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インバウンド(訪日外国人観光客)ビジネスは、外国人観光客が日本観光中に大量に買い物をする「爆買い」をきっかけに注目されるようになりました。そして、そうした爆買いを行う中心となっているのは中国人です。

訪日中国人観光客が、日用品や化粧品、家電製品などを大量に買い込んでいる映像がメディアで流れていたのを記憶している人は少なくないと思います。特に、2015年の春節(旧正月)時には訪日中国人観光客の数は約45万人となり、総消費額は1100億円を超えたと報告されています。

このように、インバウンドビジネスを行っていく上では、訪日中国人観光客の存在を無視することはできません。

そこで今回は、「インバウンドビジネスで訪日中国人観光客を狙うべき理由」について解説します。

訪日中国人観光客におけるインバウンド市場の現状

インバウンドビジネスを行う際には、まずターゲットとなる国の人たちに対する日本のインバウンド市場の現状を把握しておくことが大切です。そこで以下に、訪日中国人観光客における、インバウンド市場について記します。

訪日中国人観光客の消費額

訪日外国人観光客の、観光時の消費額は年々伸びています。具体的には、2011年には1兆円を下回っていた訪日外国人観光客の消費総額は、2015年には約3.5兆円まで増えています。そしてその中でも、最も消費額が多いのが中国人になります。

例えば、2014年に観光庁によって行われた「訪日外国人動向調査」によると、訪日外国人観光客一人当たりの平均旅行支出は15万1174円と報告されています。それに対して、訪日中国人観光客の平均旅行支出額は23万1753円と、他の国と比較してダントツで高いことが明らかになっています。

この平均旅行支出額には、交通費や宿泊費、飲食費、買い物費など、旅行にかかった全ての費用が含まれています。

そして、訪日中国人観光客の旅行支出の中でも最も多くのお金が使われているのは「買い物代」になります。具体的には、訪日中国人観光客は、約23万円の旅行支出のうち、10万円以上を買い物代に使っています。

中国以外の国では、日本観光時に買い物代で10万円以上を費やしている国はありません。これが、中国人が「爆買い」の中心となっている理由です。

このように、訪日中国人観光客は、訪日外国人の中でもダントツに日本における消費総額が大きくなっています。

日本が獲得している中国人観光客の割合

既に述べたように、訪日外国人の中でも最も旅行支出の消費総額が多いのは中国人です。しかし日本は、「他国と比較して対中国人に対するビジネスが発展していない」という現状があります。

例えば、訪日中国人観光客の割合は、中国人の海外旅行者全体の約4パーセントであることがわかっています。つまり、訪日外国人の中では最も中国人の消費額が多いのは事実ですが、中国からすると、まだまだ日本を訪れている中国人の数は少ないといえます。

また他国と比較して、日本では訪日中国人観光客にターゲットを絞ってビジネスを行っている企業は少ないです。これがフランスであれば、中には「中国語を話せる販売員しか雇わない」という店もあるほど、中国人観光客への対応を徹底しています。

このように、訪日外国人観光客の中で多額の消費をしているのは中国人ですが、日本はまだ訪日中国人観光客に対する意識が低いといえます。そして、中国人を対象としたインバウンドビジネスは、今後もさらに拡大していくことが予測されます。

訪日中国人の数が増えている3つの理由

訪日中国人観光客の数は、中国の人口数を考えると決して多いとはいえません。しかし、他国と比較しても、日本に観光で訪れる中国人の増加率はダントツで高いです。

具体的には、日本政府観光局(JNTO)によると、「2013年から2014年にかけての訪日中国人観光客数は前年比80パーセント増」と報告されています。これは、過去最高の伸び率であり、他国と比べてダントツに高い値です。

このように、中国人の日本観光客は年々増えています。そして、こうした訪日中国人観光客の増加には、いくつかの理由があります。

そこで以下に、訪日中国人の数が増えている3つの理由について記します。

経済的豊かさ

中国人の日本観光客が増えている理由の一つとしては、「中国が経済的に豊かになった」ということが挙げられます。つまり、経済的に海外旅行へ行ける人が多くなってきているのです。

もともと、中国人にとって日本は、近い国であったものの「物価が高い」というイメージが強い国でもありました。さらに国の政治的な問題も影響して、多くの中国人は海外の中でも、日本への旅行を避ける傾向にありました。

それが、中国自体の経済が豊かになったことと、円安・元高の影響によって、日本は身近な存在となりました。

ビザ発給要件の緩和

1997年まで中国では、香港とマカオ以外の国へ団体で海外旅行をすることが禁止されていました。そして、日本への海外旅行ができるようになったのも、2000年であり、中国人の日本旅行の歴史は浅いです。

さらに、海外に入国する際には「ビザ(査証)」が必要となりますが、中国人のビザ取得はとても厳しいものであり、中国人にとっては、海外旅行自体、非常にハードルが高かったのです。

