ビジネスの基本はどれも同じです。これはネットビジネスでもリアルビジネスでも同様です。つまり、この基本さえ押さえればどの分野でも応用することができます。

これらビジネスの基本的な考えの一つとして、「コアを外してしまう」という方法があります。フランチャイズでは当たり前のように行われている手法です。

コアを外すとはどういうことか

フランチャイズを募集した後、加盟店に対してノウハウや商品を提供します。その代わり、売上の何割かを加盟店から課金することで成り立っているビジネスモデルがフランチャイズです。

ただこの時、加盟店からしてみれば「せっかく売り上げたうちの何割かが本社に吸い取られる」という事実はあまり好ましくありません。

そのため、ある程度続けてきて軌道に乗り始めた後に多くの加盟店が何を考えるかと言うと、「フランチャイズを辞めて自分独自の力で頑張ろう」と考え始めます。ノウハウは既に蓄積されていますし、あとは看板の名前を変えるだけです。

これは人間であれば、当然の心理だと思います。売上のうち何割かを本社に渡すよりも、たとえ看板が使えなくなったとしても自分の力だけでやっていけばその分だけやる気が出てきます。

しかし、ほとんどのフランチャイズ加盟店はこれをしません。なぜかと言うと、大抵はビジネスを行う上で最も重要となる「コア」が外されているからです。

例えば、某カレー屋のフランチャイズでは「カレーのルーを全て本社で作った後、全国にあるフランチャイズ加盟店に届ける」という方式を取っています。

これによって全ての店で同じ味のカレーを食べることができ、加盟店からすれば「カレーのルーを作る」という作業をなくすことができます。

しかし、カレー屋にとって「カレーのルー」は一番のコアとなります。つまり、このカレーのルーの作り方がブラックボックス化されているため、同じ味を作り出すことができないのです。

そもそも、コアが外されているので今回の場合は肝心のカレーのルーを作る方法さえ分かりません。そのため、これまではお客様を集めることができてリピーターを作り出すことが出来たとしても、カレー自体を作ることができないので商売自体が出来なくなってしまいます。

このような事を考えてしまうと、独立を考える余地がなくなってしまいます。つまり、本社に従うしか選択肢がなくなるのです。

もしフランチャイズから外れてしまえば、また一からのスタートになるので誰も行おうとはしないのです。

薬局チェーンでコアを外す

私は薬剤師出身なので、薬局の話を聞く機会も多いです。その中で、ある大手薬局チェーンではその会社に勤める社員に対して「新規薬局を出すための独立支援を行っている」という話を知りました。

何年も働いてくれた社員の薬剤師に対して、自分独自の薬局を出店する際に「お祝い金」や「薬剤師や事務員など人材の提供」を行うというものです。

一見すると素晴らしいように思えます。少なくとも、ビジネス経験のない人から見れば自分にとって得しかないシステムに見えてしまいます。

しかし、本社の狙いはそこではありません。

薬局運営でカギとなるのは「薬剤師」という人材になります。薬局は薬剤師の人数がいないと運営ができません。なぜなら、一人の薬剤師が一日に処理できる処方せん枚数は法律で決められているからです。

そのため、ある程度の売上を出そうと思えば、薬局運営を一人の薬剤師だけで行うのは無理があります。そこで、他の薬剤師を雇い入れる必要があります。

ここで勤めていた大手薬局チェーンの力を借りて薬局を開いたら、「薬剤師」という人材としてのコアがその大手薬局チェーンに握られていることになります。

貴重な人材を提供してその見返りを何も貰わないほど優しい会社はこの世に存在しないため、「薬剤師」という人材を貸す代わりに薬局の売り上げの何割かをバックするように必ず要求してきます。

大手薬局チェーンの機嫌を損ねて一緒に働く薬剤師が引き上げてしまえば、どれだけ成績が良くてもその薬局は一瞬で潰れてしまいます。薬剤師がいなければ薬局を運営できないので、薬局運営で最も重要となるコアが「薬剤師の数」となります。

つまり、この大手薬局チェーンは「社員の独立支援」という言葉を使ってはいますが、裏では「フランチャイズチェーンを集めることで継続課金システムを構築する」という思惑があるのです。こう考えると、ビジネスの基本はどれも同じであることが分かります。

ネットビジネスでコアを外す

このような「コアを外す」という考えはネットビジネスでも当然ながら通用します。ネットビジネスでもフランチャイズのように他人にノウハウを教え、その利益の何割かをバックしてもらうシステムを組んでいる人がいます。

ただしネットビジネスは誰でもできるからこそ、ある程度慣れてくれば「一人でやった方が良い」と考えて簡単に逃げることができます。

そこで、コアを外すことで逃げられなくします。この例としては、「パスワード管理だけは全て自分で行う」というものがあります。

他の人にサイト運営を任せる場合、サーバー代は全て自分が出してパスワード管理も自分が行います。たとえサイト更新は他人に任せていたとしても、サーバー代を出してパスワードは全て自分が握っているため、サイトを乗っ取られることはありません。

この場合であれば、コアを自分が握っていることになります。

これはあくまでも簡単な一例ですが、他人に自分のビジネスを預けるなどフランチャイズ形式を取るのであれば必ず「コアを外す」という思考が必要になります。

そうしなければ、他人は「ノウハウだけを手に入れて逃げる」などの行動に走ります。そこで、どうやっても逃げられない状態を作り出す必要があります。そのための思考がコアを外すことです。

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