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会社経営をするとき、最も重要なものは理念です。なぜ、そのビジネスを行うのかという企業理念(経営理念)がなければ、社員が付いてくることはありません。また、本当の意味で理念が浸透していないと、従業員がやる気を出して主体的に取り組むこともありません。

こうした会社の理念を社員へ落とし込むとき、いくつかのポイントがあります。

1つは、リーダーが企業理念を社員に対して「どれだけ伝えたか」です。そしてもう1つは、「リーダー自体がその仕事を本当の意味で好きになっているか」ということです。これらが組み合わさることで、ようやく理念が会社全体に行きわたるようになります。

理念を1万回伝える

いくら言っても、理念が伝わらないと嘆く経営者(リーダー)がいます。ただ、その人たちに対して「どれくらい理念を伝えたのか」と聞くと、200回など伝える回数がかなり少ないです。そうではありません。本当に浸透させたい理念があるのであれば、1万回以上は何度も刷り込ませる必要があります。

お客様満足度の高い有名な企業はたくさん存在します。ビジネス的に言えば、「ホリピタリティの高い企業」のことを指します。こうした高度なホスピタリティをもっている企業経営者というのは、「従業員に対して理念を1万回伝えると、ようやくその内容を理解して主体的に動くようになる」といいます。

お客様満足度の高い企業であるほど、何回も社員と理念を共有しています。この事実を認識したうえで、あなたはどれほど理念を従業員と共有しているでしょうか。1万回は伝えたでしょうか。これらを行うことで、ようやく理念浸透が完了します。

人が主体的に動くのは、社会的な理念があるからこそなのです。企業理念というのは、会社にとっての哲学であるといえます。自社の哲学をもっている企業こそが、お客様を大きく満足させることができるのです。

本心から理念を伝えたいと思えるかどうか

ただし、「理念を伝えないといけない」という義務感にかられてはいけません。本来、経営を行う上での理念というのは、リーダーが心の底から伝えたいと思っているために、自然に出てくる言葉でなければいけません。これはつまり、リーダー自体がその仕事を心底好きになっている必要があります。

例えば、あなたは清掃会社で働きたいと思うでしょうか。普通に考えれば、清掃は誰もが嫌がる仕事であり、求人募集に対してあまり多くは集まりません。ただ、清掃会社であるにも関わらず、その企業で働きたいために人であふれかえっている企業が存在します。

他にも、あなたは産業廃棄物の会社で働きたいでしょうか。通常では考えられませんが、産業廃棄物業者にも関わらず人気企業となっている会社が存在します。

これらの清掃会社や産業廃棄物業者は、他の会社と何が違うのでしょうか。それは、その企業なりの理念(哲学)があり、「清掃がどれだけ素晴らしいか」「なぜ産業廃棄物の仕事が世の中を変えるのか」というビジネスに対する意味付けをしっかりと行っているからなのです。また、その会社のリーダー(経営者)は仕事に対して誇りをもっています。だからこそ、それが社員に伝わるのです。

企業理念とは何か

それでは、何でもいいから理念を提示すればいいのかというと、そうではありません。世の中には、意味のない企業理念を掲げている会社が無数に存在します。

よくありがちなのは、「お客様満足度を高める」というものです。ビジネスにおいて、お客様を満足させるのは当然であり、これを行わないと会社の価値がありません。そのため、企業理念として不十分です。

また、「仕事上の義務」を理念としてもダメです。例えばタクシー会社であれば、「お客様を安全・安心に目的地へ届けること」を理念にしてはいけません。それは仕事を行う上で当たり前の義務であり、理念ではありません。

本来、理念はお客様に感動を与えたり、社員の幸せに対して最大限に貢献したりするものでなければいけません。ビジネスをする上で当然のように実行すべきことは企業理念に当たらないのです。先ほどのタクシー会社であれば、人を輸送することを理念にするのではなく、どのような感動を与えたいのかを明確にしなければいけません。

他にも病院であれば、単に病気を治療するのではなく、常に患者さんに対して寄り添うことを理念としている病院があれば、それは素晴らしいことです。患者さんにとって本当に必要なことは、医師から「一緒に頑張りましょう」という言葉であることはよく知られています。こうして、患者さんの満足度が上昇します。

