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中小企業経営者が自社の経理担当者を決めるとき、ふさわしくない従業員を任命してしまうことがあります。この場合、自社の経理状況が悪化し、倒産に向かってしまう可能性が高くなります。

それでは、中小企業経営者が自社の社員を経理担当者に任命する場合、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。また、経理担当者としてふさわしくない従業員とは、どのような社員を指すのでしょうか。

そこで今回は、「中小企業経営者が経理担当者を決めるときの注意点」について解説していきます。

銀行出身者を安易に経理担当者にしてはいけない

中小企業経営者によっては、「銀行に勤めていた経験がある社員なら、所属していた銀行に顔が利くのでは?」と考え、銀行出身者に経理を担当させることがあります。そして、自社と取引先の銀行との交渉をさせようとします。

しかし実際のところ、銀行に勤めていた経験があるからといって、銀行との交渉に強いというわけではありません。それどころか、銀行出身者を経理担当者に任命することで、会社に何らかの悪影響を及ぼすことがあります。

自社よりも出身銀行の立場を尊重しやすい

銀行出身の社員が経理を担当することになったとき、その従業員は、「過去に自分を雇ってくれていた銀行に恩返しをしなくてはならない」「自分が勤めていた銀行にいい顔をしたい」などと考える傾向にあります。

そのため、特定の銀行に勤めていた社員を経理担当者にした場合、その従業員は自社よりも過去に勤めていた銀行の立場を尊重しやすくなる恐れがあります。

これにより、銀行出身の経理担当者は「借入時の金利が高くても、過去に所属していた銀行から積極的にお金を借りようとする」「銀行から資金を借りるときに、金利の交渉を一切行わない」といった行動をとることが多くなります。これでは、自社が銀行の言いなりのような状態になり、取引先の銀行にたくさんのお金をしぼり取られてしまいます。

このようなことを避けるためには、安易な気持ちで銀行出身の従業員を経理担当者に任命しないことが大切です。

銀行に対して低姿勢になる社員を経理担当者にしない

会社従業員によっては、経理担当者になったときに銀行に対する姿勢が低くなることがあります。例えば、「過去に勤めていた企業で、銀行からの資金調達を積極的に行っていた社員」や「銀行との取引を重要視する企業に所属していた従業員」などの場合、銀行に対して低姿勢になりやすいです。

このような社員を「経理経験がある」などの理由で担当者に任命した場合も、銀行出身の従業員と同様に、会社に悪影響をもたらす恐れがあります。

銀行の株式を無意味に保有したがる

銀行に対して低姿勢な経理担当者であるほど、取引先である銀行の株式を数多く保有しようとする傾向にあります。このような行動は、経理担当者が「銀行の株式を保有していれば、自社がどれだけ危うい状態になっても融資をしてくれるはずだ」と考えてしまうことで起こります。

ただ実際には、銀行が「自行株式を保有している会社に対しては、その会社がどれほど危険な状態であっても融資を継続しよう」と考える可能性はゼロに等しいです。結局のところ、銀行は「融資分以上のお金が戻る可能性が高い会社」にのみ融資したいのです。

そのため、取引先銀行の株式をどれだけ自社で保有していたとしても、自社の経営が危険な状態になれば、取引先の銀行は融資してくれない可能性が高いです。逆にいうと、取引先の銀行の株式を一切保有していなかったとしても、銀行が自社を高く評価している場合であれば、その銀行から簡単に融資を受けることができます。

このことから、銀行に対して低姿勢な経理担当者によって、自社が銀行の株式を無駄に保有していた場合、それらを早いうちに売却してしまうことが大切です。そうすれば、株式の売却資金を銀行への借金返済やビジネスに必要な投資などに回すことができます。

銀行に提供する必要がない資料まで銀行に渡す

銀行に対して低姿勢な経理担当者によっては、銀行に提供する必要がない資料まで銀行に渡してしまうことがあります。このとき、銀行に提出した資料の内容によっては、銀行に対する交渉力が弱くなったり、良い条件で融資を受けられなくなったりする恐れがあります。

そうなれば、自社のビジネスがスムーズに回りにくくなり、経営破たんに近づくことになってしまいます。

このようなことにならないためには、経理担当者が「銀行に渡さなくてよい資料」を取引先の銀行に提供していないかを必ずチェックする必要があります。さらに、取引先の銀行から「どのような資料の提出が求められているのか」についても欠かさずに確認するようにしましょう。

そうすることで、自社と銀行の取引の実態をつかむことができ、銀行との取引で大きく損をするような事態を避けやすくすることができます。

自分の身内に経理を任せるときは慎重になるべき

中小企業の中には、経営者が経理を親や兄弟、配偶者などの身内に任せていることがあります。このとき、経理担当者となった身内に経理の知識が十分にあり、銀行としっかり交渉できているのであれば特に問題ありません。

しかし、経理の知識がない身内を自社の経理担当者にすると、経営者自身が知らないところで、経理に関する何らかのトラブルが起こる可能性があります。

銀行から言われるままになりやすい

経理知識がない身内を経理担当者にした場合、その身内が自社と取引をする銀行と交渉することになります。そして、経理知識がない身内であるほど、銀行から言われるままになってしまう傾向にあります。

例えば、銀行員から「融資を受けてくれませんか」「この外国債券がおすすめですよ」などと提案されたときにそのまま応じてしまいやすいです。

仮にこのようなことがあった場合、自社のお金が銀行によってどんどん吸い上げられてしまいます。これでは、自社の資金繰りが悪くなり、将来破たんしてしまう可能性が高くなります。

このようなことにならないためにも、安易な気持ちで経理経験がない身内に経理を任せるのは避けるようにしましょう。

身内だからと信頼しすぎてはいけない

経営者が身内を経理担当者に任命したとき、「身内だから信頼できるはずだ」と考える傾向にあります。この場合、経営者は経理担当者が「どのような経理をしているのか」を深くチェックしないままに見過ごしてしまうことが多いです。

しかし、チェックをおろそかにするほど、横領や着服などの不正が起こりやすくなります。その理由は、経理担当者に対するチェックが甘くなることで、その経理担当者に魔が差しやすくなるからです。

実際のところ、親や兄弟、配偶者などの身内であったとしても、「その人がどのようなことを考えているのか」は本人にしかわかりません。そして「お金が欲しい」という欲求は、人間誰しもがもっているものです。

そのため、自身の身内を経理担当者にする場合、安易に「身内だから信じても大丈夫だ」などと考えないようにしましょう。そして、経理担当者がどのような行動をとっているかをチェックし、不正が起こらないように気を付けましょう。

このように、自社の従業員を経理担当者にする場合、「銀行出身の社員」や「銀行に対する姿勢が低い従業員」を選ばないようにすることが大切です。また、経営者の身内を経理担当者にするときは、経理の知識がある人を選んだうえで、他の従業員と同じように業務内容をチェックすることが重要になります。

そして、銀行に対して対等に交渉することができ、経理に関する知識が優れた社員を担当者に据えることで、自社の経理をより盤石なものにすることができます。

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