求めるサービス・設備

インバウンドビジネスを成功させるためには、訪日外国人旅行客の集客と同時に、受け入れのための準備をする必要があります。どれだけ集客ができても、お客様に満足いただけるようなサービスを提供することができなければ、継続した利用につながりません。

そうしたことを避けるためにも、インバウンドビジネスを実施する際には、訪日外国人観光客を受け入れる準備にも力を入れる必要があります。

そこで以下に、訪日外国人観光客が求めるサービス・設備と、受け入れ体制整備のポイントについて記します。

組織体制

外国人観光客を受け入れる際には、一人の従業員や一つの施設だけでなく、施設や地域全体で迎え入れることになります。

訪日外国人観光客は、日本を観光する際に、それぞれの旅館や飲食店だけでなく、訪れた地域全体に質の高いサービスを求めています。

例えば、あなたが訪日外国人旅行客を対象とした旅館を経営していたとします。あなたの旅館を利用したお客様は、当然ながら旅館周辺のレストランやお土産屋さん、公共交通機関などを利用することになります。

その際に、いくらあなたの旅館が素晴らしいサービスを提供していても、他のサービスに問題があると、外国人旅行客は「○○(地域名)は良くなかった」という印象を持つことになります。

そうしたことを避けるためにも、インバウンドビジネスを成功させるためには、自社内における組織体制はもちろんのこと、外部企業や団体との連携も大切になります。

このように、地域全体の組織体制を整えることで、訪日外国人観光客に人気の観光地となります。

インフラ

インフラとは、「インフラストラクチャー」の略語であり、「下部構造」という意味を有しています。そして、ここでのインフラとは、サービスを提供するための「設備」のことを指します。

例えば、外国語による標識やクレジットカードの決済システムの取り入れ、海外カードに対応したATMの設置、「Wi-Fi」環境の整備などは、インバウンドビジネスで必須のインフラ整備になります。

特に、訪日外国人観光客のほとんどは、インターネットを使って日本の観光情報を調べるため、常にインターネットを利用できる環境であることを求めています。そのため、訪日外国人向けのサービスを提供する場合には、外国人観光客が簡単に利用できるようなWi-Fi環境を整えておくことは欠かせません。

そして、施設内ではもちろんのこと、街中でもWi-Fiを使えるように整備しておくことが大切です。あなたが海外旅行に行って街中で道に迷ったときに、もしインターネットを利用できなければ非常に困ることは想像できると思います。

こうした不便さを感じさせないようにするためにも、訪日外国人観光客に必要なインフラを整えておくことが大切になります。

教育

インバウンドビジネスを行う際には、働くスタッフに対しても、訪日外国人観光客に対応した内容の教育が必要になります。

異国から日本を訪れている観光客に満足してもらえるようなサービスを提供するためには、当然ながら日本人に対する接客とは違った視点で対応することが必要になります。そして、訪日外国人観光客も、自分たちに合ったサービスを求めています。

中でも、語学はインバウンドビジネスに関わるスタッフに必須の教育です。例えば、訪日中国人観光客を対象としたビジネスに取り組もうと考えているとします。その際に、従業員が中国語を話すことができなければ、お客様とコミュニケーションすら取ることができないため、当然ながらお客様は不満を抱えることになります。

その他にも、インバウンドビジネスにおけるノウハウや市場動向、リスク管理などに関する教育も必要になります。

このように、インバウンドビジネスに参入する際には、訪日外国人観光客のニーズに対応するための従業員教育も重要になります。

今回述べたように、インバウンドビジネスで成功するためには、訪日外国人観光客の特徴を把握しておくことが大切です。そして、そうした訪日外国人観光客の特性に合わせた集客方法や受け入れ体制の準備を行うことで、インバウンドビジネスで成功することができるようになります。

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