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経営者や個人事業主など、確定申告を行う人によくある思い込みとして「領収書がなければ経費として計上できない」というものがあります。実際のところ、これは大きな勘違いであり、領収書をもらっていなかったとしても経費として計上することができます。

もちろん、経費として計上するにしても、「取引があったことを証明する書類」は所有しておかなければなりません。これができていない場合、その経費支出を税務職員に追及され、否認されてしまう可能性が高いです。

経費計上は、領収書ではなくレシートでも問題ない

冒頭で述べた通り、自社のビジネスのために商品やサービスを購入したとき、「取引があったことを証明する書類」がなければいけません。ただ、この書類の形式には決まりがないため、レシートでも問題なく経費として認められます。

実際に商品やサービスを購入したときを想像すればわかりますが、領収書が発行されないケースがほとんどです。例えば、文房具屋でペンやコピー用紙を購入したときであれば、レシートが発行されるだけです。

このとき、レジの店員に「領収書をお願いします」と頼めば、領収書を用意してもらえます。しかし、何か商品やサービスを買うたびに領収書を頼むのは非常にわずらわしく、現実的ではありません。

そして実際に、商品やサービスを購入したことを証明する書類は、必ずしも領収書でなくても良いことになっています。

また領収書の場合、「購入者の氏名」「購入代金」「購入したものの品目」などの情報しか書かれていません。例えば、ビジネス書籍を購入したときに領収書の発行を頼んだ場合、その品目に「書籍代として」と書かれます。そのため、書籍と言っても具体的にどのような内容のものを買ったのかが不明確になります。

一方、レシートであれば「購入した商品の正式名称」や「購入日時」など、その取引を示す情報が詳しく書かれています。

そのため、税務職員の立場からすれば、領収書よりもレシートの方が、取引の記録を証明する書類としては優秀です。そして、実際に税務職員に尋ねてみると、「領収書でなくて、レシートでも問題ありませんよ」という回答が返ってきます。

レシートを領収書代わりにする場合の注意点

しかし、先ほど述べたように、レシートには取引に関する記録が詳しく載っています。そのため、自社のビジネスとは無関係なものを購入してそれを経費に計上したときに否認されやすいです。

例えば、漫画の単行本などのビジネスに関係ない書籍を購入し、そのときのレシートを経費に計上したと仮定します。この場合、自社に税務調査が入ったとき、税務職員に「ビジネスに関係がない」と言われて否認される可能性が高いです。

一方、レシートではなく領収書で経費に計上した場合、「書籍代として」としか書かれないので、どのような書籍を買ったのかがわかりません。そのため、レシートよりも領収書の方が、取引の記録をごまかしやすいといえます。

また、何でもかんでも領収書を発行してもらうのは現実的ではありません。そして、領収書があってレシートがない取引ばかりであった場合、その分だけ税務職員に怪しまれる可能性が高くなります。

このようなことを避けるためにも、レシートは大切に保管しておくようにしましょう。そして、ビジネスとは明らかに無関係のものを買ったときの領収書は、経費に計上しないことが大切です。

領収書やレシートがない場合に、経費に計上する方法

既に述べた通り、商品やサービスの購入費を経費に計上する場合、領収書ではなくレシートであっても認められます。ただ実際の取引の中には、領収書やレシートが発行されない状況もあります。

例えば、新幹線や電車などの交通機関を利用した場合、その時の切符は回収されて手元に残りません。また、結婚式に出たときに渡すご祝儀や、お葬式に出たときに渡す香典の場合、取引の記録を示す書類自体が存在しません。

このような場合、そのときに支払った金額を経費に計上することはできないのでしょうか。もちろんそのようなことはなく、自分で何も書かれていない紙を用意して、そこに取引の記録を記入して保管しておけば問題ありません。

このときに紙に記載する情報としては、「取引があった日時」「支払った金額」「支払先の名前(企業名や個人名)」「支払った内容」などになります。

例えば、取引先の結婚式に参列し、そのときにご祝儀として5万円を包んで受付に渡したと仮定します。

この場合、何も書かれていない紙に「結婚式に出た日時」「支払った金額:5万円」「結婚式を行った人の個人名」「支払った内容:結婚式参加のご祝儀として」といった情報を書き込み、大切に保管しておけば大丈夫です。

さらにいうと、領収書やレシートをなくしてしまった場合であっても、この方法で伝票処理を行えば問題ありません。

多くのケースで領収書がないと怪しまれる

ただ、自分で用意した書類で経費に計上した取引があまりにも多いと、高確率で税務職員に怪しまれてしまいます。そのため、この方法はあくまでも「領収書やレシートを紛失したときの最終手段である」と考えるようにしてください。

このように、商品やサービスの費用を経費に計上する場合、必ずしも領収書を用意する必要はありません。領収書の代わりにレシートで経費に落としても大丈夫ですし、取引の記録を示す紙を自ら用意した場合であっても問題ありません。

これらの書類を、確定申告の際に適切に活用すれば、今までよりも経費に計上できるものが増え、多くのお金を手元に残せるようになるはずです。

税務調査員による税務調査の知識とその注意点

前述の通り経営者や個人事業主などであれば、確定申告によって自社(自身)にかかる税金の額を申告しなければいけません。そして、その申告内容が正しいものかどうかをチェックするものが、税務調査員によって行われる「税務調査」です。

実際のところ、経営者や個人事業主の多くは、税務調査に対して恐怖心を抱く傾向にあります。しかし、税務調査について正しく理解しておけば、税務調査はそこまで怖いものではありません。

