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会社のコスト削減(コストカット、経費削減)を行う上で、在庫を管理することは重要です。コンサルタント業など、在庫を抱えていないようなビジネスもありますが、小売業や卸売業などの流通業、製造業では、会社の利益を高める上で在庫管理が欠かせません。

そして、在庫を管理するためのノウハウを知るためには、「そもそも在庫とは何か?」ということや「在庫にはどのような種類があるのか?」といったような、在庫管理に関する基本的なことを学ぶ必要があります。

そこで今回は、「会社のコストカットにつながる在庫管理の基礎」について解説します。

在庫とは

在庫管理という言葉は、会社の経費削減やコストカットを行う際に、必ずといっていいほど出てくるものです。そして在庫とは、「今後、商品として売ったり、製品を作ったりするために備えているもの」のことを指します。

例えば、コンビニでは、商品棚にボールペンやノートなどの、さまざまな製品が並べてあります。また、店の裏側には、まだ商品棚に陳列していない商品がたくさんあります。これは、店頭で販売している製品が売り切れたり、数が少なくなったりしたときのためにストックしてあるものであり、在庫になります。

その他にも、車などの製造業者であれば、車の一部であるタイヤなどの商品として完成する過程にある「作りかけのもの」も、在庫になります。

つまり、コンビニなどの流通業では「売れる状態にあるもの」を在庫というのに対して、製造業では「製品を作るために必要なもの」「製造過程にあるもの」を在庫と呼びます。

また不動産業などでは、販売するために所有している土地も在庫となります。それに対して、一般の会社が持っている土地の中で売ったり貸したりすることを目的としていないような土地は在庫といいません。

このように、一言で在庫といっても、業種によってそれぞれ考え方は異なります。

製造業における3種類の在庫

在庫は、業種によって捉え方が異なります。小売業などの在庫は、仕入れて販売する状態にあるものを指します。つまり、小売業での在庫は、一般の人が在庫としてイメージしている「売れ残りの商品」といえます。

それに対して、製造業における在庫は、もう少し複雑になります。完成した商品だけではなく、「仕掛品」と呼ばれる生産途中にあるものも、在庫といいます。

そこで、製造業で在庫と呼ばれる「部品・原料」「仕掛品」「製品」の3つについて以下に記します。

1.部品・原材料

部品や原材料は、製品を作るために必要なものを指します。一般的には、加工せずに使用できるものを部品と呼び、加工しなければ利用できないものを原材料といいます。

例えば、ケーキを作る際に、卵は混ぜたり熱を加えたりしなければいけません。また、生クリームなども、加工してケーキ製作に使います。それに対してケーキを入れる箱は、そのまま利用できます。つまり、ケーキ屋さんにとって卵は原材料であり、箱は部品となります。

その他にも、洋服を製造する場合であれば、生地は原材料であり、縫い合わせる糸や付けるボタンなどは部品になります。

そして、原材料には「1つのものから複数の製品が生み出されることが多い」という特徴があります。具体的な例としては、ケーキの原料である卵は、使い方によってさまざまな種類のケーキを作る原料になります。

その一方で、部品には「複数の部品から商品ができる」という特徴があります。洋服であれば、糸やボタン、チャックなど、いくつかの部品を組み合わせることで、1つの製品ができます。

このように製造業では、商品を作るための原材料や部品も在庫として考えられます。

2.仕掛品

仕掛品とは、製造過程にあるもののことを指します。

例えば、車の製造であれば、原材料や部品を使ってタイヤやエンジンを作ります。ただ、この時点では「車」という商品はできていません。こうした製品を製造するまでの途中段階にあるものを仕掛品といいます。

つまり、完成品が出来るまでの中間的な状態のことを指します。

基本的に仕掛品は、工場の中にだけあることになります。そのため、管理しにくいものではありますが、在庫管理を行う上では見逃してはいけないものだといえます。

3.製品

製品とは、完成品のことであり、お客さんや卸売業者、小売業者に販売したりする状態にあるものを指します。例えば、洋服のメーカーであれば完成した洋服が商品になります。

このように、製造業では、売れ残っている製品だけではなく、原材料や部品、仕掛品なども在庫として管理することが重要になります。

在庫の保管場所

在庫というと、店舗に並べられているものや、倉庫の中に出荷される前の商品などを思い浮かべる人が多いと思います。ただ既に述べたように、製造業においては、販売される前の完成品だけでなく、原材料や部品、仕掛品なども在庫として扱われます。

そのため、在庫が保管されている場所も、店舗や倉庫だけでなく工場など、さまざまなところが考えられます。

そこで以下に、在庫が保管されている場所について記します。

店舗

一般的にイメージされやすい在庫の保管場所であり、店頭に並べられている売れ残った商品は在庫として扱われます。

店舗にある在庫は目に見えて管理しやすいものであるため、多くの会社が在庫管理の対象としています。

倉庫

商品として完成されている前の原材料や部品、仕掛品、販売店に出荷前の完成品なども在庫になります。そして、これらは店舗ではなく倉庫に保管されています。

自社の工場内に全ての原材料や部品などを保管しているところもあれば、別に在庫を管理するための倉庫を用意したり、倉庫会社から借りたりしている会社もあります。場所はどこであっても、倉庫に残っているものは在庫になります。

