何も考えずに政策を打ち出したとしても、結局は何も達成できずに終わってしまいます。これを避けるためには、優れた戦略や戦術を打ち出すための能力を身に付けなければいけません。

戦略とは、ビジネスで勝つための策略を指します。「どの分野に絞って勝負すればよいのか」「会社の方向性をどこに向けるか」などが該当します。組織が上手く回るための仕組みづくりなど、社長が行う仕事が戦略だと考えてください。

これに対して、戦術は戦略を達成するための具体的な手段です。これには、想像力を働かせなければいけません。

固有名詞を使い、想像力を使ったものが戦術である

戦術を考えるとき、必ず必要になるものとして固有名詞があります。なぜ固有名詞が重要かというと、戦術を考えるときは想像力を駆使してシミュレーションをしなければいけないからです。

例えば、これから重要な会議を行うとします。相手企業に出向き、3人の担当者(A部長、B営業、C研究員)に向けてプレゼンテーションをしなければいけません。このとき、以下のようなことを考えることが戦術です。

今度の会議には、A部長とB営業、そしてC研究員がくる。ただし、決裁権をもつA部長が今回のカギとなるかといえばそうではない。

今回の会社は、研究開発に力を入れていることで有名だ。そのためには、C研究員の興味を引き出さなければならない。C研究員の専門分野を考慮しておこう。

そういえば、確かC研究員は大学時代に半導体を専攻していたはずだから、わが社と共同研究をしているX大学の話と繋げれば話がスムーズにいくはずだ。

もう一つ忘れてはいけないのがB営業だな。彼はコスト意識が強いから、コスト削減について提案できるように準備しておこう。

B営業に納得してもらい、さらにX大学との話を交えてC研究員に興味をもってもらえば、今回の会議は良い方向に流れるはずだ。B営業とC研究員がわが社と組みたいと考えれば、A部長は前向きな話をするはずだ。

会議まで数日しかないため、急いで「コスト提案」と「X大学との共同研究」について資料をまとめておくようにしよう。

このようにして、戦術を練っていきます。「A部長、B営業、C研究員」という固有名詞を使わなければ、戦術を立てることはできません。

また、今回の例から分かる通り、相手企業の社風(研究開発に力を入れていること)やC研究員の専攻、B営業が重要視している部分などからも戦術を考えています。つまり、その背景や周辺にある情報まで把握していなければ、戦術は思い浮かびません。

優れた戦術は、相手を知ることから始まります。背景にある情報や相手の性格までを踏まえ、想像力を駆使しながら固有名詞を交えて戦略を考えるのです。

想像力を駆使して反省する

戦術というのは、これから始まる未来のことを予想するだけに有用なのではありません。既に起こった出来事に対して、想像力を働かせることも重要です。これが、反省に繋がります。例えば、次のようになります。

予想通り、C研究員の反応は上々だった。共同研究しているX大学の教授がC研究員の知り合いだったので、かなり技術的な話ができた。

ただ、B営業がコストだけでなく、品質面にまであそこまで踏み込んでくるとは思わなかった。確かに、どれだけコストを下げたとしても、品質まで悪くなってしまえば意味がない。

A部長の反応はどっちとも取れない様子だったが、最後に言った「やはり品質は重要だよな」という言葉が気になった。ひとまず、コストを下げても品質面では問題ないことを提示できるだけの資料を集め、後でB営業に電話してみよう。

B営業とA部長は頻繁に飲みに行っているらしいので、B営業に電話した数日後にA部長へ掛け合ってみよう。そのときには、既にB営業から話が通っているかもしれない。

このように、過去に起こった体験から想像力を使い、改善点を探ることができます。反省から新たな学びを得て、どのような対策を行うかを決めることも戦術の1つです。

過去の出来事に対して、「良い・悪い」というだけの判断をしてはいけません。たとえ結果が良かったとしても、そこには必ず何かしらの改善点があるはずです。そこから戦術を立てて実行すれば、さらに良い結果を得られるようになるはずです。

なお、反省でも同様に固有名詞や背景情報、相手の性格を踏まえて想像していることが分かります。このように策略を練っていくことが、優れた戦術の作り方です。

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