広報・PRとしてメディアを活用するとき、新聞は良い媒体だといえます。新聞による影響力は大きく、一度掲載されれば大きな宣伝になります。

ただ、記者に取材されることで新聞に掲載されるためには、適切なステップを踏む必要があります。まずは広告と新聞掲載の違いを知り、新聞掲載を狙う上で重要な考え方を理解しなければいけません。そのために必要な知識について解説していきます。

広告出稿と新聞掲載の違いを理解し、メディアを有効活用する

企業が自社の露出を増やす方法には、「広告出稿」や「新聞掲載」などの手法が挙げられます。そして一見すると、これら2つの方法はとてもよく似ているテクニックのように思えます。

しかし実際のところ、広告出稿と新聞掲載にはいくつかの異なる点があります。さらにいうと、広告出稿よりも新聞掲載の方が、ビジネスの成果につながりやすくなります。

新聞掲載にはお金がかからない

企業や事業主が広告を出稿する場合、雑誌や新聞などを扱う企業の広告枠を購入してその掲載を行う形になります。つまり、広告を出稿するためにはお金が必要になります。

そして、広告出稿で確実な効果を得るためには、基本的にはたくさんのお金をつぎ込まなければいけません。

例えば、あなたが経営する会社を発展させるため、雑誌の見開きページに広告を掲載したいと考えていたとします。この場合、たった一度広告を出稿するだけで、数百万円単位ものお金がかかります。また、全国紙の一面トップに広告を一回出稿する際には、新聞社に対して2000万円以上のお金を支払う必要があります。

圧倒的な資産や規模を誇る大企業であれば、多額の広告費を投下して自社の露出を拡大させても問題ありません。しかし、資金力に乏しい中小企業や個人事業主が、大手企業と同じような感覚で広告を出稿した場合、資金不足を起こしてビジネスを進められなくなってしまう可能性が高くなります。

その一方で新聞掲載であれば、原則的にお金を払う必要がありません。つまり、新聞掲載を達成することができれば、お金を使うことなく自社の露出を拡大させることができるのです。

そのため、資金力が弱い中小企業や個人事業主であるほど、新聞掲載にフォーカスすることが重要になります。そうした上で、新聞社に適切なアピールを行うことができていれば、中小企業や個人事業主であっても新聞に取り上げてもらうことができます。

新聞掲載の方が強い信頼性を得られる

結局のところ、お金を支払うことさえできれば、広告出稿は可能です。そのため、雑誌や新聞などに広告を出稿し、そのことをサイトやブログなどの自社メディアで報じたとしても、読者からの信頼につながる可能性は低いです。

その一方で、新聞掲載は広告出稿に比べてとてもハードルが高いです。仮に、全国紙の新聞社に対して「お金を払うので、自社のことを紙面で扱ってください」と頼んだとしても、「それは広告出稿という形でお願いします」などと言われ、遠回しに断られてしまいます。

実際に新聞掲載を果たすためには、新聞社に「この企業のニュースは、ぜひとも多くの人に知らせるべきだ」と思われるような情報を提供する必要があります。

このように、新聞掲載の方が広告出稿よりも難易度が極めて高いため、その分だけ読者からの信頼を得られやすいです。つまり、新聞掲載を果たすことは、多くのお客様に「新聞に取り上げられるほどの信頼できる優良企業」であるということをアピールできるということになります。

新聞掲載の方が、読者の目に留まりやすい

実際のところ、世の中にいる多くの人は広告を嫌う傾向にあります。そのため、新聞に広告を出稿したとしても、それを見てもらうこと自体が難しいです。

その一方で、新聞掲載であれば、自社の情報が広告ではなくコンテンツという形で載ることになります。そのため、新聞掲載の方が広告出稿に比べて多くの人の目につきやすく、さらにしっかりと読んでくれる可能性が高いです。