ただ、以前と比較すると、中国人がビザを取得する要件は少しずつ緩和してきています。特に日本では、2012年7月から「沖縄と岩手、宮城、福島の4県を訪問する際には、1回の滞在期間が30日以内であれば、3年間は何度でも入国できる」という「数次ビザ」が発給されました。

また2015年1月以降は、中国人観光客に対する数次ビザ発行の要件がさらに緩和されました。

このように、中国人のビザ発給要件が緩和していることが、訪日中国人観光客が急激に増加している理由の一つになります。

高品質な日本製商品

既に述べたように、円安・元高が影響して、訪日中国人観光客の数は増加傾向にあります。さらに、円安・元高になることで、中国人は日本製品を安く感じるようになりました。

しかも、中国製の製品などと比較すると日本製の製品は質が高い商品が多いです。つまり、中国人にとって日本は「安く高品質の商品を買うことができる国」ということになります。

特に日本製の製品の中でも、化粧品や香水などの美容関連商品、ノートやボールペンといった文房具、ティッシュペーパー、歯ブラシなどの日用品は、世界の中でもトップクラスの品質です。

こうした、低価格で高品質の商品を求めて日本を訪れる中国人が増えています。

中国人の特性

訪日中国人観光客をターゲットにビジネスを行っていくためには、中国人の特性を理解しておくことが重要になります。そこで以下に、中国人の特徴について記します。

国民性

中国人は、他国の人とは違う特徴的な国民性を有している傾向にあります。

例えば、中国人には、何事にも臆することなく一人でどんどん行動する人が多いです。また、心の中では無理だと思っていることでも、態度に表して要求するような人も少なくありません。

さらに中国人には、メンツを重んじたり家族や親族を大切にしたりする傾向があります。

訪日中国人観光客を相手にインバウンドビジネスを展開していく際には、こうした国民性を理解しておくことが重要です。

旅行スタイル

中国人の旅行スタイルには、中国独自の特徴があります。

例えば、中国では2月の「春節(旧正月)」と10月の「国慶節」という年2回の長期休暇があります。海外旅行を行う中国人の多くは、こうした長期休暇を利用して旅行に行きます。

また、中国人の中でも海外旅行に行くのは30代の人たちがダントツに多いです。さらに、10代や30代、40代、50代の海外旅行者における男女比は同じくらいであるのに対して、20代では女性の割合が高くなっています。

そして、中国人が日本に旅行した際に訪れる県のトップ5は、東京、千葉、大阪、京都、愛知の順です。

こうした中国人独特の旅行スタイルについても把握しておく必要があります。

買い物の傾向

訪日中国人観光客が日本で買い物を行う際には、いくつかの傾向があることが明らかになっています。

例えば、訪日中国人観光客が最も買い物をした場所は「ドラッグストア」です。具体的には、訪日中国人観光客全体の80パーセント以上がドラッグストアで買い物をすることがわかっています。また、ドラッグストア以外では、「空港の免税店」や「百貨店・デパート」「コンビニエンスストア」などに人気があります。

さらに、訪日中国人観光客に最も人気が高い商品は「化粧品・香水」です。それらに続いて、菓子類、医薬品・健康グッズ、食料品・飲料・酒・タバコ、服の順に購入する人の割合が高くなっています。

中国人には、こうした商品を家族や親族のお土産として大量に買う傾向があります。

食事の傾向

中国人には、中国独特の食に対する考え方があります。

例えば、中国人には、冷たい食べ物は体を冷やすため「健康に良くない」という認識が強くあります。そのため、特に本来温かい食品が冷たい状態で出てくると非常に嫌がります。さらに、日本では冷えている状態が一般的であるビールや水も、中国人は常温であることを好みます。

また中国人は、出身地が違うと味の好みも全く異なります。そうしたことに考慮して、中国人を対象とした飲食店であれば、さまざまな調味料を食卓に並べておく必要があります。

中国人をターゲットにインバウンドビジネスを行う際には、こうした中国人における食事の傾向も理解しておくことが大切です。

情報源

中国人が海外旅行を行う際の情報源を知っておくことも重要です。

そして、中でも「旅行会社のウェブサイト」が最も海外旅行に関する情報を集める手段として使われています。また、こうした旅行会社のウェブサイトと並んで情報源となっているのが「親族や知人からの口コミ」です。

それらに続いて、「旅行ガイドブック」「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)」「旅行会社のパンフレット」が人気の情報源となっています。

インバウンドビジネスで成功するためには、こうした中国人の情報源となっているものを把握しておくことも大切です。

今回述べたように、訪日中国人観光客に対するインバウンドビジネスは、年々市場規模が拡大しており、今後も伸びてくることが予測されます。そのため、これからインバウンドビジネスを始める人も既に行っている人も、中国人観光客に対するさまざまなリサーチは外せないものだといえます。

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