上司が部下を指導するとき、場合によっては部下がやる気を出してくれないケースがあります。そして、「部下にやる気を出させるためにはどうすれば良いのか」について、頭を抱え込む上司は多いです。

それでは、上司として部下を指導する際、どのようなことに注意すれば部下がやる気を出してくれるのでしょうか。

そこで今回は、「上司が部下にやる気を出させるためのポイント」について解説していきます。

部下のやる気には、2つの種類がある

上司として部下を指導する立場になった場合、部下にやる気を出してもらえるようにしなければいけません。そしてこのとき、部下がもつやる気として「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類が挙げられます。

これらのうち外発的動機付けとは、お金や名誉などの「報酬を目的として生まれるやる気」のことを指します。一方で内発的動機づけとは、お金や名誉などの報酬は一切関係なく、「物事を成し遂げたいという気持ちから生まれるやる気」のことを指します。

例えば、あなたが営業を担当する部下を指導していたと仮定します。このとき、部下に「先月より契約件数が多かったら、その分だけボーナスを支給するよ」と言ってやる気を出させる場合、それは外発的動機付けとなります。

その反対に、上司であるあなたが「部下が営業を楽しいと思えるような環境づくり」を提唱し、それによって部下が「営業をもっと頑張ってみよう」と考えるようになった場合、それは内発的動機付けに当てはまります。

部下を内発的動機付けで動かすことのメリット

部下が内発的動機付けによって自らの業務を遂行する場合、部下は「長時間労働」などの大きな負担を乗り越えやすくなります。さらに、どのような苦境に立たされたとしても、会社を退職せずに働いてくれるようになります。

そのため、経営者や上司として部下をまとめる場合、部下が内発的動機付けによって働いてくれるような環境を作ることが重要です。そうすることで、継続的に働いてくれる優秀な人材が増え、自社の規模や事業がさらに発展していくようになります。

逆に、部下を内発的動機付けによって動かせていない場合、部下は会社を離職しやすくなってしまいます。例えば、「今いる会社(自社)よりもたくさんの給料をくれる企業に転職しよう」「あの上司は嫌いだから、早めに別の職場に移ろう」といった理由で、部下に退職されてしまうのです。

さらに、部下のモチベーションが低下しやすくなり、時間当たりの生産効率などが低下しやすくなります。これにより、自社の事業がうまく回りにくくなり、次第に破たんへと近づいていくことになります。

部下を内発的動機付けによって動かす仕組みとは

内発的動機付けによって部下を動かしたい場合、そのための仕組みを職場に採り入れることが重要です。より具体的にいうと、以下のような流れで部下に対応するようにします。

1.部下に自身のレベルに合った仕事を担当させる

2.部下が仕事を完了できるようにサポートする

3.部下が仕事を完了したら、そのことを正当に評価する

4.その部下に下した高評価を他の管理職や従業員に知れ渡らせ、認めてもらえるよう配慮する。

5.その部下に対して、昇給や表彰、昇進などの報酬を与える

6.その部下に対して、さらに成長が望めるような業務を任せる

このような流れで部下を動かし、その仕事ぶりを評価して報酬を与えるようにすることで、部下が内発的動機付けによって働いてくれる可能性が高くなります。そして、このようなシステムを自社に採り入れることで、結果的に自社の事業をさらに発展させていけるようになります。

ただ、この仕組みを上手く動かせるようにするためには、上司自らが「部下への正しい対応の仕方」を理解し、それを実行する必要があります。

上司が部下に指示を出すときのポイント

部下にやる気を持って仕事をしてもらえるようにするためには、上司が部下に適切な指示を出すことが重要です。ここでいう「適切な指示」とは、「それを受けた部下が納得し、自ら工夫して業務を遂行してくれるようにするための指示」のことを指します。

こちらの項目では、「上司が部下に指示を出すときのポイント」について確認していきます。

業務のやり方を分かりやすく伝える

上司が部下に指示を出すときのポイントの1つとして、「任せる業務のやり方を分かりやすく伝えること」が挙げられます。このポイントが押さえられた指示を出せていない場合、部下は何をどのように行えば良いかが分からなくなります。

