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インバウンド(訪日外国人観光客)ビジネスを行う際には、インバウンドビジネス特有の問題が発生しやすくなります。そしてそうしたトラブルは、日本を訪れた外国人観光客の不満となり、リピート客の獲得を妨げることになります。

そのため、インバウンドビジネスで成功するためには、インバウンドビジネスで起こりやすい問題を把握して、対処することが大切です。そうすることで、訪日外国人観光客に満足度が高いサービスを提供することができ、結果的にビジネスとして成功することにつながります。

そこで今回は、「インバウンドビジネスで生じやすい問題と解決策」について解説します。

訪日外国人旅行客が抱えやすい不満

訪日外国人観光客が日本を訪れたときに起こりやすいトラブルは、主に「言語対応」「決済サービス」「通信環境」の3つです。実際に、2014年に日本経済新聞社が行った「おもてなし不満ランキング」には、これら3つが上位にランクインしています。

具体的なランキングは、以下の通りです。

1位 外国語サービスが少ない
2位 無料Wi-Fiの環境が遅れている
3位 飲食店の食券システムがわからない
4位 飲食店で食べ方を教えてくれない
5位 現金しか使えない店が多い
6位 飲食店は値段の割に量が少ない
7位 禁煙スペースのない飲食店がある
8位 過剰包装の店が多い
9位 日本円の引き出しや両替をしにくい
10位 対応に柔軟性がない、お土産屋が少ない

このうち、1位と3位、4位は、言語対応に関することであり、多くの訪日外国人観光客が日本における言語対応サービスに不満を感じていることがわかります。

このように、せっかく旅行で日本を訪れても、言葉が通じなかったり、調べ物をしようとしてもインターネット環境が整っていなかったりすると、観光を楽しむことができずに帰国することになります。

そうしたことを避けるためにも、まずは訪日外国人観光客が「どのようなことに不満を抱えているのか?」ということを把握することが大切です。

そこで以下に、訪日外国人観光客が抱えやすい不満について記します。

言語対応

日本において、言語対応に不満を抱えている訪日外国人観光客は多いです。

例えば、「レジャーランドでショーを見に行ったのに、全て日本語であったため楽しめなかった」「食券の買い方がわからなかったが、店員が日本語しか話せず結局諦めた」などは、訪日外国人観光客の多くが感じることです。

その他にも、「言葉が通じないばかりに、商品に関する説明や免税商品の取り扱い方などを十分に受けることができず、のちのちトラブルに発展した……」ということもあります。

また、外国語を話せないことが原因で、外国人観光客の接客を避けるスタッフもおり、そうした態度に対して不快感を持つ外国人観光客も少なくありません。

具体的には、外国人観光客が来店したときに「接客をためらって一歩後ろに下がってしまう」といった行動が、外国人観光客に対して「外国人を嫌っているのか?」という印象を与えることにつながっています。

このように、訪日外国人観光客の多くは、さまざまな場面で言語対応に不満を抱えています。

決済サービス

決済サービスも、訪日外国人観光客が不満を持つやすいことの一つです。決済サービスとは、商品やサービスに対する支払い方法のことです。例えば、代表的な決済方法としては、主に現金支払いとクレジットカード支払いの2つがあります。

そして、先ほど記した「おもてなし不満ランキング」の5位には「現金しか使えないお店が多い」ということが挙がっています。

訪日外国人観光客の多くは、ショッピングや食を目的に日本を訪れます。また、そうした人たちのほとんどは、日本における支払いをクレジットカードで行いたいと考えています。

外国人観光客が、異国で多額の現金を持ち歩きたくないと考えるのは当然です。さらに、使い慣れていない貨幣で支払いをするのは非常に手間がかかるため、できるだけ避けたいと考えています。

こうしたことから、訪日外国人観光客の多くは、クレジットカードで支払いをしようと考えています。

そうした際に、訪れたお店の決済サービスが現金対応しか行っていなければ、わざわざ現金を用意するか、もしくは商品を諦めることになります。

このように、現金でしか対応していないお店に対して、不満を抱えている訪日外国人観光客は少なくありません。

通信環境

訪日外国人観光客が日本観光を行う際には、さまざまな事前調査をします。

例えば、目的とする観光地までの行き方や、人気のある食事場所の検索、ホテルまでの交通手段など、多くの場面で調べごとをします。そして、そうした調べごとをするときには、ほとんどの人がスマホやタブレットなどを用いています。

