あなたが文章を書くときの目的は何でしょうか。日記のような、自己満足のためでしょうか。それよりも、多くの人にとっては「自分が考えていることを相手に理解してもらうため」に文章を書くはずです。

メモ書きを残すのは、あなたが考えていることを相手に伝えるためです。メールを書くのは、要件を理解してもらうためです。それが結果として、相手の行動を促すことに繋がります。文章を書く目的を認識すれば、どのような文面を考えれば良いか見えてきます。

あなたの望む結果を意識する

感情にまかせて書く文章ほど、悪影響を及ぼすものはありません。相手に自分の考えを伝えるどころか、さらに悪い結果を招いてしまう恐れがあります。

例えば、人事権をもっている会社の上司(部長)に向けてメールを書くとします。あなたは単身赴任をしており、親を介護するためにどうしても地元へ戻らなければいけませんでしたが、部長によって却下されてしまいました。これに対する不服の申し立てを行います。

怒りにまかせて書くと、次のようになります。

単身赴任を解除できないとはどういうことでしょうか。そもそも、私が単身赴任で地元から離れるとき、部長は「単身赴任は5年間だけだから」と言ったはずです。しかし、すでに7年が経とうとしています。

家庭の事情から、私はどうしても地元に帰らなければいけません。父親が病気で倒れてしまったため、現在はその父を母親だけで面倒見ることになります。

このような事情があり、約束した単身赴任の期間も過ぎているというのに「会社の都合だから」という理由だけで地元に帰れないのは納得できません。会社の事情も大切ですが、個人の家庭はもっと重要なはずです。

このように書かれた文章を読んだ部長はどのように思うでしょうか。部下から批判されて良い気分になる人はいません。少なくとも、仲が悪くなってしまうのを避けることはできません。

今回の文章には、「部長の決定は間違っている」というメッセージが込められています。ただ、この人の目的は部長を批判することではないはずです。それよりも、人事権をもっている部長に理解してもらい、親の介護をするために何とかして地元に戻ることの方が重要なはずです。

最優先すべき目的を隅に置き、本来とは異なる主張を行っているため、当然ながら結果も良い方にはいきません。

そこで、まずは冷静になる必要があります。相手の批判はどうでもよく、自分の置かれている状況や親の状態から「あなたが地元へ戻りたい理由」を分かってもらう文章へと変えるのです。

「読んだ人にどうなってもらいたいのか?」を考えなければいけません。先の例文では、相手を怒らせるだけです。そうではなく、「そこまでいうなら、単身赴任を解いて地元へ帰らせよう」と部長に思わせることにこそ、文章を書く意味があります。

文章で相手の行動を決定する

あなたが行うべきことは、「相手の行動を決定する」ことです。予測するのではなく、決定させることに意味があります。そのためには、どのような結果が欲しいのかを考える必要があります。

先ほどの例であれば、「部長に納得してもらい、親の介護のために地元に帰ること」です。この結果を得るために、文章の内容を構築していきます。

他にも、後輩を指導するためにマニュアルを残す場合、あなたならどのような内容を書くでしょうか。内容をできるだけ詳しくビッシリと表すと、部下はやる気を失います。やることが多いように思えてしまうため、なかなか行動できなくなります。

また、専門用語を多用すると、後輩は内容を理解できなくなります。その結果、仕事のミスに繋がりやすくなります。

これを避けるため、相手の行動を決定します。もっと分かりやすく言えば、「あなたの文章を読んだ相手がどのようにつぶやいてほしいか」を考えてください。

後輩へのマニュアルを作るにしても、「責任は重いが、面白そうな仕事だ」「後はこれを行うだけで一通り仕事をマスターできるのか」「分かりやすいだけでなく、仕事で重要な心構えまで学べた」などの声が聞こえてくるようにしなければいけません。

これを意識すれば、どのようなマニュアル作成を行えば良いか理解できるはずです。専門用語をできるだけ避け、図表を用いて分かりやすさを向上させ、さらにやる気を引き出させるマニュアル作りが必要です。

あなたが狙った通りに読者を行動させてこそ、文章を書く意味があります。そのためには、「何のために文章を書くのか?」を最初に意識してください。後は、その目的を達成するため、相手が読んだ後の「心のつぶやき」を予測してください。これが、読者の行動を決定させることに繋がります。

世の中には、むしろ事態を悪化させるような文章が多いです。これは、読者の行動が見えていないからです。あなたが望む結果を意識した文章を書けば、もっとスムーズに物事を解決できるようになるでしょう。

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