このことから、無理をして広告費をつぎ込もうとするよりも、新聞掲載に注力した方が有意義であるといえます。そして、実際に新聞掲載を達成させることができれば、広告だけに頼っていたときよりも多くのお客様を集められるようになります。

新聞掲載における「地方紙から攻める」という考え方

このように、新聞掲載は広告出稿に比べてハードルが高いものの、広告出稿にないさまざまなメリットがあります。新聞掲載によって自社の露出を拡大させ、ビジネスを大きく飛躍させられるようにしましょう。

なお、世の中に出回っている新聞は、「全国紙」と「地方紙」の2つに大別することができます。そして、実績や知名度に乏しい中小企業や個人事業主が新聞掲載を考えるとき、全国紙よりも地方紙に載ることに意識を向けることが大切です。

このようにいうと、人によっては「全国紙の方が地方紙よりも強い影響力を持つのでは?」と思う方がいるかもしれません。しかし首都圏を除くと、ほとんどの地域で全国紙よりも地方紙の方が発行部数は多くなっています。

そして、知名度がない状態からいきなり全国紙での掲載を狙ったとしても、新聞社が取り合ってくれない可能性が高いです。その一方で、会社が活動拠点としている地域の地方紙であれば、知名度がない状態であっても新聞社からの取材を受けられるケースが多いです。

さらにいうと、地方紙の掲載を達成することで、自社の情報を全国発信できることにつながる可能性があります。そのため、地方紙掲載を狙うことは非常に有意義であるといえます。

全国紙よりも地方紙の方が掲載されやすい

結局のところ、地方紙の方が全国紙に比べて、無名の中小企業や個人事業主であっても掲載されやすいです。そして、その理由の1つとして「地方紙は、地方の話題を積極的に扱おうとする」ことが挙げられます。

地方紙を扱う新聞社は、地域密着を売りにして新聞発行を行っています。つまり地方紙は、取材拠点を置く地域の情報を積極的に扱う傾向にあります。さらに地方紙の場合、地方での話題を取り上げる「地方面」という紙面が広くなっています。

これらのことから、全国紙よりも地方紙の方が、知名度や実績に乏しい中小企業や個人事業主であっても掲載される確率がとても高いです。そして場合によっては、一度だけでなく何度も地方紙に載せてもらうことも可能になります。

地方の会社でなくても、地方紙に取り上げられる場合がある

すでに述べたように、地方紙では全国の話題よりも地方の話題を優先的に扱う傾向にあります。そのため、地方に存在する企業の場合、その地域で発行されている地方紙に扱ってもらえる可能性が高いです。

このようにいうと、人によっては「本社が首都圏にある企業の場合、地方紙に掲載されにくいのでは?」と思ってしまうかもしれません。しかし実際のところ、地方に工場などの拠点がある会社であれば、首都圏に在籍する企業であっても地方紙に取り上げてもらうことが可能です。

そのため、地方の会社だけでなく、首都圏に存在する企業であっても、地方に拠点を置いている場合には、地方紙を扱う新聞社にアプローチすることをおすすめします。

地方紙掲載によって、自社情報の全国発信が狙える

冒頭で少し触れたように、自社の情報が地方紙に掲載された場合、それによって自社の情報を全国に発信できるようになる可能性があります。そして、このことに深く関係するものとして「通信社」が挙げられます。

通信社とは、国内や海外のニュースを取材し、それを全国のテレビ局や新聞社に発信するメディアです。そして通信社は、全国各地に取材拠点を設置しています。

通信社は、全国各地のさまざまな主要ニュースに目を光らせているだけでなく、地方紙のトップに掲載された記事にも目を通します。そして、通信社が「この情報は、取材した方が良い」と判断すれば、地方紙の情報であっても取材してくれます。

そして、地方紙を読んだ通信社からの取材を受ければ、そのニュースが全国のマスコミに向けて発信されます。これにより、「地方紙 → 通信社」のルートで自社の情報を全国発信することができます。