経営者が会社のミッション(経営理念)を伝えるときに重要な視点

このように、企業理念を社員に落とし込むためには1万回以上伝え、リーダー自身がその仕事を心底好きになっている必要があります。ただ、意味のない理念を掲げても無駄であるため、経営者は企業の哲学を本気で考える必要があります。

それでは、どのようにして経営理念(=ミッション)を伝達すればいいのでしょうか。

ただ、多くの人はミッションの伝え方を間違えています。難解な言葉を使い、細かい文字をギッシリと詰め、横文字をできるだけ多用することによって、結局のところ何が言いたいのか意味不明なメッセージを出そうとするのです。これでは、社員にミッションが伝わるはずがありません。

ただ、こうした考え方を変えるだけで経営理念が浸透しやすくなる下地を作ることができます。そのために重要な視点として、できるだけシンプルな言葉で表すことを考えてください。

難解なビジネス用語を連発しない

特にMBAなどのビジネススクールに通っている人であるほど陥りがちな間違いとして、キャッシュフローがどうの、株主価値の増加をどうのと、一般人にとってなじみのない言葉を使おうとすることがあります。

そうした知識があること自体は素晴らしいです。ただ、社長は何のために演説をしたり期末ごとにメッセージを社員に向けて発信したりするのでしょうか。それは、会社のミッションを共有し、これから目指すべきポイントを全社員と共有するためなのです。決して、自分の知識を披露する場ではありません。

こうした本質を認識したとき、難解な言葉は一切不要であることが分かります。高校を卒業したばかりの新卒でも理解できるようなメッセージにしなければ、経営者による演説やメッセージは無意味なものにおわってしまいます。

リーダーが意識すべきは、専門用語や横文字の羅列ではなく「分かりやすさ」だといえます。中学生でも理解できるレベルに落とし込むことにより、すべての社員がミッションを理解できるようにするのが社長の仕事だといえます。

こうした当たり前のことを行えていない経営者は多いですが、ここに企業理念がいつまで経っても浸透しない根本的な原因が隠されています。

例えば、「ドミナント戦略による顧客認知度の向上を目座す」という方針を打ち立てても、従業員の9割以上は理解できていません。そこで、「同じ地域に何店舗も出店させることにより、お客様に自社ブランドを認知してもらう戦略を行います」と言い換えます。

言っている内容は同じですが、その価値と威力は後者の方が何十倍も大きいです。

こうした分かりやすさがなければ、社員が経営者のメッセージを受け取ることはありません。ミッションが伝わらないと嘆く前に、社長は自分に問題があることを認識すべきです。

キャッチフレーズを意識する

なお、ミッション(経営理念)や社長が考える方向性を効果的に伝える手法として、キャッチフレーズはかなり有効です。目指す方向性を一言に凝縮させることにより、これだけで会社がまとまるようになります。

例えば、「一回のセールスで一生の顧客を作る」という言葉があります。これは、商品を売って終わりではなく、購入後のフォローを徹底的に行うことでお客様を感動・ファン化させ、そこから紹介をもらってさらにビジネスを拡大させるという意味が含まれています。

多くの営業マンは商品を売るだけ売って終わります。ただ、トップ営業マンであるほど購入後のフォローを大切にして、紹介をもらおうとします。そこで、トップ営業と同じ行動をさせるように、一言のキャッチフレーズに落とし込んだのです。

キャッチフレーズというのは、「ミッションやビジョンをできるだけシンプルに言い表したもの」だといえます。そういう意味では、キャッチフレーズでも分かりやすさが重視されるようになります。

ここまで述べてきた通り、経営者が社員に対して会社のミッションを伝えるとき、難しい言葉を使ってはいけません。中学生でも理解できるような理念を語ることで、ようやく浸透していくようになります。

社員に思いが伝わらないと思ったとき、社長は自分の伝え方に問題がないか確認しましょう。そしてこのとき、キャッチフレーズを活用することにより、さらに効果的にミッションを伝達できるようになるはずです。これを何度も繰り返し伝えることで、ようやく理念が浸透していきます。

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