当然ながら、外国人観光客の中には、旅行ガイドブックなどを利用している人もいます。ただ、そうした雑誌や本を使っている人でも、雑誌や本から得られない情報はインターネットを活用して調べます。

また、外国人観光客の中には、SNSなどで旅行中の写真などを随時アップしている人も少なくありません

そのため、インターネットを使えないような環境であれば、多くの訪日外国人観光客が不便さを感じて不満を持つことになります。

このように、通信環境が整っていないことは、訪日外国人観光客が持ちやすい不満の一つです。

インバウンドビジネスにおけるトラブルの予防・解決策

訪日外国人観光客が感じやすい不満として、特に言語対応や決済サービス、通信環境の3つが挙げられます。そして、これら3つは、インバウンドビジネスにおけるトラブルの原因となりやすいものです。

そうしたことを避けるためにも、インバウンドビジネスを行う際には、言語対応と決済サービス、通信環境の3つにおいて、トラブル発生を防ぐための対策を立てることが重要になります。

そこで以下に、それぞれの問題に対する予防・解決策について記します。

言語対応

言語対応に対する不満は、訪日外国人観光客が最も抱きやすいものです。ただ、そうだからといって、インバウンドビジネスを行う全ての店に、流暢に外国語を話せるスタッフを入れなければいけないわけではありません。

訪日外国人観光客の言語対応には、いくつかのポイントがあります。特に、以下に記す3つのポイントを押さえておくことで、言語対応でのトラブルを予防することができるようになります。

・笑顔での対応が大切

訪日外国人観光客の多くは、日本人の店員に対して「自国語で対応して欲しい」と考えていません。むしろ、流暢な自国語で対応されると「せっかく日本に来ているのに、日本の雰囲気が味わえない」と感じる人も少なくありません。

例えば、あなたがアメリカに旅行に行ったとき、流暢な日本語で「こんにちは、いらっしゃい」と迎えられ、帰りも「ありがとうございました」と送り出されると、旅行気分が覚めてしまうのは想像できると思います。

そうではなく「ハロー」と笑顔で迎えられて、「グッドバイ」と送り出されるほうが、アメリカの雰囲気を味わうことができます。

そして、実際に訪日外国人観光客が日本人の店員に対して不満を感じているのは「外国人が店内へ入ったときに、店員が一歩引く」という行為です。つまり、店員が外国語を話せず、外国人に対して苦手意識を持っているのが相手に伝わってしまっているのです。

そのことが、訪日外国人観光客に対して「外国人を嫌っているのだろうか?」「愛想がない店員だな……」という印象を与えることになります。

そのため、外国人観光客の接客のポイントは、笑顔で明るく対応することが大切です。そして「こんにちわ」「いらっしゃい」など、簡単な日本語で迎え入れて、伝わりにくいところは、ジェスチャーなどを使って一生懸命伝えるようにすると、外国人観光客も不満を抱えにくくなります。

・商品説明などは事前に準備する

ただ、いくら笑顔で明るく接していても、しっかりと相手に伝えなければいけないこともあります。

例えば、商品の使い方や、免税商品の取り扱い方などは、しっかりと説明して理解してもらわなければ、のちのちトラブルに発展する可能性があります。

そうしたことを避けるためにも、商品の特徴や色、サイズの在庫、原材料などの詳しい説明や、免税商品に対する注意点などは、事前に何カ国語で書かれた説明書や注意書きなどを準備しておくことが大切です。特に、英語と中国語、韓国語の3ヶ国語は、準備しておくようにしましょう。

また、店内における「試着室はこちら」「現在使用中」「レジはこちら」などの注意POPに関しても、数ヶ国語で表記することが大切です。

・ツールを活用する

外国語を流暢に話せるスタッフを雇うことは、最も確実な外国人旅行客の言語対応対策になります。ただ、そうした人材を見つけることは容易ではありません。また、既に働いている従業員が英語を覚えることも、簡単なことではありません。

そうした際には、外国語が話せなくても外国人観光客の言語に対応できるいくつかの便利なツールがあります。それらを活用することで、外国人旅行客に不満を感じさせることなくショッピングやサービスを楽しんでもらうことができます。

例えば、「ピクトサイン」は、簡単に導入できる訪日外国人観光客の言語対応ツールです。ピクトサインとは、トイレや階段、障害者用など、各施設を表すイラストのマーク(視覚記号)です。以下の写真は、消火器の場所を示すピクトサインです。