これを実現することができれば、自社の知名度をさらに高めることができます。さらに、新しいお客様を大量に獲得するできることも期待できます。

業界紙に記事が載った会社でも、一般紙の掲載を狙うべき

無名の中小企業や個人事業主であるほど、全国紙よりも地方紙での掲載を狙うことが大切です。地方紙を扱う新聞社に対して、「自社の事業内容」を提供しつつ適切なアプローチをし、地方紙掲載を達成するといいです。

このとき、地方紙以外にもそれぞれの業界には、それに関連する情報などを掲載する「業界紙」があります。

企業によっては、参入している業界の業界紙に取り上げられ、その業界内で広く知られている会社が存在します。業界紙に掲載されることは、もちろんすごいことです。しかし、自社のビジネスをさらに加速させたいのであれば、業界紙だけでなく一般紙の掲載も狙うことが大切です。

そこで今回は、業界紙に取り上げられた企業が、一般紙の掲載にも注力すべき理由について解説していきます。

一般紙に載ることで、お客様に認知されやすくする

結局のところ、業界紙を読むのは、その業界に属している人であることがほとんどです。要するに、業界紙の読者は同業他社などのライバルばかりです。

その一方で、あなたのビジネスにおけるターゲットとなるお客様(一般顧客)の場合、一般紙を読む機会は多くても、業界紙を読むことはほとんどありません。

このことから、どれだけ業界紙に何度も取り上げられている企業であっても、一般顧客にあまり認知されていないケースはよくあります。そのため、お客様に注目されるようにするためには、業界紙よりも一般紙の掲載に注力する必要があります。

自ら働きかけなければ、一般紙デビューは果たせない

業界紙と一般紙では、新聞記者の事情や業務内容が異なります。業界紙の場合、その業界を担当する記者が、その業界に詳しい人や事務所などに自ら出向くなどして、積極的に情報収集を行います。そのため業界紙の場合、業界内での知名度が高いだけで、比較的簡単に新聞掲載を果たすことができます。

一般紙の場合にも、業界紙と同じように業界を担当する記者が割り当てられています。ただ、業界紙と異なる点として、一般紙の記者は、1人につきいくつもの業界を受け持っているということが挙げられます。

そのため、一般紙の記者は業界紙の記者のように、自ら積極的に情報収集を行う余裕がありません。このことから、一般紙の掲載を目指すのであれば、企業の方から「ぜひ当社の情報を記事にしてください」というように、積極的に働きかけなければいけません。

そして、一般紙を扱う新聞社に対してアプローチすることで、一般紙に掲載してもらうことができれば、他の同業者を引き離すことができます。

業界内の情報を一般向けに変換し、情報収集の窓口になる

一般紙が業界の情報を扱うとき、「業界内で起こった変化」や「業界内における時代の移り変わり」などを切り口にして記事にします。

例えば、「この商品を購入する顧客の年齢層が上がった」「このサービスを使う女性が減り、逆に男性の利用客が増えた」といったものです。

そして、業界内の変化を示すエピソードがあれば、それを一般紙向けの情報に変換して、担当の記者に提供するようにします。これを繰り返していくことで、あなたは一般紙の記者から「業界の情報を仕入れるための窓口」だと認識されるようになります。

すると一般紙の記者は、別の取材の合間にあなたの会社に顔を出し、自ら情報交換を求めてくるようになります。この状況になれば、あなたは一般紙の記者に対して、「ぜひ自社の情報を記事にしてください」と頑張って働きかけなくても、高い確率で一般紙に取り上げてもらえるようになります。

このように、一般顧客は一般紙を読むことがあっても、業界紙を読むことはほとんどありません。そのため、業界紙に何度も取り上げられている企業であっても、一般紙デビューを目指すことが大切です。

そして、業界内での情報を一般紙の記者に提供し続ければ、一般紙の記者に「業界の情報を仕入れるための窓口」だと思ってもらえるようになります。これによって、一般紙の掲載が容易になり、ビジネスをさらに加速させられるようになります。