税務調査とはどのようなものか

経営者や個人事業主などであれば、確定申告によって自社(自身)にかかる税金の額を申告しなければいけません。そして、その申告内容が正しいものかどうかをチェックするものが、税務職員によって行われる「税務調査」です。

税務調査の対象となった場合、まず税務職員から電話がきます。そして税務職員から、「自分が税務調査の対象になったこと」を告げられるとともに、税務調査を行う日にちを双方の話し合いで決めます。

ただ、小売店や飲食店などのように、一般顧客と直接現金で取引する業種であれば、ある日急に税務職員が訪問することがあります。これは、これらの業種は銀行口座を介さずに取引が済むため、不正をごまかしやすいからです。

そうはいっても、実際には法に触れるような節税やごまかしなどをしていない限り、税務調査による強制捜査は行われません。

また、税務調査を受けることになったときは、できるだけ日にちを引き延ばすようにしましょう。その理由は、自身を担当する税理士に相談するなどして、あらかじめしっかりと準備をしておくためです。

その他、税務調査のチェック項目

なお税務調査では、申告書のほかにも帳簿や領収書、レシートなどもチェックされます。そのため、いつ税務調査を受けることになってもいいように、日頃から領収書やレシートを大切に保管し、絶対に無くさないように気を付けてください。

また基本的には、税務調査では調査当日から3年までさかのぼって調べられることになります。そして、このときに会計の操作などの悪いことをしていた場合、そこからさらに5年や7年までさかのぼって調査されてしまいます。

しかし実際のところ、税務調査は警察の取り調べのように、いきなり犯罪者扱いされるわけではありません。そして、税務調査員は丁寧に対応してくれるうえに、余計なところを探るつもりもありません。そのため、あらかじめ意図的に不正を行っているわけでもない限り、過度に税務調査を恐れる必要はありません。

税務調査を受ける場合に注意すべきこととは

もし、実際に税務調査を受けることになった場合、まずはそのことを顧問税理士に相談しましょう。そして必ず、税務調査の当日に同席してもらうようにしてください。なぜなら、これをやっておかないと、あなたに税務の知識がない限り、税務調査員に対しての適切な対応ができなくなってしまうからです。

税務調査は法律に則って行われるものであり、税務に関するさまざまな知識が求められます。そしてこのとき、あなたの味方になってくれる税理士がいない場合、税務調査員から一方的に好き放題言われることになってしまいます。

このようなことを避けるためにも、税務調査を受けることになったときは、必ず顧問税理士に相談しましょう。そして、調査当日までに突かれそうなポイントを探し、それを聞かれたときに適切な返答ができるようにしておきましょう。

ちなみに、顧問税理士を雇っていない場合、税務調査の当日だけ税理士の助けを借りることもできます。ただ、これには万単位の費用がかかるため、税理士が必要になるかどうかを見極めたうえで依頼するようにしましょう。

また、事業用口座の預金通帳のほか、ビジネスに関係するものを買ったときの領収書やレシートなどは、自社の事業で取引があったことを示す重要な証拠になります。そのため、顧問税理士に相談しながらこれらの書類を準備し、調査当日にしっかりと提示できるようにしておきましょう。

取引の証拠となるものを提示し、なおかつそれが「ビジネスに必要な出費であった」としっかり説明することができれば、税務調査員はそれ以上追及できなくなります。そのため、ビジネスなどでの取引の証拠となるものは、どのようなものであっても大切に管理しておいてください。

税務調査の対象になりやすい企業や事業者の特徴

税務調査を受けやすい会社や個人事業主にほぼ共通する特徴として、「金額にあやしい部分がある」ことが挙げられます。

分かりやすい例でいうと、「売上金額が大きい一方で、経費の金額がとても多い」といったケースです。この場合、税務調査員に「納税額を引き下げるために、ビジネスとは全く関係ないものまで経費に計上したのでは?」と疑われる可能性があります。

また、経費の多さだけでなく、特定の勘定科目(何にお金を使ったのかを示す項目)の金額だけが極端に大きい場合にも、税務調査の対象になりやすいです。

例えば、接待交際費が他の勘定科目に比べて明らかに多すぎる場合、税務調査員から「取引先の接待だけでなく、私的目的で飲みに行ったときの費用も経費で落としているのでは?」と思われる危険性が高いです。

不正を避け、正しい確定申告を行う

また税務調査員は、税務調査を受ける企業や事業者の取引データを持ち出しできることが、法的に認められています。そして、取引内容に怪しい箇所が見つかると、そのときの取引相手に電話で確認します。

そのため基本的には、「税務署はこちらの売上をすべてお見通しである」と思ってください。そのうえで、不正に手を染めることを避け、正しい申告を心がけるようにしましょう。

このように、税務調査はある日突然訪れるものですが、よほどあやしまれることをしていない限り、基本的に強制捜査は行われません。ただし、小売店や飲食店などのように、お客様と直接現金のやり取りをする業種の場合、不正をごまかしやすいため税務調査員が突然訪問することがあります。

また、税務調査を受けるときには、顧問税理士に相談するなどして、事前にしっかりと準備しておくようにしましょう。そうすることで、税務調査員から一方的に好き放題言われるのを避けることができ、税金の追加徴税などのペナルティーを回避しやすくなります。

多くの経営者や事業者が恐れる税務調査ですが、後ろめたいことをしていなければそれほど怖いものではありません。普段から正しい申告を心がけ、たとえ税務調査を受けても堂々とした態度で対応できるようにしましょう。

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