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個人事業主やフリーランスとしてビジネスを行う場合、必ず大切に管理すべきものとして「領収書」があげられます。その理由は、ビジネスに関係する商品やサービスの領収書であれば、経費として売上から差し引くことができるためです。

さらにいうと、領収書が手元にない場合であっても、そのときの代金を経費として落とすことができます。

また、個人事業主では確定申告のときに申告の種類を選ぶことができます。このとき、青色申告をして適切に節税しなければいけません。

そこで今回は、領収書を管理することの重要性や青色申告の活用法について、それぞれ解説していきます。

領収書を取っておくことで節税につながる

個人事業主として事業を動かす場合、必ず支払わなければならない税金が発生します。具体的にいうと、ビジネスで利益(所得)を得たとき、その金額に応じて国に税金を支払う必要があります。

さらに日本では、所得が多ければ多いほど、その分だけ税率が増える制度(累進課税制度)があります。そのため、稼いだ金額が大きくなるほど、たくさんの税金を国に取られることになります。

しかし、節税を意識せずに利益を計上していたのでは、本来払う必要がなかった税金まで取られてしまうことになります。これでは、自社の貴重な資金のほとんどを、ビジネスに必要な投資に回せなくなってしまいます。

こうした事態を避けるためにも、個人事業者であるあなたが節税を意識し、必要以上に国にお金を納めないようにしなければなりません。

先ほど述べたように、個人事業者がビジネスで儲けた場合、そのとき得た利益の金額に応じて税金を取られることになります。そしてこの利益(所得)は、売上から経費を差し引くことで導き出されます。このことを計算式で表すと、以下のようになります。

・売上 - 経費 = 利益(所得)

また、得た利益の金額が少なくなれば、それに合わせて国に納めなければならない税金が減ることになります。そのため、所得に課せられる税金を少なくしたい場合には、「売上を減らす」か「経費を増やすか」の2つの選択肢があることが分かります。

領収書をとっておき、経費処理をする重要性

ただし、売上を少なくしてしまったのでは、節税はできても自社を発展させることができません。

そのため、節税を行う際には、経費を増やして見た目の利益を少なくすることが大原則になります。そして経費であれば、自分の事業に関係がある商品やサービスを利用したときの領収書を保管しておくことによって増やすことができます。

また個人事業主の場合、最低でも15%の税金が課せられます。その内訳は、「所得税5% + 住民税10%」となっています。そのため、領収書によって経費を落とすことで、その額面にある金額の15%の税金を払わずに済むことになります。このことを違う視点で見ると、「領収書は、最低でも額面15%の金券になる」と考えることができます。

これらのことから、個人事業主にとって領収書を取っておくことがいかに重要であるかが分かります。領収書を経費で落とさなければ、たくさんのお金を税金として国に持って行かれてしまいます。その一方で、領収書をしっかりと管理し、それを経費として計上することで、多くのお金を手元に残せるようになります。

領収書以外のものでも経費で落とすことができる

ここまで、領収書を取っておくことの大切さを述べてきました。しかし実際のところ、たとえ領収書以外のものであっても、問題なく経費で落とすことができます。その理由は、取引があったことを証明できるものであれば、どのような書類でも構わないからです。

領収書以外のもので経費に計上できる主な書類として、「レシート」が挙げられます。特にレシートの場合、取引に関する情報がかなり詳しく載っています。そのため、税務署の職員にしてみれば「領収書よりもレシートの方が優秀な書類である」と考える傾向にあります。

また場合によっては、レシートのように取引があった書類自体が手元に残らないケースがあります。例えば、電車やバスに乗ったときの交通費や、結婚式の祝儀などです。

この場合、「取引があったこと」を示す書類を自分で作成すれば問題ありません。そしてこのような書類であっても、経費として売上から差し引くことができます。そのため、領収書やレシートがない場合であっても、このような伝票処理により経費で落とすようにしましょう。

このように、個人事業主にとって、領収書は最低でも額面15%の金券に相当します。そのため、領収書の管理を徹底し、それらを忘れずに経費として計上することが大切です。

また領収書に限らず、「取引の証拠となる書類」があれば、それを経費として落とすことができます。そのため、領収書だけでなくレシートなどの管理もしっかりと行うようにしましょう。

青色申告に存在する恩恵:純損失の繰越控除、青色専従者給与

また、フリーランスの個人事業主であれば、毎年のように確定申告を行う必要があります。そして、確定申告を怠った場合、本来納めるべき税金に加え、ペナルティーとしてさらに多くのお金を国に取られることになります。

確定申告を行う場合、白色申告か青色申告のどちらかを選んで取り組むことになります。これらのうち、白色申告では何の恩恵も受けられないうえに、やるべき経理作業は青色申告とほとんど同じです。

そのため、今まで白色申告で確定申告をしていた方であれば、なるべく早めに税務署に出向き、青色申告を選択するための手続きをしてください。そして、この手続きは簡単な書類を提出するだけで済みますし、もしわからない部分があれば、税務職員に尋ねれば丁寧に教えてくれます。

これによって青色申告に切り替えれば、白色申告にはないさまざまな恩恵を受けることができます。

青色申告における特別控除:10万円控除と65万円控除

青色申告には、「10万円控除」と「65万円控除」の2種類が存在します。そして、10万円控除を選んだ場合、その年の利益から10万円を差し引くことができます。例えば、税率10%のときであれば、納めるべき税金を1万円減らすことができます。