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こうしたピクトサインを活用することで、言葉を使わなくても、外国人観光客に情報を提供したり、コミュニケーションをとったりすることができます。

また、「指先し会話集」を活用することも有効です。指差し会話集とは、色やサイズなど、よく利用される単語やフレーズが数ヶ国語で記載されているものであり、業界ごとに本が出版されています。

このような指差し会話集を店舗に常備しておけば、簡単な内容であれば指を指すだけで意思疎通ができるようになります。

その他にも、商品の使い方や特徴などであれば、動画で見せることも有効です。さらに、訪日外国人観光客に対する言語対応に活用できるツールには、以下のようなものがあります。

・三者間通話

・スマホの翻訳アプリ

・多国語のパンフレット

決済サービス

インバウンドビジネスを行う際には、訪日外国人旅行客の多くはクレジットカードを利用するため、クレジットカードでの決済を導入することをお勧めします。

ただその中でも、特にあなたが提供するサービスの利用が多い国で主に使われている決済方法に対応することが大切です。以下に、訪日外国人観光客の中でも多い、中国人と韓国人のほとんどが利用している決済サービスについて記します。

・銀聯(ぎんれん)カード

銀聯カードとは、中国で13億人以上が利用している「デビットカード」です。デビットカードとは、クレジットカードのように、商品を購入した翌月や翌々月に銀行口座から代金が引き落とされるのではなく、購入と同時に即時決済されるものです。

そのため、デビットカードは銀行口座に残高がなければ利用できません。

観光庁が2015年に行った調査によると、日本を訪れた中国人のうち44パーセントの人がデビットカードである銀聯カードを利用しています。こうしたことからも、中国人を対象にビジネスを行う場合には、銀聯カードでの決済に対応することは必須だといえます。

・新韓(しんはん)カード

日本を訪れる外国人旅行客の中には、韓国人も多くいます。そして、その韓国で最も多く発行されているクレジットカードが新韓カードです。

中国人では、日本においてデビットカードを利用する人が多いですが、韓国人はほとんどの人がデビットカードを使いません。実際に、韓国人でデビットカードを利用して買い物を行う人は、全体の1パーセントにも達していません。

このように、訪日人数が増えている韓国人が利用しているクレジットカードの決済システムを導入することも、今後インバウンドビジネスを行っていく上では欠かせません。

通信環境

インバウンドビジネスを行うのであれば、インターネット環境を整えることも必須になります。そして、通信環境を整備するための具体的な方法には、主に3つあります。

・Wi-Fi環境を整える

一つ目は、Wi-Fi環境を整えることです。施設内に無料で使えるWi-Fiを導入することで、外国人観光客が自由にインターネットを使うことができるようになります。

ただ、ここでのポイントは「外国人でも簡単に設定できるようなサービスである」ということです。

日本では、無料でWi-Fiを利用できる場所が多くなっています。しかし、ほとんどのWi-Fiサービスが日本人向けであり、外国人には設定が難しくなっているのが現状です。

そのため、Wi-Fiを導入する際には、外国人でも簡単に設定できるサービスを選ぶか、もしくは設定方法を多国語で説明したパンフレットなどを準備しておくことが大切です。

・SIMカードを活用する

SIMカードとは、海外から持ち込んだスマホや携帯電話に差し込むだけで、日本の通信会社の回線を利用できるようになるものです。つまり、SIMカードを活用することで、日本でも普段通り通信することができるようになります。

こうしたSIMカードは、国際空港や家電量販店などで販売されています。

Wi-Fi環境が整っていない場合には、外国人観光客に対してSIMカードの利用を勧めることで、通信環境の問題を解消することができます。

・Wi-Fiルーターを活用する

Wi-Fiルーターとは、ポケットサイズのルーターであり、それを持ち運びすることで、インターネットに接続できるようになるものです。そして、ルーターであればスマホだけでなく、タブレットやパソコンなどでも利用できる上に、複数人、複数台同時にインターネットにつなぐことができます。

実際に、静岡では2015年から静岡駅でWi-Fiルーターを無料でレンタルできるサービスを開始しています。

こうしたWi-Fiのルーターを外国人観光客に貸し出すことも、通信環境の問題を解消する一つの方法です。

今回述べたように、インバウンドビジネスに参入する際には、訪日外国人観光客が抱えやすい不満を理解しておくことが大切です。そして、それらに対する解決策を立てて実践することで、外国人観光客の満足度を高めることができるようになります。

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