工場内

工場内には、前工程の仕掛品などが置いてあります。また、工場内の棚などには、原材料や部品などが積んであります。こうした工場内にあるものも、在庫として扱われます。

生産ライン

生産ラインには、加工や製造途中の仕掛品があります。

輸送

在庫として見落とされがちなのが、出荷・輸送している途中のものです。工場から店舗に運んでいるときや、倉庫から販売所に輸送している間にある商品も、在庫として扱う必要があります。

このように、在庫管理を行う際には、さまざまな場所を確認する必要があります。

在庫が必要な3つの理由

在庫というと、一般的に良くないイメージを持っている人が多いはずです。確かに、在庫が多いということは、無駄なものがたくさんある可能性が高いといえます。

しかし、在庫は全くない方が良いかというと、そうではありません。在庫があるからこそ会社にとってプラスとなっていることもいくつかあります。特に、顧客満足度や、各部門間での調整、コスト削減のためには、在庫が欠かせません。

そこで以下に、在庫が必要な3つの理由について記します。

顧客満足度アップにつながる

在庫を持つことは、商品生産スピードを上げることにつながります。つまり、お客さんに製品をいち早く届けることができるということです。

例えば、全く在庫を持っていない店であれば、お客さんから依頼されて商品を作り始めます。そうなると、実際に製品がお客さんの手に渡るまでに時間がかかります。その一方で、商品の在庫を持っているところであれば、お客さんが希望する商品が在庫として残っていれば、その場で製品を渡すことができます。

また小売業などでは、在庫を多く残しておくことで、お客さんの期待感を高めることにもつながります。

もしあなたが2つの店に入った場合に、店頭に多くの商品が並んでいる店(在庫がたくさんある店)と、ほとんど製品が無いような店(在庫が少ない店)では、どちらの方が、目的とする商品が見つかるような気がするでしょうか。ほとんどの人は、品揃えが豊富な店の方に期待をするはずです。

つまり、在庫を多く残しておくことで、お客さんに「こんなにたくさんの商品があるのだから、きっと欲しいものが見つかる」という心理を生むことになります。また、数多くの商品から選ぶ楽しさを与えることにもつながります。

このように在庫には、「顧客満足度を高める」という役割があります。

緩衝材となる

在庫は、会社の中にある各部門の緩衝役としての働きも持っています。

例えば、製造部門と販売部門を持つ会社は、製造部のスタッフが作った商品を販売部の人が売ります。そのため、もし製造部の機械が故障して、商品の生産が遅れると、販売部門に大きな影響を与えることになります。

そうした際に、完成品である在庫があれば、生産が遅れている期間も問題なく商品を販売することができます。

また商品によっては、売れる時期とそうでないときに大きな幅があるものがあります。こした状況に対しても、在庫を上手く活用することで、スムーズに対応することができます。

例えば、クリスマスなどにはケーキの需要が高くなります。そのため、必然的に製造しなければいけない数は多くなります。このときに、もし小麦粉や砂糖などの在庫がなければ、需要に合わせた分のケーキを作ることができなくなります。

その一方で、繁盛期を見越して、あらかじめ小麦粉や砂糖などの原材料を在庫として保管しておけば、そうした問題を防ぐことができます。

さらに、前倒しで生産できるものは作って在庫として保管しておけば、一定時期にスタッフに過剰な負担がかかることを避けることができます。つまり、少しずつ作り貯めをしておくことで、生産を平準化します。

このように在庫は、さまざまな事態が生じた際の緩衝材としての役割も持っています。

コスト削減につながる

在庫というと、あるだけでコストにつながるようなイメージを持っている人が多いです。しかし実際には、在庫の持ち方次第では、コスト削減につなげることができます。

例えば、「まとめ発注(ロット発注)」は、在庫を使ったコスト削減方法の1つです。部品や原材料を購入する際に、一回に買う量を多くするほど、交渉次第で部品や原料単価は低くなります。

当然ながら、一気に原材料や部品を買うため在庫は多くなります。ただ結果的に見ると、商品生産にかかったコストは安くなります。

さらに、「まとめ生産(ロット生産)」を行うことも、コスト削減することになります。同じ商品であれば、まとめて作ることで準備を短縮することができるため、作業効率を高めることができます。

こうしたまとめ発注やまとめ生産は、一時的に在庫が多くなるものの、結果的にコスト削減につながる在庫の活用方法になります。

また、店舗内に大きな倉庫がある場合には、工場から一回に配送する商品の数を多くすることで、物流コストを安くすることができます。トラックによる発送回数を少なくすることができれば、トラックのガソリン代や運転手の人件費など、さまざまな面でコストカットすることにつながります。

このように在庫は、上手く活用することで、コスト削減につなげることができます。

今回述べたように、一言で在庫といっても、業種によって在庫として扱われるものや保管場所は異なります。そして、一般的にはコストとして捉えられがちな在庫ですが、使い方によってはコスト削減につなげることもできます。

在庫管理について考える際には、まずはこうした在庫に関する基本的な知識や、在庫の意味を知っておくことが重要です。そうすることで、在庫管理をスムーズに行うことができるようになります。

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