その一方で、65万円を選んだ場合であれば、その年の利益から65万円を差し引くことができます。このとき、税率10%であったとすると、納税額を6万5,000円減らすことができます。

ただし、65万円控除を目指すためには、ある程度の会計の知識が求められます。一方、10万円控除であれば、会計スキルが全くない方であっても、問題なく確定申告や記帳作業を進めることができます。

青色申告を選択し、青色専従者給与を用いる

青色申告を選ぶことで得られるメリットの1つとして、「青色専従者給与」が挙げられます。青色専従者給与とは、「同一の世帯に住んでいる配偶者などに給与を支払い、それを経費で落とせる」という制度です。

要するに、奥さん(または旦那さん)や子どもがあなたの事業を手伝ったとき、その人に対して給料を与えることができ、なおかつその分のお金を全額経費に計上することができるのです。

そのため、家族の力を借りてこの制度を活用すれば、家に残すお金をさらに多くすることができます。

しかし、この制度を使いたい場合には、そのための書類に名前や続柄などの必要事項を記入し、税務署に提出しなければいけません。もちろん、この届け出をするときにも、税務職員に尋ねればしっかりと教えてもらえます。

また、青色専従者給与を適用させるための届け出には、配偶者や子どもに支払う給料の額を記載する欄があります。この欄に給与額を書き込む場合、「実際に支払う金額」ではなく、「支払う金額の上限」を記入するようにします。

そして、この欄に記入した金額よりも少ない給料を支払ったとしても、特に問題は起こりません。例えば、給与額を記入する欄に30万円と書いていたと仮定します。この場合、実際に支払った給与額が10万円であったとしても、それを税務職員に指摘されることはありません。

青色専従者給与を活用するときのポイント

また、青色専従者給与を使ううえで最も重要な点として、「所得税の金額を引き下げること」が挙げられます。

日本では、所得の金額が大きければ大きいほど税率が高くなる「累進課税制度」があります。この制度における課税所得と税率は、それぞれ以下のようになっています。

課税所得 所得税率 控除額
以下
195万円 5% 0円
195万円 330万円 10% 97,500円
330万円 695万円 20% 427,500円
695万円 900万円 23% 636,000円
900万円 1,800万円 33% 1,536,000円
1,800万円 4,000万円 40% 2,796,000円
4,000万円 45% 4,796,000円

累進課税制度では、利益が一定の金額を超える度に、異なる税率が適用されます。例えば、1年間で300万円の利益を得た個人事業主がいたと仮定します。

この場合、個人事業主の利益300万円のうち、195万円に対して5%の税率が適用されます(195万円 × 0.05 = 9万7,500円)。そして、195万円を超えた残りの利益である105万円に対して10%の税率が適用されます(105万円 × 0.1 = 10万5,000円)。

これらにより、この個人事業主にかかる税金の額は、「9万7500円 + 10万5,000円 = 20万2,500円」となります。

その一方で、この個人事業主が自身の配偶者に105万円の給料を支払っていたとします。この場合、個人事業主の利益195万円とその配偶者の給料105万円に対して、それぞれ個別に税が課せられることになります。

今回のケースであれば、個人事業主の利益195万円に対して5%の税率が適用されます(195万円 × 0.05 = 9万7,500円)。一方、配偶者の給料105万円に対して、5%の税率が適用されます(105万円 × 0.05 = 5万2,500円)。

これらにより、この個人事業主と配偶者が納めなければいけない税金の合計金額は、「9万7,500円 + 5万2,500円 = 15万円」となります。このケースであれば、個人事業主1人に税金がかかったときに比べて、納税額を5万2,500円少なくできたことになります。

このように、青色専従者給与を有効活用することで、税金の額をさらに引き下げることができます。そして、利益が多くなればなるほど、その分のお金を配偶者の給料に上手く配分することで、たくさんのお金を手元に残せるようになります。

青色申告を選ぶと、赤字の持ち越しができる

青色申告を選択することで得られるその他のメリットとして、「純損失の繰越控除」という制度が挙げられます。この制度は、「ビジネスで赤字が発生したとき、それを翌年以降に持ち越すことができる」という制度です。

例えば、300万円の利益を出した個人事業主がいたと仮定します。この場合、本来であれば300万円に対して税金が課せられるため、所得税は20万2,500円になります。

一方、この個人事業主が前年に100万円の赤字を出していたとします。この場合、この個人事業主の利益300万円から、前年度の赤字額である100万円を引くことができます。そのため、「300万円 ― 100万円 = 200万円」に対して税金がかかることになり、所得税は10万2,500円になります。

フリーランスなどの個人事業主の場合、ビジネスを立ち上げたばかりの頃は赤字になることが多いです。そのようなとき、純損失の繰越控除によって赤字を持ち越せることは、事業を進めるうえで非常に大きな助けになります。

もちろん、できることならこのような制度に頼ることなく、ビジネスを加速させていけるようになることが重要です。なぜなら、黒字を出せるようにならなければ、事業を行うどころか生活がままならなくなってしまうからです。

このような事態を避けるため、赤字の繰り越し制度に頼りきりになるのは避け、できるだけ早いうちにビジネスを軌道に乗せられるようにしましょう。

このように、青色申告を選択することで、白色申告にはないさまざまな恩恵を受けることができます。青色申告がもつ制度を有効活用し、たくさんのお金を手元に残すようにしましょう。そして、それによって確保したお金をビジネスに必要な投資によって運用し、自社の事業をさらに加速させていってください。

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