例えば、あなたがタイ焼き屋の店長をしていたと仮定します。そして、まだタイ焼きを焼いたことがない社員に、タイ焼きの作り方を指導することになったとします。このとき、あなたは部下に対して、以下のような指示を出しました。

まず、2つの型のうち片方に油を引いて生地を流し込め。このとき、タイの尾びれの方までしっかりと生地が流れ込むようにしろ。

次に、焼いている生地の中央部分にあんこを入れろ。このとき、タイの体からあんこがはみ出ないように注意しろ。

最後に、あんこが入っている生地の外側が焼けたところで、もう片方の型にも生地を流し込め。その直後に、あんこが入っている生地とあんこが入っていない生地をすばやく重ねろ。これでタイ焼きの完成だ。

一見すると、この指示には特に問題がないように思えます。しかし、このような指示を受けた部下は、困って身動きが取れなくなってしまいます。なぜならこのような指示では、以下の3つにおける正しいやり方を部下に伝えられていないからです。

「タイの尾びれの方までしっかりと生地を流し込むにはどうすれば良いのか」

「タイの体からあんこが飛び出ないようにするにはどうすれば良いのか」

「あんこが入っていない生地と、あんこが入っている生地を重ねるにはどうすれば良いのか」

そこで今度は、これら3つのやり方が伝わるような指示に変更します。この場合の指示の内容としては、以下のようなものになります。

まず、2つの型のうち片方に油を引いて生地を流し込め。このとき、タイの尾びれの方までしっかりと生地が流れ込むようにしろ。型を尾びれの方に傾ければ、生地を尾びれの方に流れ込ませることができるぞ。

次に、焼いている生地の中央部分にあんこを入れろ。このとき、タイの体からあんこがはみ出ないように注意しろ。生地の外側とあんこまでの距離が約2㎝になるようにあんこを入れれば、タイの体からあんこがはみ出ずに済むぞ。

最後に、あんこが入っている生地の外側が焼けたところで、もう片方の型にも生地を流し込め。その直後に、あんこが入っている生地とあんこが入っていない生地をすばやく重ねろ。2つの型の持ち手を内側にすばやく回せば、型から生地がはみ出ずに済むぞ。

これでタイ焼きの完成だ。

このような指示であれば、初めてタイ焼きを焼く社員であっても、先述した3つのやり方に対して迷うことなく作業を進めてくれるようになります。

このように、部下に指示を出すときには、「業務のやり方を分かりやすく示した指示」を伝えることが大切です。それによって、部下は上司の指示通りに動きやすくなり、与えられた業務を遂行してくれるようになります。

「その業務をする理由」まで伝える

上司が部下に指示を出すときのポイントの1つとして、「その業務を遂行する理由まで伝えること」が挙げられます。このポイントが押さえられた指示を出すことで、部下は業務のやり方を自ら工夫してくれるようになる可能性が高くなります。

例えば、先ほどのタイ焼きの例において、あなたは社員に以下のような説明をしたとします。

焼いている生地の中央部分にあんこを入れろ。このとき、タイの体からあんこがはみ出ないように注意しろ。生地の外側とあんこまでの距離が約2㎝になるようにあんこを入れれば、タイの体からあんこがはみ出ずに済むぞ。

そうすることで、タイ焼きをどの部分から食べてもあんこにたどり着くはずだ。

このような指示を受け、その内容を理解した社員は、自らの業務について、以下のように自ら工夫してくれる可能性が高いです。

タイ焼きをどの部分から食べてもあんこにたどり着くようにするってことは、尾びれの方まであんこを行き渡らせなきゃいけないな。

それなら、タイ焼きの生地に沿うようにあんこを入れるのはどうだろう。イメージとしては、タイ焼きの生地の中央に、あんこで作った小さなタイを入れるような感じだ。これなら、タイの頭から尾びれの先まで、どの部分からタイ焼きを食べてもあんこにたどり着けるはずだ。

このように、上司が部下に指示を出す際、「その業務を遂行するべき理由」まで伝えることで、部下は自ら工夫するようになります。そして部下は、自ら業務において工夫することで、その仕事に楽しさを見出す可能性が高いです。

これは、部下が業務を遂行するうえでの内的動機付けとなり、自社の事業の発展へとつながっていくようになります。

利益率95%を超すポータルサイトビジネス:無料メルマガ登録